『咲-Saki-』第218局~第235局 感想(決勝先鋒戦終盤~次鋒前半戦振り返り/点数まとめ)
咲-Saki- 218局~235局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
「CMあけたぞおまえらーッ!!」ということで、皆様お久しぶりです。片岡優希です!.....じゃなかった、ふわふわです。
ここ1年近くかなりバタバタした生活を送っていた関係でブログの更新が出来ずじまいの日々が続いていたのですが、ようやく一段落ついて落ち着きを取り戻してきましたので、9月から『咲-Saki-』の最新話感想記事を再開していきたいと思います。
ブログのコメント欄やTwitter等で頂いている通知に返信が出来ていない状況で大変心苦しい限り(コメントありがとうございます...)ではありますが、体調面が原因で更新が止まっていたとかそういう理由ではないので、今後もよろしければお付き合いいただけると幸いです。
<前回の感想>
咲-Saki-第218局~第235局 感想まとめ
....というわけで前回の更新から1年近く期間が空いてしまったので、更新できていなかった「第218局~第235局」の内容と個人的に気になった部分について今回は簡単に書いていきたいなと。
自分の備忘録も含めて、下記3点構成で内容を振り返っていきたいと思います。
決勝先鋒戦決着(~第219局)
決勝先鋒後半戦の最終局。
怒涛の八連荘で大量リードを獲得した照の強さが際立つ中、最後まで自分の為すべきことを全うしようとする優希、玄ちゃん、ガイドさん、三者それぞれの姿がきっちり描かれていた点も決勝戦における見どころの一つになっていました。
下家の優希が度重なる鳴きで照のツモ番を飛ばし、玄ちゃんの"ドラ送り"で照の和了り牌ツモを完全ブロック。そして詰めの展開として、最後の最後にガイトさんがギリギリの捲り合いを制し照に倍満の親被りを浴びせる。
亡き母との思い出の象徴であり、麻雀を通して見る「彼女の生き方」そのものでもあり、さらに言えば待ち続けてきた彼女を縛るものでさえあった「ドラ」。
そんな、彼女とドラの関係性を印象的に阿知賀編で描き切り、準決勝で見せた前に向かうための「お別れ」を経て、ずっと手放すことのできなかった『ドラ』というファクターを最強のチャンピオンに一矢報いるための布石(=ドラマ)として演出する。
王道ながらも非常に熱い気持ちにさせてくれたことは間違いないし、(長い間ファンとして読み続けている目線や期待感が入っているにせよ)、こういう描写こそが単なる能力バトル漫画に留まらない『咲-Saki-』という作品の魅力で、ここから続いていく闘牌に対してもこの熱量を期待する読者がいる。だから今なお読み続けていられる。そんなことを感じた展開でもあって。
照が妹の咲さんを彷彿とさせる嶺上開花を和了る場面もありましたし、先鋒戦は宮永姉妹スキー的にも見どころアリな対局でしたので、いずれ描かれる大将戦への伏線としても良い先鋒戦だったのかなと。そう思えた内容でした。
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そして、そんな白熱の決勝先鋒戦の収支結果については下記の通り。
〇決勝先鋒戦結果
1位 白糸台高校(西東京):164300点
(前半戦:+54500点 / 後半戦:+9800点)
2位 臨海女子高校(東東京): 94700点
(前半戦:-37500点 / 後半戦:+32200点)
3位 阿知賀女子学院(奈良):74500点
(前半戦:-34100点 / 後半戦:+8600点)
4位 清澄高校(長野): 66500点
(前半戦:+17100点 / 後半戦:-50600点)
いや、マジで照さん半端ないって強すぎ...................。
まぁ想定の範囲内ではありましたが、結果だけを見ると決勝先鋒戦は照の圧倒的一人浮きで終幕。
後半戦単体で見れば最後のオーラスに倍満をツモったガイトさんが大きくプラスになってはいるものの、総合するとマイナス収支になっちゃうのが何ともエグい。そりゃ、流石のネリーさんもツッコミたくなっちゃいますよねぇ.......。
ワハハ.....。半荘2回でこんだけ和了ってもきちんとマイナスという圧倒的恐怖。
しかも玄ちゃん以外はドラを絡めた手作りが基本出来ない条件下でこの火力なわけですから痺れますよね。
前後半で2回天和を和了ったはずの優希も後半に大きく後退し、気付けば1位の白糸台に対して10万点近いビハインドを追う形になってしまいましたので、我らが清澄高校がここからどう追い上げていくのかも要注目です。
部長の負傷と中堅戦の展望(第220局/第221局)
....という感じの雰囲気で先鋒戦が終了した流れから一転、「部長の負傷」というまさかまさかの展開が描かれてしまうことに。
えっ......。(困惑)
いや、まぁ部長自身も言っている通り、腕の負傷が実際ダイレクトに闘牌へ影響するかと言えばさすがに微妙だとは思うのですけれど、しかしわざわざこの展開を描いたということはロンオブモチで「試合の展開に強く影響が出ますよ」と言っているようなものなわけですよね.....?
