咲-Saki- 216局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
照の支配が続く先鋒後半戦のオーラス。
既に2着の玄ちゃんと照の点差は60400点にまで及んでおり、7連続和了を達成した今もなお照の連荘は止まる気配を見せない。
全国有数の猛者が集結した決勝戦においても別格としか言いようがない、比類なき壁としての宮永照を果たして3校がどう攻略し乗り越えていくのか。
引き続き、オーラスの激闘を見ていきたいと思います。
<前回の感想>
第216局「大差」
〇南4局 6本場 親:宮永照 ドラ:不明
前回、徹底的な照からの狙い撃ちを受け、辛くも跳満の直撃を取られてしまった2着の玄ちゃん。
2回戦と準決勝に続いて収支は原点を割れ、その点差以上に絶望的な力量差が存在することも実感させられてきた。
しかし、それでも涙をこらえて前を向こうとするその姿こそがこの団体戦を通じて玄ちゃんが成長してきたことの1番の証なのかもしれない。
どれだけヘコまされてもめげなかった花田煌のように。ボロボロになりながら何度もチャンピオンに挑んだ園城寺怜のように。
たとえ辛くても泣きそうでも諦めることだけはしたくない。最後まで前を向き、自分のベストを尽くして仲間にバトンを繋いでいく。準決勝の時だってそうだった。それで結果的にチームとしての1位を掴むことも出来た。
団体戦だからこそのプレッシャーもあるけれど、団体戦だからこそ支え合い力を貰えることもある。これは個人戦ではない。個の力で宮永照に勝てずとも、チームとして負けないための役割を果たす必要がある。
あぁ....。これこそが団体戦の醍醐味ですよ。
チームで繋ぐ一勝を描いてこそ団体戦を描く意味がある。誰一人個人戦に出場していないことからも分かる通り、阿知賀女子は一人の絶対的なエースを精神的支柱に据えている学校ではない。
だからこそ、チームのみんなを信じているからこそ、ここで松実玄がすべきことはもうただ一つ。宮永照の連荘を喰いとめること。たとえ何万点差であろうともこの事実だけは揺らがない。そしてそれは当然、照以外の3校とも同様の結論となる。
が、しかし.............
それでも宮永照が止まらない!
三校の決意をよそに、それでもお構いなく和了りを狙いにくる王者の打ち筋。
もはや本当にめちゃくちゃな強さである。全国2位の荒川さんが「宮永照はヒトじゃない」と言っていたけれど、臨海のエースで全国3位のガイトさんでもここまで大差が付いてしまう程とは正直想定以上だった。
飛びぬけた力は人を孤独にする。かつての衣がそうであったように照もまた似たような感覚を抱えていたりするのかもしれないね。
例の「私は麻雀 それほど好きじゃないんです」発言も含めて、照の心中はやはり作品として最も気になるところ。
団体戦の過程で結論が出るかは分かりませんが、「①照にとって宮永咲とは何か ②照にとって麻雀とは何か」あたりの内容がきちんと描かれてくれたら嬉しいなと思います。
ついに辻垣内智葉が動く
さて。そんなこんなで6本場はリーチを掛けた照がそのまま倍満をツモ和了り、これで照の和了りは8連続。
ツモ
巡目はわからないけれど、メンタンピン一発ツモ三色一盃口で8600オールというのは流石の照にも苦しさが出てきた感じかな。
この次はドラなしで三倍満以上の手を作らなくてはならないし、今のようにリーチ一発ツモで打点を押し上げるにしてもほぼ清一色系統の手に頼らざるを得なくなる。
そうなると「四暗刻・大三元・国士無双」あたりを狙った方が確率的には高いまであるので、長らく続いたチャンピオンタイムも次の局が全員にとって勝負所になるのかもしれません。
全国三位のプライドにかけて、辻垣内智葉が最強のチャンピオン宮永照を止めるのか。
玄ちゃんがドラを縛り、優希が速攻の鳴き仕掛けでプレッシャーをかける。準決勝の時のようなわかりやすい共闘が成立していなくても、宮永照を止めるという共通の目標に向かって全員が勝負に出ようとしていることが活路になる。
〇現在の点数状況(後半戦南4局6本場終了時点)
1位 白糸台 :174000点
2位 阿知賀女子 : 79200点
3位 臨海女子 : 75600点
4位 清澄 : 71200点
この点数状況での一発逆転はもう発生しえないけれど、最後まで戦う気持ちを捨てないガイトさんたちがどんな方法で照を追い込むのか。次回のお話を楽しみにしております。
次回は6/5発売号で掲載予定。