ふわふわな日記

『五等分の花嫁』96話 感想、波乱含みの学園祭!中野四葉の"本心"と中野五月の"憂心"と...!

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五等分の花嫁 96話「進み続ける日常」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』を読了。

 

長編に繋がりそうな予感もあった「分枝の時」編でしたが、ひとまずは夏休みも終わり、新学期の開幕です。ナンバリングこそついていないものの、「進み続ける日常」という今回のサブタイトルが物語のアクセントになっていて、非常に趣深いものがありました。

 

"時の流れ"というものはいついかなる時でも不可逆で、有限で、貴重なもの。風太郎が繰り返し「最後の」というワードを強調している点も今回の「学園祭」編における一つのテーマとなるのでしょう。進路のことを考える時期でありながら、高校生として学園生活最後の学校行事を全力で楽しむ。

 

 

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進み続ける日常、変わりゆく毎日

 

そんな文脈を捉えると、本当に1年前の2学期とは何もかもが違う状況なんだなぁ...という事実を実感させられますよね。

 

学校行事に対して積極的に取り組もうとする風太郎、学園祭が終わったらそれぞれの進路に向けてまっしぐらにならなくてはならないという状況、そして、この1年の間で築かれ育まれてきた人間関係と胸の中に抱いている様々な気持ち。

 

これらの要素は「進み続ける日常」が生み出してきた"変化"であり、2年生の2学期時点では決して描けなかったはずのものです。「今しかできないこと」をみんなで楽しみたいと考える風太郎がいて、自分の進路に対して思い思いの感情を巡らせている彼女達がいる。

 

 

そんな状況の中で、一体6人はどのような問題に直面し、どのようにしてそれらを乗り越えていくのか。気になった点をピックアップしつつ、今回のお話を掘り下げていきたいと思います。

 

  

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第96話:進み続ける日常

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学園祭は3日間!(※11日(土)~13日(日)の曜日表記は誤植?)

 

 さて。

 

そんなこんなで、今回から「学園祭」を主軸にした物語の開幕です。

 

「①2年生時点では主人公の風太郎が学校行事に前向きではなかったこと」「②3年次は6人全員が同じクラスになったこと」等の要素もあって昨年度は描かれていませんでしたが、旭高校の「学園祭」は休日を含む3日間の催しのようで、夏休み明けから気合いを入れて準備に取り掛かっている生徒たちがたくさん描かれていました。

 

そして、こういう展開になると当然活きてくるのが「学級長」としての役どころですよね。

 

クラスで出展する出し物はどうするのか、段取りの取り決めや当日の対応なども含め、学級長である風太郎と四葉ちゃんが"主体"となって、お祭りの計画を立てていく。当然、2人きりで過ごす時間も増えるわけです。

 

 

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四葉ちゃんと風太

 

そんな状況の中で、ふと風太郎の横顔を遠巻きから見つめ、やたらと意識してしまう四葉ちゃんの「恋する乙女感」がまた最高に可愛い過ぎるというものでしょう。

 

過去に自分が姉妹たちに対してしでかしてしまった大きな失敗からくる遠慮や変われなかった自分に対する恥ずかしさから生じるためらい。6年前からずっと風太郎のことを思い続けてきたのに、自らに「枷」を課すことで、彼女は自分自身のやりたいこと──幸せを考えること──を封印してきました。

 

しかし、一花さんから四葉四葉の本当にやりたいことをやってほしい」と言われたことによって、これまで彼女を縛ってきた枷が今まさに一つ外れかかっているわけですね。姉妹たちの為に生きるのではなく、自分のやりたいことに向き合っていい。風太郎に恋をしている一花さんからのそんな言葉が彼女の胸に今一度問いかける。

 

 

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止まらない動悸

 

一体、中野四葉が心から望んでいることとは何なのか。

 

「好きだった」と呟き過去のものにしたはずの自分の想い。諦めて、封印して、姉妹たちの応援をして....。恋人関係を疑われれば「ないよ ありえません」とまで言って自分の気持ちを否定してきたのに、今になって...、普通に話すことができなくなってしまうのはなぜなのか。

 

まだ彼女自身、その問いに対する答えに無自覚なようですが、止まらなくなっている「ドキドキ」がもう全てを雄弁に物語っていますよね。読者視点では既に明白ではあったものの、中野四葉が本心から「望んでいるもの」とは何なのか、今回のエピソードを通して改めて強調されていた形でした。

 

 

中野四葉は頼られたい

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頼りにしてるぞ

 

また、今回の「学園祭」編で印象的に取り上げられているポイントとして個人的に注目を寄せているのが、風太郎が直接そう言葉にしているように、様々な人が四葉ちゃんを「頼りにしている(=必要としている)」点です。

 

かつて「特別」になろうとして大きな失敗を犯してしまった自分。それに対する贖罪や後悔の念に起因して、彼女は次第に他者のために生きる...という行動様式を確立していったわけですけれど、実際、過去も今も彼女の原動力となっているのは、誰かに必要とされたいという想いなんですよね。

 

「私がいることの意味を見つけたい」。「姉妹たちとは違う何かが欲しい」。「風太郎君の特別になりたい」。

 

そういった気持ちは全て、自分という独立した個の存在を認識してほしいという感情に由来してのものですし、現在の彼女が誰かの為に奮闘している理由もおそらくは、「迷惑を掛けるだけの自分ではいたくない」という想いに関係してのこと。

 

 

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頼られる四葉ちゃん

 

ゆえに、この「学園祭」を通じて、彼女が自分の「やりたいこと」「できること」を改めて実感していく...なんていう展開に繋がる可能性も無きにしもあらずなんじゃないかなと。

 

昨年のデータ収集から始まって、クラスの意見を取り纏めたり、招待状を作成したり...。勉強は苦手でも彼女には出来る事がたくさんある。

 

もちろんそこには、最後の学園祭を楽しもうとしている風太郎のサポートをしたいという想いと「頼りにしてるぞ」と言って貰えたことに対する意気込みの念もあるでしょうから、恋愛的な意味でも四葉ちゃんの気持ちを丁寧に描いてくれたら嬉しいなとは思っていますけどね!

