『五等分の花嫁』32話 感想、あの日見た花嫁の正体を僕達はまだ知らない!
本当にスゴイ漫画だ・・・(興奮)
今週の『五等分の花嫁』を読みました。とにかく凄かった。先週も強烈な神回でしたけれど、今週は更に強いインパクトを受けたかもしれません。正直ページを開くたびに唸りをあげたくなる程の破壊力がありました。
先週の引きで、林間学校編もいよいよクライマックスかー!と思っていたというのに、このタイミングでまさかまさか、5年後の結婚式を描いてくるだなんて...。ホント、予想の遥か上を越えて行きましたよね...。
もしかして今回が最終回なのでは!?と思えてしまうようなレベルのとんでも展開で読者を驚かせておきながら、林間学校編の肝でもあるキャンプファイヤーの伝説に絡めて、未来のお話をはさんでくる大胆さ。
第1話で未来の花嫁を先に描いたこともそうですが、この作品は本当に構成力が凄いなと思います。高校生時代のストーリーをメインの時間軸に据えながら、作品の大事なところ、盛り上がるところで、未来の花嫁との結婚式エピソードを盛り込んでいくのは非常に巧いアイデアでしょう。こういう展開が描けるのは、先に未来を提示して回想形式で話が展開されていく、この作品ならではの”強み”と言えそうです。
加えて、花嫁の容姿をキッチリ描いているのに、5つ子姉妹だからこそ顔だけでは誰なのか特定できないようになっているのも巧妙で面白いですよね。
答えを出しているのに、答えがわからない。冷静に考えるとこれはかなり斬新な試み。シルエットで隠しているわけでもなく、素顔を晒している状態なのに、見方によっては誰にでも見えてしまうなんて普通ではありえません。
そう言う意味でも、この作品は5つ子姉妹という設定の奇抜さが際立つ中で、それ以上にその設定の活かし方が抜群に上手いなと思わされます。近年のラブコメの中でも、間違いなくとびきりに読ませる漫画だと心から断言できますよ!ホント、春場先生のストーリーメイキングには頭が上がりませんね!
<感想記事>
第32話:結びの伝説2000日目
というわけで今週は、「結びの伝説」がどうなったのか...というところから。
なるほど...。先週の描写ではキャンプファイヤーの伝説どおり、完全に五月がフータローの手を握っているように見えましたが、実は5人全員が手を握っていたんですね。
こんな序盤でもしかして五月の大勝利なのでは!?と思わせる展開が来るなんてありえるのかな...とも思っていましたけれど、まだ5人とも一線横並び状態だったと。というよりも、もしかすると5人全員エンドの可能性もまだ微粒子レベルで残されてるよ...!という含みも多少はあったりするのでしょうか。
確かに5人全員エンドを示唆するような伏線も描かれてはいます。伝説を除けば、その最たるものは、花嫁衣装が複数ある点で、描かれている範囲でも11着はありますし、教会と披露宴用で分かれていたとしても、到底1人の花嫁が着るような数でないことは明白というもの。
しかも、結婚式当日に他姉妹の姿は徹底的に描かれず、「ご姉妹の方々は...何やら準備があると...」という言葉のみ。準備ってなんだろう...と考えると、ちょっと特別な結婚式なんじゃないだろうか...という風に深読み出来なくもありません。
しかし、それらはやっぱり読者へのミスリードだとも思うんですよね...。正直、全員エンドはないだろうというのが個人的な印象です。そもそも、フータローの性格からしてそんな中途半端な結論を出すのかという疑問がありますし、何よりも作品のテーマとしてそぐわないじゃないですか。それこそ、先週の三玖の「負けないから」という発言が5人全員エンドを明確に否定しているとも言えるわけで。
それに、キャンプファイヤーの結びの伝説について、「手を結んだ二人」「二人を結んだ伝説」と殊更2人であることを強調していますからね。まず5人全員との結婚エンドはないんじゃないかな。
複数用意されたドレスについては、姉妹全員で着て、フータローが自分で選んだ本物の花嫁を当てられるのか、正真正銘最後の「五つ子ゲーム」を描くためのものとか、そういう方がしっくりくるのではないでしょうか。
花嫁は誰だ!?
花嫁は誰なの・・・?
じゃあ、結局「花嫁は誰になるのか...!?」が焦点なわけですが、”ガッツリ贔屓目”で今回の描写を見させて頂くと、四葉ちゃんの可能性はそれなりに高まったんじゃないかなと思います。
なぜか?それは、今回結婚式に「結婚指輪」を持っていくのをフータローが忘れるわけですけど(というか、そんな大事なものを忘れるな...!笑)、その「結婚指輪」が左手の薬指にはめるものだからですよ。
「結びの伝説」で五姉妹がフータローの手を握った際、指輪を想起させるようにそれぞれがフータローの指を一本ずつ握る演出になっているのですが、ここで「左手の薬指」を握っている人物は四葉ちゃんなわけです。しかも(結婚式で行われる?)「五つ子ゲーム」においても彼女には薬指担当という追い風がある。
加えて、四葉ちゃんはフータローに対して最初から超協力的な立場だったのに、いまだ単独のメインストーリーがほぼ描かれていない、トランプで言えばジョーカーみたいなポジションですからね。びっくりするくらい意味深感が満載です。
今後、四葉ちゃん関連で描かれていくであろうエピソードはたくさんあると思いますし、大きい一撃を秘めてもいそうなので四葉ちゃんエンドも十分にありえるのではないでしょうか。
ストーリー的な大本命はやっぱり五月なのかもしれませんが、結びの伝説を通して今までよりも予想が難しくなったとは思っていますし、いずれにしても、現在と未来を交錯させることによってどうしても単調になりがちなラブコメストーリーに謎解き要素を加え起伏を作りながらストーリーを展開させていくのはこれ以上ないくらいの”妙案”だなと。
きっと、今後もストーリーが進むにつれて、未来の結婚式の様子が少しずつ明かされていくことになるのでしょうね。実際に作中の時間軸で描かれることはないにせよ、回想という形であれば、高校生編に限らず今から5年後のハッピーエンドまでは存在するお話として情報を提示することは出来るわけですから、お話の幅としては無限の可能性がありそうで楽しみですね。
つ・ま・り!何が申したいのかと言いますと...、
四葉ちゃんは天使
四葉ちゃん花嫁エンドの可能性もありうる!?
可能性が無限大っていいなってことですよ!
ひとまず林間学校編は最高に綺麗な締め方だったなと思いました。少しずつ丁寧に丁寧に6人の関係の変化を描いていく『五等分の花嫁』。「結びの伝説」はその1つの節目とも言えるエピソードだと思いますし、1クールでアニメ化するならやっぱりここまでになるのでしょうか。次週は早速巻頭カラーですから、今後の展開にも期待ですね!