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『五等分の花嫁』88話 感想、六年前の"約束"と中野四葉の"願い事"!自分が生きる意味を求めて...!

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五等分の花嫁 88話「私とある男子①」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』は表紙&巻頭カラーです。

 

これまでにも、デジタル版の表紙に抜擢されたり他作品との合同で表紙を飾ったりしたことはありましたけれど、"単独での表紙"は何気に今回が初めてなんですよね。

 

ある意味、第88話まで来てようやくか....という気もするのですが、『マガジン』は『ジャンプ』と違ってグラビアの表紙率が非常に高い雑誌なので、表紙を飾った上に色々特集まで組まれているのはきっとそれだけ期待されてのことなのでしょう。

 

プレゼント企画、エピソード人気投票、キャラクターブック発売、アニメ特集、初原画展開催のお知らせ、などなど今後の展開が楽しみになる情報が盛り沢山でしたし、原作の方も"佳境"と言って良いくらいの盛り上がりを見せておりますので、ここから更に『五等分の花嫁』が飛躍を遂げてくれたら嬉しいなと。そんな期待を込めつつ、早速今回のお話を振り返っていきたいと思います。

 

 

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第88話:私とある男子①

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運命の日

 

"六年前の修学旅行" 二人を変えた運命の日。

 

さて、今週のお話は前回の続きからになっておりましたが、サブタイトルに「私とある男子①」と付けられている点が何とも味わい深いところでしょうか。

 

これまでにも断片的に描かれてきた六年前の出会い。第34話において風太郎視点でその思い出が少し語られた際、「写真の子」視点での描写がとても気になると感想でも書いたのですが、サブタイトルを見て流石に色々感慨深い気持ちになりましたよね。

 

あれから1年が経ち、ようやくその一部始終について語られる日がやってきたんだなと。あの日、一体二人の間に何があったのか。風太郎と四葉ちゃんにとってその出会いはどういうものだったのか。今週はその部分を克明に描きながら、過去の四葉ちゃんがどんな想いを抱えて現在に至ったのかが見えてくるお話になっていたように思います。

 

 

六年前の"約束"と中野四葉の"願い事"

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写真の子とフータロー

 

上杉風太郎と中野四葉

 

この二人は非常に似たバックグラウンドを抱えている子達でした。自分は"必要とされていない"人間なんじゃないか。自分がいることで誰かに迷惑を掛けているんじゃないか。

 

齢12歳にして、そんな切ない葛藤に彼と彼女が苛まれていた事はここまでのお話でも示唆されてきた通りです。...が、その実、2人のファーストコンタクトにちょっとした差異が現れている点は興味深いところですよね。

 

「ついてくるな」と反発の意を示す風太郎 (もちろんここにも彼の優しい一面が描かれてもいる) と、それでもなお彼と一緒に行動をしたいとモーションを掛ける四葉ちゃん。ここにも現状に対する2人の姿勢の違いが見て取れる。自身の置かれた立場に「仕方がない」と諦観してしまっていた風太に対し、四葉ちゃんはそんな自分からの脱却を果たしたいという想いを持っていたんですね。

 

 

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四葉ちゃんの掲げる目標

 

そしたらきっと私がいることに意味ができると思うんだ

 

 

だって、"今のままではいたくなかったから"

 

変わりたい。一歩踏み出して「私がいることの意味」を見つけたい。

 

家族のために一人で頑張ってお母さんが働いてくれているのに何も出来ない自分。そんな自分の無力さ(=不要さ)が苦しくて辛い。だから、たくさん勉強してうーんと賢くなって、とびきりお給料のある会社に入ってお母さんを楽させてあげたいと思う。それが、幼き日に中野四葉が描いた"将来の夢"でした。

 

 

 

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必要とされる人間

 

 必要ある人間になれるのかもな

 

なるほど........。そういった背景を鑑みると、風太郎が「必要とされる人間になる」為の要素として"勉強"に邁進してきたことにも非常に納得がいくというものでしょう。

 

なにせ、自分がいなければ....という葛藤を抱きながらも、たくさん勉強をして自分の「生きる意味」を見出そうとしている彼女の考えに、同じ境遇にいた風太郎が強い「共感と感銘(=憧れ)」を受けるのはもはや必然なのですから。

 

不要な存在だと思っていた自分でも「必要ある人間」になれる可能性がある。頭が良くなっていっぱいお金が稼げるようになれば、妹のらいはに不自由のない暮らしをさせてやれるかもしれない。

 

それこそが自分の「存在理由」であり、彼女との出会いによって風太郎が見出した生きる意味そのものなんですね。現状に甘んじるのではなく、現状を変える"努力"をする。彼が"努力"というものに対してずっと真摯なスタンスを見せてきたことも、写真の子が示してくれた指針が風太郎の中で今なお強く根付いていることの証左なのかもしれません。

 

 

 

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二人の約束

私はお母さんのために

風太郎君は妹さんのために

一生懸命勉強しよう!

