『ぼくたちは勉強ができない』113話 感想、古橋文乃さんの葛藤と"恋"と"友情"について!
ぼく勉 問113 感想「時に[x]は占卜の如何に踊るものである」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』を読了。
2ヶ月ぶりの文乃さん回です。作中時間がいよいよ12月に突入したということもあり、ここ最近は順に「ヒロイン達の悩み」へ踏み込んでいく中長編をメインにストーリー構成が為されている『ぼく勉』ラブコメワールドですが、その合間に挿まれる何気ない日常回でさえも珠玉のエピソードに変貌させてしまう文乃さんの可愛さはもう流石の一言(※個人の感想です)ですね。
特に「最愛の星」編以降の文乃さんはあまりにも可愛らしくて天にも昇る勢いですよ。アニメを見ながらここ数日単行本も最新第11巻まで読み返していたんですが、少しずつ成幸くんへの想いを膨らませていく文乃さんの物語はやはり最高だなと。改めてそう感じました。そんなわけで、今週の文乃さんエピソードも楽しく振り返って参りましょう!
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ぼく勉 113話:時に[x]は占卜の如何に踊るものである
さて、今週のテーマは先週の予告文にもあった通り「星」占いでした。
文乃さんの星座は「てんびん座」でラブ運絶好調の第1位。以前描かれていた誕生日回が9月頃のお話でしたので、おそらく「乙女座」か「てんびん座」のどちらかなのだろうと思われていましたが、なるほど、やはり文乃さんは「てんびん座」ですか....。
思えば、2人きりで過ごしたあの旅館の夜に文乃さんが真っ先に見つけた星も「てんびん座」でしたし、何よりも現状の文乃さんは「恋」と「友情」の間で"天秤が揺れてしまっている子"なんですよね。
りっちゃんうるかちゃんのためにも...
そんな「"星"座」が暗に示唆している裏背景を鑑みると、文乃さんが「恋」と「友情」の間で抱えている葛藤は、まだまだこれから作品の中で重要なファクターを担う部分になっていくということなのでしょうか。
今週のお話においても、
①「あーん」してくれたり
②「あごクイ♡」されちゃったり
③耳元で甘い言葉を囁かれたり
④やさしく頭をナデナデされたり
⑤0時まで2人っきりでドライブデートしたり
⑥密室で体を寄せ合って次第に積極的になったり....
....といった感じで、順番に占い通りの展開が描かれていったわけですけど、これはつまるところ、文乃さんが成幸くんを「気になるカレ」として意識してしまっているからこそ、この占いに意味が生まれてしまうわけですよね。
当たり前のお話、仮に”特別な想い”が全くない(「成幸くん=気になるカレではない」)のであれば、その占いの結果が当たっている...なんて認識には至らないはずですから。
しかし、そんな自己認識を持っているにも関わらず、文乃さんが「気になるカレ」の存在を意識しないよう自制する方向で動いているのは、未だにうるかと理珠ちんに対する「遠慮」が根底に残り続けているからということになるんだろうなぁ....と。
あの日の夜、お父さんに向き合う勇気が持てなかった自分に寄り添って、お母さんのように手を握ってくれた成幸くん。そんな彼に対して、確かに文乃さんは特別な気持ちの芽生えを認識したはずなのに.....。
問104の感想でも書きましたが、『ぼく勉』ラブコメワールドにおける文乃さんの立ち位置は、やはりまだまだ複雑な様相を呈していくのかもしれませんね。
"恋"と"友情"
とはいえ、文乃さんの中で気持ちの進展が全くないのかと言えば、きっとそうではないんだろうなと個人的には思ってます。
理珠ちんとうるかに誤解されまいと隠れ家に利用した運送トラックの荷台。そこで図らずも、「⑤0時まで2人っきりでドライブデートしたり」を達成してしまう2人ですが、文乃さんはやっぱり、自分の中で唯我成幸くんという男の子の存在が大きくなっていることを自覚し、彼に惹かれつつある自分を多少なりとも理解はしているのですよね。
ゆえに、あの夏の日の夜のことを思い出して、成幸くんに身を寄せる。
「あんな密着状態2人に見られたら...」と思いながらも、抑えられない"気持ち"がそこには確かにあるわけです。「くっつかないと寒くて...仕方ないのっ!」とは、文乃さんの中にあるもう一つの本音であり、成幸くんに近付きたい、好きでいたいという想いの現れでもある。
友達に対する罪悪感、そんな相反する感情を抱えながらも、自身の想いに身を委ねてしまう恋心。このシーンは、そんな恋する乙女としての強い意志が感じられる最高に素晴らしい一幕ではありませんか.....。
もちろん、今後の展開の中で、文乃さんがきちんと自分の葛藤に向き合っていくお話が描かれることになるのだろうとは思いますし、ヒロイン達がそれぞれにきちんと納得のいくゴールを見つけていく事になるんだろうとも個人的には思っています。
でも、一つ確実に言えることは、友達の為に自ら身を引く行為を"友情"とは呼ばないということ。そもそも"友情"と"恋"は天秤にかけられるような二者択一のものではありません。どちらも大事ならどちらも大切にしたいとそう願えばいいんですよ。
文乃さんは今回のお話の中で「2人に見られたら変な誤解させちゃうトコだったよ」と言っていましたけれど、もうそこにある気持ちは決して誤解なんかじゃありませんよね。その事実については、もう自分の中で彼女はきちんと解を持っているはずです。
ゆえに、いずれはうるかや理珠ちんに対して自分の気持ちを真正面から伝える勇気を見せてくれたら嬉しいなと。友達に自分の気持ちを隠す「遠慮」ではなく、大切な友達に自分の気持ちを打ち明ける「友情」を。週刊少年ジャンプが目指す本当の"友情"は、そんな瞬間にこそ、光輝くのではないでしょうか。
.....というわけで今週の感想をまとめると、
今週の文乃さんが最高に可愛かった!
今後の文乃さんの大活躍に期待大ってことですね!
ここから理珠ちん・うるかの長編が描かれ、”来るべき運命の時”に向けてヒロイン達と成幸くんの気持ちが少しずつ固まっていくのかなという印象もありますが、とにもかくにも、まず当面我々文乃さんスキーが待ち焦がれているのはクリスマスにおける文乃さんと成幸くんのデートですよ!
少しずつ成幸くんへの想いを強めてきている文乃さんが、一年に一度の聖なる日に成幸くんと2人きりで、街に流れる『きよしこの夜』を聴けるのか。サンタさんにお祈りを捧げながら、そんな夢のような展開をお待ちしております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。