ふわふわびより

『ぼくたちは勉強ができない』89話 感想、今宵"眠り姫"は眠らない!寄せる想いは輝いて...!

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ぼく勉 問89 感想「最愛の星に[x]の名を⑤」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意こんs

今週の『ぼく勉』を読了。

 

ただただ感無量でした.....。子を想う親の気持ち親を想う子の気持ち。そのどちらの視点で読んでもとても心温まる素敵なお話が展開されていて、読後は溢れ出る幸せと込み上げる切なさで本当に胸が一杯になっていました。

 

具体的に何が素晴らしかったかって、今回の長編のセンターラインでもあった「家族の絆」というテーマ(=縦軸)の中で、「夢」と「恋」という両輪をどこまでも丁寧に描いてくれたことだと個人的には思っています。

 

大切であればこそ、本気であればこそ、気付けなかった想いがあって...、でも、共に「夢」を語り合い、支え合った「恋」の思い出も確かにこの胸に残っている。「夢」と「恋」。『ぼく勉』という作品の根底に流れるこの2つの車輪が物語を前へ前へと進める働きを担い、文字通り、10年に渡って停滞してしまっていた「家族」の関係を動かした

 

どれだけ想っても「過去」には帰れなくて、過ぎた時間を元に戻すことも叶わないけれど、だからこそ人は何度だって前に進んでいける。離れていても、たとえそれが「過去」でも「今」でも「未来」であっても、その”想い”はずっと繋がっていくのだから....。

 

きっとこれは、そんな古橋零侍と古橋静流さんの、――そして2人の関係の写し鏡でもある――、唯我成幸くんと古橋文乃さんの物語。今回はそんなことを考えながら、お話を振り返ってまいりましょう。

 

 

<”最愛の星”編>


 

 

 

 

ぼく勉 89話:静流さんが遺したメッセージ!大切な人へ寄せる想いは輝いて...!

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文乃さんと零侍

 

前回、10年間のすれ違いに終止符を打つため、お互いの想いをぶつけ合った文乃さんと零侍。

 

しかし、それでもまだ零侍は娘の「夢」を認められずにいました。覚悟の程も想いの強さも理解している。それでも、最愛の妻を亡くし、長い間「才能」という記号に囚われ続けてきた彼にとって、その枠から一歩を踏み出すことは決して簡単なことでなかったのです。

 

「才能」への固執は、亡き妻に対する「想い」でもあるのだから。だから、娘には「才ある道」に進んで欲しい。それが父・古橋零侍が不器用にも娘に対して抱き続けてきた「想い」だったわけですね。

 

 

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静流さんの謝罪、静流さんの想い

 

そんな文脈を踏まえると、今週のお話は本当に美しい展開であったと言えるのかもしれません。

 

彼の「才能」に対する想いは、静流さんへの想いが出発点になっていて、それゆえに古橋零侍を「才能」という檻から真に解放してあげられる存在もまた、静流さん以外にはありえなかった。言い換えれば、これは他でもない、静流さん本人から零侍に届けられなければいけない想いでもあったということ。

 

そして、この「きちんと想いを伝える」という構図こそが今回の長編を貫くテーマにもなっているんですよね。文乃さんも、静流さんも。結果的にたくさん回り道をすることになってしまったけれど、10年という長い年月を経てようやく「最愛の人」へきちんと想いを届けることが出来たのです。そう思うと、なんだかとても込み上げてくるものがありました。

 

 

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恋する静流さん


また、静流さんが零侍に良い所を見せたくて一生懸命勉強をしていた「できない子」であった点も凄く印象的なシーンとしてこの物語を彩っていましたよね。

 

「天才」かどうかなんて関係ない。古橋零侍という一人の男の子に惹かれて「好き」で「好き」で「大好き」だったから頑張れた。

 

原動力 (=想い) があれば、たとえ今は「できなく」ても、いつかは「できる」ようになる。大切なことはただそれだけのことであり、静流さんの傍らに飾られている賞状の数々はまさにそんな「努力」の跡を雄弁に物語っているのでしょう。

 

 

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母からのメッセージ

 

好きなことを全力で

好きにやりなさい

 

だからこそ、母から子へ、この言葉が贈られることにはとても大きな意味がある。

 

この先何度も壁にぶつかって、それでも「好き」な人を支えに頑張って...。そんな人生が本当に、本当に幸せだったから、文乃さんにもそんな道を歩んで欲しいと願える。それが静流さんの想いであり、彼女が自らの人生を以って体現し遺された「最愛の人」たちへ真に届けたかったメッセージだった。

 

「できない子」であった母からの言葉。素敵な人に「恋」をして全力で「夢」を追いかけた母からの言葉。そこに込められていた想いは、『ぼく勉』という物語が1話からずっと大切にしてきたテーマでもあり、また筒井先生が作品を通して一番に伝えたかった想いでもありました。

 

だからこそ、今週の冒頭で成幸くんの手を握りながら文乃さんがお母さんの温もり」を感じるシーン(=パスワードに気付くための鍵)へとストーリーが繋がっていくのが本当に美しくて、なお泣けるという....。実際、静流さんと成幸くんは、彼女にとって重なる部分の多い存在だったのですから。

 

 

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静流さんと成幸くん

 