 

そして、きっと四葉ちゃんにとっても、独りぼっちで抱えていた自分の想いに強い共感を示し、共通の"目標"を語り合うことが出来る風太郎の存在は本当に心強いものだったんだと思います。

 

彼の手を取り、「頑張ろう二人で!」と"約束"を交わす彼女の目がキラキラ輝いているのが何よりもその証拠ですよね。

 

四葉ちゃんはお母さんのために、風太郎はらいはのために。独りではなく二人だからこそ頑張れる。お互いの存在を支えに「未来」への一歩を踏み出そうとしている2人の姿。「二人を変えた運命の日」というアオリ文の通り、まさしく運命の出会いと形容する他ないというものですよ。

 

 

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中野四葉の願い事

 

あぁ....、風太郎を見つめながら浮かべる「四葉ちゃんスマイル」の尊さたるや...........。

 

六年前の京都における2人の邂逅はかくして、「希望」「特別な想い」を生じさせる運命の出来事と相成ったわけでありました....。流石にここまで語られると、もう第41話で風太郎と五月の会話を茂みの陰から聞いていた人物が四葉ちゃん以外に考えられないのですが、果たして真相はどうなのでしょうか......。

 

 

母の想いと子の想い

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五つ子故の苦悩

 

一方で、そんな四葉ちゃんの幸せな思い出を奪い去るかのように、彼女が「五つ子故の苦悩」を再び味わうことになる...というのがこれまた何とも痛まし過ぎて泣けますよね。

 

共通の「目標」を誓い合った特別な男の子。お互いがお互いの存在に励まされ、「生きる意味」を見出し合うにまで至った2人でしたけれども、”同じ姿の五つ子であるがゆえに”、一花さんと自分を間違われてしまうわけです。

 

もちろん、まさか「五つ子の姉妹」だなんて思いも寄らない風太郎に気付けるわけもありませんが、四葉ちゃんとしては非常に辛い出来事であったことは語るべくもないでしょう。それは私じゃないんだよと。自分と姉妹達との間にある「違い」(=自身の「存在意義」)について、彼女が殊更意識していくようになるキッカケとしては十分すぎる「事件」でした。

 

 

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そっくりなんかじゃない

 

勝ってるんだよ 私はもう皆と同じ場所にいない

そっくりなんかじゃない

 

 

また、彼女にとって更に辛い出来事は、"自身の内にある想い"をお母さんに認めてもらうことが出来なかった(と感じてしまった)ことでしょうね。

 

「皆と私は違う...」ということを象徴するアイテムとして付けたリボンには大した差なんてないと言われ、「誰よりも勉強して一番になったこと」、その"努力"を誇れば「一番にならずともあなたたちは一人一人が特別です」と言われる。

 

 

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零奈さんの想い

 

無論、そこには「母」の愛があり、多少なりとも2人の間に「認識」の差があったことは明白です。

 

零奈さんは四葉ちゃんの"努力"を否定しようとしているわけじゃない。ただ、五人一緒であること・同じであることから卒業を果たすことで「自分らしさ」を見出そうとしている彼女に、そんな事をしなくても、5人全員が"特別"で"大切"なんだということを伝えたかっただけ。

 

そもそも、元から「一人一人が特別」で「違う存在」なのだから、競い合うことで優位性や独立性を感じる....という方向に進んでほしくない。要約するなら、零奈さんの気持ちはそういうものだったように思います。

 

 

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大切なのは五人でいること

 

大切なのはどこにいるかではなく五人でいることです

 

だからこそ零奈さんは、この言葉を彼女に遺したのではないでしょうか。

 

五人の小さな娘を遺したまま自分の死期が近いことを悟っている母の想い。そこには当然、計り知れない"無念"があったことでしょう。自分はもう彼女達の側にいてあげられない。そういった悲しみの中でたった一つ彼女が願ったこと。それこそが、「5人が共に支え合って幸せな日々を過ごしていくこと」だったのだろうなぁ...と。

