『五等分の花嫁』54話 感想、物語の鍵を握る中野父!愚者たちの願いの行方はいかに...!?

五等分の花嫁 54話 「愚者の戦い」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意なか
今週の『五等分の花嫁』を読了しました。いやー、今週も色々と気になる所が多くて本当に面白いですね。中野父の参戦によって、物語がまた新しい方向へと舵を切っていくことになる。そんな予感を抱いた方も多かったのではないでしょうか。
やはり「結婚」という物語のゴール地点を考えても、これからのストーリーで核になっていくテーマは「家族」ということになるのかもしれません。
本編でどこまで踏み込んでいくかはわかりませんが、中野父の内面描写や過去も未だ明かされぬところなので、こういった部分がフータローたちの物語にどう影響を及ぼしていくのかも気になるところ。
積み重ねた時間と6人で居たいという気持ち。愚者の純粋な願いは、果たして成就するのでしょうか。また、賢者がもたらす正しき「通告」の裏にはどんな想いが隠れているのでしょうか。今回はその点について少し触れて参りましょう。
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愚者の覚悟と賢者の提案(54話)

前回、全員揃って家出をした五つ子達に対し、「通告」を告げるために五月を呼びだした中野父。
なぜ毎回窓口になるのが五月なのかは、前回の感想で個人的な所見を書いた通りですが、それはあくまでもメタ的なお話。他の姉妹たちとのハブ役として、今回彼女を選んだ理由については、今週のお話の中で中野父が直々に五月に対して語っていました。
曰く、「素直で」「物分かりが良い」からだそうです。要するに、理屈が通用しない相手は苦手だから、姉妹の中で最も真面目で理性的である(と中野父は評している)五月を指名したということですね。なるほど。ここにも中野父のパーソナリティーが色濃く表現されている気がします。

というのも、やはり中野父は想像通りとても合理的で理性的な人なんですよね。
学生である彼女たちの生活に掛かる費用は、当然家賃や生活費だけじゃない。学費を初めとして見えないお金がたくさん発生している。だから、中野父の言う通り、親の扶養に入っているうちは、彼女たちがどこに行こうとも親の庇護下にいることに変わりはありません。
そんな現実を中野父はどこまでも理性的に五月へと諭していきます。気持ちだけで生きていけるほどに現実は優しく出来ていない。実際、一花さんが無理をしている現状がその事実を雄弁に物語っている。まるで、つきまとう様々な現実が、「巣立ちの時期」はまだ早いと彼女たちに語り掛けているかのよう。

だからこそでしょうか。この流れで中野父は同時に「折衷案」(=親からの庇護)を設けてきました。
凄いですね。現状、ぐうの音も出ないほどのド正論で会話を展開してきたのに、条件付きとはいえ、「嫌いだ」と言ったフータローの出禁を解除するばかりか、家庭教師を続けることを許可するなんて...。「大人げない!!」どころか、とても大人な対応ではありませんか....。
やっぱり、中野父は娘たちのことをきちんと考えてる人ではあると思うんですよね。彼なりの不器用さで。でなければ、こんな提案出来っこない。
だって、少なくとも目に見える利害関係だけで言えば、この提案はお父上の言う通り彼女たちにとってメリットしかないじゃないですか。フータローが正式に家庭教師に復任することも出来るし、2人体制になれば勉強面のリスクだって減る。彼女たちの将来を考えれば、これは間違いなく、ベストで「正しい」選択と言えるはずです。

でも....。それでも....、6人の力だけでやり遂げたいのだと中野父へ自分の想いを表明する四葉ちゃん。これがめちゃんこ熱いのなんのって...。
言い方は厳しいかもしれませんが、このセリフは中野父の論理展開とは対照的に、まさに「子供」のような純粋な想いなんですよね。明確な根拠なんてなくて、むしろこれまで彼女たちは幾度も失敗を繰り返してきました。
でも、それでももう失敗はしないと現実に立ち向かっていくのは、この6人の「可能性」を信じたいからです。迷って、すれ違って、喧嘩して。色々な困難を乗り越えてきたこの6人だから、今度こそ成し遂げられる。「私たちと上杉さんならやれます」という言葉にはきっと、そんな四葉ちゃんの想いが込められているのでしょう。

そして、それは五月も...いえ、みんなが同じ想いのはずです。
大切なのは目に見えるメリットじゃなくて、6人の中にある気持ち。中野父が言う「素直で」「物分かりが良くて」「賢い子」である中野五月なんてもういない。だって、彼女は上杉風太郎に出会うことで大きく変わったのですから。今回はそれが上手く表現されていた回でもあったと思います。

さぁ、最終的にこの「通告」の行き着く先はどこになるのでしょうね。
「できるとは思えない」と、保護者として自らの庇護下で彼女たちを守ろうとする中野父に対して、自分たちの翼で今度こそ広い世界へ飛び立とうとしているひな鳥たち。そんな構図で迎える期末試験に果たしてどんな決着が用意されているのか。
個人的には、今度こそ赤点を回避して欲しいなぁという期待もありますが、一方でこのまま5人暮らしを続けていくことの厳しさを考えると何かしらの変化が起こるような気もするんですよね。新しいプロの家庭教師を中野父が「彼女」と呼んでいたことからも、その女性家庭教師が登場する雰囲気が尋常じゃないくらい漂っていますし...。
とはいえ、また転校になるという展開も考え難いので、春場先生がどう上手にまとめてくれるのかに期待したいところ。いつの間にか時空の彼方に吹き飛ばされていた、バレンタインデーエピソードも私、気になります!
つ・ま・り!今週の感想を総括すると...
二乃の恋心

最近の二乃がはじまりまくってるなってことですよ!
なんですか今週の二乃とフータローの接近具合....。2人きりになって手を握っちゃったりしてー!完全に二乃ウェーブが来てるじゃないですか!
し・か・も!「キンタロー君のことは忘れたつもりだったけど まだ完全に忘れられていないのかしら」って....。もうこれ完全にフータローのこと無意識に意識しちゃってますやん...。あぁ、二乃が可愛すぎる!

今週の二乃の様子を見るに、やはり彼女は「素直になれない系」と「無自覚系」のハイブリットヒロインなのかもしれませんね。
まだフータローに対して芽生えている気持ちを「恋」だとは自覚しておらず、またその理由がフータローに対して「(恋愛方面で)素直になりきれてない=気持ちをセーブしてしまっている」からという感じなのかなと。つまりいじらしくて最高にお可愛いということですね!
というわけで、今後の二乃の恋物語も全力で期待しております!春場先生、回想でも良いのでどうか僕らに最高にハッピーなバレンタインエピソードを恵んでくれませぬか...!(土下座)
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。