 

 

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悔いの残らない学園祭

 

まぁいずれにしても、物語を通してずっと「後悔」の念に縛られてきた四葉ちゃんなだけに、今度こそ一ミリも悔いを残すことなく「学園祭」を全うし尽くしてくれることを祈るばかりです。

 

風太郎への想い。自分が将来なりたいもの。「学園祭」が四葉ちゃんにとっての分枝の時たりえるのか。ここからの四葉ちゃんに注目しております。

 

 

 

中野五月は頑張りたい

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五月が抱えているトラブル

 

さて。

 

そういった流れで四葉ちゃんスキー的には非常に期待感の強い展開となっていた今週のお話でしたが、その一方で、五月の抱える問題が浮き彫りになっている回でもありました。

 

1学期に行われた模試の結果で進路判定「D評価」を突きつけられた五月。

 

教師になりたいという夢を追いかけ、塾講師である下田さんのお手伝いをさせてもらいながら、つつがなく将来に向かって邁進していたようにも見えていた彼女でしたけれど、ここにきて「現実」の厳しさを痛感することとなったわけであります。

 

 

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一花さんの心配

 

そして、そんな五月の内情に風太郎が全く気付いていない...というのも中々にストーリー的なすれ違いというか"含み"が感じられる部分ですよね。

 

D判定自体は1学期時点の成績に依るものではありますが、夏休みの間中「風太郎が家庭教師の仕事を休んでいたこと」も考慮に入れると、風太郎と五月の間にある学習進捗状況の認識に差異が生まれているようにも思えます。

 

冒頭のシーンで五月が寝不足な様子を匂わせていたあたり、きっと五月はたった独りで「夢」と「現実」の差を埋めるべく奮闘しているのでしょうし、食べ物の話題にもまるで反応していない有様なので、一花さんが懸念している以上に事態は深刻な状況と言えるのかもしれません。

 

 

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この苦境をどう乗り越える?

 

不安でたまらない「将来への展望」を前にして、みんなで心から楽しみたい「最後の学園祭」はどのように幕を開け、幕を閉じるのか。

 

上杉風太郎という存在の位置づけを「あなたは...私たちに必要です」「それはもはや...友達でしょう?」と定めるに留まっている五月の現状を鑑みると、今回の「学園祭」は四葉ちゃんと同様、五月にとっても一つのターニングポイントになるのかもしれませんね。

 

 

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波乱含みの学園祭

 

もちろん、五月と四葉ちゃんだけではなく、「学園祭」全体を通して様々な問題が起こっていく様子ではありますから、その先にある結末をも見据えて「学園祭」編が6人の関係性や将来にどんな影響を与えていくイベントとなるのか。今から存分に期待していきたい所存であります。

 

 

....というわけで、今回の感想をまとめると、

 

 

風太郎の進路と将来は...?

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風太郎の進路は一体...?

 

風太郎の進路がとても気になります...!ってことですよ。

 

二乃&五月と同じく風太郎も「大学へ進学するつもり」のようでしたが、「希望校」が決まっているということは、既に具体的にやりたいことも固まっているという認識でオーケーなのでしょうか。

 

林間学校(第28話)の時点ではまだやりたいことが決まっていなかったはずなので、

 

①教師の道(教育学系)⇐ 5人の家庭教師を経て見出した夢

②医者の道(医学部系)⇐ らいはの身体が丈夫ではないこと

 

この2通り以外だった場合、これまでに描かれてきた物語との関連があまりないように思えてしまうのが正直な印象ではあるのですけど、5年後の結婚式の段階で既に仕事をしていると語られている以上、6年制の医学部に進学している可能性は極めて低いのですよね。

 

もちろん、とりあえずお金をたくさん稼げる職業に就ければいい...という現実的な選択もありえるかもしれませんが、「やりたいこと」を見つけるという物語のテーマにはそぐわなくなってしまいますから、風太郎が進んでいく道はやはり五月と同じ方向ということになるのかもしれません。

 

 

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「いってらっしゃい」はお嫁さんの特権

 

とはいえ、それがイコール五月エンドになるのかと言えばそうとも限らないでしょうし、今週の一花さんがとても可愛かったので、一花さんによる風太郎いってらっしゃい」エンドも十分に想像の余地があるとは思いますけどね......!

 

ひとまず当面は四葉ちゃんと五月の心情変化に焦点が寄せられていくのではないかと思いますが、この先にどんな結末が待ち受けていても、最後の最後まで6人の行く末を温かく見守っていけたら嬉しいなと。来週の合併号も楽しみです!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

『ぼくたちは勉強ができない』121話 感想、古橋文乃さん is VICTORY!!