幼い頃から星が大好きで、でも”才能”がないことを理由に、ずっと誰か(=それは、真冬先生であり、零侍であり)に自分の「夢」を反対されてきた文乃さん。

 

しかし、そんな彼女の手を握り、彼女の「夢」を全力で応援してくれる存在がいました。それが唯我成幸くんであり、かつてのお母さんだった。2人とも”才能”なんてなくても”努力で「できる」ようになることを証明してきた人達。どこまでも温かくて、どこまでも一生懸命に頑張ってきた人達。だから、成幸くんとお母さんの手は似ている...と。

 

本当に今週のエピソードはこれまでのお話のすべてが繋がっていくような美しさがあったと思っています。

 

 

最愛の星に[x]の名を

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最愛の星に[x]の名を

 

また、「☆」フォルダに掛けられていたパスワードの答えが自身の名前であったことを知った時の零侍の姿も特筆ものでしたよね...。あえて、涙や表情を見せない演出にしていたのもグッときます。とても心が締め付けられる本当に良いシーンでした。

 

だってだってお母さんと2人で見つけるんだもん!

2人の一番大好きな人の名前にしなくっちゃ!

 

幼き日の文乃さんが語った偽りのない純粋な想い。もうこれが全てです。僕は「☆」フォルダのパスワードは文乃さんの名前なのではないか...と思っていましたけれど、そもそも「星」が大好きで、誰よりも「星」を追いかけてきたのは文乃さんなんですよね。

 

であれば、「☆」フォルダを開けるのも、「☆」に名前を付けるのも彼女の役割であり、それゆえに彼女にとって、いえ、静流さんと文乃さんの2人にとって「最愛の星」は最初から零侍をおいて他になかった。今週のお話を読むと心からそう思えます。

 

 

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10年越しの想い

 

もちろん、静流さんは零侍と文乃さんの2人ならこのパスワードを簡単に解けると思っていたのでしょう。

 

そもそもこのフォルダは、零侍と文乃さんへ向けて贈られているメッセージですので、この2人が見ることを前提としているのは明白なわけですから。だからこそ、「家族」にしかわからないパスワードを設定したわけでもある.。

 

結果的には文乃さんの言うように、10年という長い年月が掛かってしまったわけですけれど、しかし、それ故に「文乃さんと零侍」の間にはより強固な家族の絆が生まれたのではないでしょうか。

 

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父娘の姿

 

失ってしまった時間を埋めていくように、新たなスタートを切った零侍と文乃さん。

 

第85話で「お父さんなら来てないよ」と作り笑いをしていた文乃さんが、最愛のお父さんの隣で笑顔を浮かべているのだと思うと、このシーンは本当に感慨深いものがあるのですよね....。

 

 

今宵”眠り姫”は眠らない! 

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起きてる

 

というわけで、問題はこちらのシーンでございます!

 

もうね、ただただ圧倒されました。文乃さんが成幸くんに寄りかかる構図が多いことは第87話の感想でも触れていたのですが、まさかこれまでの描写がこのワンシーンを描くための布石だったなんて...。最高に胸が熱くなってしまうじゃないですか...!

 

問39のエピソードから約1年。あの縁日の夜からちょうど50話目のお話で、ようやくここまで来ました。それを思うだけで、この1年という連載期間の中で紡がれてきた彼女のエピソードの全てがとても愛おしく感じられるのです。本当に、文乃さんが好きで好きでたまらない....。

 

 

 

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眠り姫が目を覚ます

 

あぁ、なんて、なんて感慨深いシーンなのでしょう。

 

今宵”眠り姫”は眠りません。自らの意志で彼女は成幸くんへと寄りかかり、その”想い”を寄せている。重さを預け、もう少しだけ支えていて欲しいと願っている。これまでずっと自分の想いをしまい込んできた(=恋心を眠らせてきた)文乃さんが、やっと自分の気持ちに向き合おうとしているのです。

 

そして、これは物語的にもきっと意味があることなのだと思います。今まで「自分の本当の気持ちを伝えたら否定されるんじゃないか」と怖れてきた彼女が、今回の一件を通して、自分の「好き」に向き合い、最愛の人(=お父さん)に向き合うことの大切さを知った。その勇気の一片を掴んでみせたのです。

 

だからこそ、やっと彼女は自分の中に眠る成幸くんへの気持ちに向き合っていくことができるのかもしれません。たとえ、今はまだこの一夜の「勇気」だったとしてもその気持ちは確かに彼女の中に芽生えたのですから...。少なくとも僕はそう願っています!

 

 

...というわけで、今週の感想を総括すると、

 

「最愛の星」編は本当に素晴らしかった...

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素敵な人へ寄せる想い

 

今回の長編は本当に心の底から素晴らしい物語だったなってことですよ!

 

でもお母さんが零侍くん...お父さんを支えにいっぱい頑張れたように

 

文乃にもきっと...そんな素敵な人に出会える日がきっと来るから

 

静流さんの3つ目のメッセージに対して、「...うん大丈夫だよ お母さん」と返事をした文乃さん。きっと、86話で水希ちゃんに「素敵なお兄さん...だよね」と言った時とは違う想いがこの返事には込められているのだと思いますね。

 

さぁ、成幸くんへの想いに進展を見せた文乃さんがこれから一体どんな恋を見せてくれるのか。今後の展開を本当に心から楽しみにしております!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。