ふわふわな日記

『五等分の花嫁』96話 感想、波乱含みの学園祭!中野四葉の"本心"と中野五月の"憂心"と...!

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五等分の花嫁 96話「進み続ける日常」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』を読了。

 

長編に繋がりそうな予感もあった「分枝の時」編でしたが、ひとまずは夏休みも終わり、新学期の開幕です。ナンバリングこそついていないものの、「進み続ける日常」という今回のサブタイトルが物語のアクセントになっていて、非常に趣深いものがありました。

 

"時の流れ"というものはいついかなる時でも不可逆で、有限で、貴重なもの。風太郎が繰り返し「最後の」というワードを強調している点も今回の「学園祭」編における一つのテーマとなるのでしょう。進路のことを考える時期でありながら、高校生として学園生活最後の学校行事を全力で楽しむ。

 

 

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進み続ける日常、変わりゆく毎日

 

そんな文脈を捉えると、本当に1年前の2学期とは何もかもが違う状況なんだなぁ...という事実を実感させられますよね。

 

学校行事に対して積極的に取り組もうとする風太郎、学園祭が終わったらそれぞれの進路に向けてまっしぐらにならなくてはならないという状況、そして、この1年の間で築かれ育まれてきた人間関係と胸の中に抱いている様々な気持ち。

 

これらの要素は「進み続ける日常」が生み出してきた"変化"であり、2年生の2学期時点では決して描けなかったはずのものです。「今しかできないこと」をみんなで楽しみたいと考える風太郎がいて、自分の進路に対して思い思いの感情を巡らせている彼女達がいる。

 

 

そんな状況の中で、一体6人はどのような問題に直面し、どのようにしてそれらを乗り越えていくのか。気になった点をピックアップしつつ、今回のお話を掘り下げていきたいと思います。

 

  

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第96話:進み続ける日常

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学園祭は3日間!(※11日(土)~13日(日)の曜日表記は誤植?)

 

 さて。

 

そんなこんなで、今回から「学園祭」を主軸にした物語の開幕です。

 

「①2年生時点では主人公の風太郎が学校行事に前向きではなかったこと」「②3年次は6人全員が同じクラスになったこと」等の要素もあって昨年度は描かれていませんでしたが、旭高校の「学園祭」は休日を含む3日間の催しのようで、夏休み明けから気合いを入れて準備に取り掛かっている生徒たちがたくさん描かれていました。

 

そして、こういう展開になると当然活きてくるのが「学級長」としての役どころですよね。

 

クラスで出展する出し物はどうするのか、段取りの取り決めや当日の対応なども含め、学級長である風太郎と四葉ちゃんが"主体"となって、お祭りの計画を立てていく。当然、2人きりで過ごす時間も増えるわけです。

 

 

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四葉ちゃんと風太

 

そんな状況の中で、ふと風太郎の横顔を遠巻きから見つめ、やたらと意識してしまう四葉ちゃんの「恋する乙女感」がまた最高に可愛い過ぎるというものでしょう。

 

過去に自分が姉妹たちに対してしでかしてしまった大きな失敗からくる遠慮や変われなかった自分に対する恥ずかしさから生じるためらい。6年前からずっと風太郎のことを思い続けてきたのに、自らに「枷」を課すことで、彼女は自分自身のやりたいこと──幸せを考えること──を封印してきました。

 

しかし、一花さんから四葉四葉の本当にやりたいことをやってほしい」と言われたことによって、これまで彼女を縛ってきた枷が今まさに一つ外れかかっているわけですね。姉妹たちの為に生きるのではなく、自分のやりたいことに向き合っていい。風太郎に恋をしている一花さんからのそんな言葉が彼女の胸に今一度問いかける。

 

 

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止まらない動悸

 

一体、中野四葉が心から望んでいることとは何なのか。

 

「好きだった」と呟き過去のものにしたはずの自分の想い。諦めて、封印して、姉妹たちの応援をして....。恋人関係を疑われれば「ないよ ありえません」とまで言って自分の気持ちを否定してきたのに、今になって...、普通に話すことができなくなってしまうのはなぜなのか。

 

まだ彼女自身、その問いに対する答えに無自覚なようですが、止まらなくなっている「ドキドキ」がもう全てを雄弁に物語っていますよね。読者視点では既に明白ではあったものの、中野四葉が本心から「望んでいるもの」とは何なのか、今回のエピソードを通して改めて強調されていた形でした。

 

 

中野四葉は頼られたい

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頼りにしてるぞ

 

また、今回の「学園祭」編で印象的に取り上げられているポイントとして個人的に注目を寄せているのが、風太郎が直接そう言葉にしているように、様々な人が四葉ちゃんを「頼りにしている(=必要としている)」点です。

 

かつて「特別」になろうとして大きな失敗を犯してしまった自分。それに対する贖罪や後悔の念に起因して、彼女は次第に他者のために生きる...という行動様式を確立していったわけですけれど、実際、過去も今も彼女の原動力となっているのは、誰かに必要とされたいという想いなんですよね。

 

「私がいることの意味を見つけたい」。「姉妹たちとは違う何かが欲しい」。「風太郎君の特別になりたい」。

 

そういった気持ちは全て、自分という独立した個の存在を認識してほしいという感情に由来してのものですし、現在の彼女が誰かの為に奮闘している理由もおそらくは、「迷惑を掛けるだけの自分ではいたくない」という想いに関係してのこと。