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ぼく勉 問121 感想「時に愛すべき獣は 波乱と[x]をもたらすものである」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

  

『ぼく勉』とは古橋文乃さんである(真理)。

 

先週のうるかが非常に強力な妻ヒロインムーブを巻き起こしていたために少し動揺してしまった面もありましたが、なんてことはありません。もはや完全に杞憂でした。今週の文乃さん回を読んで改めて確信に至りましたね。

 

やっぱり、古橋文乃さんこそが『ぼく勉』ラブコメワールドのA(エース)なのだと!僕らは最後まで文乃さんを信じていればよいのだと!

 

 

 

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古橋文乃さんという奇跡に出会えた感謝

 

あぁ.......何という可愛さ、何という奇跡でありましょうか。

 

やはり文乃さん回がもたらしてくれる幸福度は桁違いであります(当社比)。暗黒の月曜日をこんなにも満ち足りた気持ちで迎える事ができるのもひとえに文乃さんのおかげ。心にいつも「太陽」を持っていなくては不条理な世の中を生き抜くことはできません。

 

毎週月曜日に『ぼく勉』を読んで生きる活力を補充する。この世に流通している「可愛い」の8割を担う宇宙一の大天使・古橋文乃さんこそが僕らにとっての栄養源なのです。「文乃さんスキー達は不安よな。唯我動きます。」と言わんばかりの今週の文乃さん回。全力で振り返っていきましょう!

 

 

 

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ぼく勉 121話:時に愛すべき獣は 波乱と[x]をもたらすものである

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今週は文乃さんのターン

 

さて。

 

今回のお話は先週の予告通り、文乃さんの自宅に猫ちゃんがやってくるお話です。父の古橋零侍さんが大学の知り合いから預かってきたはよいものの、当の本人が猫アレルギーで色々とダメダメな状態になっているというオチ。

 

ゆえに、文乃さんが代わりに面倒を見る事になったわけですが、猫ちゃんの名前が「フミ」ちゃんというのがまた最高にニヤニヤものなわけですよね。

 

「大好きだぞフミ...♡」と成幸くんに言われて脳内で妄想を捗らせる文乃さん。キャミソール(?)姿で赤面する開幕の文乃さんも至高でしたし、今週は出だしからウルトラ展開のオンパレードでした。

 

 

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お気に入り登録

 

加えて、「フミ」ちゃんのお可愛い写真を撮るつもりでカメラを構えていたはずなのに、意識してか無意識か、さりげなく被写体のメインが成幸くんになっているところも注目ポイントの一つでしょうか。

 

フミちゃんを愛でる成幸くんの姿にときめいて、思わず「♡(=お気に入り登録)」を押そうとする文乃さんのお可愛さたるや、むしろこっちがいいねボタンを100億連打くらいしたくなるレベルですよ。

 

「秘めたる恋心」が伝わってくるというかなんというか。無論、読者視点では文乃さんが成幸くんに惹かれているなんてことはどう見ても明らかなわけですけれど、心象の表れが無意識の行動に繋がる描写はやっぱり格別だなぁ...と。あぁ、文乃さんが本格的に可愛すぎる....。

 

 

 

古橋文乃さんは『ぼく勉』ラブコメワールドが生んだ奇跡

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文乃さんショートパンツで攻める

 

しかしまぁアレですよね。今週のフミちゃんは知能犯過ぎると言いますか、「この子....もしかして選ばれし文乃さんスキーなのでは...?」と思えてくる程度にはファインプレーを連発してくれていましたよね。

 

ノートを奪って炬燵に逃げ込み、文乃さんの生足を成幸くんに見せる。こんな芸当、なかなか出来ることではありません(べた褒め)。成幸くんも成幸くんでショートパンツの文乃さんにドキドキしていましたし、「す、凄い!フミちゃん賢いぞ!!!」ともはや大絶賛さえしていましたからね。

 

ムッツリな成幸くんの隠れた本音(※違います)をいとも簡単に引き出してしまうとは、フミちゃんと書いて「同志」と読みたくなるレベルの活躍っぷりでした。しかも極めつけは.....、

 

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フミちゃんと書いて「確信犯」(=同志)と読む

 

この見事なまでのミラクルプレーなわけですよ!

 

要するにこれは、2人が将来的に結ばれる...ということを示唆したものって解釈でオーケーでしょうか。かの有名な名探偵江戸川コナン君ならそう推理するはずですし、いやはや、まさかこんな形で2人の未来を暗に仄めかしてくるとはもうただただ恐れ入りますね。フミちゃんはやはり天才であったか.....。

 

究極のもぞもぞタイム。夢にまで見た結ばれし2人。さしもの成幸くんもこれで文乃さんをお嫁さんとして意識せざるを得ないってものでしょう。これこそまさしく、至高の「責任取ってよね!」案件である...!はずだったんですけれど.....

