咲-Saki- 206局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
今回の扉絵は、現阿知賀女子麻雀部の発起人メンバーでもある「憧ちゃん・玄ちゃん・穏乃」の3人。
オーダー的にも実力者が集まりやすい「先鋒・中堅・大将」の3区間を担っている3人ですけれど、あこしずのツーショットが印象に強いこともあって、3人で扉絵を飾るというのは案外珍しい気もするでしょうか。玄ちゃんにしても、やはり宥姉との組み合わせの方が鉄板なイメージは強いですし。
まぁ、「鷺森さんちの灼ちゃんも麻雀部の部長としてもう少し出番が増えてくれたらいいなと思うのですが、これは仕方がないものなのでしょうか。クレームというわけではないのですが...。」と国広一ちゃんも申しておりましたので、次の機会には是非、カラー姿の灼ちゃんも拝めたらすばらだなと。立先生のご采配に期待したい所存ですね。
<前回の感想>
第206局「龍神」:ついに"覚醒"を遂げた松実玄の麻雀
前回、照に「ドラの」を掴ませ、見事に直撃を取って見せた玄ちゃん。
一体どれ程の大物手が炸裂することになるのか。ワクワクしながら最新話を待ちわびていたわけですが、
リーチ一発タンヤオ三色ドラ8
ロン ドラ
いざ開かれた手牌を見てみれば、「ドラ8の数え役満」という予想を超える豪快ぶり。
無論、ドラがであった以上、玄ちゃんの性質的にかなり高い手になるだろうことは想像がついていましたけれど、流石にタンヤオ三色が数え役満に化けてしまうとは恐れ入りますね。
親の連荘にストップを掛けられてしまったばかりか、リー棒と2本場も加え、合計で33600点ものマイナスを支払う結果となった照としては、あまりにも手痛い悪夢のような一局。
しかも、単なる点数上のお話だけではなく、ドラを抱えるのみであった松実玄の麻雀に「2つの"変化"(=成長と進化)」が起こっていることが判明してしまいました。
まず第一に挙げられる変化は、「ドラをツモればそれだけで和了れる配牌が用意され、かつ、思ったようにドラを引ける時がある」というもの。
これに関しては前半戦東1局4本場の倍満や東4局の跳満を和了った際にも言及されていた通り、単純にドラをツモって和了るまでのスピードが従来よりも早くなったという方向性の変化です。
配牌や速度に明確な差こそあれど、自分でドラを引いて和了りに近づくプレイングを取ることには変わりない、言うなれば、今までの地点から縦の軸で伸びた「成長」の証。だからこそ、第196局のサブタイトルにも「成長」という表記がなされていました。
ほかの人にドラを送ることができるような気が――
ちょっとだけする...
しかし、今回照にドラを掴ませて直撃を取った攻防戦は、これまでとは明らかに一線を画するプレイングだったわけですよね。
自分のところにだけ招き寄せていたはずのドラを他家の元にも送れるようになった。それは単に縦軸での「成長」を果たしたというよりも、これまでの自分の殻を打ち破り、新しいステージへと能力が「進化」したと捉えた方がより適切なはず。
強い「覚悟」の元で選択をしたあの時のドラ切り。
「確固たる信念がある打ち手には大事なところで牌が応える」という『咲-Saki-』のテーマを踏まえると、玄ちゃんの「成長」と「進化」はそのまま、彼女の想いが導いたものであると解釈が出来るのでしょう。
第205局のサブタイトルが「進化」の2文字になっている点を鑑みても、「前に進んで化けた」ことを示す意図(=つまり「前に向かうために 一旦お別れ!」の台詞に対応させる意図)が感じられますし、倍満の直撃(準決勝)が数え役満の直撃(決勝)に化けたりと、大味に見えて、実は非常に芸の細かい展開だったのかなと思いますね。
南場の逆転劇に期待!
さて。
果たしてここから始まる最後の南場で「龍神の域」に達した玄ちゃんが台風の目となりえるのか。
〇現在の点数状況(後半戦東4局2本場終了時点)
1位 清澄 :122700点
2位 白糸台 :111300点
3位 臨海女子 :100800点
4位 阿知賀女子 : 65200点
現在の点数状況は上記の通りですが、ある程度自在にドラの行方をコントロールすることが出来るのであれば、他家のリーチを潰すことは容易く、ドラを送り込んで相手への牽制も行えてしまうわけなので、玄ちゃんの追い上げも十分にありえそうだなと。
既にガイトさん以外全員が「役満」を和了っている決勝先鋒卓ですから、もう何が起こっても不思議なことはありませんし。一体、トップで次鋒にバトンを繋ぐのは誰なのか。先鋒戦の行く末を楽しみにしております。
次回は9/6発売号で掲載予定。