 

 

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マルオに託された想い

 

そして、そんな零奈さんの想いをマルオは知っていた、あるいは零奈さん自身から託されていたがゆえに、5人全員がバラバラにならないよう、「君たちは僕が責任を持って引き受ける」と、彼は彼女達の保護者になることを申し出たのでしょうね。

 

おそらくそのあたりの詳細な事情に関しては、これから五月のエピソードを通して改めて描かれていく部分なのではないかと思いますが、零奈さんが大切な5人の娘を彼に託しているだろうことから察するに、零奈さんとマルオの間にある繋がりやエピソードもやはり、ストーリーの重要な核になっていくのかもしれません。

 

最愛の人が遺した大切な娘たち。間違いなく不器用なところもあるマルオパパですけれど、風太郎に対して対立の感情を示してきたことも、娘たちの「幸せ」「将来」をきちんと案じての行為だったのだろうと思うと、そこには紛れもない「愛」が確かに詰まっていたんだろうなと思います。

 

 

 

 

自分らしくあること

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私たちはもう一緒ではいられない

 

とはいえ、四葉ちゃん視点でストーリーを追うとすると、やはり彼女の身の回りで色々とタイミング悪く「悲しい出来事」――「彼女の人生観を揺るがす事件」――が続いてしまったことも事実なんですよね。

 

そもそも彼女の「目標」は、自分が頑張ることでお母さんに楽をさせてあげる...というものだったわけですが、そのお母さんは既に亡くなってしまったわけです。

 

ゆえに、風太郎と交わした"約束"を実現させることはもうできない。自分は何のために頑張り、何を指針にして生きればいいのか。そんなボロボロの精神状況下で最後に残った勉強さえも「落第」という結果になってしまっているわけですから、正直、彼女が自己を肯定できなくなってしまう気持ちもよくわかる気はします。

 

 

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自分らしくあれと(第68話より)

 

ただ、第68話で彼女達のお爺ちゃんが言っていた「自分らしくあれ」という台詞を鑑みても、四葉ちゃんが自分の目標を定めて変わろうと努力していたこと自体は決して間違っていなかったんだと個人的には思うのですよ。

 

もちろん、自分に代わって楽しそうに話す一花さんと風太郎の姿を見て、「姉妹達に負けない自分になる」「特別な自分になる」という方向に感情が伸びてしまったことは問題の種として描かれていたようにも思いますが、それでも「自分のアイデンティティ」を求めたこと自体が間違いだったとは思えません。

 

現在の四葉ちゃんは、零奈さんが語った「五人でいること」という教えを誰よりも大切にしており、また「誰かに必要とされる自分」であることに自身の存在理由を見出だしているようでもありますけれど、しかし、自分の幸せを願えていない点において、お母さんが最後に遺した願いの意図を彼女が汲み取れていないことも明らかなんですよね。

 

誰ひとり欠けることなく5人全員に幸せな人生を送って欲しい。そんな想いがあったからこそ、零奈さんは四葉ちゃんに「5人でいること」「全員で支え合って生きていくこと」を望んだわけですから。他の姉妹達の幸せのために、四葉ちゃんの幸せを蔑ろにして欲しかったわけじゃないし、彼女を縛る枷になりたかったわけでもない。

 

そんな構造を踏まえると、やはり今回の長編のゴールは、彼女が再び自分の「目標」を再定義し、姉妹達や風太郎に支えられながら、自分のやりたいこと・アイデンティティを取り戻していくことにあるのかなと。前回も書きましたが、自分を「必要」としてくれる人達の存在が彼女の枷を解き放つ鍵になってくれたら嬉しいですね。

 

 

.....というわけで、今週の感想をまとめると、

 

 

四葉ちゃんの心からの笑顔に期待!

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笑顔

 

風太郎のことを語りながら無垢な笑顔を浮かべる四葉ちゃんがとても可愛かったなってことですよ!

 

やっぱり四葉ちゃんは、第1話の頃からずっと風太郎に特別な想いを寄せながら日々を過ごしてきたんだろうなって。だから、「お前が最初に変わってくれたんだ」と言われて想いが溢れ出してしまったんだろうなって。

 

あぁ、今はただひたすらに四葉ちゃんが愛おしい.....。果たして四葉ちゃんの想いはどのような形で報われるのか。そして、思い出の子が四葉ちゃんであると知った時、風太郎は一体どんな風に"感謝"の想いを伝えるのか。来週以降の展開も楽しみにしております!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。