となると、果たしてこの状況が部長にとってプラスに働くのかマイナスに働くのか。
ベタな展開予想をしてしまうのなら、負傷によって序盤は思うように闘えず、中後半で盛り返していく....みたいな流れになりそうな感じもあるのですが、正直それだと安易すぎるのではないかといいますか、何と言ってもこれから描かれるのは"決勝戦"なわけですよ。
清澄高校を代表する一人として、チームの指揮官であり部長として、そして「竹井久」として。どれを取って考えても、極めて大切な試合と言えるのがこの決勝戦という大舞台。
家庭の事情で私立の風越に通うことが出来ず、幽霊部員すら辞めてしまった部室でたった一人牌を握りながら「全国優勝の夢」を見ていた二年前があって。その翌年にまこが入部して2人になり、そのまた一年後ようやく全国を共に目指していける後輩たちと巡り合うことができた。
多くのライバルと協力者を得た長野県予選を経てインターハイの切符を手に入れ、迎えた全国大会2回戦では緊張とプレッシャーのあまり持てる力を十分に発揮することが出来ない場面が描かれるなど、部長が「全国優勝」に対してとても強い思い入れを抱いていることはもう繰り返し語るまでもなく周知の事実なわけじゃないですか。
そんな背景を考えると、やっぱりこの決勝中堅戦は清澄の部長・竹井久にとって一つの到着点であり集大成でもあると思うんですよね。ゆえに、中堅戦で部長がどういう闘いを見せてくれるのか期待に胸を膨らませ過ぎて巨乳になってしまった人も決して少なくはないと思うわけです。
現に第234局のお話の中でも部長にまつわる回想シーンがまこを通して小出しに描かれてもいましたし、2年生時点の部長はまこの実家の雀荘「roof-top」へ頻繁に通っていて、
ここを追い出されてしまっては....
わたくし行く場所がないのでございます
と言っていたことから、作中初期から示唆されている「家庭の事情」とやらが結構複雑なのだろうということが読み取れたりもしている。加えて、
①:「上埜」から「竹井」に性が変わっていること
②:3年前のインターミドルで突如姿を消した理由
③:風越のような私立に通える金銭的余裕がないこと
上記3点を踏まえても、インターハイ決勝戦の対局の中で「竹井久」という人の過去とルーツを辿る展開が描かれるだろうことは想像に難くないし、きっとそれは、おそらくこの世に多数存在する部長ファン待望の瞬間でもあるわけですよ。
だからこそ、決勝中堅戦は今まで描かれてきた部長の対局と比べても文句なしに一番の展開だったと思わせてくれるものを見せてほしいなって。
何だかんだで今回の決勝中堅戦は毎度一番楽しみにしている大将戦と同じくらいの温度感で期待している自分がいてハードル爆上がり中なんですが、近年の僕の涙腺の緩さからして部長関連のエピソードは普通に泣く自信しかありませんから。
部長のダイナミックツモ演出が(マナーの是非はともかく)彼女の調子の良し悪しを図るバロメーターとしても彼女のルーツを辿るという意味でもわりと無関係ではない気がしますし、「右腕の負傷」に絡めてどう部長の過去が明かされるのか楽しみにしております。
決勝次鋒戦開幕(第222局~第235局)
はい。最後に現在進行形で描かれている次鋒戦の展開について。
大火力の応酬と宮永照を止めるという一大ミッションが命題として掲げられていた先鋒戦からのバトンタッチとしては比較的クレバーな展開にも思える次鋒戦ですが、さすがに全国最上位校同士の激突というだけあって火力のエグさはやはり健在。
〇次鋒前半戦終了時点の点数状況
1位 白糸台高校:142000点(-22300点)
(次鋒前半戦:-22300点 / 後半戦:点)
2位 阿知賀女子学院: 101300点(+26800点)
(前半戦:+26800点 / 後半戦:点)
3位 臨海女子高校:98600点(+3900点)
(前半戦:+3900点 / 後半戦:点)
4位 清澄高校: 58100点(-8400点)
(前半戦:-8400点 / 後半戦:点)
中でも宥姉の安定感は抜群で前半戦の攻防で阿知賀女子が2位に浮上し、トップ白糸台との点差を大きく詰める結果に。
あくまでも描写から受ける印象だけで言うならそこまでの力量さがあるイメージはなかったと思うのですが、こうも点差として浮き出てくると、防御面でも攻撃面でも立ち回りの上手い宥姉の活躍には確かに目を見張るものがあります。
玄ちゃんほどではないにしても「赤い牌」が集まる能力はやはり打点も高くなりやすいですし、そのうえ赤土先生が信頼を寄せるほど「押し引きのセンス」に優れているのなら、収支が安定するのも納得ではありますからね。
阿知賀編としては非常に頼もしい存在であった宥姉も、清澄サイドから見るとこの壁を超えていかないといけないのか...と思わされる中々にハードルが高い相手。
応用力と柔軟性に優れた能力であることは阿知賀編でも指摘されていましたが、その能力を使いこなす駆け引きのバランスも赤土先生お墨付きときているので、宥姉の安定感はさすがの決勝メンツでも崩していくのが困難なのかもしれません。
このまま宥姉が安定した打牌を貫くのか、それとも他3校が切り返しを図るのか。
照が圧勝した以上ある程度仕方がないことではあるにせよ、後続の白糸台メンバーにも活躍してほしいし、当然まこの奮闘にも期待したい所存。臨海の郝さんはお団子髪がとても似合っていてちょー好みです。
あと、和はちょいちょい出るのに咲さんの霊圧が最近消えすぎている気がするので、そろそろ出番をお願いします立先生!
ということで、9/3発売号で掲載予定の第236局に期待しております。