五等分の花嫁 65話 「スクランブルエッグ⑤」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『五等分の花嫁』を読みました。
率直に言って、今は切ない気持ちで頭が一杯になってます。一花さんのことを思えば思うほどやるせなさが募ってきて....自然と涙が溢れそうになってきて....。正直、いつも通り冷静に感想が書けているのか自分でもよくわかりません。大切な人が泣いていたり落ち込んでいたりしている姿を見ると、どうしても胸が締め付けられてしまうのです。それくらいの衝撃が今週のお話にはありました。
でも、同時にそれが誰かに”恋”をするということでもあるのだと思います。恋愛感情って必ずしも美しいものばかりじゃない。むしろ、自分の「嫌な部分」や「弱い部分」と向き合っていかなければいけない場面に多々遭遇するものでしょう。だって、心の底から湧きあがる好きの気持ちは理屈ではないのですから。だから、頭ではわかっていても制御出来ない感情に振り回されてしまう。不意に流れる”涙”なんてその最たるものと言えますよね。
だからこそなのでしょうか...。今週の一花さんの姿は、どこまでも人間らしい、「等身大の少女」として描かれていたなと思えるのです。
誰もが二乃のような気持ちのいい恋愛に憧れて、あんな風に自分の恋心に対してどこまでも正直でいられたら...と考える。余計なことに捉われず、ただ好きな人だけをその瞳に捉えることが出来たなら...と思っている。
でも、そうありたいとわかっていても、実際にどれだけの人がそれを「行動」に起こせるものでしょうか...。きっと多くの人はここまで強くはなれません。ゆえに、物語を通して成長した二乃の在り様に惹かれながら、どこまでもリアルに「人間の弱さ」を見せる一花さんの姿にも心の底では共感を抱いてしまう。今回は改めてそんなことを考えさせられるお話でもあったのではないでしょうか。
....というわけで、いつも通り前置きが長くなってしまいましたが....、早速今週のお話を振り返って参りましょう。
<家族旅行編>
「今」を巡る一花さんと二乃の想い
前回、長女である一花さんへ”恋愛相談”を持ち掛けた二乃。
が、スタートからもう切なさが尋常ではありませんでした...。悩みを持ち掛けているはずの二乃が晴れやかに自身の想いを語り、相談を受けているはずの一花さんの方が弱さを曝け出しながら表情を曇らせる。
本来なら姉妹間の恋愛相談なんて、こんなにも微笑ましい光景はないはずなのに...。なんで「同じ人を好きになってしまった」んだろう...。自身の内側に渦巻いているそんな葛藤が一花さんの心をどこまでも苦しめているんですね。
しかし、二乃はこの一花さんの”悩み”に対して一つの答えを出していました。
「都合」も「理由」も「他の人」も何もかも関係ない。これは他でもなく”私の恋”なんだから。だから、自分の恋物語のメインキャストは「私」と「彼」だけいればそれでいい。たとえ、その道中にどんな強力なライバルが表れようとも、乗り越えていけばよいだけのことなのです。自分の人生における『主人公』はいつだって自分以外にはありえないのだから....。
ゆえに、好きになってもらうための努力も、幸せになる権利も全部自分の中にあるんだと二乃は胸を張って語ることが出来たのかもしれません。しかも、これを「言葉」の上だけでなく実際の「行動」に移せる二乃は、本当に凄いヒロインだなと思わされますよね。
そして、一花さんもまたそんな二乃のまっすぐな姿が羨ましかったんだと思うのです。
自分が何を言おうとも二乃の想いは揺らがなくて...。それなのに、自分はずっと誰かの目を気にしてきただけでなく、あまつさえそれを免罪符に二乃の恋を止めようとまでしてしまった。だから、自分がどんどんズルい人間になっているように思えてならなかった。二乃の強さを見れば見るほど、自分の弱さが見えてきてしまうわけですね。
無論、一花さんと二乃では背負っている背景も理解している恋愛事情も同じではないけれど、しかし、元を質せばそれも言い訳でしかないことを痛感させられたのでしょう。仮に二乃が一花さんの立場であったとしても、彼女はきっと自身の「恋」にきちんと向き合うことを選んだはず。それは今週の会話を見てもわかること。
でも...、それでもやっぱり僕は、そんな弱さも含めて一花さんのことが愛おしくてたまらないのですよ...。
だって、涙が出たのはそれだけ本気で「好き」だからに他ならないのですから。本気じゃなければこんなにも苦しい想いをしたりしない。彼女もきちんと「人間味」溢れる感情と闘っているんですね。ここまで強く成長した二乃も初めはそうでした。だから、長女としてずっと背伸びをしてきた彼女もまた、きっとこの物語の果てに自分の殻を破ることになるのでしょう。
自分の「弱さ」を受け容れて、そこから前へ前へと進んでいく。『五等分の花嫁』という作品を通して春場先生が真に伝えようとしている成長物語は、そういった「人間の弱さと強さ」に向き合っていくことにあるのかもしれませんね。
...というわけで、今週の感想を総括すると、
四葉ちゃんの活躍にも期待です!
来週以降の四葉ちゃんの活躍にも全力で期待したいなってことですよ!
七つのさよならとの対比を考えても非常にグッとくる展開ですし、何よりも前回からの流れを踏まえれば、ここで四葉ちゃんが一花さんの涙を見たことには意味があるように思えてなりません。
無論、姉妹が仲違いをしたわけではないけれど、結果として一花さんが泣いている現状のままではお爺ちゃんを喜ばせたいという願いは成立しないと思いますし...。四葉ちゃんが絡んでくるのもここがポイントになってきたら面白いのかもなぁと思ったり...。
また、少々メタ的な視点ではありますが、二乃の口から直接「五月の姿じゃ(キスの)効果が見込めないかも」という発言がなされた点も気になるところではあるのかなと。
舞台背景的には五月の姿で誰かがキスをするのが王道な感じもしましたけれど、このセリフを踏まえると、キスの相手が変装五月であった場合、どうしても二乃の可能性が薄くなってしまう気はしますから。まぁ、シチュエーションからして現時点では予想が難しいのでこの部分については本当にこれからの展開次第ではあると思いますが...。
さぁ、果たしてここからどうなるのか。足止めが失敗した理由も含めて来週の展開が待ち通しい限りです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。