『五等分の花嫁』43話 感想、二乃の抱える想い!大事なのは"変わってくこと""変わらずにいること"!
五等分の花嫁 43話 「七つのさよなら⑤」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の二乃がとてもかわいい...。
いや前々からその片鱗を見せてはいたんですけど、「素直さ」「やさしさ」「芯の強さ(弱さ)」の3点を兼ね備えた今週の二乃にはグッとくるものがありました。二乃もやれば出来る子なんだよ...。(謎の上から目線)
ラブコメ業界において一つの時代を築きながらも近年では下火が著しかった「ツンデレ」。しかし!今まさに、二乃が(僕の中で)新しい時代を築こうとしているのです。ここに「いいね」ボタンがあったら100連打くらいしてるわ!
まぁ「ツンデレ」が素晴らしいというより、「芯が強い(...と思われていた)子」が時折見せる「やさしさ」や「弱さ」は最高だよね...というお話ではあるんですが。
今週の二乃の姿に改めて『五等分の花嫁』という作品のテーマや魅力が込められていたような気がします。うーん、今週も最高すぎる...。
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二乃とフータローの関係性
This is Japanese ”ツンデレ”!
前回、傷心中のフータローを自ら(ホテルの)部屋へと招き入れた二乃。この状況でどうなるのかと思いきや、意外とあっさり会話を弾ませる2人である。これがなかなかに興味深いですね。
というのも、フータローのモノローグにもあるとおり「一対一であればスムーズに話せる」というのもあると思いますが、おそらくそれだけではないはず。これまでの描写を見ても「一対一」になることが「素直」になるための鍵だったとは思えません。
じゃあなぜ、険悪だった二乃といつも以上にスムーズな会話が出来ているのか。それは、きっと今のフータローが普段の(二乃に見せている)フータローとは違うから。すなわち、フータローが「落ち込んでいたから」でしょう。
ここに、二乃が本来持つ「優しさ」が表現されているんじゃないかなと。
その証拠に、「あんたが落ち込んでるの初めて見たわ」とやや心配そうに二乃が語っているのも印象深い。二乃のセリフからもわかるように、これまでのフータローは彼自身の「弱み」をあまり見せてこなかったんですよね。
不器用で少しばかり不愛想な主人公。けれど、基本的にこれまでのフータローは姉妹たちの抱える問題を解決するべく動いてきました。その末に「必要とされる存在」にもなってきた。もちろんその過程だって簡単だったわけではありません。
でも、フータロー自身の大きな「悩み」はこれまで描かれてこなかった。落ち込んでいる姿なんて見たことがなかった。それゆえに、零奈に「さよなら」を告げられて傷心中のフータローの姿が二乃には新鮮に見えたのでしょう。
前回の感想でも触れましたが、だからこそ二乃はフータローを部屋に招き入れたのだと思います。中間試験でピンチのフータローを救った時のように、21話でフータローにお粥を作ったときのように。
なんだかんだ言っても、弱っている人を放っておけない。そんな二乃の根の「やさしさ」。この点こそが、今回の2人の一連のやり取りの中で、春場先生が暗に表現したかった二乃の一面なのではないかなと思います。
二乃とフータローの「弱さと強さ」に見る『五等分の花嫁』のテーマ
五年前のことを語るフータロー
また、今回の描写で注目したいのはフータローが二乃へ「五年前」の出来事について語るところ。フータローが「過去」について語るのは五月に続いて2人目です。
これまでに五月にしか打ち明けていない点もそうですし、二乃に「何があったの?」と問われ、一度は「何もねーよ」と返していることからも、フータローがこの「五年前」のことに関して、第三者にあまり語りたがらない節があることは明白ではありました。
なぜか?それはきっと『五等分の花嫁』という作品において「過去」というものが大切な思い出であると同時にそれぞれの「弱み」としても描かれているからですよね。
「過去」は乗り越えるべきもの。そういう意味において「過去への固執=自身の弱さ」という図式が作品テーマとして成立している。
だからこそ、フータローが「過去」についてヒロインへ打ち明けるシーンには自身の「弱み」を見せるという意味合いも含まれているんじゃないかと。単に「過去」の出来事を伝えたというだけでなく、作品テーマ的にもそれ以上の意味があるんだと思う。
それを踏まえると、今回二乃に対してフータローが「過去」を打ち明けるシーンはやはり2人の関係性を語るうえで外せないシーンだと思います。そして、フータローの過去を知った二乃の反応もまた興味深いものがあるかなって。
「あんた五年もその子のこと好きだったんでしょ 切なすぎるわ」とポロポロ泣き始める二乃である。涙腺ガバガバセキュリティやんけ!というツッコミはさておき、ここでも二乃の「やさしさ」がフィーチャーされている点は印象的でしょう。
....と同時に、個人的に今回は二乃の中にある「強さ」と「弱さ」が浮き彫りになった回でもあるのかなと思ってます。フータローが「弱さ」を見せたように、二乃もまた自身の「強さ」と「弱さ」を見せる。ここに2人の関係性が表現されているようでもある。
その事実は、今回二乃が自身の想いを「素直」に吐露していることからもわかります。フータローが自身の「過去(=弱み)」を語ったように、二乃もまた自身の「過去(=弱み)」を語る。
五年前はみんなが同じだった。外見も性格も思考も何もかもが共有されていて、それはまるで孵化を待つ雛鳥たちのように、五人で仲良く寄り添う姿を連想させる。そして、それが居心地良かったのだと。
しかし、みんなが少しずつ変わっていった。一花さんが女優をしていたこと、後ろ向きだった三玖が前向きに勉強をするようになったこと、四葉ちゃんが努力の末にスポーツで頼られる人になったこと、そして成長した五月が自分にビンタをしたこと...。
その姉妹たちの変化が、二乃にとっては寂しかったのでしょう。自分だけが取り残されたような気がして。自分だけが変われていないような気がして...。
だからこそ、無理にでも巣立たなくちゃいけない。無理にでも変わらなければいけない。それが姉妹たちに置いていかれたくないと考える二乃のプライド。家出と巣立ちをかけているのも非常に巧い描写だと思います。
しかも今回、二乃から語られた内容を踏まえてこれまでのお話を振り返ってみてもフータローに敵対していた理由を含めて、色々と氷解するものがあるんですよ。
だって「フータローを受け入れる」ということは「姉妹たちの変化を受け入れる」ことでもありますから。
変わることなくみんなと一緒に『五等分』でありたいと考えてきたこれまでの二乃にとって、姉妹たちを前へと進ませてきたフータローはまさに異分子でしかなかったわけです。
フータローへ謝罪をする二乃がかわいい...
でも、いつまでもこのままではいられない。変わらなければいけない。それを二乃自身もわかってる。そして、二乃にとって「変わること」は「フータローを受け入れること」でもあるんですよね。
それゆえに、破いてしまったフータローの問題集を繋ぎ合わせて使っていた描写はまさに二乃が「変わろうとしている(フータローを受け入れようとしている)」ことの証でしょうし、「ごめん」と謝るシーンが最高に映えるシーンになったのだと思います。
"変わってくこと"!"変わらずにいること"!
