ふわふわな日記

『五等分の花嫁』第9巻 感想、上杉風太郎の成長と中野一花の”願い”!それぞれの想いが交錯する...!

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五等分の花嫁 9巻 感想

 

先日、『五等分の花嫁』の第9巻が発売されました。

 

今巻の表紙は三玖。9巻収録分のお話としては比較的出番が少なめだった彼女ですが、一方で表紙の流麗さは実に見事なものでしょう。無表情でクールさが際立っていた第4巻の表紙とは対照的に、感情豊かな表情が描かれている。物語を通して変化を遂げてきた三玖の様子が実に巧く表現されているんですね。こういう所にまできちんと工夫が凝らされているあたり本当に凄い作品だなと思わされます。

 

そして、そういう方向性で考えるなら、やはり次の第10巻の表紙を担当する花嫁姿の四葉ちゃんは、「切なさ」あるいは「怒気」を感じさせる表情を浮かべていたりするのかも...と考えることができるのかもしれません。第5巻の表紙(=笑顔)との対比としても凄く映えるので、可能性としてはそれなりに高いんじゃないでしょうか。

 

これまで胸の中に閉じ込めてきた彼女の感情が次巻の表紙イラストで描かれるのか、あるいはもっと別の表情を見せてくれるのか。いずれにしてもイラストの公開が楽しみ過ぎますね。第10巻・第11巻の表紙にも全力で期待しております!

 

 

 

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第9巻:新学期の開幕!夢と恋に満ちた激動の物語!

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ようこそ3年1組(第9巻,第69話より)

 

さて、そんなこんなで『五等分の花嫁』ワールドもこの第9巻を以っていよいよ、高校生活最後の年・3年生編に突入です。

 

連載当初から春場先生も10巻(2桁)の突破を一つの指針にされていたようですが、もう2か月後にはめでたく目標達成なんだなぁ...と思うと本当に感慨深いですよね。

 

正直、いま世の中に現存するあらゆる漫画の中で「一番続きが気になって面白い!」と胸を張って言い切れる位には自分にとって大きな存在になってくれた作品なので、後どれくらい読み続けられるのかを考えると言葉にならない寂しさが押し寄せてもくるのですが、しかし、それでも次々に繰り出される怒涛の展開を目の当たりにしてしまうと、やっぱりこのまま『五等分の花嫁』らしく最後まで突き進んで欲しいな...と思えてくるのです。9巻の激動ぶりもまた本当に目を見張るものがありました。

 

 

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上杉風太郎の成長(第9巻,第73話より)

 

俺は凡人にもなれていなかっただろうよ

 

中でも、主人公・上杉風太郎の成長譚が描かれていた全国模試編は、作品の大きな節目とも言える極めて重要なエピソードとして描かれていました。

 

五つ子達に出会わなければ「自分が馬鹿だった」ということにさえ気付けなかったと、そう実感を込めて語るフータロー。このセリフにこそ、物語を通して彼が掴んできたものとその成長した姿が表現されているんですよね。

 

「勉強が出来ること」「学年で1番の成績を取ること」では決して代替不可能な”人”として大切な何か。きっとそれこそが「絆」や「愛」と呼べるものであり、また合理性の及ばない「人と人との繋がり」なのでしょう。

 

 

 

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想いは”力”になる(第9巻,第75話より)

 

そして、それゆえに、五羽鶴たちの想いによってフータローが力を発揮する展開に、とても意義深いテーマを感じることができるのだと個人的には思ってます。

 

五人がフータローを必要としているように、フータローにとっても五人はもう「必要な存在」なんですよね。だから、代わりはいない。フータローにしかできないこと、フータローだからこそ出来ることが、これまでの物語を通して確かに表現されてきたのですから。

 

人としての成長を見せ場に据えながら、”愛”をテーマにする作品として欠かすことの出来ない大切なポイントをもきちんと描いた全国模試編。

 

フータローが5人に対して一方的に何かを教えるのではなく、彼もまた5人から大切な事を教えられていた、という構図は1巻の頃から春場先生が示唆されていたポイントでもあるので、個人的には凄くグッとくるお話でした。「あいつらの夢を見つけてやりたい」と語るフータローが、この先彼自身の夢をどう見つけていくのか。その点にも注目したいですね!

 

 

(詳細な感想については連載時のレビューをご参照ください!)

