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『五等分の花嫁』78話 感想、”譲れない想い”と”譲ってしまう少女”!中野四葉はなぜ上杉さんの味方なのか...!?

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五等分の花嫁 78話 「シスターズウォー 1回戦」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

今週の『五等分の花嫁』を読了。

 

冒頭から少しばかりしんみりとしたお話をしてしまう事をお許し頂きたいのですが、正直なところこれまでの僕は、”自分を犠牲にし過ぎる子”にちょっぴり苦手意識がありました。理由は至極単純で、見ているととても辛くなってしまうから。どうしようもなく、胸が締め付けられてしまうからです。

 

誰かが嫌がることを率先して引き受けたり、頼みごとをされると断れなかったり。もちろんこれは一種の美徳であり”やさしさ”でもありますが、それが度を超えて行き過ぎれば自分にとってはもう毒でしかありません。いつか必ず限界を迎える時が来る。ましてや、一介の女子高生が「自分への負担を度外視してでも相手のためになりたい」なんていう聖人めいたメンタリティを持っているだなんて、些か以上に不健康が過ぎますよね。

 

 

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この物語の果てに、四葉ちゃんは...

 

でも、だからこそ、中野四葉ちゃんという女の子の存在から目が離せなくなっている自分がいることに、最近改めて気付かされました。

 

気持ち一つでどんな事にも挑戦をしていける10代の内から、”誰かのため”にならんと奮闘する彼女の姿。それは、自分の”夢(=やりたいこと)”を見つけ、その道に向かって進んでいく...という『五等分の花嫁』のテーマとは明らかに逆行しています。

 

仮に「誰かのためになること」が彼女の夢になるにしても、具体的に自分が歩んでいく進路を自らの気持ちに従って見つけていかなくてはいけないはずですから。ゆえに、今の彼女は他の姉妹達に比べて、いまだ物語が生み出す流れに乗り切れていないヒロインである...とも言えるのでしょう。

 

そういう意味でも、第77話でフータローが語った「俺はあいつらの夢を見つけてやりたい」という言葉の一番の焦点は、四葉ちゃんの物語にあるのではないか(四葉ちゃんとのデート回を匂わせるブランコの演出もこのためではないか)と個人的には思ってます。

 

”自分”が何をしたくて、どんな人になりたいのか。これからは「自分のため」に前へと進んで欲しいんです。「誰かのため」に何かを守るのは、もっともっと大人になってから(それこそ生涯の伴侶を見つけてから)で構わない。今回のお話は、そんな”自分の譲れない想い”をぶつける少女と”誰かの想いのために苦悩する”少女の物語です。

 

 

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78話:シスターズウォー 1回戦

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三者の譲れない戦い

 

というわけで今週は、「修学旅行の班決め」でそれぞれの思惑をバチバチさせる一花さん・二乃・三玖の姿を軸にストーリーが展開されていました。

 

まずここで少し興味深いのは、冒頭から3~4ページに渡って、パン作りに励む三玖とそんな彼女を応援する四葉ちゃんのシーンを描いている点でしょうか。

 

四葉ちゃんが三玖の恋を全面的にサポートする方向で動いているのは、無論この時点における彼女が三玖以外の姉妹達の恋愛事情を知らなかったから.....なのでしょうけれど、振り返ってみると、三玖が戦国武将に惹かれたキッカケを作ったのも、三玖の好意に最初に勘付いていたのも、他でもなく四葉ちゃんなんですよね。

 

 

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三玖と四葉ちゃん

三玖!私にまかせて!

私と上杉さんで班になろうよ

私から上杉さんに言っておくからさ!