そして。なんと言っても今週最大のキモは、「過去」を見つめて生きてきたフータロー自身が「変わっていくことは避けられない」と語っている点です。これが凄く良かった...。
なんというか、二乃とフータローがお互いに「過去(=弱み)」を打ち明けながらも、結果的にお互いを励まし合い「未来」に向かって、立ち上がる構図になっているのが素晴らしいなって。弱さだけでなく2人の強さもきちんと描かれているのが凄く良い...。
とはいえ、それ自体は別に珍しいことでもないのかもしれません。「弱さ」と「強さ」なんて誰もが当たり前のように抱えているものですから。
「弱み」を持たない人間なんていなし、「弱い」だけの人間もいない。誰もが「弱さ」と「強さ」の二面性を抱えながら日々を生きている。
ただ『五等分の花嫁』において特徴的なのは、二乃もフータローも、いえ、きっと他の姉妹たちにとっても、「過去の出来事=自身の弱み」、そして、「乗り越えた先にある未来=強さ」という具合に作品テーマに紐づけて描かれている点かなと。
その証明として、今回二乃が感じていた「変わっていくこと」への恐れは、以前に四葉ちゃんが感じていたことでもあるんですよね。
4人はそれぞれ変化している。でも自分だけが「成長していない」。四葉ちゃんもまた同じ想いを抱いていたわけです。
だから、程度の差はあれ、みんな似た想いを抱えていたんじゃないかな。初期の三玖もそうでしたから。自分が姉妹の中で一番落ちこぼれだと言っていたし、『五等分』であることに囚われている面もあった。一花さんや五月だって似た想いは抱えていたはず。
それでも、三玖も一花さんも五月だって、フータローに背中を押されて変わっていった。だからこそ、今回は二乃が「過去」を乗り越え、変わっていく番である。
ただ......
フータローが「それでいいのか?」と言っている通り、単に過去を忘れて変わればいいというものでもないのでしょう。
だって、無理やりにでも「姉妹たちから巣立つこと(=家出をすること)」が正しいとは思えませんから。姉妹を愛するが故の結論でありながら、結果的に「姉妹と離れる」選択を取っている時点で明らかに二乃の願いに反している。
だからこそ、「変わっていくこと」と同じくらい「変わらずにいることも」大切なんじゃないかと。39話のアオリ文にもあった「変わらぬ想い。姉妹への愛。」がここにかかってくるわけですよ。
きっと今回の期末試験編を通して、二乃はこれまでの自分と「さよなら」をすることになるのだと思います。でも、巣立つこと(=過去を受け入れること)は姉妹たちとの関係を断ち切って自由になることとイコールじゃない。
ゆえに、”変わらずにいること”もまた二乃のテーマになるのかもしれません。姉妹が大好きならそのままそれを貫き通せばいい。変わっていくことを受け入れるというのは、「過去を忘れること」ではなく「過去を乗り越えること」だと思いますから。
「弱さ」を見せたフータロー、強さの象徴であるキンタロー
突然の再会...!
で、最後に気になったのがやっぱり二乃とキンタローの再会というビッグイベントをこのタイミングで持ってきている点でしょう。これは凄く意味深じゃないかなぁ...。
というのも、今回フータローは二乃に「弱み」を見せ、それゆえに二乃と少し打ち解けることが出来たわけですけど、反転して二乃にとってのキンタローは「強さ」の象徴なんですよね。キンタローのことを「ワイルドで素敵」と言っていましたし。
この対比構造の中でキンタロー問題にどう収拾をつけるのかは興味深いなと。個人的には、やっぱり正体を偽っていたことをきちんと二乃へ打ち明けるのがベストな解決策だと思ってますけどね。正体を明かさなかった零奈との対比にもつながりますし。
今回二乃がフータローの弱い部分を認識したのも「強さ」の象徴であるキンタローが偽りの存在だった...ということを打ち明ける前フリだと考えれば流れとしても綺麗でしょう。まぁ、実際どうなるかはわかりませんけれど...。
また、今回の描写でわりと衝撃的だったのが...
二乃が”ミサンガ”を身につけていたシーンです。
仮に二乃が「写真の子」であるならば、前回フータローへ渡した御守りの中に入れるアイテムは十中八九”ミサンガ”になっていたでしょうから、そこを踏まえても「写真の子=二乃」の可能性はほぼゼロになったと言えるかな。
もちろん、ストーリー展開的にも作品テーマ的にも二乃であるとは考え難かったのですけど、零奈の話をフータローから聞いて泣いている場面とか、ここまで明確に心理描写の面で「違うな...」と思える要素が出てきたのは少し意外ではありました。
まぁ、ここまでのお話を鑑みるに「写真の子」と「将来の花嫁」はイコールどころか対になる存在(過去と未来のテーマを内包したヒロイン)だと思いますし、「写真の子」自体の正体は案外早く明かされることになるのかもしれませんね。
つ・ま・り!何が言いたいのかと言えば...
今週の二乃は最高にかわいかった!
今週の二乃が最高にかわいかったってことですよ!
赤面しつつも手の隙間からフータローの裸を覗き込む二乃さんは実にえっちで最高だと思います!
姉妹たちへの変わらない想いを抱きながら、そのうえで二乃がどんな風に成長し変わっていくのかは注目していきたいところ。「過去」を忘れるのではなく、乗り越えるというのは、フータローが二乃の姿から学んでいくテーマでもあると思いますし。
キンタローとの再会で二乃がどう「過去」と折り合いをつけるのか。「零奈とフータロー」「二乃とキンタロー」。2つの再会が物語にどういう影響をもたらすのか。来週も超期待大ですね!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。
『ぼくたちは勉強ができない』68話 感想、『眠り姫』終劇!そのキスが古橋文乃さんに何をもたらすのか...?
ぼく勉 問68話 感想「祭りの佳境はめいめいに[x]を求め空騒ぐ」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
文乃さんキターぁぁぁぁぁ!
今週の『ぼく勉』が文乃さんスキーたちの間でかつてない盛り上がりを見せています。
えっ?どのくらい盛り上がってるかって?かの有名な小田和正が「嬉しくて 嬉しくて 言葉にできない...」と、歌い出すレベルだっつーの!
最高すぎる....。今のこの感動の全てを言葉にすることは難しいけれど、あえて一言で表すならば...「神様(筒井先生)ありがとう!」以上のものはないでしょう。というかね、文乃さんが女神過ぎてニヤニヤ止まらない...。
だって「文乃さん×成くん」のキスをカラー扉絵にもってきてるんですよ?成くんがヒロインと2人きりでカラーを飾ること自体初めてだってのに、その初めてがキスって...。こんなん文乃さん大勝利やん!あぁ...今、僕は猛烈に感動している...!(涙)
これですよ。これ!このキスの仕方!
