『ぼくたちは勉強ができない』152話 感想:二人だけの恋愛ゲーム!その手を繋ぐためには...?
ぼく勉 問152 感想「[x]=機械仕掛けの親指姫編②」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
前回から始まった緒方理珠メインの個別ルート。
大学に進学した後の完全新規ストーリーを採用しており、今週のお話も前回と同様にやや緩めな日常劇が描かれていました。
ラブコメ的サービスシーンを取り入れつつも、「水着を選びにいく」というドキドキのシチュエーションを描くことで「理珠ちんルートのコンセプト」と2人の距離感を提示する。
第一のうるかルートと異なる2人の関係性にはどのような背景があり、どんな理由で世界線が変わったのか。
今回はそんなところを中心に物語を振り返っていきたいと思います。
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さて。そんなわけでお話は前回の続きからです。
来週から「緒方うどん」が海の家に出張するということで水着選びに興じる成幸くんたちを描いた今回。
しかし、上述した通り単に緩いお話をやっていたというわけでもなく、「物語の構造」に関する事情が2点ほど伺える内容でもありました。
一つは、 この世界における理珠ちんと成幸くんの間には「二人だけのゲーム」が続いていて、その発端がクリスマスに描かれた理珠ちんの長編(問114~問117)に由来しているということ。
つまり、
①:問69の文化祭花火で理珠ちんが手を繋ぐ
②:①の事象により問114~問117の長編に変化が発生
③:②を前提とし成幸くんと理珠ちんの関係性が変わっている
④:現在(大学生編)に至る
という流れの中でこの個別ルートが描かれており、各ヒロインとも「個別の長編エピソード」を通じて恋愛フラグが経つ仕様に変わっていると推測ができる。
そして、そうなってくると同時に、今回の個別ルートがどの程度の尺で描かれる予定なのかもおおよその目処が立ったと見ても良いのかもしれません。
問142~問150の全9話で一気にうるかの「個別長編(恋愛フラグの起点)+個別エンディング」を描いたのだと解釈すれば、既に3話~5話分の個別長編がそれぞれ描かれている4人の個別ルート展開は残りの5話前後に収めてくる可能性が極めて高くなる。
個々の長編が起承転結の「転」の役割を担い、そこからお話が各ヒロインとも恋愛方向の意識に転じて行ったと仮定すると、「長編+ifエンディング」で単行本一冊分くらいの個別ルートと見なすこともできるため、それぞれ残り5話くらいの配分でifストーリーが描かれていくのかなと個人的には思います。
恋愛ゲームのその先で
一方、「二人だけのゲーム」という表現も非常に気になるポイントの一つ。
「感情の理解」を一つのゴールとしていた理珠ちんが自分の気持ち(=大好き)を理解し、関城紗和子という良き理解者……もとい鼻血だらけの親友も得た。
もはや自身の感情に対する理解度という点では鈍感主人公たる唯我成幸よりも随分と成熟しているように見えるし、実際そうして成長を遂げた彼女のアグレッシブな姿が作中で描かれてもいる。
となると、残るは「相手の気持ちをきちんと理解すること」……つまりは想い人である成幸くんの気持ちを正しく理解すること(確かめると言った方が正確……?)がこのゲームの核であり緒方理珠エンディングへの道しるべになりそうな気がします。
この気持ちが「恋なのかどうか」。それを二人で確認しあっていく。そういう二人だけのゲームが秘密裏に行われている状況にあるのだとすれば、理珠ちんが成幸くんに挑発的な発言を繰り返している理由とも繋がるのではないでしょうか。
自分の気持ちを自覚した彼女に残った課題は「唯我成幸の気持ちを知ること」で、だからこそ「成幸くんの気持ちを確かめる」という方向性のゲームが展開されている。
結果として、ドキドキの積み重ねが緒方理珠という存在への好意を自覚させ、晴れて二人がお互いの感情を理解し合う結末をもたらしていく。
そんな、大局的に見て敗者のいない幸福なグッドエンディングがこの"ゲーム"の結末になるのなら、この個別ルートを描いた意義も十二分にあるのかなと。そんなことを思う、問152のエピソードでした。
……というわけで、今回の感想を端的にまとめると、
理珠ちんルートに乞うご期待!
「Hになってしまった理珠ちん」に俄然期待していきたい!ってことですよ。
ミス太陽系代表の文乃さんエピソードもこの後に控えているわけですが、大学生編なんですから少しくらいハメを外したって良いの精神でガンガン突き進んで欲しいなと。
そんなテンションで楽しむのがベストだと思われる個別ルート展開、まずは理珠ちんと成幸くんがどのように手を繋いでいくのか、次週以降のエピソードを楽しみにしております。
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。