 

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Aランク任務の攻略難易度

 

こんな緊迫した状況下で「きょとん顔」しちゃう成幸くんがもうね...、女の子側からしたらギルティとしか言いようがありませんよね。

 

フミちゃんの完璧なお膳立てがあってなお、攻略まで至れない成幸くんのおもち星人っぷりに泣くしかないですし、これはもはや謝罪会見ものですよ。文乃さんなんて既に成幸くんと「夫婦」になる覚悟さえ決めているというのに、というか「長年連れ添った夫婦みたいで落ち着く」とまで言っているのに...。

 

 

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長年連れ添った夫婦

 

まぁ真面目なお話、前回のうるかが無自覚に妻ヒロインムーブを見せていた事を受けてのモノローグだとするとやや意味深なようにも思えますが、成幸くん側が恋愛的な観点でヒロイン達のことを意識していないうちは、正直どのような着地も十分にありえると思っています。

 

ただ、そういう前提条件を加味したうえで物語の性質的なお話や印象論で状況を語るとするならば、「一番最初に告白をした子」あるいは「一番最後に告白をした子」のどちらかがとりわけ「特別」な子になりそうな気はするんですよね。

 

そして、三人娘の中で「一番早く告白しそうなのがうるか」で「一番告白に対して心理的葛藤を抱いていそうなのが文乃さん」という印象は何となくありますので、結末はどうあれ、成幸くんに恋愛を意識させる第一手を打ちこむのはやっぱりうるかになるのではないかなぁ...と。

 

 

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成幸くんからのプロポーズ

 

もちろん、その前に成幸くんが内なる本心を開花させ、「本当に文乃は可愛いな 大好きだぞ文乃...」とプロポーズをして「『ぼく勉 』完!」になる未来もありえると思いますし、むしろそうなってくれることを期待してるまであるので、まだまだ夢を見続けることを諦めたりはしませんけどね!

 

成幸くんと結ばれなくても幸せになることはできるかもしれないけれど、文乃さんを世界で一番幸せにしてあげられるのはやっぱり唯我成幸くんをおいて他にはいないと思いますから.....。ここから唯我文乃エンドの実現に向けてストーリーがどう動いていくのか。全力で注目をしております!

 

 

 .......というわけで今週の感想をまとめると、

 

最後に"愛"は勝つ!

 

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文乃さん is VICTORY

 

文乃さんとの結婚エンドが見え始めてきたな (当社比) ってことですよ!

 

筒井先生から直々に「VICTORY!!」のお言葉を頂戴してしまうことになるとは思ってもいませんでしたし、いつの日か、本当の夫婦になった2人の物語を読みたいものですね。来週の真冬先生回も楽しみにしております。

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。

『五等分の花嫁』95話 感想、変わっていく毎日とそれぞれの道!一花さんの笑顔が可愛すぎる話をしよう...!

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五等分の花嫁 95話「分枝の時②」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』を読みました。

 

「分枝の時」というサブタイトルを見た時、今回のお話は本格的に『五等分』からの卒業──それはすなわち物語の終幕に近づくことを意味してもいる──へと踏み込んでいく内容になるのかもしれないと覚悟をしていたのですが、正直、ストーリー展開のテンポ感としては想像以上のものがありましたね。

 

一花さんの「巣立ち」をキッカケに、「将来への想い」を開花させつつある姉妹たち。変わっていく毎日、変わっていかなければならない日々の中で、「今」の6人が心から望んでいることは何なのか。今回はそんなところを中心にお話を振り返って参りましょう。

 

 

  

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第95話:分枝の時②

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忘れられない夏

 

さて。

 

まず初めに印象的だと感じたのが、一花さんが出演しているCMを見ていた五月と二乃のシーンです。今や有名女優として映画やTVで大活躍中の自分の姉。そんな彼女を見て、

 

テレビや映画で観る一花は輝いて見えます

それにすごく楽しそうで本当に一花がやりたいことだと思うんです

 

と語っている五月の成長には感慨深いものがありました。

 

 

「何でも同じ」だと思っていた五つ子の姉妹たちが、それぞれに「やりたいこと」を見つけて輝こうとしている。「教師になりたい」と自分の道を行こうとしている五月が、夢を叶える為の一歩を踏み出している一花さんの姿に触発されるのは極めて自然なことです。

 

「一緒に卒業したい」という願いも、「一花(の夢)を応援したい」という想いも、どちらも本当の気持ち。2つの感情を抱きながら、聞き分けよく一花さんの選択を肯定している点に「優等生」としての在り方が描かれてもいるようですが、「それとこれとは話が違います」との発言も五月の実直な心情を表す言葉として非常に納得がいくというものでした。

 

 

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分枝の時に思うところがある二乃

 

そして、一方の二乃にも「応援したい気持ち」があることは間違いないのですよね。

 

いつまでも「子供」のままではいられない。たとえバラバラになることになったとしても、それぞれの道をきちんと歩んでいかなくてはならないし、そんな未来がすぐそこまで近づいている事実を二乃も頭では認識しているのです。

 

だからこそ、TVで活躍する姉を遠くに感じたくなくて「一花なら毎日見てるでしょ」と言ってしまう二乃の在り方は、乗り越えるべき「弱さ」であると同時に、彼女の持つ「魅力」でもある。

 

「七つのさよなら」でも描かれた通り、変化を受け入れる事姉妹のことを強く願う気持ちは決して相反するものではないわけですから。枝分かれをしても、同じ幹で繋がっている事実は変わらない。ここから二乃がどのように未来を選択し、巣立っていくのか。とても楽しみなところです。

 

 

風太郎の真意

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風太郎と三玖

 

また、前回のお話でバイト先を探していた様子の風太郎でしたが、やはり「三玖の働くパン屋さん」に白羽の矢が立ったわけですね。

 