手の位置や所作がグレイト過ぎて感無量と言うほかありません。筒井先生ハンパないって。あの人、ハンパないって。
着ぐるみ越しのキスをさも「マウストゥマウス」でキスしたかのように描くんだもん。そんなの出来ひんやん普通。そんなの出来る?言っといてや出来るんやったら...!
先週の文乃さんスキーたちによる脳内会議を一撃でひっくり返す破壊力がありました。もはや、サッカーがどうのこうの言ってる場合じゃないでしょ。文乃さんサポーターは、この瞬間を待っていたんだよ!新聞や...。明日の新聞は全部、文乃さんや...。
<文化祭編感想>
『眠り姫』の終劇!恋の予感の始まり!
というわけで...演劇『眠り姫』も無事(?)に終劇である。
いや、全然無事ではないんだけどね。何事もなかったどころか、みんなの前で盛大にキスしちゃってんだけどね。フフフッ...。くっそ、にやけるな!
で、結局王子(成くん)は逃亡し、旅立つ王子をお姫様がいつまでも待ち続けるという謎の着地を見せた『眠り姫』。これは最後に2人が結ばれて終わる元のエピソードとは違ったエンドですが、それゆえに物語的にはやはりなかなかに意味深なわけで...。
というのも、現時点での文乃さんは基本的に自分からは(恋愛方面で)動かない人なんですよね。なぜかと言えば当たり前の話で、文乃さんは「自分の恋心に気付いていない」から。そこを踏まえても、うるかとは正反対のヒロインと言える人です。
その事実は文乃さん自身が即興で作り上げた「姫はいつまでも『お待ち』申し上げております」というセリフにも如実に表れている。自覚なき姫(文乃さん)は王子(成くん)を待ち続ける存在。それが今回のセリフでも上手く表現されていました。
しかし.....!
着地は違えども、文乃さんが『眠り姫』のメタファーであることもまた事実。
そして 『眠り姫』は王子とのキスによって「眠りから目を覚ます」存在です。今回の文化祭編でわざわざ『眠り姫』という舞台装置を用いていることからも、この点は物語的にゆるぎない部分であるはず。
じゃあ「眠りから目を覚ます」というのは具体的になによ...?と言われれば、以前の感想でも申し上げたとおり、ラブコメ的に言って、「恋心の自覚」に他ならないでしょう。このキスが物語にもたらしていく影響。それこそが今回の文化祭編のキモになる。
その証拠に、やっぱり文乃さんは王子様(着ぐるみ)の正体が成くんであることに気付いていないんですよね。あの流れでは至極当然ですが、完全に着ぐるみの中の人をあしゅみー先輩だと勘違いしてキスをしたわけです。
そしてここでポイントになるのが、この時点の文乃さんの心理描写として「自身の恋心に気付いていないこと」と「キスの相手が誰だか気付いていないこと」が上手くシンクロしている点。これはかなり示唆的だと思う。
~演劇『眠り姫』が示唆する展開~
・「キスの相手に気付いていない」=「自身の恋心に気付いていない」(=待ち続けるお姫様)
↓・「キスの相手(本物の王子役の正体)に気付く」⇔「自身の恋心に気付く」(=今後のお姫様)
つまり、こういう構図になってるんじゃないかと。
「恋心に気付いていない(=キスの相手に気付いていない)」お姫様が待ち続ける存在ならば、その対比に位置する「恋心に気付いた」お姫様は待ち続けることを辞めた存在になる。すなわち、自分から動き出すヒロインへ成長するってわけですよ!
だからこそ今回「ファーストキスの相手」が誰なのか、文乃さんが気付かない展開になっているんじゃないかと。今後のお話で「気付く」というエピソードに力点を置くために。
やはり一筋縄ではいかないですよ、今回のキスの余韻は...。今後の文乃さんの成長描写に絡めてくる可能性もあるし、勘違いを解いたのに簡単に答え合わせをしないあたりが、大きなエピソードに繋がっていく布石な予感もする。
それに、文乃さん(眠り姫)からキスをしたというのも描写としてはやっぱり意味深で、「ただ待ってるだけじゃない」という示唆にも思えるし。うーん、ワクワクしてきたぞ...!
そのキスが文乃さんと成くんに何をもたらすのか...?
また、今回の展開を描くうえで凄く巧みにお話を転がしたなぁ...と思うのが、やっぱり文乃さんとあしゅみー先輩の「認識の差」でしょう。この認識のズレがないとこの展開は描けないんですよね。
というのも、文乃さんは「王子の着ぐるみまで用意して助けに来てくれた」とは言ってるんですけど、それ以外の情報は基本的に言っていないのです。
一方のあしゅみー先輩も成くんがニャンポレオンZの着ぐるみを着ていたことは知っているけれど、それを「王子の着ぐるみ」という風には認識していない。だから、その話を聞いても、「その着ぐるみの正体が後輩だよ」とは言えない。
今回はこの2人の「認識の差」も非常にユニークな点であったと言える。
全ての事情を知っている読者視点で言えば「着ぐるみ」という時点で気付くんじゃないか...?と思えなくもありませんが、そもそも王子役の衣装は別にあったくらいなので、あしゅみー先輩の立場で「ニャンポレオンZ=王子の着ぐるみ」という連想が出来なくても、そこまで不自然ではないかと。
まぁ、あの場で「着ぐるみがギターを背負っていた」という部分まできちんと伝えられていれば簡単に答え合わせは出来たんでしょうけどね。そういう意味では、今後文乃さんが「気付く」展開を描く際、鍵を握るのはあしゅみー先輩になるのかもしれません。
さて。一方で、キスをされた王子様役の成くんの反応もなかなかどうしてよ。いいじゃん!いいじゃん!こういうの最高じゃん!
曰く、「着ぐるみ越しだったけど...あれ...キスしたことになる...のか?」である。うん。なるよ!(断言)なる。なる。全然なるって。
だって、ドキドキして赤面してる時点でノーカンにするのとか無理だから。意識した時点でそれはもうキスだから!
それこそ認識の問題でしょう。別に着ぐるみ越しで触れてないからノーカンでしょ!って思うならそれはそうなんだろうし、でもそう思えないならやっぱり「キスをした」という事実が残る。今回の一件のキモはまさにそこにあると言っていい。
なんせ、文乃さん自身の反応が何よりもそれを証明してくれてますから。
「女子同士」で「着ぐるみ越し」だからノーカン。言い換えれば、キスをした相手が成くんだったら、着ぐるみ越しでもノーカンじゃないってことでしょ。そもそも「恋心の自覚」にも絡んでくるお話(だと思ってる)なのだから「認識が大事」ってのは当然。
つまり、2人の反応が既にもう「キスをした」ということの証明ってワケ。無意識のうちにカウントしちゃってるんだから仕方のないこと。やったね、文乃さん大勝利!
この文化祭編で文乃さんの気持ちに変化が起こるんじゃないかという期待を込めて読んでいましたが、少なくともその布石としては十分以上のものが描かれたんじゃないかと。
やっぱり、文乃さん関連のイベントは丁寧に描かれているし破壊力がハンパないですわ...。筒井先生には本当に感謝しかないってばよ!