 

だから、彼女が三玖を応援しようと考え行動することに納得が出来てしまう。

 

フータローに出会い、少しずつ前向きになっていく三玖の姿。あれだけ苦手だった料理を諦めずに頑張っている事がその何よりの証明ですが、四葉ちゃんは変わっていく三玖の姿に早い段階から気付いていました。ゆえに、心優しき彼女が第72話で殊更に「三玖とかどうですか~?」とフータローへプッシュしていた事にも理屈が通る。そういった土台が物語の初期から積み上げられていたようにも思えます。

 

 

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一花さんと四葉ちゃん

 

が、そんな彼女の”やさしさ”に付け入るお姉さまがひとり.....。

 

率直に言うと、中々にエグいですよね。頼みごとを断れない彼女の性格を知っていて、こういう話を持ち掛けるのはどう考えてもフェアじゃない。

 

これまでに描かれてきた、偽三玖の件や誕生日プレゼントの一件は、「ライバル達」を蹴落としてでも自身の恋の成就を願う、独占欲の延長線上としての可愛い過ち(=駆け引き)...というラインを何とか保っていた印象もありましたが、自分の本心を隠したまま、人のやさしさを利用するのは流石に行き過ぎ感が否めません。描かれ方からしても意図的にヒールさを強調させるタッチでした。

 

 

 

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言葉に出来ない、一花さんと三玖

 

ゆえに、ここが”現在の”一花さんの限界。そして、悪意こそありませんが、三玖も同様でしょう。

 

四葉ちゃんを頼り、自分で言葉にすることが出来ないから、話を前に進められない。つまるところ、告白をするのはいつだって自分自身でないと意味がないわけです。対価を払わずに特急列車に乗るだなんて誰にも許されてはいないんだから。

 

 

 

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二乃の強さ

私とフー君が二人っきりの班を組むの

好きな人と回る

あんたに拒否権はないから

 

だからこそ、これが言える二乃の強さ”に、心の底から敬意を表したいと思わされるわけですよね。

 

一花さんの言う通り、ここまで堂々と宣言をされてしまえば、もう手の出しようがありません。小細工を差し挟む余地もない。二乃が行った「公開告白」にはそれだけの効力がある。

 

 

 

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三者の恋愛事情

 

言いたいことがあるなら 

今 言ってみなさい

 

なにせ、もしここで反対意見を繰り出そうものなら、それはもうまさに「告白」をしているようなものですから。

 

だから、一花さんと三玖の2人は、これ以上の言葉を発することが出来ない。後ろめたい策を弄さずとも、どこまでもクリーンに、どこまでも”公平”に、ライバル達を蹴落とすことが出来ることを二乃は証明しています。

 

そういう意味でも、わかりやすい程に「一花さん&三玖」との対比の中で二乃の類稀なるメンタリティが強調されていた回であったと感じましたが、先週「ここで(=京都で)決着をつけてやるわ」と豪語していた、実に二乃らしい振る舞いであったと言えるのでしょうね。

 

 

”譲れない想い”と”譲ってしまう少女”

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譲れない想い

 

とはいえ、二乃としても、三玖や一花さんがこの場で「自分の気持ち」を表明するならそれはそれで願ったり叶ったり...という想いも、きっとあったんじゃないかなとは思います。

 

懸命に声を振り絞ろうとしていた三玖の姿を捉えながら、複雑そうな面持ちで視線をそらしてしまった事が、何よりもその証拠。元々、姉妹愛の強い彼女ですし、同じ恋する乙女としても、三玖の心情に思うところがあったのでしょう。

 

だから、「言いたいことがあるなら 今 言ってみなさい」と全員に機会を与えた。譲れない想いがあるなら、この場でハッキリさせるべきだ、と。ここにも、彼女の実直さが良く表れています。

 

 

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譲ってしまう少女

 

だから私以外の皆でってこと!

