五等分の花嫁 49話 「七つのさよなら⑪」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
祝・アニメ化!
今週の『五等分の花嫁』は連載1周年&センターカラーです!
そして、なんと....このタイミングでアニメ化が決まりました。まさかこんなにも早くアニメ化が決まるとは...。少し気が早いですが、今から動くフータローたちを見られる日が楽しみで仕方ありません!
正直に言えば、いつかはアニメ化してくれるだろうという期待感はありました。だってこの作品は本当に面白いですから。今、最も読ませるラブコメ漫画を紹介するなら、なんの迷いもなくこの作品をオススメできるほどに凄い漫画です。
「五つ子」という目を引く設定に負けないくらい、しっかりとした世界観やテーマが作品の中に根付いていて、かつ出会うことから成長していく「ボーイミーツガール」ものとしての王道も外さない。毎週水曜日、最新話のストーリーを読むことにここまでワクワク出来るのも、恋愛という枠を超えて、彼・彼女たちがどういう風に「成長」していくのか、その「未来」について考えさせられるからでしょう。
そして、個人的に何よりもこの作品で好きなところはきちんと「人間」を描いているなぁと思えるところです。時に本気ですれ違ったり、本気でぶつかったり。成長の過程できちんとその人の「ダメなところ」も見せる。それぞれの「迷い」を掘り下げ、その過程にある葛藤をきちんと読者へ提示しているのですよね。
もちろん、それによってヒロインたちに対しての(読者が抱く)好感度に影響を与えることもあると思います。でも、迷わない人間に成長はない。迷って、悩んで、考えて、その先に、信頼や成長があるんです。
そのリアルにしっかりと向き合ったストーリーだから僕らも彼女たちの「気持ち」を考えながら読むことが出来る。文字どおりに「共感」出来る。同じ「人間」として。そう思わせてくれる所がこの作品の魅力と言えるのではないでしょうか。
ひとまず、アニメ化について思うことや期待することはまた後日別記事で書きたいと思いますので、早速、最新話の話について気になった点に触れていきましょう。
<関連記事>
フータローの家庭教師退任を知った彼女たちは...
前回、自身の力不足を痛感し、五つ子たちを想う故に、彼女たちの家庭教師の任から降りることを決意したフータロー。
その事実を知ったとき、一体彼女たちがどういう反応を見せるのかが気になるところでしたが、あまりにも突然のことすぎて信じられないという様子から描かれているのがとても面白いなと。何気ないですが、個人的には非常に印象深い反応でした。
というのも、既に彼女たちにとってはフータローと過ごす時間が「日常」の一部になっているんですよね。だから、フータローが中野家に訪れないというのは言わば異常事態。二乃や五月が家出をした時と比べても何ら遜色ないインパクトが彼女たちに降りかかっているように見えるのもきっとこのためでしょう。
要するに、始まりは異分子でしかなかったはずのフータローが、もう全員の輪の中に自然と溶け込んでいるのです。
四葉ちゃんが、「また”みんな”と一緒に頑張れるのが楽しみ」と言っているように、「みんな」の中にフータローも当たり前のようにカウントされている。それを全員が受け入れているんですよね。だから、「みんな」がフータローの退任に納得がいかない。
そして、それはこれまで五姉妹と過ごしてきた日々の中でフータローが獲得してきた「信頼(=必要とされること)」を表現するものでもあります。言い換えれば、彼と彼女たちの間にあるものが「勉強」だけではないことのシルシ。ゆえに、(当たり前な話ではありますが...)たとえどれだけ優秀な家庭教師が代わりにいても、彼の代役なんてこの世界に誰一人としているわけがない。
意識的か無意識的かはともかく、「勉強」を教えて欲しいだけの理由で彼女たちはフータローを求めているわけじゃないのです。それぞれに程度の差はあれど、彼女たちが抱える想いは、「勉強」を教えてもらうという点にではなく、『”フータローと一緒に”』という部分に力点があるんですよね。
その証拠に、彼女たちはもう「自分でも不思議なほど問題が解ける」ようになっているんですよ。
もちろん、それは二乃の言うようにフータローのおかげですし、成長したとはいえ、期末試験では未だ全員が揃って赤点を抱えている彼女たちですから、まだまだ未熟もいいところ。最終的にフータローの作ったカンニングペーパーに頼る姿を描いたのも、彼女たちにはまだフータローが必要であることの示唆でもあるのでしょう。
しかし、「七つのさよなら」編のテーマの一つが、未成熟だったひな鳥たちが自らの翼で巣から飛び立つことであったように、彼女たちは自分たちの力で問題が解決できるまでの成長をまさに遂げようとしているんです。
だから、彼女たちにフータローが必要だと思う反面、フータローのメッセージにもあった「これからは自分の手で掴み取れ」というメッセージもまた正しいんだと思います。それこそフータローがいなくても今度は自分たちの力で赤点を回避することがもしかしたら彼女たちにはできるのかもしれません。
それでも、彼女たちがフータローを求める理由。その根底にある想いはなんなのか。それこそがポイントなのでしょう。
それぞれに少しずつ違ったセリフで反応を示した5人。しかし、気付けば全員が同じ方向(=フータローへの想い)に向かって、同じ表情を浮かべている姿が描かれていました。物語の始まりを思うと、なんだか今週のお話は本当に感慨深いものがありましたね....。
五つ子たちの成長!クリスマスに何が起こるのか!?
さぁ、一花さんの提案の元、五つ子たちは何かの決心を固めました。その力強い表情の5人を見た江端さんが「大きくなられましたな」というように、きっとあの頃の彼女たちにはなかったであろう”強さ(成長/勇気)”がこの表情に集約されている。
彼女たちの「成長」を描きながらも、彼女たちがフータローを「必要」とするのはなぜなのか。大切なのはきっと「気持ち」です。家庭教師という大義名分や義務が一度取り払われ、また彼女たち自身が「自立」を果たそうとしている今だからこそ、描けるものがある。
「自立」って頼らないことではないですから。むしろ、本当の意味で誰にも頼らずに生きていける人なんていない。誰かを信頼し、心の底から「一緒にいたい(=必要だ)」と思えることもまた立派な”成長の証”です。第一話から『五等分の花嫁』という物語を通して描かれてきた五つ子たちの姿を振り返ればそれは明らかでしょう。
そして、クリスマスイヴの日に一体何が起こるのか。
36話で四葉ちゃんが「大切なのはどこにいるかじゃなく 五人でいること」というお母さんの言葉を引用していましたが、きっと、今年のクリスマスは”6人”でいることがキモになるんじゃないかな。
南の島よりも、北の大地よりも、ここにある「日常」が特別。今年のクリスマスは彼女たちにとってそんな日になるんだと思います。そう思える下地が今週のお話(=フータローという日常の喪失)で描かれていたのではないかなと。
このタイミングでお盆に突入し、二週間先までおあずけというのも気になりますが、それ以上にアニメ化も決まったので気持ちは上々ですよ。春場先生、アニメ化&連載一周年本当におめでとうございます!これからも末永く応援しております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。