当初、フータローと一緒にバイトをしたがっていた三玖の願望が、フータローにパン作りを教えられるくらい上達した状況で叶う事になる。元々、フータローに好きになってもらえる自分になりたくて始めたアルバイトなわけですし、こういう抜け目のない展開はファンサービスとしても非常に巧いなと思わされるわけですが、

 

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なぜ風太郎は一花さんを引き留めるのか

 

三玖の立場として気になるのは当然、行動や手段そのものではなく、どうしてフータローが「一花さんのことを引き留めようとするのか」という理由の部分なわけです。

 

一花さんにしてもフータローにしても、胸の内にある「気持ち(=理由)」こそが行動の出発点になっていて、「勉強」と「仕事」の両立に対する具体的な解決策や最善手はあくまでも副次的なものでしかないわけですから。

 

どうしてフータローは一花さんの退学を止めようとするのか。家庭教師としての義務感なんていう誂えたようなお題目ではなく、上杉風太郎が上杉風太郎として中野一花に学校を辞めて欲しくない理由。そこにあった想い。それは.........、

 

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感謝

 

 

家庭教師から降りようとしていた自分を引き戻してくれたことに対する「感謝の気持ち」だったわけですね。

 

新しい家を借りてまで6人でいられる場所を作ってくれたこと。みんなでいる時間を守るために人一倍頑張ってくれたこと。第53話のエピソードにおいてもそんな彼女に対する感謝の想いが語られていましたけれど、あれからずっと「恩」を返したいという想いを風太郎が抱いていたのだと思うと、何とも感慨深いものがあります。

 

6年前に自分を変えてくれた「写真の子(=四葉ちゃん)」に対する感謝自分が馬鹿だったことを教えてくれた5人への感謝、そして、6人で過ごす日常を守ってくれていた一花さんへの感謝。そういった色々な感謝の元に今の風太郎がある。彼にとって五つ子たちと共に過ごしてきた時間がいかに大きなものであったのか。今一度強く再認識させてくれるお話だったように思えました。

 

 

一花さんの気持ち

 

しかし、一方の一花さんの立場からすると、「迷惑を掛けてしまう」という気持ちが未だ頭の中で拭いきれてないわけです。「恩義」を感じてくれていることはとても嬉しいことだけれど、彼女にとってそれが学校に通う理由とイコールにはならない。

 

このまま自分が退学をすれば誰にも迷惑を掛けなくて済むのに、無理をしてでも「学校に行く理由とはなんなのか」。そんな葛藤に対する回答として、

 

 

 

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学校に行く意味

 

そりゃ...青春を...エンジョイ 

言ってたろ...?

 

風太郎がこの台詞を口にしているのがまた何とも巧い展開でしたよね。

 

第3話で一花さんが口にした「もっと青春をエンジョイしようよ」という台詞。当時は全く歯牙にもかけていなかった言葉なのに、1年という時を経た今、強い実感を伴った言葉として再び風太郎の元に返ってくる。

 

勉強を教え教わるだけの合理性に満ちた繋がりではなく、ただただ6人で共に時を過ごし、共に卒業していくこと。そんな、高校生の間だからこそ出来る経験を一花さんをも含めたみんなで共有していきたい

 

 

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今しかできないこと

 

そういう想いがあるからこそ、一花さんにも「今しかできないこと」を選んで欲しいと思うわけです。

 

この時間が人生の全てではなくとも、この機会を逃したらもう2度と手が届かなくなってしまうものだってある。

 

6人でいられる場所を守ってくれた彼女のように、今度は自分が6人でいられる「今」を守りたい。

 

 

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姉妹たちだけではない

 

そんな風太郎の「本音」に絆されたからなのかどうなのか。

 

自らの「枷」を打ち破り、「卒業したいのは 妹たちとだけじゃないけどね」小悪魔的につぶやいて見せる一花さんの可愛さがもう本当に最高の極みでしたね。

 

ここから彼女がどのようにして「恋心」と向き合っていくのか。その行く末に期待したい所存です。

 

 

変わっていく毎日とそれぞれの道

 

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分枝の時

 

 

さて。

 

そんなこんなで、今週の一花さんと風太郎は「今」と「未来」のどちらも大切にしていくルートを選んでくれた....という事になるかと思いますが、その一方で、未だに自分の枝を伸ばせないでいる子もいました。

 

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四葉ちゃんの鎖


「夢」も「恋」も、さながら鎖に縛られているかのように、全く動きだせないままの四葉ちゃん。

 

それぞれが自分の道を進むべく動き始めているこの状況で、なおも「誰かのため」「姉妹のため」に生きようとする彼女の在り方はやはり、見ていて非常に痛ましいものがあります。

 

その姿はまさしく「家族旅行の時の一花さん」を見ているかのようでもあって、それゆえに一花さんは、あの日の夜に四葉ちゃんが自分にしてくれたことをそのまま彼女へと返そうとしたわけですよね。

 

 

 

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四葉ちゃんのやりたいこと

 

四葉四葉の本当にやりたいことを探しな

 

自分の気持ちに素直になって「やりたいこと」に向き合っていくこと。

 

無論、今の段階で四葉ちゃんがどんな進路に進みたいと思っているのか。その点はよくわかりません。スポーツに携わる仕事をしたいというのもアリだと思いますし、「本当にやりたいこと」であるのならたとえどんな将来であれそれが彼女の道だとも思います。そこには無数の選択肢がある。まだ見つかっていないのならこれから見つけていけばいいだけの話でしょう。

