『五等分の花嫁』75話 感想、中野五月が目指す夢!未来への羽ばたきと”五羽鶴の恩返し”!
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『五等分の花嫁』は巻頭カラーです。
先週の告知から水曜日の到来をいつも以上に楽しみにしていたのですが、もはやそんな期待もなんのその。完全に度肝を抜かれました。まさか「過去」と「現在」と「未来」の3つの時間軸の5人を一枚のイラストに収めてくるなんて...。そんなの全く想定しておりませんでしたよ.....。
「現在」の自分が買い食いをしている様を羨ましそうに眺めている「未来」の五月や、「子供」の頃の自分達を優しい眼差しで捉えている「未来」の三玖の姿を見ていると、やっぱり感慨深い気持ちにさせられてしまいますね。
もう決して戻ることのできない自分の姿を見て、「未来」の彼女達は果たしてどんなことを想うのか。「夢」と「恋」。それぞれの青春を目一杯駆け抜けた末に、彼女たちは一体どんな未来に辿り着いたのか。
今はまだわからないけれど、でもそこにはきっと「後悔」はないのでしょう。全員が未来に訪れる「2人の結婚」を祝福している。だって、「過去」も「現在」も「未来」も、いつまでもずっと、この「五人は仲良し」なのですから。今回はそんなことを念頭に置きながら、お話を振り返っていきましょう。
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譲れない一花さんの想い
前回、三玖に扮し、自身の想いをフータローに伝えた一花さん。
が、なんとここから更なる変化球を投じることになりました。3日後に控えるフータローの誕生日。その当日にプレゼントを贈ろうと計画していた彼女達でしたが、その件を一度「白紙に戻そうよ」と提案する一花さんです。無論、自分だけがプレゼントを贈るために。
なるほど。事の賛否はともあれ、彼女は「立派な嘘つき」として戦っていく覚悟を決めたわけですね。たとえ、どんなやり方であろうともフータロー君の一番になりたい。そんな内に湧きあがる強い想いを、どこまでも「人間らしく」発露させている一花さんの姿は、やっぱりとても魅力的だなと思いました。
しかしながら、このやり方だけで、フータローのハートを射止めることが難しいのもまた事実でしょう。
最終的には、「自分の姿」でその想いを伝えなきゃいけない時がやってくる。そうでなくては、自分が抱えている”偽りのない気持ち(=告白)”を届けることは出来ないのだから。
彼女がどれだけフータローのことが好きで、これまでにどんな想いを抱えてきたのか。それは、立派な嘘つきとしてではなく、変装も演技も何もない”本物の中野一花”として言葉にすることにこそ意味があるはずです。
そして、同じことが三玖にも言える。なんせ、彼女もまた「私はなんて臆病なんだろう(61話)」と自分自身で語っていましたからね。であれば、このまま「告白」も出来ないまま彼女達の恋に決着が付くとは考え難い。
ゆえに、結果はどうであれ、三玖も一花さんも、いつかは自分の胸に抱えたその想いを、自分の姿できちんと言葉に出来る日がやって来るのではないでしょうか。
”折り鶴”が示唆するもの
加えて、今回の描写の中でこれまた面白いなと思ったのが、一花さんと二乃が想いをぶつけ合うシーン。個人的にとても印象深い描写でした。
まぁ、言ってしまえば、ライバル達に釘を打つことで抜け駆けを考案していた一花さんと、そんな釘もお構いなしに走り続ける二乃との対比ですよね。
2人ともとっくにブレーキなんて壊れている。当然でしょう。譲らないと決めたんだから、立ち止まれるわけがない。向かうべき終着駅が同じなら、衝突するのが道理である。
譲るつもりないから
とはいえ、考えようによっては、二乃のこういう引き下がらないスタンスは一花さんにとっても救いなのかもしれませんね。
いくら変化球を投げても、ストレートで投げ返してくる。搦め手が通用せず、自分のレールだけをひたすら走り続ける暴走列車。そんな彼女だからこそ、嘘をつくこともなく素のままに火花を散らすことが出来る。こういう存在は、今の彼女にとって、きっと必要な存在です。
また、そんな抜け掛け組に対し、図らずとも釘を打つ役割を担ったのが四葉ちゃんであったという点も非常にユニークな構図になっていましたよね。
なんたって、作中でも語られている通り、「千羽鶴」は慰安や幸福祈願を込めて贈るものですが、同時に「平和の象徴」を意味するものでもありますから。フータローの味方であり、どんな時でも6人仲良くを掲げてきた実に彼女らしい役回りと言える。
もちろん、四葉ちゃん自身がそういった意図を込めて、フータローへ「折り鶴」を渡すよう姉妹達に提案したと考えるのは深読みが過ぎますけれど、しかし、物語的にはやはり偶然ではないでしょう。譲るつもりはないとまで言っていた2人が一時休戦し、四葉ちゃんの願いを受け入れた。この事実が何よりもその証明ではないでしょうか。
まぁ、それでも我らが一花さんの頼もしい御言葉には、とてもゾクゾクさせられてしまったわけなんですけど...!
