五等分の花嫁 40話 感想② ~二乃についての考察~
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
先週、今週と続いている期末試験編が今最高の盛り上がりを見せています。
「七つのさよなら」という意味深なサブタイトルを冠し、物語の中で非常に重要なエピソードになることが予想されますが、何よりも今まで以上に二乃と五月の2人に焦点を当てたお話になっているのがとても興味深いですね。
特に二乃関連の描写はこれまでのお話を含めて気になる点が多いな...と。その最たるものが二乃とフータローをつなぐ"ミサンガ"の存在です。40話の感想でも触れましたが、今回は少し"ミサンガ"をポイントにして二乃について考えていきたい。
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二乃と風太郎をつなぐ"ミサンガ"についてのまとめ
二乃関連のエピソードを語る上で今や外せないアイテムである"ミサンガ"。
これはそもそも、林間学校で旅行に行く兄の安全を願い、妹のらいはがフータローへプレゼントしたものでした。そう、妹からの手作りプレゼントである。らいはは本当に良い子すぎるよなぁ...。
まぁ要するにフータローにとっては非常に大切なものということです。妹大好きのフータローが、妹が自分のために想いを込めて作ってくれたものを大切に思わないわけがない。それがわかる描写も林間学校編の随所で描かれていました。
そして...
実際にこの”ミサンガ”は、崖から落ちそうになったフータローと二乃の危機を救うことになります。
旅の安全を願ってらいはがプレゼントしたものという背景を考えると凄まじい効力だな...と思うワケですが、同時にここで重要なのは、この”ミサンガ”が手を伸ばしても届かなかったフータローと二乃の2人をつなぐ役割を担ったことですよ。
これは物語的にとても示唆的な描写と言えるんじゃないだろうか。未だに「素直」になれていない二乃が本当の意味でフータローと手を取り合えるようになる、そのきっかけを作ってくれるのがこの”ミサンガ”。それを表現する描写とも読み取れる。
その証拠に、「怖いから...手 握って」と言う二乃にフータローがミサンガを渡すシーンがこれまた面白いかなって。
だって、この時のフータローは二乃に正体を偽ってキンタローとして振る舞っていたわけじゃないですか。嘘をついたまま二乃の手を取る。これではやはりどこか不誠実でしょう。ゆえに、フータローはこの手を握らない。
その代りに渡すのが、2人の距離をつないでくれたこの”ミサンガ”というわけです。そういう意味でも、二乃とフータローが偽りなく心から手を取り合えるようになるためのポイントはやっぱり”ミサンガ”にあるんじゃないかなぁ...と。
それなら、フータローにとって大切なものであるはずの”ミサンガ”を二乃に渡すという展開にしたのも頷けますし。
”ミサンガ”の持つ意味から見るストーリーの行方
”ミサンガ”は再びフータローの元へ!
というわけで、以上のような流れで「らいは→フータロー→二乃」 と渡ってきた”ミサンガ”ですが、林間学校編の最後に再びフータローの元へ戻ってくることになります。熱で倒れたフータローの手首に、二乃がこの”ミサンガ”を取り付けたのである。
これがなかなかにニヤニヤ出来る展開でした。キンタローとダンスを踊れなくなった二乃へ「悪い 元気出せよ」と呟いたフータローに対し、「一番元気のないあんたが言うなっての... ...少しは自分の心配しなさいよ」とフータローを心配する二乃。
この描写からも、二乃が本当の意味でフータローを嫌っていないことは明白でしょう。40話の感想でも言ったように、自分にできないことをやってのけるフータローに居場所を取られたようで悔しい。それが二乃の本心なんじゃないかなと思います。
で、二乃のフータローに対する「心配」を象徴するアイテムとして、二乃からフータローへと再び戻ってきた”ミサンガ”ですが、一点引っ掛かる描写がありました。
病室でミサンガを見つめる二乃...