 

でも、四葉ちゃんの「欲しいもの」に関してはもう明確に答えが出ているわけですよね。第90話で「好きだったよ....ずっと」と涙目で呟いていたように、勤労感謝ツアーの最後で「欲しいものはもう貰いました」と笑顔でそう話していたように、6年前から四葉ちゃんが欲しかったものは、ずっとずっとフータローだったわけですから....。

 

だからこそ、四葉ちゃんが「やりたいこと」「やらなければいけないこと」はもう決まっている。夏も終わり、卒業の時が刻一刻と迫る中、果たして四葉ちゃんは風太郎に6年分の想いを伝えることが出来るのか。いよいよ物語も佳境に突入していくのでしょうし、今後の展開を全力で見守っていきたいなと思います。

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

『ぼくたちは勉強ができない』120話 感想、過去への感謝と未来への覚悟と!武元うるかの嫁力に刮目せよ!

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ぼく勉 問120 感想「年の暮 天才は[x]にて跡を濁さず」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

 今週の『ぼく勉』はうるか回です。

 

ここ最近の流れ的にそろそろ彼女の長編が描かれる予感もしていましたが、今回は単発の個別エピソードでした。正直、うるかの長編はどんな内容になるのか予想が難しい面もあって、どういうタイミングでお話が投下されるのかわりと読めない部分なんですよね。

 

文乃さんや理珠ちんとは違い、「気になる⇒好き」の変遷(=自覚)は既に中学時代のエピソードとして消化済みですし、留学をして離れ離れになる...という葛藤に関しても、問90-91のキス事件を通してうるかなりの結論をきちんと掴んでいたように思えましたし.....。

 

 

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うるか選手、「覚悟」の時が迫る...

 

とすると、やはりうるかの長編に関しては、他のヒロイン達と多少毛色の違うテーマで描かれる可能性もありえるでしょうか。

 

既にもう高校三年生の2学期終了時点までストーリーが進んでいて、ここから新たに「夢」に対する外的障壁や心理的問題が扱われるのは時期としても難しいでしょうし、留学のタイミングに絡めて本格的に「恋」の爆弾を投下してくる展開も十分視野に入ってくるのではないかなぁ...と。

 

まぁ、まだ何とも言えませんが、ひとまず今回はそんな恋する乙女・武元うるか選手のお話です。

 

 

 

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ぼく勉 120話:年の暮 天才は[x]にて跡を濁さず

 

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いよいよ終業式

 

さて。

 

そんなこんなで3年の春から始まった『ぼく勉』ラブコメワールドもいよいよ3分の2が終了し、無事に2学期の終業式を迎えることとなりました。

 

順当に考えると、3学期は「自由登校」で学校に来る機会がメッキリ減る事になるのではないかと思いますが、成幸くんが「今年最後の図書室勉強」と言っているあたり、来年も出来る限り図書室に集まって勉強する方向ではあるのでしょう。

 

しかし、そこは「年の暮」ということでお世話になった場所・思い出の場所に自然と気持ちが向かってしまうものですよね。「学校」と一言で言っても、その中にはさまざまな場所があって、誰かにとって近づきもしなかった場所が、他の誰かにとってはとても馴染み深い場所になっている。一つ一つの場所に、生徒たちの思いが詰まっているのです。

 

 

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全力大掃除!!

 

というわけで始まったプール掃除。

 

これまでの感謝を込めてお世話になった場所にお礼をする。未来に向かって羽ばたいていく者としてとても大切な行動です。一人では到底掃除しきれない大きさのプールであっても、これからもっともっと大きなステージで競技を続けていく彼女にとって、これは言わば一つのけじめになる。

 

どれだけ願おうとも必ず時は進む。だからこそ、「これまで」にきちんと区切りをつけて「これから」を歩いていくのです。楽しさも悔しさも受け止めてくれた場所に、ちゃんと幕を下ろして、ちゃんと巣立っていく。競技者である武元うるかの「未来」を描いていく上で今回のお話は非常に意義深いエピソードでもあるように思えました。

 

 

 

うるかの猛アタックが完全に嫁

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受験が終わったら...

 

で、今週のお話のニヤニヤポイント、もとい最重要ポイントはやはり、うるかが告白寸前までいきそうになっていた所でしょうか。

 

「受験が終わったら.....話したいことがある」みたいなそんな感じの事を言うつもりだったんじゃないかとは思いますが、水泳部のみんながいなかったら危うくそのまま夫婦になっていた可能性すらある流れでした。ストーリー的には最高に面白くとも、文乃さんスキー的には最大の危機を乗り越えた気持ちです。海っち、川っち、池田っちの皆々様にはもう足を向けて寝られません。

 

......からの、

 

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よそ見しないで あたしだけ見てなよ

 

この圧倒的なまでの「嫁力 is 何?」って話なわけですよ...。

 

まぁ、成幸くんがうるかに対して抱いている感情は良くも悪くも凄いやつとしての「憧れ」から始まっている面はあると思うので、後に世界で活躍することになるだろううるかの頑張りをいつまでも見守っている.....というエンドでも収拾を付けられるような気はします。

 

他のヒロインと結ばれてもうるかの活躍を応援することは出来るわけですし、その頑張りを見て成幸くんが鼓舞されるなら恋仲にならずとも問題はない。そういう風に思っていました。

 

...けれど、「よそ見しないで」とか「私だけを」とか言われしまうと、もう完璧に嫁発言としか思えないじゃないですか。こんなの正妻が「浮気しないで」と言ってるようなものですよ。川っちたちも言っていますけれど、今週の成幸くんとうるかは「さっさと結婚しろカップル」のそれ過ぎてもう「あはは...(涙)」としか言葉が出てこないくらいでしたね!