理珠ちんのかわいさもハンパない!後夜祭のジンクスはどうなる?
なんだ、このかわいさは....
我々文乃さんスキーたちが未来を妄想し歓喜に打ち震えていたのも束の間、理珠ちんから特大級のホームランが放たれました。さすがにこのかわいさはアカンやろ...。
「私達が2人でお店を出したら 繁盛するかもしれませんね」って。それを無自覚で言っちゃうのはズル過ぎるわ!
同じ無自覚なのになんでこうも理珠ちんは際どいラインを上手く攻めてくるんだろうか...。常人だったら即結婚してるまである。
やっぱさ、理珠ちんも超かわいいんですよ。株式会社古橋カンパニーに終身雇用を誓っていようとも、理珠ちんのあざとかわいさの前には胸キュンを強いられてしまうってもの。しかも最近の理珠ちんは特にかわいいよな!
ほら、こういうところね。「ちゅるんっ」「スポッ」「かあぁぁ....」ですよ。普通こんなことある?最高すぎるんだよな...。(心の叫び)
そりゃ「コイビトだー!」 って叫びたくもなるっちゅーねん!成くんのお椀からお箸で掴んだ麺が、偶然にも成くんが食べてた麺に繋がってた(これも意味深)というね。理珠ちんハンパねーな!
58話で描かれた文乃さんとのカップラーメン間接キスイベントに勝るとも劣らないニヤニヤ力でした。地球上に文乃さんよりかわいい人類なんて存在するわけねーだろ!を素で提唱する僕ですが、理珠ちんのことを応援したい気持ちもあるから困りもの。
ひとまず、文化祭編のフィナーレは「うどん完売」イベントに絡めてくるみたいで。
「恋人だ」と成くんが言ってるので、素直に受け取るなら「縁結びうどん」とか銘打って「ジンクス」と絡めた売り方をするんでしょうか。仲の良い2人で食べれば良いことがある!みたいな。
案の定、一日中継続のイベントになる「うどん1000食販売」イベントが最後に来たかぁ...と。今回の文化祭編、ワンポイントで見れば、将来を見据えた展開というのも踏まえて『眠り姫』が圧倒的だけど、理珠ちんの見せ場も結構多めで良かったと思います。
つ・ま・り!なにが言いたいのかというと...
今週は文乃さんと理珠ちんの2人が最高にかわいかった!
今週のMVPは文乃さんと理珠ちんの両方ってことですよ!「はぁぁぁ」と一息つく文乃さんが世界一かわいかったし、驚く理珠ちんも最高にペロペロでした。
個人的に文化祭編の最注目イベントは『眠り姫』のキス、並びにその後の影響...にあったので、「後夜祭のジンクス」に関しては、ヒロイン5人ともに可能性の残る描写でも良いと思ってます。
そりゃもちろん「ジンクス」でも文乃さんが大勝利なら嬉しいけど、さすがにまだ2学期も中盤のタイミングでそこまでお話が進むとも考え難いので。文化祭編の成果としては既に十分なものが見れたかなって。
...とは言いつつも、理珠ちんと成くんが1000食達成できるのかも含めて、文化祭がどんなフィナーレを迎えるのかは当然気になるところではあるので、来週もどんなお話になるのか超期待大!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。
『五等分の花嫁』感想、写真の子(零奈)と五月!過去と今と未来を巡る物語について考察してみよう!
五等分の花嫁 42話 「七つのさよなら④」 感想 ~その②~
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
期末試験編もいよいよ佳境...!というところで登場した零奈と名乗る女の子。この少女の登場によって、物語が今後大きく動き出していくであろうことは想像に難くありません。
というわけで今回は「写真の子」に関して、先日の感想では書き切れなかった部分について少し触れていこうと思います。
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”写真”というキーワードから考察する「写真の子と五月」の対比
過去を象徴する「写真」!
さて。今週のお話で印象的だったシーンとしては、やはりフータローが大事に生徒手帳に挿んでいた、思い出の”写真”を「写真の子」が抜き取ったところでしょう。
先日の感想でも触れたとおり、これは「自分のことは忘れて欲しい...」という彼女なりの真意が如実に表現されているシーンです。
自分(=零奈)という存在は「過去」でしかない。この「写真」はその事実を象徴するもの。それゆえに、フータローが未来に立ち向かっていくために「さよなら」をしなくてはならないものである。
これまでの感想の繰り返しにはなりますが、今週の一連のシーンを見てもやっぱり「写真の子」は過去の象徴なんですよね。そもそも”写真”というものが「思い出を切り取るもの」なのだから、これは至極当然と言える。
ただ...、ここで一点気になるのが...、
これまでのストーリー進行(「過去」を除くの意味)の中で、フータローが唯一”写真”を撮った回があるところです。
そして、なんと言ってもその"写真"をフータローと一緒に撮っているヒロインが「過去→未来」というテーマを掲げるうえで似た者同士である「五月」なんですよね。らいはも一緒とはいえ、これは中々に興味深い描写なのでないでしょうか。
なにせ『五等分の花嫁』という作品において、 "写真”というキーワードはとても重要なものですから。五年前に撮った写真(=写真の子/過去の象徴)と、「今」の時間軸で新たに撮った写真(=五月/「今」を最も象徴するヒロイン)の対比。
今後の作品テーマを考えていくと、この描写は非常に物語性を帯びた対比構造なんじゃないかなぁ、と。
こういう点を踏まえても、やっぱり五月は「写真の子(=過去の象徴)」ではないという暗示だと思いますし、今を象徴する4人のヒロインたちの中でも、とりわけ特別な存在になっていく少女なのだろうと個人的には思っています。
”夢”というキーワードから見る「写真の子」と「未来の花嫁」について
夢を見ていた 君と出会った高校二年の日 あの夢のような日の夢を(1話)
夢を見ていた 君と”初めて”出会った あの日の夢を(33話)
また、対比構造という視点で見ていくと、「5年後にフータローと結ばれる花嫁」(1話)と「5年前にフータローと出会っていた写真の子」(33話)についても春場先生が意図して対照的に描いているだろうことが伺えます。
なんと言っても、両者を思い浮かべるフータローのモノローグが両方とも「夢を見ていた」「君と出会った」「あの日の夢を」という文章構成になっていますからね。見比べれてみても、この2つのシーンが意図的に似せて描かれているのは明らかでしょう。
そして、両者があえて関連性を以って描かれているということは、裏を返せばそこにある差異こそが重要だと考えるのが自然。その観点で見ていくと...、やはり”初めて”という表現は気になる所なのかなと。
しかも、続く花嫁とフータローが、「夢のようだなんて見えなかったけど」「とんでもない悪夢だ」というセリフを残している点も少し気になります。
これは無論、フータローが第1話で五姉妹に出会い「五つ子だと知った」時の当時の衝撃を「悪夢」と表現しながら笑い合っているシーンなわけですが、つまりここで言えることはフータローと”花嫁”のファーストコンタクトは決して良い印象のものではなかったということですよね。
で、これって”写真の子”との出会いとはまさに対照的と言っていいわけではないですか。フータローにとって「写真の子」は自分の生き方を変えてくれた存在であり、初めて自分の隣に立って肯定してくれた人。「悪夢」どころか、「恩人」と言ってもいい人です。
この対比がなかなかに面白い。もちろんこの対比構造で「写真の子=花嫁」説が100%否定されるわけではありませんが、出会いの印象が”最悪”だった五月(=花嫁)と、出会いの印象が「やる気もあって頼りになる(=フータローが考える人物評/42話)」だった四葉ちゃん(=写真の子)という構図に当てはめた場合もしっくりくるものがある。
ゆえに、”夢”というキーワードから考えてみても、「写真の子」(=過去)と「将来の花嫁」(=未来)は、やはりテーマ的に対になる存在ではないかと思うので、こういう点も今後の展開を読んでいくうえで注目していきたいですね。
※余談ですが、以前の記事にも書いた通り、「四葉ちゃん=薬指担当=婚約指輪をはめるヒロイン」なのでは...という予想も出来ますが、一方で「五月=小指担当=運命の赤い糸で結ばれたヒロイン」という見方も出来るんですよね。
無論、この要素がどこまで根拠として信用に足るかはわかりませんが、”写真の子”と”花嫁”という観点で見るならば、個人的に、五月と四葉ちゃんの2人が気になっているというのが正直なところです。
写真の子がフータローに渡したモノは...?
