ふわふわな日記

『咲-Saki-』第236局「執念」感想

 咲-Saki- 236局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)

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咲-Saki- 第236局 感想

 

第222局から始まった決勝次鋒戦もいよいよ大詰め。

 

強敵を相手に今一歩届かず前半戦を最下位で終えたまこだったが、自身の親番で迎えた後半戦の東4局、全員聴牌の一触即発盤面でも臆さず立ち回り、巧みな打ち回しで1600オールをツモってみせた。

 

最高の後輩たちと最高の先輩、そして決勝戦という最高の舞台。緊張や焦燥が渦を巻く中で、それでも諦めず奮起し続けるまこの姿は、かつて部長が教えてくれた「染谷さんも(麻雀)好きでしょ?」という台詞への回答にもなっているんだろうね。

 

これまでは何かと描写の少なかった次鋒戦だけれど、今回の決勝戦はまこの表情を捉えたカットも多くて立先生としてもまこの見せ場をどう描くかずっと考えてはいたんだろうなと。個人戦に出場しない部長とまこは団体戦の決勝が終わった後どこまで対局描写を描けるかわからないわけですし。

 

ということで、今回はそんな次鋒戦の締め括りとなる第236局の闘牌を振り返っていきたい。

 

 

<前回の感想>


 

第236局「執念」

 

1600オールをツモり、親の連荘で何とか追い上げを狙っていきたいまこ。だが、続く1本場は浮き出た西:麻雀王国で菫さんから狙い撃ちを食らい、倍満手16300点に放銃してしまう。

 

その後も南1局に親の菫さんが宥姉から9600点を直撃、南1局1本場では郝に跳満をツモられ、次鋒戦も残り3局で持ち点47600点(次鋒戦収支-18900点)という何とも苦しい状況に。

 

しかし、長野県予選決勝から脈々と受け継がれてきた「もし神がいるのなら、前に向かう者を好きでいてくれるはず!」のスピリッツは今なお生き続けており、当然ここで終わらないのが『咲-Saki-』ドリームのすばらなところ。

 

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勝負の南2局

まさか、ここでくるんか………

 

なるほど。全ての『咲-Saki-』読者が心のどこかでは既に予想をしていたかもしれない。

 

染め手の好きなまこの一番得意な役満"あったかくない牌"を除いて構成される「あの役」であると示唆されていたこと。そして、「赤い牌」を集める宥姉が次鋒戦でまこと対決すること。

 

2009年12月に掲載された「第58局」の四校合同合宿で描かれた頃から数えて約12年。すべての要素が繋がり、全国の頂点を決する大舞台でついに染谷まこが"あの役満"聴牌する。

 

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長い年月を経て、伏線が回収される瞬間(第236局)

 

緑一色テンパイ...ッ!!

 

 

なんなんだこの熱い展開は.......(震え)。

 

「天和」「四槓子」「九連宝燈」に続くレア役満四天王の一角でもある「緑一色」。あくまでも事実ベースだけで俯瞰して読み進めると「決勝戦役満出過ぎ」って言いたくなる気持ちはよーくわかるんだけど、でも『咲-Saki-』の最新話を毎話読み続けている読者ほどきっと感じ入る描写でもあると思うんだ。

 

緑一色の出現確率は「0.0011%」と言われていて、菫さんの想定通り、いくら宥姉に「赤い牌」が集まりやすいと言っても確率論で言えば間違いなく切っていい確率である。

 

でも、かつて「たった一回の人生も論理と計算ずくで生きていくの?」と言っていた人がいたように"それだけじゃない"んだよね。正しいかどうかだけじゃない。人の「意思」や「執念」が期待値を超えた結果を生むこともある。振聴?五索:麻雀王国?そんなの要らんわ...ッ!!

 

 

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染谷まこ(第236局)

發:麻雀王国發:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国六索:麻雀王国六索:麻雀王国 チー二索横:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国 ポン八索横:麻雀王国八索横:麻雀王国八索横:麻雀王国 ツモ二索:麻雀王国

 

役・満・炸・裂!!

 

五索:麻雀王国ツモ2000点をノータイムで切っての二索:麻雀王国ツモ。ここまで苦しい闘いを強いられ続けてきたまこだったけれど、最後の最後で執念が花を咲かせる展開になっていて個人的にはとても良い締め方だったのかなと思います。

 

次鋒戦決着、そして部長出陣...!

 

ちなみに残る南3局と南4局については詳細こそ描かれていないものの、卓上に描かれている点数を参照すると、次鋒戦の収支結果はおそらく下記の通り。

 

〇次鋒戦終了時点の点数状況

1位 白糸台高校:151100点(-13200点)

前半戦:-22300点 / 後半戦:+9100点

2位 臨海女子高校:103300点(+8600点)

(前半戦:+3900点 / 後半戦:+4700点)

3位 阿知賀女子学院: 79000点(+4500点)

前半戦:+26800点 / 後半戦:-22400点)

4位 清澄高校: 66600点(+100点)

(前半戦:-8400点 / 後半戦:+8500点) 

 

半荘2回の結果としては目立って大きな開きはないけれど、結果だけを見ると前後半共にプラス収支だった郝がトップか。臨海はどこの区間も崩れそうな選手がいなくて安定感あるのがやっぱり強いよね。

 

対する宥姉は後半戦南2局での役満親被りが大きかった感。あれがなければ実質トップみたいなものではあったし。まぁ、麻雀でそれを言っても仕方ない面はありますが、それでもプラスで終えているのは流石と言ったところかな。

 

トップを走る白糸台は後半戦での菫さんの健闘により、まだまだ単独での圧倒的首位を維持。白糸台に関しては続く中堅戦でたかみーのハーベストタイムがどう転ぶかによって点数状況が決まりそう。あと、亦野さんにも頑張ってほしい。

 

そして、我らが清澄高校は4位のポジションから未だ変わらずではあるものの、まこの緑一色和了で何とか繋がったという感じでしょうか。まぁ、次はいよいよ部長の出番ですからね。色々波乱もあるかとは思いますが、この決勝戦で清澄の部長「竹井久」の集大成が見られたら嬉しいなと。

 

 

 

 

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部長ついに出陣(第236局)

 

いずれにしても、僕個人としては決勝戦における最注目プレイヤーの1人であることは間違いないので、部長がどんな闘牌を見せてくれるのかに全力で期待していく所存。

 

咲-Saki-』世界で最も可愛いのはロンオブモチで咲さん(※個人の見解です)ではあるんだけれど、改めて振り返ると清澄高校自体を好きになれたのは部長の存在が一番大きいかもしれない。

 

決勝中堅戦を終えた後の部長は一体どんな表情をしているんだろう。一片の悔いもなくすべてを出し切って最高の表情を見せてくれるだろうか....。

 

もう待ち遠しすぎて楽しみとしか言葉が出てこない状況ではありますが、次回から単行本22巻発売準備のため4号分休載なので気長に待ちたいと思います。

 

次回は11/19発売号で掲載予定。

 


 ※本記事にて掲載されている画像は「『咲-Saki-』/小林立ヤングガンガン」より引用しております。

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