五等分の花嫁 55話 「最後の試験が三玖の場合」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意なか
今週の『五等分の花嫁』を読了。いやはやこの作品は本当に凄いですよ...。
1ページ目を読んだ瞬間、なるほどそういう話の持っていき方をするのか...!と感心しきりでした。完全に春場先生の術中にハマりましたね。まさか1月~3月までに起こった出来事を各ヒロインの視点で追っていくという手法を取るとは...。この作品では特にこういう描き方は効果的だなと思います。
というのも、やっぱり現状ではまだ姉妹たちの間でフータローに対して抱いている「気持ち」に差があり過ぎるんですよね。
完全に恋心を自覚していて今の関係から一歩を踏み出さんとしている三玖と、作中の中で未だに恋心の発露を見せていない五月や四葉ちゃんとでは、例えば「バレンタインイベント」一つを取っても、描ける展開は当然変わってくるわけじゃないですか。
ゆえに、通常の描き方ではなく、各ヒロインの個別エピソードという形で期末試験までの期間に存在する「バレンタインデー」を昇華していくという形を取ったんだろうなと。ヒロインによってこの日にどこまでの比重を置くのか描き分けも出来るわけですから。つくづく合理的で無駄のない手法だなと思います。
また、恋愛方面の動きが熱い一方で、サブタイトルにある「最後の試験」という表記も気になりますね。もちろん高校2年生最後の試験という解釈も出来ますけれど、今の彼女たちの置かれている状況を考えると、あるいは...という予感はやっぱり拭えない。そういう点を踏まえても、今回の試験の結末がどうなるのかは非常に気になるところ。
さぁ、それぞれの想い(頑張る理由)を胸に「最後の試験」に挑む5人の少女たち。その果てに彼と彼女たちは何を掴むのか。まず今回は、トップバッターである三玖の物語について触れてまいりましょう。
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三玖とバレンタインデー!(55話)
というわけで、今週のお話は三玖の視点で語られる期末試験までのお話が描かれておりました。まぁこうなると「三玖の場合」は必然的にバレンタインデー絡みになりますよね。要するに、僕らが待ち望んでいた展開が描かれていたというわけでございます。
やはり三玖回が放つラブコメストーリーの安定感は半端じゃありませんな...。バレンタインデーイベントというのは、基本的に「渡す前」「渡す時」「渡した後」の3段構えで美味しいのがお約束になっているわけですけれども...、
よもや「1ヶ月以上も前」からバレンタインを見据えてチョコ作りに励む三玖の姿を描いてくるとはね....。思わず胸が熱くなるというものじゃないですか。改めて三玖の圧倒的な可愛さが脳に叩きこまれましたよ。溢れ出るメインヒロイン色の覇気が凄い。あぁ、本当に三玖は可愛いなぁ...。(心の声)
し・か・も!
この一連の三玖エピソードに二乃が絡んでくる展開も本当に素晴らしいの一言でした。
料理が苦手な三玖に料理が得意な二乃が手を差し伸べる。46話で彼女たちが語り合った「足りないところを補い合い 私たちは一人前になろう」をまさに体現しているシーンですよね。王道ではありますけど、控えめに言ってグッとくる構図だったなって...。
加えて、この2人の関係性は、今後の展開においても、とても重要な要素になってくるんじゃないかなと個人的には思ってます。
だって、苦手を補うという意味合いで三玖が二乃に料理(チョコ作り)を教わったなら、今後のお話の中で二乃が三玖から何かを学んでいく展開が来るのはやはり自然な流れでしょうから。三玖のヒロインとしての特徴と二乃のヒロインとしての特徴を鑑みても、そんな展開を予感させますよね。
どこまでも真っ直ぐにフータローへの好意を示す三玖と、未だに自身の恋心を認め切れていない(あるいは自覚できていない)二乃の対比。これまでの背景を踏まえても、これからの二乃エピソードを追っていく中で、三玖はきっと外せない存在になっていくのでしょう。
もちろん今回のお話を通しても明らかな通り、三玖がフータローを好きなことは二乃も既に気付いているわけですが...、でもだからこそ、チョコレートをメタファーにして「二乃にはあげない」「独り占めしないでよ」という2人の会話が描かれていたように、物語は今後そういう方向へ進んでいくんだと思います。
そうなると、二乃視点では一体どんな2ヶ月間が描かれるのかがやはり読者的にかなり楽しみになりますし、こういう読ませ方は本当に秀逸ですね...。ただただ見事な構成力だと平伏せざるを得ませんでしたわ....。
一花さんの気持ちと三玖の覚悟
なんだ...この可愛さは...!