「写真の子」がフータローに渡したモノとは...
というわけで、「写真の子」について色々気になる伏線を未だに春場先生は残しまくっている...と思われるわけですが、今週「写真の子」がフータローに何を渡したのかはやはり非常に気になるところ。さすがにこれは重要なアイテムでしょう。
パッと思いつくのは、二乃が40話でフータローから取り上げた”ミサンガ”ですが、さすがにここまでの話の流れを鑑みると、二乃を「写真の子」と考えるには厳しいものがある。アイテムの重要性だけで言えば、”ミサンガ”は申し分ないんですけどね...。
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もちろん、今回「写真の子」がフータローの生徒手帳から”写真”を抜き取る描写があり、今までフータローの生徒手帳を手にしたことがあるのは、五月(第2話)と二乃だけなので怪しくはあります。写真が生徒手帳の中にあると知っていないといけないので。
でも、言ってしまえば、生徒手帳の中に”写真”があるかどうかを知る機会が他の姉妹たちに完全になかったかと言えばそうでもないんですよね。
42話でフータローが生徒手帳を開いて”写真”を確認している描写があるので、そこで勘付いたと考えてしまってもよいでしょうし。
しかも、やっぱりそれ以上に二乃を「写真の子」と考える方が現時点では厳しいと思いますから。今週の二乃を見ても、ずぶ濡れ状態で俯くフータローを見て驚きの表情を浮かべていますし。「写真の子」の反応としては違和感しかありません。
弱みを見せるフータローに驚いているし、そもそも二乃はフータローが後ろ向きになってしまった主の原因で、これから向き合うべき存在(=今を象徴するヒロイン)ですからね。過去を象徴するヒロインではないかな、と。
そういう背景で考えても、「零奈=写真の子本人」であるならば、零奈は四葉ちゃんだと個人的には思ってますが...、じゃあ「フータローに渡したモノ」は?と言えば....
今のところ考えられる中でありえそうなのは、四葉ちゃんのデート回でフータローが渡した「テスト問題集」あたりでしょうか。四葉ちゃんしか持っていないものなので、中を見れば一発で誰かがわかりますし。
「七つのさよなら」編の前に、フータローから四葉ちゃんへ贈り物をしたという事実を作ったのもこのエピソードを描くための伏線だったのかも...?(ただ、御守りの中に入るサイズなのかは目視では微妙なところなのであまり可能性は高くないかも....)
まぁ、実際のところ「写真の子」が渡したモノに関しては、これまでに描かれていない(これから先のお話で描かれる)2人の「過去」あるいは「未来」を象徴する大切なモノ...という可能性も零ではないと思います。
いずれにしても、フータローが自分自身で過去を乗り越えたと思えた時までは明らかにならないでしょうから、今後少しずつヒントが提示されていくのかもしれませんね。この謎については現時点では要素が少ないので、今後の展開に期待したいところ。
つ・ま・り!結論としては.....
二乃の扉は開くのか...?
なんだかんだ言っても、二乃が姉妹の中で断トツ一番にガバガバセキュリティだなってことです!心の扉を開けるのは一番難しいけど、衣服の扉が一番開いてしまいそうなのは二乃だと思う!(えっ)
一花さんとはまた違ったお色気の高みへと登りつつあるな...。真面目な話、来週はついに、閉じていた二乃の扉が本当の意味で開かれる(部屋にフータローを入れる/14話で自室に招き入れた時の対比?)のかもしれませんから、超期待大ですね!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。
『五等分の花嫁』42話 感想、写真の子からのメッセージ!そのさよならは前に進むために...。
五等分の花嫁 42話 「七つのさよなら④」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
突然の再会...!
「二乃」が抱える問題へと踏み込みを見せていく期末試験編。毎週怒涛の勢いで展開されていくストーリーが非常に熱かったのですが、今週も最高に面白いですね。
なんと言いますか...、今週の42話を読んで、『五等分の花嫁』が今後どういう方向に舵を取っていこうとしているのか、その一端が少し見えてきた気がします。それくらい今回は重要なお話だったなぁ...と。
上杉風太郎にとって、そして『五等分の花嫁』という作品にとって、非常に大きな影響力を持つ「写真の子」。この2人の再会が物語になにをもたらすのか。今回はそういった点を意識させられるお話でした。
<感想記事>
「写真の子」とフータローの再会!? ――「過去」と「今」が交錯する
前回、突如としてフータローの前に姿を現した一人の少女。この少女は一体誰なのか...!?という感じでしたが、現状では一旦「写真の子」本人の可能性が高いと考えるしかないでしょう。京都におけるお守りが2人の思い出の品であると認識している事からも、彼女が過去の事情を知っている人物であることは間違いありませんので。
一方、写真を確認するまで五年前の子だと気付けないあたりもフータローらしい。まぁ、この時期の5年という期間は身体的にも精神的にも一番変化に富んだ時期ですから、帽子で顔を隠されてしまうと誰だかわからないというのは正論ではありますが...。
なにせ、実際フータロー自身があの頃とは違いますからね。写真の子が「イメチェン」と表現しているように、フータローは目の前にいる女の子によって変えられた。「容姿」だけではなく彼自身の「生き方」をも含めて。それが「今」のフータローです。
しかし、「写真の子」はあの頃の姿を再現して登場しました。それは、「今」の姿ではなく「過去」の姿である。そこが今回のポイントでしょう。
「過去」と「今」の対比
その証拠に、「なぜここに現れたのか」というフータローの問いに対し、彼女はこう答えます、「今の君に会うため」と。
要するに、「写真の子」は「今」のフータローに会いに来たんですよね。変わらない(=過去の)姿で、変わった(=今の)フータローの前に現れたわけです。
それを踏まえると、前回の「また落ち込んでる やっぱり君は変わらないね」という皮肉めいた言葉にも重みが増してくる。フータローは確かに変わった、でも、自信を無くし「俺は不要だ」と俯くフータローは「あの頃」のままである、と。
それゆえに彼女はフータローの前に姿を見せたのではないでしょうか。俯くフータローの背中を押すために。そして、それはまるで「五年前」、彼女がフータローの前に現れたときの出会いを再現するかのように。
きっと、ここに「写真の子」からのメッセージがある。詳しくは後述しますが、やっぱりこれこそが今回の2人の再会におけるキモだと思います。
写真の子の想い
「零」の名を冠する少女...