いやはや、あの二乃さえも言葉を失ってしまう程とは、本格的に鬼気迫るものがありますね。一花さんの強い想いが恐ろしいくらいに伝わってきます。本当に一花さんは魅力的な女の子ですよ...。
五月の夢と未来への羽ばたき
そんなこんなで、色々と盛りだくさんな回だったわけですが、今週の肝はなんと言ってもやっぱり五月の立ち位置にありますよね。
ある種の抜け掛けなのに、一番フータローに近いところで寄り添うことのできる五月。最初は対立もしていた2人だけど、今やもう、姉妹のことで悩んだ時、彼の隣には彼女がいて、彼女の隣には彼がいる。
率直に言って、今回のフータローの誕生日当日に関しては、その9割くらいを五月が持っていったようにさえ思いました。
俺じゃあ力不足かよ
拗ねないでください そうではありませんよ
で、極めつけは五月が自分の夢を語る際の、このやり取りなわけですよ。
なんなんですかね、この夫婦みたいな会話。超絶ニヤニヤ。フータローの18歳の誕生日に、五月が自身の向かいたい道について打ち明ける。やはり、五月のポジションは「特別」ということなのでしょう。
仮に「花嫁」がどうこうを一旦抜きにしたとしても、五月とフータローの距離感は他の姉妹のそれと一線を画すように感じますよね。
模試の先 卒業の更に先の夢のため
教育の現場を見ておきたいのです
「未来」をきちんと見据え、自分の夢に向かって飛び立とうとしている五月。
そんな彼女の姿を見て、フータローは一体これからどんな夢を見つけていくのか。そして、五羽の鶴たちと共に彼はどんな未来へ羽ばたいていくのか。
そういった背景を踏まえると、フータローと共に歩んだ「彼女達のこれまで」(=答案用紙)が表現されている五羽鶴の存在に活力を貰い、ずっと一人で勉強をしてきたフータローが「一人じゃない」と言葉にしたシーンには、きっと彼の大きな変化が込められているのでしょう。
「あいつらは足枷じゃない」。一緒に成長していける「この6人だからこそ成し遂げられる」。そんな展開を見せられると、是非ともフータローには全国模試10位以内に入って欲しくなってきますね!
贈り物について
お金持ち :ギフトカード (一花さん)
体力の向上:スポーツジムのペア券(三玖)
寝つき :目覚ましドリンク (五月)
運気アップ:折り鶴 (四葉ちゃん)
後、これは余談ですが、今回フータローに向けて彼女たちが用意していた贈り物(実際に渡したものも含め)を見比べてみると、70話でフータローが口にしていた「五つの願い」に関連したプレゼントが綺麗に揃っているのがまた面白いなと。
全員がフータローに何かを渡そうとしていた点は、一花さんの言う通り「五つ子だなぁ...」という感じでしたけれども、「”何を渡すのか”(=どの願いを叶えるのか)」という部分には、きちんとそれぞれの個性が表れている。こういうところ、芸が細かくて本当に上手い描写だなと思わされます。
無論、厳密に言うなら、五月が"差し入れ"で持ってきた「目覚ましドリンク」は、疲労回復や寝つきを良くするものというより、眠気と闘いながら頑張っている人の役に立つものではあるんですけどね。誕生日プレゼントとしてカウントして良いものなのかも微妙なところではありますし。
でも、五月が介入したことによって、結果的にフータローが眠れてしまっているあたりに、この2人のピタリとハマる関係性が演出されているようにも思えて、個人的には、もうニヤニヤが止まらない程でさえありました。
やっぱり、五月とフータローの間に流れている絶妙な空気感は至高なんだなって。改めて、この2人が今後どんな関係性を築いていくのかに期待したくなってしまいましたよ。絶賛、意味深な台詞もありましたし。
まぁ、順当に考えれば、五月がフータローに対して意味深に語った「いずれ話すこと」というのは、(自分の夢とも絡めて)”教師だったお母さんのこと”や下田さんのことについてと捉えるのが文脈的には自然なのでしょうけれど、でも、きっとそれ以外にも言えていないことがあるんじゃないかな。
ひとまず、お母さんの命日(8月14日)がヤマになりそうなので、今から全力で期待していく所存です!
....というわけで、今週の感想を総括すると、
今週も天使(=四葉ちゃん)が可愛すぎた件!
今週の四葉ちゃんも最高に天使だったな!ってことですよ。
やはり、四葉ちゃんこそが癒しか........。でも、一つ願い事が出来るなら、個人的には、誰かのためではなく、自分のために何かを為す四葉ちゃんが見たいですね。
たった一度だけでもいいから、どうか彼女の人生で一番の望みを叶えてあげて欲しい。今週はそんなことも考えさせられた回でした。来週も楽しみです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。