 

 

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頼られる四葉ちゃん

 

ゆえに、この「学園祭」を通じて、彼女が自分の「やりたいこと」「できること」を改めて実感していく...なんていう展開に繋がる可能性も無きにしもあらずなんじゃないかなと。

 

昨年のデータ収集から始まって、クラスの意見を取り纏めたり、招待状を作成したり...。勉強は苦手でも彼女には出来る事がたくさんある。

 

もちろんそこには、最後の学園祭を楽しもうとしている風太郎のサポートをしたいという想いと「頼りにしてるぞ」と言って貰えたことに対する意気込みの念もあるでしょうから、恋愛的な意味でも四葉ちゃんの気持ちを丁寧に描いてくれたら嬉しいなとは思っていますけどね!

 

 

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悔いの残らない学園祭

 

まぁいずれにしても、物語を通してずっと「後悔」の念に縛られてきた四葉ちゃんなだけに、今度こそ一ミリも悔いを残すことなく「学園祭」を全うし尽くしてくれることを祈るばかりです。

 

風太郎への想い。自分が将来なりたいもの。「学園祭」が四葉ちゃんにとっての分枝の時たりえるのか。ここからの四葉ちゃんに注目しております。

 

 

 

中野五月は頑張りたい

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五月が抱えているトラブル

 

さて。

 

そういった流れで四葉ちゃんスキー的には非常に期待感の強い展開となっていた今週のお話でしたが、その一方で、五月の抱える問題が浮き彫りになっている回でもありました。

 

1学期に行われた模試の結果で進路判定「D評価」を突きつけられた五月。

 

教師になりたいという夢を追いかけ、塾講師である下田さんのお手伝いをさせてもらいながら、つつがなく将来に向かって邁進していたようにも見えていた彼女でしたけれど、ここにきて「現実」の厳しさを痛感することとなったわけであります。

 

 

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一花さんの心配

 

そして、そんな五月の内情に風太郎が全く気付いていない...というのも中々にストーリー的なすれ違いというか"含み"が感じられる部分ですよね。

 

D判定自体は1学期時点の成績に依るものではありますが、夏休みの間中「風太郎が家庭教師の仕事を休んでいたこと」も考慮に入れると、風太郎と五月の間にある学習進捗状況の認識に差異が生まれているようにも思えます。

 

冒頭のシーンで五月が寝不足な様子を匂わせていたあたり、きっと五月はたった独りで「夢」と「現実」の差を埋めるべく奮闘しているのでしょうし、食べ物の話題にもまるで反応していない有様なので、一花さんが懸念している以上に事態は深刻な状況と言えるのかもしれません。

 

 

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この苦境をどう乗り越える?

 

不安でたまらない「将来への展望」を前にして、みんなで心から楽しみたい「最後の学園祭」はどのように幕を開け、幕を閉じるのか。

 

上杉風太郎という存在の位置づけを「あなたは...私たちに必要です」「それはもはや...友達でしょう?」と定めるに留まっている五月の現状を鑑みると、今回の「学園祭」は四葉ちゃんと同様、五月にとっても一つのターニングポイントになるのかもしれませんね。

 

 

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波乱含みの学園祭

 

もちろん、五月と四葉ちゃんだけではなく、「学園祭」全体を通して様々な問題が起こっていく様子ではありますから、その先にある結末をも見据えて「学園祭」編が6人の関係性や将来にどんな影響を与えていくイベントとなるのか。今から存分に期待していきたい所存であります。

 

 

....というわけで、今回の感想をまとめると、

 

 

風太郎の進路と将来は...?

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風太郎の進路は一体...?

 

風太郎の進路がとても気になります...!ってことですよ。

 

二乃&五月と同じく風太郎も「大学へ進学するつもり」のようでしたが、「希望校」が決まっているということは、既に具体的にやりたいことも固まっているという認識でオーケーなのでしょうか。

 

林間学校(第28話)の時点ではまだやりたいことが決まっていなかったはずなので、

 

①教師の道(教育学系)⇐ 5人の家庭教師を経て見出した夢

②医者の道(医学部系)⇐ らいはの身体が丈夫ではないこと

 

この2通り以外だった場合、これまでに描かれてきた物語との関連があまりないように思えてしまうのが正直な印象ではあるのですけど、5年後の結婚式の段階で既に仕事をしていると語られている以上、6年制の医学部に進学している可能性は極めて低いのですよね。

 

もちろん、とりあえずお金をたくさん稼げる職業に就ければいい...という現実的な選択もありえるかもしれませんが、「やりたいこと」を見つけるという物語のテーマにはそぐわなくなってしまいますから、風太郎が進んでいく道はやはり五月と同じ方向ということになるのかもしれません。

 

 

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「いってらっしゃい」はお嫁さんの特権

 

とはいえ、それがイコール五月エンドになるのかと言えばそうとも限らないでしょうし、今週の一花さんがとても可愛かったので、一花さんによる風太郎いってらっしゃい」エンドも十分に想像の余地があるとは思いますけどね......!

 

ひとまず当面は四葉ちゃんと五月の心情変化に焦点が寄せられていくのではないかと思いますが、この先にどんな結末が待ち受けていても、最後の最後まで6人の行く末を温かく見守っていけたら嬉しいなと。来週の合併号も楽しみです!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

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