また、今回興味深かった点は彼女が自身の名を「零奈」と語ったことでしょう。今回の話の流れを汲むと、これがなかなかなにおもしろい。
無論「零奈」というのは、名前に漢数字を冠する五姉妹たちを意識したネーミングなので、暗にこの少女が「五姉妹の誰かだよ」というのを表現するための仕掛けではありますが、あえて「零」を名乗っているのが超意味深じゃないかなって。
だって、「0」は全ての始まりであり起源ですから。「はじまりの女の子」が冠するにはこれ以上ないくらい相応しいものであると言える。
....と同時に、「0」は実体のないもののメタファーでもあるんですよね。概念(=人の気持ちの中にあるもの)としてそこにはあるけれど、質量を伴ってそこにはないもの。それが「0」の持つ真の意味です。
「過去」と「今」の思い出が溢れ出す(=噴水の水が飛び出す)
それゆえに、今回ボートに乗る2人の姿を「過去」の2人の姿にオーバーラップさせたこの描写が映えるのでしょう。
ハッキリとした言い方をしてしまえば、無論彼女は「零奈」ではないわけです。それは「0」(名前だけの存在)であって、過去の象徴であって、実体のないものだから。目の前にいる少女は「零奈」ではなく、五姉妹の誰かです。
とすると、なぜ彼女が自らの正体を明かさずに「零奈」と名乗ったのか。その真意は、フータローにとって「はじまりの子」である自分を、きちんと「過去」として位置付けてるからなのでしょうか。
前回の感想でも、フータローと五月は「過去」を見つめながら「今」を生きている2人であると言いましたけれど、やはりそこがお話の肝になるのかなと思います。「君を縛る私は消えなきゃね」というのもきっとそういうこと。
それゆえに、「さよなら」をしなくてはならない。自分は「過去」であり「零」だから。文字どおり、思い出の中の存在(=人の気持ちの中にしかない概念)でしかないのだから。
この「さよなら」は、これから先フータローが五姉妹と時間を共にしていくその「未来」に”零奈”(=写真の子)は必要ないという彼女なりのメッセージということになるのかもしれません。
この一連の流れが最高に神懸かり過ぎていて凄く良かったなと..。「過去」の姿を再現して登場した理由、「零奈」と名乗った真意、そしてフータローへ向けられた寂しげな「さよなら」。
徹底的に「写真の子」を「過去」の象徴として描き切っているのも、その全てが後ろ向きになっていた(過去を見つめていた)フータローを前に進ませるため(さよならをして未来へ歩ませるため)の行動なんですよね。
39話の感想でも触れましたが、やはり「七つのさよなら編」が掲げる最大のテーマは「過去」からの「さよなら」だったんだろうなぁと思います。
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この「さよなら」がどんな影響をもたらすのか...
とはいえ、やはり「写真の子」が誰なのかは非常に気になるところではあるわけで...。
確かに「写真の子」はフータローにとって「過去」であり、それが例え五姉妹の誰であっても、大切なのはこれから先の「未来」です。
それを「写真の子」も望んでいるのでしょうし、自ら名乗らない理由も「過去」に縛られた生き方をフータローにして欲しくないからなのだとしたら、それ自体は正しいとさえ思います。
しかし一方で、やっぱりフータローの立場からしてみれば、「写真の子」が誰なのかはまぁ、気にはなりますよね。だって、自分を初めて「必要」としてくれた人であり。初めて自分に真正面から向き合って「肯定」してくれた人なのですから。
たとえ、その女の子が「過去」の存在で「概念」でしかないんだと言われても、いえ、自分たちの大切な思い出の中にしかいない「概念」だからこそ、やっぱり簡単に「さよなら」出来ない想いはあるんじゃないかなぁ...。
フータローの生徒手帳から彼女が「写真」を抜き取った描写は、「自分のことは忘れて欲しい...」という彼女なりの意図だと思いますが、五年前の少年がフータローだと知っている彼女と、五年前の少女が誰なのかを知らないフータローではやや条件が違う。
ゆえに、フータローの中にも「写真の子」が誰なのかが気になる気持ち(=未練)は多少なりとも残る可能性はありますよね。
もちろん今回の励ましを受けて、フータローは前に向かっていくのでしょうけれど、そのうえで、「過去」を「過去」として受け止められるようになったうえで、また「写真の子」が誰なのかをフータローが知る機会があるのかもしれません。
今回、彼女がフータローに渡したモノがまさにその伏線になってきたら面白いですね。
写真の子は誰なのか....
というわけで、今回出てきた情報からまた「写真の子」は誰なんだろう...というところに少し触れていきたいのですが、やっぱり個人的には四葉ちゃん説が更に強化されたなって印象です。
まぁ、偶然ランニング中にこんなところで出くわすのが怪しい...というのもありますが、裏返せばこんな早くに着替えが可能だったの?という疑問も含めて、解釈の問題でどうとでも取れるので、このシーン自体が決定的なシーンだとは思えません。
そもそもここまで引っ張っておいてそんなわかりやすい描写で判明するわけないでしょうから。この描写自体はあくまでもミステリー(謎解き)要素として、四葉ちゃんが現場の近くにいたという事実を提示したかっただけなのかなと。
ただ...