また、今週の印象的な描写について語るならこの一花さんのシーンは外せないでしょう。今回は紛れもなく三玖のターンではありましたが、同時に一花さん成分も補給可能な素晴らしい回にもなっているというね...。やっぱり、春場先生は神ですわ。(断言)
しかしまぁ、「三玖があげるなら安心だね」って...。正直なところ、そりゃ切な過ぎるよ、一花さんって感じです...。もちろんこういう一歩譲ってしまうもどかしいところが一花さんの可愛いところでもあるのですが、しかし、この一花さんのスタンスって結果的に誰も幸せになっていない点が最大の問題なんですよね。
前に進めていない一花さんはもちろんのこと、当の三玖だって譲ってもらいたいなんて微塵も思ってないんです。むしろ、一花さんにも「後悔してほしくない」と思ってる。それは実際に林間学校編を経て幾度か三玖が一花さんへ語ってきたことでもありました。
それでも自分の気持ちに向き合おうとしない一花さんに対して、今回三玖は「安心って 何が?」というセリフをぶつけているわけですけど、この言葉の裏には「私を言い訳にして逃げないでよ...」というニュアンスが込められているような気もします。個人的にはそんな印象を抱きました。
だって、もうここまで来ると、物語的に言っても、三玖がどうこうっていう次元の話ではないと思うんですよ。
結局は、一花さんが「覚悟」と「勇気」を持って自分の気持ちに向き合えるかどうかの話でしかない。53話で「こんな顔見せられないよ」と真正面から向き合うことが出来ないような示唆を含むシーンを提示したのも、もしかしたらこういう意味合いが込められていたのかもしれません。
だからこそなのでしょう。対照的に今回は三玖の強い「覚悟」がとても印象的で読者の心を惹きつける構成になっていましたよね。
もう、ただの「生徒」と「先生」ではいたくない。今の関係から一歩を踏み出して女子として見て欲しい。だから、今回の期末試験で五人の中で一番の成績を取り、自信を持ってフータローの「生徒」を卒業できたら、今度こそ「好きって伝える」。それが三玖の想いでした。
逆に言えば、これは彼女が自分に課したルールでもあるのでしょう。五人の中で一番の成績が取れなければ、フータローの「生徒」を卒業することが出来ない。すなわちまだ「好き」と伝えることも出来ないということです。
それを考えると、「最後の試験」というサブタイトルは、フータローの「生徒」として受ける最後の試験にしてみせるという三玖の意気込みにも掛かっているのかもしれませんね。
実際にどうなるかはさておいても、彼女の強い「覚悟」を示すなら間違いなくこれ以上のサブタイトルはないと思いますから。「転校」と「告白」。現時点でも様々な想いが掛かっている今回の試験に一体どんな決着が用意されているのか。来週以降も楽しみです!
というわけで、今週の感想を総括すると....、
三玖の恋を応援しております!
今週の三玖は最高のプレーを見せてくれたなってことです!
まぁ、フータローはいつも通りフータローだったので、チョコを渡すという重大イベントはかなりあっさりとしたものではありましたけどね...笑。
というか、厳密に言うと渡せてないですし!渡す前に食べられてましたから...笑。それなのにさらりと「うまかった」とか言うあたり本当にフータローは罪な男ですよ。全くどうにかならんもんですかねこの主人公くんは...。(超褒めてます)
とはいえ、三玖エピソードは「渡す前」と「渡した後」のシーンにこそ見せ場が配置されていたお話ではありましたから、そこは上手くハマっていてとても良かったと思います。さてさて次回はどうなるのでしょうか。
今回意味深に描かれていた「謎の音」の正体も俄然、気になりますからね。
順当に行けば、トップバッターが三玖であったことに加えて、今回の試験の一番の焦点が「四葉ちゃんの赤点回避」にあることを踏まえると、前回の試験の結果順で「三玖→五月→一花さん→二乃→四葉ちゃん」の順に描かれていくような気もしますが...、
まだこの時点だと確実に1人につき1話を使う構成になっているとも言い切れないので、ひとまず次週のお話を待ちたいところですね。2話分描かれれば、ある程度方向性が見えてくると思いますし。
というわけで、当ブログは一花さんがチョコを渡せるのかについても全力で注目しております!早く来週の水曜日になって欲しいなぁ....。(←気が早い)
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。