 

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私だけを見て欲しい!どこまでも「人間らしい」一花さんの願い

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一花さん(=偽三玖)の嘘(第9巻,第74話より)

 

一花 フータローのこと好きだよ

 

また、第9巻を語る上で外せないのは、やはり一花さんの存在でしょう。

 

三玖の姿に変装し、そのまま「一花フータローのこと好きだよ 応援するね」とフータローに告げる一花さん。連載時の感想でも書きましたが、本当に衝撃的な一幕でした。どう解釈をしても、褒められたやり方とは言えない。彼女が投げ込んだ「火種」はそういうもの。

 

しかし、そうとわかっていても、その「気持ちだけは」否定したくないんです。間違えてでも、たとえ最低の手段でも、この「恋」だけは絶対に譲れないって、そう願ってしまう心情が痛いほどにわかってしまうから。それだけの想いを抱くほど彼女はフータローのことが「好き」なんだって、そう思えてしまうから。

 

 

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一花さんの想い(第9巻,第74話より)

 

無論、彼女の「やり方」は物語的に見て正しくはありません。

 

なんたって、『五等分の花嫁』という作品は主人公の上杉風太郎が「愛」を以って5人を見分けていく物語ですからね。その最終ゴール地点がストーリーの基盤にある以上、変装という手段を用いた戦い方がストーリーの中で肯定的に描かれないのは自明の理。

 

ゆえに、一般的な善悪の問題を語るべくもなく、物語のテーマに逆行してしまっている点において、彼女のやり方は「正しくない」と言えてしまうわけです。”このスタンスのままで”彼女がフータローと結ばれることは絶対にない。従って、きっとここから先のお話で、この物語の主人公であるフータローから直接、「嘘」の一件について窘められてしまうような展開が描かれることになるのでしょう。

 

 

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どこまでも人間らしい一花さん(第9巻,第74話より)

 

でも、そういう理屈的な部分ではもうどうすることもできない「恋」に身を投じてしまっているのが、今の中野一花という女の子なんだと個人的には思うのです。

 

好きな人が誰かと楽しそうに話しているだけで切なくて、誰にも取られたくないという気持ちが湧きあがってきて。そういう感情を抱いてしまうこと自体はとても「等身大」なものじゃないですか。「独占欲」や「嫉妬」と聞くと、一般的にはどうしても否定的に見られがちなもので、それはきっと自分本位で綺麗なものではないからなのでしょうけれど、しかし、実際には誰しもが根源的に持ち合わせているはずの気持ちなんですよね。

 

「好き」だから会いたくなる。「好き」だから声を聞きたくなる。「好き」だから自分だけを見てほしくなる。自然なことでしょう。だって、「好き」という感情は本来求めるものなんですから。「好き」と「欲求」の2つの感情は表裏一体。そうでなくては「好き」な人と付き合いたいなんて感情が湧いてくるはずもありません。

 

 

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止まらない一花さん(第9巻,第75話より)

 

それに、きっと彼女だって自分が正しくないことくらい、本当はわかっているはずなんですよ。

 

だから、心が痛むし、「後悔しちゃダメ」という言葉が出てくる。でも、それでも二乃のように真っ直ぐにはなれなくて、かといって募る想いを押し留めることも出来ないから、こういう変化球に頼るしかなかったんですよね。

 

もちろん、それは彼女の弱さでしかなくて、どうしようもなく「過ち」なんですけれど、だからこそ、その”気持ちだけは”理解してあげられる「人間らしい姿」でもあるのではないでしょうか。

 

これから先、彼女がどういうゴールを見つけていくのかはわかりませんが、僕個人としては、この経験が彼女を大きく成長させてくれるものであったらいいなぁ...と願わずにはいられません。彼女が走り切った道の先には何があるのか、今後の展開に注目したいですね。

 

 

 .....というわけで、今回の感想をまとめると、

 

 

四葉ちゃんの気持ちにも注目!

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四葉ちゃんの気持ちは.....(第9巻,第77話より)

 

四葉ちゃんの恋愛模様からも目が離せません!ってことですよ。

 

自分の都合よりも誰かの為に動こうとする彼女の存在は、「結婚」という幸せなゴールを目指す物語において、やはり一つのポイントになってくる要素だと思いますし、四葉ちゃんがフータローの事をどう思っているのか、なぜ彼女はは「上杉さんの味方」を貫くのか、そういった部分にも今後踏み込んでいってくれたら嬉しいですね。第10巻のリリースが今から楽しみです!

 

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 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

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