今回改めてフータローの口から語られた「五姉妹の人物評」でそれぞれとの関係性を振り返ると、やっぱり意味深なところはあるのですよね。
まず大前提として「写真の子」を読み解くにあたり個人的に重要なポイントだと思っているのが、姉妹たちがフータローのことを「必要とするに至るまでの経緯」にあると思っています。繰り返しになりますがこれは相当重要だと思う。
今でこそフータローは程度の差はあれ姉妹たちに必要とされる存在になってきましたが、最初はそうではありませんでした。むしろ、姉妹のほとんどがフータローを必要としていなかった。言い換えれば、信頼してなかったんですよね。
しかし、少しずつその状況が変わっていく。三玖に好意を示され、一花さんに信頼され、五月と向き合い、今まさに二乃の問題に立ち向かおうとしている。この4人はストーリーの中でフータローが信頼を勝ち取ってきた(勝ち取ってきている)人たちです。
つまり、この4人はストーリーの進行とともにフータローを必要としていった人たちなんですよね。「今」を見つめるというテーマの象徴たるヒロインたちなわけです。
一方、四葉ちゃんだけは明確に違います。
以前も「最初からフータローに好意的だった」と言いましたが、言い換えれば、最初から四葉ちゃんはフータローを必要としていた人なんですよ。明らかに一人だけフータローとの関係性の築き方に差異がある。これは気になるところ...。
しかも、フータロー自身も今回、四葉ちゃんのことを「やる気があって頼りになる」と評しているんです。もちろん他の姉妹同様決め文句みたいに「だが馬鹿だ」とは言ってるんですけど、「それに...いや...俺の思い過ごしか...(もしかしたら、フータローは"無意識的に"四葉ちゃんと写真の子を重ねている?)」と意味深な発言も残している。
やはり特別なものを感じずにはいられません。「今」を象徴する4人とは異なる存在の四葉ちゃん。特に今回は「写真の子」=「過去」を強く想起させるエピソードだったので、個人的には「四葉ちゃん=始まりの子」説は高まったんじゃないかな、と。
前へと進むフータロー
そして、「写真の子」との「さよなら」も気になりますが、二乃の問題が解決できるかも気になるところ。
何だかんだ言っても二乃はフータローのことを特別視しているんだと思います。中間試験編でフータローのピンチを救った時のように、今回茫然自失のフータローに手を差し伸べる二乃を見ればそれは明らか。やっぱりこの関係性が2人の自然な姿なのかな...。
いずれにしろ、「写真の子とのさよなら」と「二乃の家出問題解決」を並行して持ってくるあたりに、七つのさよならのテーマ性――"過去"からのさよなら――が垣間見えますが、果たしてここからどんな風に描かれていくのか。期待したいですね。
つ・ま・り!なにが言いたいのかというと...
写真の子(17歳)がめちゃくちゃかわいかったなってことです!これは凄まじいヒロイン力ですよ...!
突然の再会とさよなら。それをフータローがどう乗り越えていくのか。「過去」から「未来」に向かって、どのように作品の舵を取っていくのか。春場先生の御手腕を楽しみにしたいところです。
<追記記事>
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。
『ぼくたちは勉強ができない』67話 感想、眠り姫のキス!古橋文乃さんはまだ2つの奥の手を残している...。
ぼく勉 問67話 感想「祭の騒ぎは留まらず[x]どもは茨の道を往く」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
あしゅみー先輩の降臨!
波乱の文化祭4話目。各ヒロインたちがそれぞれ順調(?)にイベントをこなしていくなか、ここまで霊圧消えまくりだったあしゅみー先輩がギター片手に降臨である。良かった...あしゅみー先輩やっと登場してくれた...。
というかね、あしゅみー先輩軽音部だったのかよ!って感じです。全然イメージなかったから普通に驚いちゃったわ。しかも「伝説の先輩」って。メイドで医学部志望でギター上手とか普通に多才やんけ!
まぁ『ぼく勉』のヒロインたちは、それぞれの分野(「理系」「文系」「水泳」「お尻フィギュアスケート」)で圧倒的な才能を有している点が特徴ではあるので、同様にあしゅみー先輩が「ギター」で伝説を築いていたとしても不思議はないんだけど。
こういう意外な一面が見えてくると、改めてあしゅみー先輩の過去のお話が見てみたくなりますなぁ...。あしゅみー先輩がどんな高校時代を送っていたのか、わたし気になります!
<文化祭編感想>
今週のあしゅみー先輩がかわいすぎる問題!
のっけからスーパーご褒美タイムである。
さて。着ぐるみのまま先生たちに追われる成くんに助け舟を出すあしゅみー先輩ですが、ここぞとばかりにキラーシュートを放ってきました。世界的に有名なあのSiriが認める「真冬先生のお尻」にも負けず劣らずの素晴らしいお尻ですね。えっち過ぎる...。
前々から感じていたんですけど、筒井先生はお尻好きなんですかね...(ド直球)。特に最近の描写を見ていると、お尻への飽くなきこだわりみたいなものをひしひしと感じます。うん。このままのスタイルで、突き出して突き進んでもらいたいな!(何の話だ...)
しかしまぁ、文化祭編も中盤戦でやや出遅れたかと思いきや、圧倒的な破壊力でニヤニヤの山を築いてきおるな...この先輩。
もはや、その徹底的な攻めの姿勢の前に、成くんと読者の頬が緩む緩む。やっぱこれこそが「先輩」ヒロインならではの強みだよなぁ...。
この攻めっぷりがたまらん!
素晴らしすぎる...。これですよ、これ!僕があしゅみー先輩に求めていたのはこういうのですよ!
前提として「先輩」ヒロインのキモは、どちらがリードをするのかというところにあるじゃないですか。どっちがイニシアチブを握るのか。その一点で「先輩」ヒロインとの関係性が決まると言ってもいい。
で、個人的には圧倒的に先輩ヒロインに主導権がある方が良いかなって。特に『ぼく勉』は、メインの3人娘たちと成くんの関係性が「教育係と生徒」なので、成くんが主導権を握ることが多いし。
そういう意味でも、あしゅみー先輩の基本スタンスが「成くんをからかう立場」になっているのは最高だと思うんですよ。「もっと早く出会ってれば こうしてもっといっぱい一緒にいられたのにな」って...。そんなんニヤニヤ止まらんじゃろうて...。
先輩ヒロインかくあるべし!
このニヤリ顔に先輩ヒロインの真髄を見たり!今週のあしゅみー先輩は過去最高値のかわいさ力を叩きだしてくれたと思うな。最近、僕の中であしゅみー先輩株が上がりまくりですよ。
受験生(高3スタート)による勉強ラブコメなんで設定からして本編で語るのは無理だったろうけど、成くんとあしゅみー先輩が一之瀬学園で出会うエピソードも読みたかったなぁ...。なんで、2年間も同じ校舎に通ってて出会わなかったんだよ!(無茶言うな)
茨(いばら)に選ばれた王子様は・・・
今日も文乃さんがかわいい(確認)
あしゅみー先輩も素晴らしいプレーを見せてくれましたが、なんと言ってもメインイベントは文乃さん主演の演劇『眠り姫』である。あぁ、文乃さんがいつにも増して神々しく見えるよ.......。
文化祭編が始まってから壊れたラジオのようにリピートして言ってきましたが、そろそろね、文乃さんにもあって良いと思うんですよ。理珠ちんが林間学校で成し遂げたような「キスイベント」(※事故です)がさ!
だって「文化祭」といえばラブコメ四大イベントの一角ですからね。「林間学校」であんなことがあったなら、「文化祭」でこんなことがあってもいいじゃんって。全国の文乃さんスキーたちはそう思っていたわけ。
しかも、文乃さんファンクラブの「いばらの会」も今回は俄然やる気でしたから。文乃さん(=『眠り姫』)と成くん(=王子様)によるキスのお膳立て。そこに全力を尽くす鹿島さんの姿はまさに僕らの代表と言っていいレベルでした。
なのに.......