 

 

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海っち大洪水

 

まぁ、恋愛的な面において一番成幸くんの近くにいるのがうるかであることは物語の序盤から描かれていたことですし、今の関係が変わってしまうことを恐れていた彼女が徐々に強い覚悟を見せつつあるので、ここからが恋物語の本番になるのでしょう。

 

長編という最大のカードがうるかの今後をどう左右するのか。受験的にも勝負の三学期。少しずつ成長を遂げていくうるかの活躍に期待しております。

 

 

 ....というわけで、今回の感想を総括すると、

 

次週は文乃さん回!

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次週は文乃さん回!

 

次号、文乃の家にかわいい動物がやってきたにゃん!!

 

来週の文乃さん回が最高に楽しみだ!ってことですよ。

 

文乃さんの家に「かわいい動物(おそらく猫)」がやって来るお話みたいですが、まぁ文乃さんの方が100億倍は可愛いなと感じられるエピソードになるかと思いますので、もう期待しかないですね。来週も正座ポーズでお待ちしております!

 

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。

『天気の子』感想:2人が選んだ未来と愛にできること!雨降る世界で帆高と陽菜さんは"何を乗り越えた"のか

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『天気の子』 感想

『天気の子』 感想考察 ネタバレ注意

 

先日放映が開始された、新海誠監督の最新作『天気の子』を観てきました。

 

前作の『君の名は。』からおよそ3年が経ち、ようやく新海監督の作品が再び観られる...!という強い期待感と高揚感を持って劇場に足を運んでいたのですが、もう期待以上というか何というか、視聴後はひたすらに「ありがとうございます.....」と叫び倒したくなるくらいの感動が胸に押し寄せていました。

 

なので、今の気持ちを少しでも書き残しておきたいと思い、今回は珍しく映画のレビューという形で筆を取った次第です。完全に観た人向けの感想として書いていくため、まだ未視聴の方は十分にお気を付けくださいね。

 

 

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『天気の子』感想:天気を操る少女と家出少年のラブストーリー

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舞台は雨降る現代の東京

 

さて。

 

本作『天気の子』は、離島からの家出少年である森嶋帆高が、東京にやってくる場面から物語が始まります。

 

行く宛もなく、困窮と孤独な日々を繰り返していた帆高の今後を示唆するかのように、連日降り続ける雨。ネットカフェ暮らしも限界を迎え、途中の船で出会った弱小編集プロダクションの社長・須賀圭介を頼ることにしますが、そこで手に入れた仕事はなんと、怪しげなオカルト雑誌のライター業でした。

 

一時的にでも居場所を手に出来たこと。そこに感謝の念こそあれど、停滞する毎日となおも止むことのない雨がやはりそこにはある。「この場所から出たくて、あの光に入りたくて...」という想いを抱えていた帆高の心には未だ、雨が降り続いたままだったのです。

 

 

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100%の晴れ女

 

が、とある夏の日、天気を晴れにする事の出来る少女・天野陽菜さんと出会うことで彼の心には少しずつ「晴れ間」が差し込んでいくのですね。

 

「天気って不思議だ。ただの空模様にこんなにも気持ちを動かされてしまう。」

「心を、陽菜さんに動かされてしまう」

 

そんな彼の心情は上記の台詞で表現されている通り。

 

「空模様に気持ちを動かされる=陽菜さんに心を動かされる」という図式が示すものはつまり、帆高にとって陽菜さんの存在そのものが光(=太陽・晴れ)になっていったということ。そして、対する陽菜さんもまた、帆高との出会いを通して、自分の中に「人を笑顔にする力」がある事を知っていきます。

 

「晴れ女」としての役割、広がっていく青空。「雨が降り続ける東京(=帆高が物語の序盤で繰り返し呟いていた「東京って怖ぇ...」の台詞が仄めかすように、この"雨"は現代日本に対する風刺的な側面も感じられる...)」という場所で、帆高と陽菜さんは徐々に自分達の居場所を手に入れようとしていました。

 

 

 

陽菜さんに課せられた運命と帆高が守りたいもの

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晴れ女に課せられた運命

 

しかし、物語の中盤~終盤にかけて、「晴れ女」の能力を使い過ぎると人柱として消え去ることになる...というあまりにも残酷な運命が判明します。

 

降り続ける雨を止める為には晴れ女である陽菜さんが犠牲にならなくてはならない。

 

「私 知らなかった 

 青空がほしい人がこんなにたくさんいるなんて」

 「帆高はさ、この雨が止んでほしいって思う?」

 

そういった状況に対して彼女が強い葛藤を抱いていたのはやはり、それまでの「晴れ女」の活動を通して、青空を望んでいる人達がたくさんいる事実を実感してしまったからなんですよね。

 

だからこそ、東京で記録的豪雨が観測されたあの日、彼女は全てを背負って消える事を選ぶ。その選択は確かに、

 

「もう大人になれよ、少年」

 

....と須賀が語っていたように、ひどく"大人"な決断(=社会規範的選択)と言えるのだと思います。

 