これなら万事 解決だね

 

そして、そんな背景を鑑みると、やはり二乃のあのセリフは、図らずとも四葉ちゃんに対しても響いてくるセリフになっている....のでしょうね。

 

自分のことは二の次で「私以外の皆で5人班を作ればいい」という案が自然と出てきてしまう四葉ちゃん。そう、これまで姉妹の誰よりも ”5人でいること”(”6人でいること”)を大切にしてきた彼女が、みんなのために「自分は一人でいい...」と語っているのです。

 

それに対し、「何か問題ありますか?」なんて聞かれたら、そんなの「問題しかないに決まってる...」と答えるしかないじゃないですか。非情に徹する覚悟を決めた一花さんが「それは....いくらなんでも...」と呟いていた描写もやっぱり姉妹だなぁ...と思わせてくれる一要素でしたけれど、言ってしまえばこれはもうそういうレベルの提案なわけです。

 

争って欲しくない。みんなの願いを叶えたい。そんな想いから、自分の願いを押し留めてしまう中野四葉という女の子。なぜ、彼女はこれ程までに、自分よりも誰かを大切にしようとするのでしょうか....。

 

 

なぜ四葉ちゃんは「上杉さんの味方」なのか

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私は味方です(第72話より)

 

そもそも、どうして彼女は「上杉さんの味方」を貫くのか...という点が僕はずっと気になっていました。

 

もちろん、ここには彼女の「生来の性格」も多分に含まれているのでしょうし、第56話のやり取りからも、勉強の出来るフータローを四葉ちゃんが頼りにする理由はわかります。

 

そこには、上杉風太郎という男の子と一緒なら、今の自分の成績を変えられるかもしれない...という「信頼」の念も確かにあったのでしょう。そういう意味でも、彼女が「上杉さんの味方」でいることにはそれなりの理屈が描かれているようにも思えます。

 

 

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四葉ちゃんの心中は...(第72話より)

 

しかし、じゃあどうして彼女はあの時、「ありえません」と言いながらこんなにも悲しそうな表情を浮かべていたのでしょうか....。

 

僕はこの疑問に対して、フータローの事を「特別」に思う何かが彼女の中にあるから...という回答以外にしっくり来る回答を思いつきません。彼女自身が第21話で語った「なんで私が上杉さんの味方をしているのかわかりますか?」という問いに対する『本心』。それは・・・

 

 

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四葉ちゃんの本心は(第21話より)

好きだから

 

まさしくこの言葉にこそ、込められているのではないでしょうか。

 

考察でも予想でもなく、ただのいち個人の願望ですが、フータローが「写真の子」に対して強い”憧れ”と”感謝”を抱き続けていたように、写真の子にとっても当時の出会いが特別なものであってくれたらいいなって。四葉ちゃんが「上杉さんの味方」を貫くのも、彼女にもまた彼に対して忘れられない”感謝”があるからなんじゃないかなって。そう思わずにはいられません。

 

いずれにせよ、四葉ちゃんがフータローの味方であり続けることを物語の中で印象的に描いてきた理由はなんなのか。写真の子が誰であれ、その部分に対するアンサーを少しでもこの修学旅行編で見ることができたら嬉しいですね。

 

......というわけで、今週の感想を総括すると、

 

ヒートアップする修学旅行編に期待!

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この修羅場...どうなる!?

 

絶賛、修羅場まっしぐらな修学旅行編がどう展開されていくのかに注目したいってことですよ!

 

しかも、これまだ恐ろしいことに「1回戦」なんですよね....。さすがに、大乱闘スマッシュブラザーズ...もとい、シスターズみたいな展開にはならないと思いますが、旅行前の1ラウンド目からここまでヒリついた修羅場が出来上がるとは....。一体どんな修学旅行になっていくのでしょうか...。

 

順当に考えると、一花さん・二乃・三玖の3人がこのまま別行動を許容するとは思えないのでそれぞれに思い思いの行動を取ることにはなるのでしょうけれど、中野父からの言いつけもあるわけですから、反転してフータローは姉妹達との行動を避ける方向で動きそうな気も...。

 

まあ、だからこそ、バラバラになった5人の内、「四葉ちゃん or 五月」のどちらかとフータローがバッタリ遭遇して2人きりになってしまう...みたいなイベントもありうるのかな。なんにせよ、流れ的にここで大きな『告白』が来る予感はしますので、修学旅行編の顛末をとても楽しみにしております!

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。