焦る鹿島さん.....
あ・・・(察し)。甘い!詰めが甘いよ、鹿島さん!「ジンクスなんて曖昧なものには頼りませんよ~」とか凄んでいたあの頃の鹿島さんはどこ行っちゃったのよ!
完全に想定外(予想の範囲内)である。なんやかんやあって100年の眠りについてしまった文乃さんですが、ここまで来てまさかの王子不在っていうね。で、劇中に一般公募で勝手に王子役を募り始める学園長の自由っぷり。なんだ...このカオスな演劇は...。
見切り発車で突き進んだ結果、完全に収集つかなくなっちゃったの巻な地獄絵図。もうね、文乃さん起きちゃってるじゃん!全然眠ってないじゃん!(笑)
戦慄の文乃さん.....
いやほんと「もうどうにでもなーれ」状態ですよ。どうしてこうなった案件過ぎて笑うしかないわ...!
......とはいえ、前回の感想でも言いましたが、お姫様の前にたどり着けるのは「茨(いばらの会)」に選ばれた王子様だけなのである。それゆえにキスを迫るモブ男子たちの前に鹿島さんらが立ちはだかる。物語とはそういうもの。
確かに演劇は台無しで大惨事ではある。しかし!これはある意味で『眠り姫』という物語を体現していると言っていい。ならば、演劇としてこの流れで登場するべきは誰なのか?それはもう決まったも同然でしょう。フフフッ。ニヤニヤが止まらん...。
そして、その時ついに事件は起こるのであった・・・。
眠り姫は王子のキスで...
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!???
この瞬間、我々文乃さんスキーたちは自分でも理解できない感情に襲われた。
なぜか?まさかの「文乃さんの方からキスをした」からである。『眠り姫』はね王子のキスを待っているだけではダメだと~♪っていう歌が聞こえるわ!
『眠り姫』という演劇の舞台設定を考えれば、なんのかんのあっても王子役の成くんからキスをするのかと思っていたがとんでもない!文乃さんからいったよ。お姫様が自分から王子様にキスしちゃったよ!
ただ、同時に着ぐるみ越しのキスっていうのをどう捉えていいものかわからんというね。文乃さんからのキス!しかし、着ぐるみ越しのキス!これは脳内会議が必要な案件だ...。
脳内会議 ~Now Loading~
文乃さんスキーA「おいおい、着ぐるみを着たままキスってどういうことなの?これを本当にキスって呼べるの?」
文乃さんスキーB「そんなことないって。たとえ触れていなくてもキスはキスだよ!大切なことは文乃さんが成くんにキスをしたという事実だよ!」
~審議中~
文乃さんスキーA「何言ってんだよ。事故キスとはいえ、理珠ちんのときはマウストゥマウス。夢(?)キスとはいえ、うるかのときはほっぺだぞ?着ぐるみキスなんて聞いたことないよ!」
文乃さんスキーB「ぐぬぬ...。それは確かに...。でも!それでもぼくたちは文乃さんを信じていくんだよ...(涙)」
未来からきた文乃さんスキーC「フフフ。君たちの争いを見ていると、若かったあの頃を思い出すよ。考えてごらん?なぜ2人とは違って今回の文乃さんキスイベントが直接的に接触のない着ぐるみキスになってしまったのかを?」
全国の文乃さんスキーたち「えっ!?(驚愕)まさか・・・」
文乃さんはまだ2つの奥の手を残している!
お姫様と王子様!
確かに今週の描写では「文乃さんからのキス」とはいえ、着ぐるみ越しのキスである。人によってはキス判定をしていいのかも疑問なレベルでしょう。
正直言えば、文乃さんと成くんの疑問の余地なしのキスが見たかった気持ちもある。実際そういうのを期待していましたよ。しかしだ!これはある意味、将来的な展開を考えれば文乃さんスキー的にはアリな展開と言えるんじゃなかろうか。(ポジティブ思考)
まず大前提として、なぜ今回文乃さんが着ぐるみを着た成くんにキスをしたのかと言えば、おそらく....
演劇の前にあしゅみー先輩と偶然にも出会い、文乃さんがギターの存在を確認していたからでしょう。
舞台上に突如出現したニャンポレオンZ(成くん)もギターを背負っていたので、十中八九文乃さんは中の人があしゅみー先輩だと思い、事態の鎮静化のためにキスをしたんでしょうね。少なくとも中の人が成くんであったことを分かっていたとは思えない。
まぁ、要するに文乃さんは先輩にキスをしたんだと思っていて中の人が成くんだとは思ってないんだよね。それなのに、成くん視点で見れば「文乃さんからキスをされた」という事実が残るわけですよ。
そして。速攻気付くことになるのか後々になって知ることになるのかは現時点では判断のしようもありませんが、いずれ「文乃さんが知ることになる」ってのはラブコメ的には確定しているも同然である。
また、今回のキス描写について考えるにあたり、他の2人と比べてみると...。
2人のキス描写から考える今回のキス描写
理珠ちんはマウストゥマウス。うるかはほっぺた。事故とか夢かもとか状況は色々あるにせよ、あくまでも描写としてはいずれも直接触れている構図が描かれているんですよ。
なのに、文乃さんには事故でも夢(?)でもそういう描写を徹底的に描かない。ニャンポレオンZという分厚い着ぐるみでガードをする。この差を考えれば、将来的に文乃さんの「(正式な)キスイベント」を描くために焦らしてるでしょ...としか思えないじゃん!って。(※個人の見解です)
しかも、文乃さんは「キスイベント」と「恋心の自覚」という2つの手札(奥の手)を未だに残しているわけで。
恋心を自覚しているうるか、ガチのキスイベントを最初に昇華している理珠ちんの2人と比べても、筒井先生は文乃さん関連の強イベントを意図的に残しまくっていると思うんですよねぇ...。
つ・ま・り!結論としては....
文乃さん強イベントは『ぼく勉』の最終奥義!
今週の「着ぐるみキス」イベントが文乃さんにどんな変化をもたらすのかが一番気になるってことですよ!
中の人が成くんだと気付いたとき、果たして文乃さんがどう思うのか。ノーカンだと認識するのか、はたまた「着ぐるみ越しとはいえ唯我くんとキスしちゃった...」とモヤモヤするのか。「着ぐるみキス」そのものよりも大事なのはそっちだと思うな!(個人的に)
来週はセンターカラーで、文化祭編もクライマックスが近いみたいなので、この衆人監視のキスの後から「ジンクスの花火」へとどうつながっていくのかも楽しみなところ。
あしゅみー先輩も登場して完全に役者は揃ったしね!5人とフラグを残すのも良いと思うし、驚きを与える展開でも良いと思うし。うーん、またまた来週に期待のかかる展開ですね!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。