それが、林間学校後のお見舞い回(33話)にて、フータローが腕に付けていた”ミサンガ”を見た二乃が意味深な表情を浮かべていたことである。どう考えても意味のない描写には思えません。
じゃあ、このシーンで二乃が何を想ったのか?それが気になるところですが、結論から言うと、この意味深な表情の謎を解き明かすポイントは、”ミサンガ”の持つ意味に関係があるのかもなぁ、と。
というのも、これは以前にも触れたお話ではありますが、”ミサンガ”は単純におしゃれなアイテムというだけではなく、取りつける場所によって意味の異なるものです。
そして、”ミサンガ”を手に取りつける場合、その手が利き手であれば「恋愛」を、逆の手であれば「勉強」の意味を指すことになるのですよ。この作品において「勉強」というのは成長や信頼のメタファーですからね。これが何ともまぁ、意味深ではないかなと。
それを踏まえて見てみると、この”ミサンガ”は、二乃がフータローに取り付けた際は「左手」に、後日病室でフータローが身に着けている際は「右手」になっていることがわかります。この対比が何とも面白い。
普通に考えても、何の意味もなくわざわざ身に着ける腕を描き分けるなんてことはしないでしょう。描き間違いでないなら、なんらかの意図があると考えて然るべき。
ただし、おしゃれ事に関心の薄いフータローが”ミサンガ”の持つ意味を知っていたとも到底思えません。そう捉えるには無理がある。
フータローの利き手は鉛筆を握る手が右手であることから、右利きと考えて良いと思いますが、らいはから貰った時点で”ミサンガ”を「右手」に付けている描写もありますし、まさかフータローが「恋愛」を意図しているってこともないでしょう。きっと無自覚に「右手」に付けていたんだと思います。
しかし、二乃はどうか。
そもそも他のヒロインではなく、ピンポイントにおしゃれ好きな二乃に”ミサンガ”のイベントを持ってきてるのも意味深な気がしなくもないんですよね。
そう思うと、二乃が”ミサンガ”の持つ意味を知っていたとしても不思議はないのかもしれせん。それゆえに、フータローの病室で”ミサンガ”を見た二乃が妙なリアクションを取った可能性も微粒子レベルで存在する...!
......まぁ、二乃の認識については話し半分ですが、少なくともストーリー的には「右腕」から「左腕」への移動は示唆的だなとは思います。
二乃が写真の子である可能性は!?
そして、今週のお話で再びフータローの元から二乃の元へとこの”ミサンガ”が渡ることになりました。ここはわりと物議を醸しそうなシーンですね。
まぁ、今回の”ミサンガ”の移動を含め、二乃が「キンタロー=フータロー」であることに気付いているんじゃないかと思える向きもありますが、この時点で確証をもっているかどうかは正直微妙なところだと思います。
これまでの描写をみても決定打がないですからね。どちらの可能性も十分にありえる。個人的にはフータローから打ち明けることに意味がある(=嘘をつかないという意味で)んじゃないかなとは思っていますけど...。
ただ......
一つ確定しているのは、今回二乃が取り上げた”ミサンガ”は最終的にフータローの元に戻るってことですよ。
しかも!32話で描かれた結婚式当日のフータローは、いつも「右手」に付けていたはずの”ミサンガ”を「左手」に付けているんです。もしかしたら、未来の結婚式までにフータローが”ミサンガ”の持つ意味を知る展開が来るんじゃないかなぁ..。
~”ミサンガ”が示す意味~
右手(=利き手)の”ミサンガ”:恋愛の意
左手(=逆の手)の”ミサンガ”:勉強の意
(※『五等分の花嫁』における「勉強」は、フータローと信頼関係を築いて成長した末に克服するもの)
要するに、まとめるとこうですよね。ということは、この未来の結婚式でフータローが身に着けている”ミサンガ”が示唆するものは「恋愛」ではなく、「信頼や成長」ってことになる。
そうなると、やっぱり二乃は「成長」軸のヒロインであって、「恋愛」軸(=最終的に結ばれるヒロイン)のヒロインにはならないのかもしれません。
もし、ストレートに「写真の子=花嫁=恋愛軸のヒロイン」になるなら、二乃は「写真の子」ではないのかなと。まぁ、「写真の子=花嫁」と決まっているわけでもないので、現時点では「写真の子」である可能性はありますけど。少なくとも花嫁ではないのかもなぁ...。
つ・ま・り!なにが言いたいのかといえば...
写真の子の正体は....
最近の四葉ちゃんが最高にかわいい!ってことです。
二乃と五月の諍いに驚いたり落ち込んだりしてる四葉ちゃんの姿が何ともおかわいいことでした。やっぱり四葉ちゃんが写真の子だと思うな!
それぞれに「写真の子」かな...と思う描写はあっても、仮に「写真の子」でなかった場合に疑問が残るのは今のところ四葉ちゃんだけですから。1話で初対面のフータローの名前を知っていたのはやはり一番大きな伏線ですよ。
期末試験編の二乃や五月のように、今後もそれぞれ姉妹5人に「写真の子」を匂わせるような描写が描かれると思いますが、この1点の疑問が解消されない限り当ブログは「写真の子=四葉ちゃん」説を推していく所存です!(花嫁は五月っぽいけど...)
ひとまずは二乃&五月メインの期末試験編がどう収束するか楽しみですね。”ミサンガ”が二乃とフータローをつなぐ役割を担ってくれると思ってるので、そこにも注目してます!