五等分の花嫁 最新話(70話) 感想 ネタバレ注意
今週の『五等分の花嫁』を読了!
なんというか、非常に「学園ラブコメ」らしい回でしたね。これまでの『五等分の花嫁』における学校という場所は、どことなく「試験を受けに行く場所」としての側面が強くありましたけど、3年生になり、めでたく全員が同じクラスに進級したことで、学校での日常風景を「6人の物語」として自然と取り入れることが出来るようになった。個人的にはこういう展開、凄く良いなぁと思いました。
何が良いって、具体的には、やはり”外側”にいる人達の視点が入ってくるようになったことですよね。
今までは、基本的に「フータローと五つ子たち」の中で完結する”内側”の部分に焦点が当たっていたので、輪の外側にいる人達の視点を強調する必要は基本なかったのだと思いますが、逆に今回は、この半年間の紆余曲折を経て深まった「6人の関係の輪」を外から見る存在が印象的に描かれていました。
これが非常に新鮮で良かったなと。無論、あくまでもストーリーの主軸は徹頭徹尾、この「6人の物語」なわけですから、今後ともその軸がブレることはないのでしょうけれど、フータローや彼女たちの「変化」を”対象化”するための存在として、クラスメイト達との交流が描かれていくのはストーリー的にも面白いんじゃないかと思いますね。
今回はそんなことを踏まえながら、気になった点について振り返っていきましょう。
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学級長のお仕事!
そんなわけで、今回は学校を舞台にした物語が展開されておりました。
で、まず興味深かったのは、四葉ちゃんが学級長に立候補をしたこと。これがまた、実に彼女らしいではありませんか...。フータローも語っている通り、高校三年生という時期を考えても、学級長なんて普通の生徒は中々やりたがらないものでしょうに、聞かれる前から、自ら手を挙げるだなんて...。
やっぱり、四葉ちゃんは紛うことなき大天使だったのですね....。しかも、ここから男子の学級長にフータローを指名するという、まさかまさかのファインプレー(羞恥プレー)。これは、いつか誰かに「必要とされる」人間になると決めたフータローを、そういうステージに引き上げたとも解釈できるシーンなわけですよね。
であれば、四葉ちゃんとフータローの2人がこのクラスの学級長になっていく展開は、中々に意味深な含みがありそうな気もしてくるのかなと。
まぁ、実際、学級長にどんな役割が与えられることになるのかに関しては、現状定かではありませんが、かつて竹林さんと真田くんが「二人とも学級委員でお似合い」と言われていた構図を見ると、なかなかに面白い展開だと言えるのではないでしょうか。
あの日、一人だった自分の隣に立ってくれた女の子。そして、これからフータローの隣を歩いていくことになる女の子。そんな「過去」と「今」と「未来」を巡るお話が、どう繰り広げられていくのか。3年生編はワクワクが止まりませんね。四葉ちゃんとフータローの絡みにも期待しております!
ライバルの登場!
また、今回はフータローのライバルが登場したことも見逃せません。
なんと言っても、「上杉」vs「武田」なわけですから...。中々に個性溢れる愉快な人物ではありますが、内向的なフータローを対象化する相手としては、非常に面白い存在になっていく気はしますよね。
察するに、恋愛方面のお話にガッツリと絡んでくるようなタイプには見えないので、『勉強』軸でのライバルという位置付けの人物なのだとは思いますが、学年1位のフータローを(勝手に)好敵手と認めている学年2位みたいな感じなのでしょうか。
他のクラスメイトから人望が厚いのも、社交的だからというだけでなく、成績が良いからだと解釈することも出来そうではありますし。
昔から変わらないね君も
流石は僕のライバルだ
まあ、いずれにせよ、こんな意味深発言を残しているくらいですから、それなりに昔から上杉風太郎を知っている人物ではあるのでしょう。
なんせ、この発言は、今回五月が語った「きっと彼も変わってきてるんですよ」というセリフとの対比にもなっているわけですから。
上杉風太郎という人物への評価として、昔(=写真の子との出会い以後~これまで)から変わらない彼の『勉強』へのこだわりの部分を抽出し、「流石」だと形容する武田くんと、少しずつ周囲との壁を取り払い「変わってきている」彼の姿を好意的に指摘してみせる五月。
そんな背景を踏まえても、今後、武田くんがどんな形でフータロー達に関わっていくのかは気になります。もしフータローを狙っているんだとしたら、三玖が全力で嫉妬しちゃうので、武田くん、とても危険ですよ!
五月とフータローの関係性
どうかしてます...
あんな人を好きになるなんて...
さて。最後にとても気になったポイントとして、この五月のセリフについて触れていきましょう。
無論、文字通りにこの言葉を解釈するならば、五月はフータローを異性として好きではないということが読み取れます。従って、68話でフータローとキスをした人物も五月ではなかったということになる。
仮に、あのキスに明確な「恋愛感情」が含まれていなかったとしても、「どうかしてます...」とまで思っている相手にキスをしようなんて発想には普通至らならないでしょうからね。ゆえに、五月の言葉が純度100%の”本心”なら、彼女が「花嫁」である可能性は相当に低くなったと言っていい。それは間違いないでしょう。
しかし、文脈を考えると、やっぱり先程の発言にはかなりの違和感があるのもまた事実なんですよね。
そもそも、五月はもうフータローを「友達」として信頼しています。これこそが、半年間の積み重ねによって彼と彼女が築いてきた”関係性”であり、2人の前向きな「変化」の証でもある。その部分に関しては、今週も、そして、家族旅行編でも描かれてきた通りですから、揺るぎのない事実でしょう。
であれば、なおのこと「どうかしてます...あんな人を好きになるなんて」というセリフに関して、些か以上に「言葉が厳しい」のでは?と思えてしまうわけじゃないですか。
要するに、否定の「感情」が強すぎるのです。むしろ、『友達』だと思わなきゃいけないんだって、自分自身に言い聞かせているようにも見えてしまうくらいですよ。五月にも複雑な乙女心があるのかなって。タイミング的にもそんなことを考えてしまいますよね。そして、そういう風に見れば「五月=未来の花嫁」の可能性が高まったとも受け取れる。
もちろん、まだ想像の域は出ませんが、五月とフータローの関係性をマクロ的な視点で見ると、
2年生編:「対立⇒友達」(対立⇒信頼)へ
↓
春休み:友達宣言(⇒三玖の恋心を知りフータローに対する意識に”変化”が...)
↓
3年生編:「友達⇒恋愛」(信頼⇒恋愛)へ
こういう段階を踏んでいくんじゃないかと考えることができるのかもしれません。
いずれにしても、今回の五月のセリフは、物語における一つの「問題提起」として描かれていることは疑いようもないわけですし、問題とは最終的に解決に至るのがストーリーの常というものですからね。
ゆえに、きっと五月にもいつかフータローを男の子として意識する(ことが読者にも明確にわかる)瞬間が訪れることになるのでしょう。そんな日を楽しみにしつつ、今後の展開を温かい目で見守っていきたいですね。
つ・ま・り!何が言いたいのかというと、
二乃可愛すぎる問題!
今週の二乃が最高に可愛かったなってことですよ!
「あいつ」や「アンタ」呼びも、二乃らしい好みど真ん中のテイストではありますが、しかし、恥ずかしげに繰り出されるフータロー呼びの破壊力たるや.....。本当、このまま二乃には着実にフータローへモーションをかけていってもらいたいものですね。
さて。来週はいよいよフータローの誕生日回でしょうか。一体、5人はどんなものをプレゼントするのかな。中野父の暗躍も気になりますし、来週以降も最高に楽しみです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。