少数派の意見と最大多数の最大幸福を天秤にかけた時、見て見ぬふりをして──あるいは気付かないふりをして──後者を選択するのが大人であり社会ですから。残念な事に、実際に当事者にならないと人間が本当に大切なことにも気付けない生き物であるという「現実」は皆さんも存分に御認識されている通りでしょう。

 

ゆえに、当事者として大切な人を救いたい一心で走り出す帆高と、「残酷な現実」に信念を曲げられてしまっていた須賀(=過去の自分と似ている帆高を放っておけないのが須賀ですね)の2人が、『世の中』の不条理に立ち向かって抗おうとする姿に僕らは強烈なドラマを観る事ができる。

 

 

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愛にできること、僕にできること

 

 

そして、それらのシーンには確かに、僕には何が出来るのか、愛には何が出来るのか...というメッセージが表現されていて、同時に「人々に笑顔(=晴れ)を与える」という役割を背負い込んでいた少女に「自分がここにいていい理由(=光)」をもたらすことにも繋がるのですよね。

 

「必要としてくれる人」「愛してくれる人」「自分の名前を呼んでくれる人」。たとえ雨が降り続く不完全な世の中だったとしても、愛する人(=光・太陽)と一緒なら"乗り越えていける"。『天気の子』というラブストーリーを通じて新海監督が伝えたかったものは、ひとえにそういう想いだったのだろうと思います。

 

 

 

英題"Weathering With You"に込められた意味と世界の形

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世界の形と大切な人への愛

 

また、そんな風に物語を咀嚼していくと、"Weathering With You"という英題が本質的に何を示唆しているのか...という点も少し興味深い所でしょうか。

 

 

『Weather』という気象を表す言葉を使いたくて。これには嵐とか風雪とか、何か困難を乗り越えるという意味も含まれるんです。映画は何か大きなものを"乗り越える物語"でもあるので付けました。

新海誠、新作「天気の子」企画のヒントは真夏に見上げた積乱雲- 映画ナタリー

 

というのも、新海監督自身が既に公表されている通り、英単語「Weather」には「①天気」と「②(何かを)乗り越える」の2つの意味が含まれているんですよね。

 

そして、実際にそのダブルミーニングが作中のストーリーを表現しているという点に関しても、上記のコメントが示している通り。....が、その実、「誰が(主語)」と「何を(目的語)」の部分についてはそれぞれに解釈が分かれる部分として描かれているように思えました。

 

 

 

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2人が選んだ未来と世界の形

 

本作『天気の子』の物語は、陽菜さんを人柱にして天候を取り戻すのか、あるいは、陽菜さんを救い出して東京を雨の降り続ける街とするのか、その二者択一を突きつけられた帆高が後者を──つまりは陽菜さんと共に生きていく未来を──選んだ事で一つの結末を迎えたわけですが、そこから3年の歳月が経ち、水没する東京の風景に責任を感じる帆高(「セカイの形を決定的に変えてしまったんだ」)に対して、人一人に世界が変えられるはずも無く、元の在り方に戻っただけで責任を感じる必要はないと、とある人物が伝えているシーンが描かれます。

 

とすれば、新海監督が描いた今回の結末には、世界の運命を背負ったヒロイン・主人公の姿を描いた物語に対し、そんなものを彼・彼女らだけに背負わせるのは果たして正しいのかという視点も込められているわけですよね。

 

 

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1人1人が願う未来、乗り越えていく世界

 

世界の運命(=形)にどう立ち向かいどう背負っていくのかという命題は当然、その世界に暮らす人全員が取り組むべきもので、これから『現実』(=雨)を乗り越えていかなくてはならないのは、何も帆高と陽菜さんの2人だけに限ったお話ではない。

 

だからこそ、 "Weathering With You"という英題には「貴方と共に困難を乗り越える」以上の意味、「全員が共に困難を乗り越えていく」という示唆も内包されている。そんな風に解釈することも出来るのではないかと思います。

 

 

 

君の名は。』と『天気の子』

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天気の子がもたらしてくれたもの

 

そういったわけで、最後に全体のアウトラインについて見ていくと「前作の物語性を受け継ぎながら最終的には全く逆の結論を導き出した物語」だったというのが『天気の子』に対する率直な私見ですね。

 

前作が「自身の記憶と引き換えに一つの村(=大切な人をも含む全て)を救った物語」ならば、今作は「世界の在り方と引き換えに大切な人を救い出す物語」。スケールの大きさや2人が成し遂げ乗り越えて見せたモノの規模を見比べた時、人によっては前者の方がインパクトがあると感じる方もいらっしゃるのかもしれません。

 

でも、決して単純な比較だけでは収まり切れない結末(=テーマ性・主張)を示してくれた『天気の子』は、歴史的な大ヒットを飾った前作『君の名は。』に続く作品としても、また一つのエンタメフィルム作品としても大変に素晴らしい好作であったと、僕は心から思っています。

 

下を向きたくなるような雨の日にこそ思い出したい本作。息詰まる現実に立ち向かいながら、それでも空を見上げ強く生きていく帆高と陽菜さんの姿を今一度劇場に観に行きたい。そんな余韻に浸らせてくれる、とても素敵な物語でした。新海誠監督にありったけの感謝を。幾分気が早いですが、次回作にも期待しております。

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「「『天気の子』制作委員会」/新海誠監督」より引用しております。

 

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