咲-Saki- 202局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
今回の扉絵は、我らが清澄高校の1年生トリオ。
和のおもちが大きいのは相変わらずだとしても、リボンをしていない姿は非常に珍しい気がしますね。
どことなく憧ちゃんの髪型に寄せている(?)ように見えるのも、今日(=5月17日)が憧ちゃんの誕生日であることに関係があったりするのでしょうか。偶然かもしれませんが、立先生ならそういう粋な演出を考えていても不思議じゃないかも。
それに、2ヶ月以上ぶりの最新話でカラー咲さんが拝めたことがもうね、何よりも最高なわけじゃないですか.....。咲さんは天使!やっぱり清澄高校は”原点にして頂点”ですよ。先日、立先生のサイト・dreamscapeにて、
・同性愛者は
数えてないですが登場人物の半分以上な気がします。既婚者も含めて。
そのうち2割くらいはバイな気がします。
iPSうんぬん言ってますが登場キャラの半数以上が女性×女性の子供です。
あとこの世界は同性婚可能です。
という、「公式設定」が公布されていましたけど、これはもう要するに、咲さんと和が将来的に結婚して幸せな家庭を築くんだよ!と、そんな事象が未来には起こりうるんだよ!と、そう立先生自らが宣言した(超絶意訳)ものであると解釈してOKということですよね?
えっ...?もしかして違うんですか........?
そんなオカルト...ありえません......っ!!
まぁ、僕個人の感想としては、作り手が描きたいように描き、その結果として生まれたものを僕ら読者が享受して楽しむ。それが漫画作品の正しいあり方だと思っているので、細かい事は抜きに、立先生が考える最高の『咲-Saki-』ワールドを最後まで突っ走って欲しいなと、ただそれだけだったりしますね。
そんなわけで、今後とも当ブログは「咲さん×和」の関係性 (可能性)に注目しております!
<前回の感想>
第202局:疾風怒濤の先鋒前半戦を振り返る
さて、今回のお話は先鋒前半戦に決着がついたところから。
天和を含む計5回の和了を実現した優希。他家の抑えに注力しながらもトータルで4回もの和了りを重ねていたガイトさん。そして、ドラを独占し倍満と親の跳満和了で確かな高火力を示して見せた玄ちゃん。
冷静に前半戦を振り返ってみれば、3人それぞれに見せ場があった、実に見応えのある対局になっていました。
しかし!それでもなお!
この半荘を圧倒的トップで終え、大量リードを築いて後半戦へと繋げたのはもちろん、前年度インターハイチャンピオンの宮永照、その人です。
まさにぐうの音もないほどの怪物。開幕で親の優希が「ダブリー一発6000オール+天和」を和了り、その後も他家から幾度か大物手が飛び出してきたにも関わらず、既にこれほどの点差が生まれてしまっている。
「九蓮」も圧巻としか言いようがないプレーでしたけれど、そもそもインハイ決勝まで勝ち上がってきた面子に対して、9連続和了を達成してしまっていることが何よりも”異常”なんですよね。
(余談ですが、上記の点数表、前回の描写と照らし合わせると、ラストのガイトさんの三倍満が8000オールで計算されてしまっていて、収支が少しずれているような気が.....。オーラスの親は席順的に玄ちゃんなので、正しくは「白糸台:156500点、清澄:119100点、臨海:62500点、阿知賀:61900点」になるのかなと。)
そんな万夫不当のチャンピオンを相手に、果たして三校はどう対抗していくのか。
というより、現状唯一にして絶対の対策と言えば、「宮永照に一回目の和了りをさせないこと」しかないと思いますけどね。一度でも和了りが成立してしまったら、誰も太刀打ちできない”連続和了”が待っている。
であれば、最初の一回目を封じ込める以外に防ぐ術はないでしょう。もちろん、そんなことが出来るなら最初からやってるよ...という話なんですけど、それでも、そういう風に立ち回る他に効果的な対処方法が存在しないのも事実なんですよね。
ゆえに、連続和了が始まってしまった宮永照を共闘して止めるのではなく、照に連続和了をさせないために共闘を行うのが一番理に適っているのではないかと。
まぁ、ガイトさん・玄ちゃん・優希のメンツだとそう単純な展開にはならない気もしますが...。一体、後半戦がどんな戦いになるのか、今から本当に楽しみですね。
決勝大将戦と大星淡のルーツ
また、今回は淡の存在もキーポイントの一つになっていました。
対局室の幽光を天の川に喩えてみせる淡。人の本質を見抜ける照によれば、淡は普通の人より「星」や「光」が良く見えるとのことですけど、こういうやり取りもやっぱり、淡のルーツを仄めかす描写の一端なのでしょうね。
おそらく、大星淡というキャラクターのモチーフは「金星」(=淡が金髪であることからもそういうイメージ)で、
”地球から見ると、金星は明け方と夕方にのみ観測でき、太陽、月についで明るく見える星であることから、明け方に見えるのを「明けの明星」、夕方に見えるのを「宵の明星」という。”
その星は「太陽」と「月」についで明るく見える星とされている。
無論、ここで言う「太陽」とは、宮永照(=彼女の打点上昇は日が昇って頂上まで来たら沈んでいく太陽を思わせる)のことであり、「月」とはもちろん、満月の時に最大の力を発揮する天江衣のこと。
そして、「金星」である大星淡は、準決勝で一度、高鴨穏乃に敗北を喫している。その敗戦を、スーパーノヴァ(超新星)と作中で評していたことからも、彼女は新しく生まれ変わり、確かな成長を遂げることが出来たんじゃないか...ということがストーリーの文脈として読み取れるわけで。
”スーパーノヴァ(超新星)は星の一生の終わりなだけでなく、新たな星の誕生へと繋がっている。爆発によって飛散した星のかけらは宇宙に広がり、その一部は新たな星になる。”
とすると、やはり準決勝の時のように、考えもなしにダブリーを連打していた頃の淡ちゃんとはまた一風変わった姿が決勝戦では見られそうですよね。
なにせ、毎局ダブリー全ツッパなんて、自分の意志が介入する余地のない、いわゆる、能力に打たされている麻雀でしかないわけですから。
感覚の傀儡になるのではなく、それを一つの選択肢にする。長野県予選決勝で衣が言葉にし、これまで脈々と受け継がれてきた『咲-Saki-』の根幹を成すそのテーマが決勝大将戦でもきちんと表現されてくれたらファンとしては凄く熱いなぁと。
そして、そんな楽しくも熱い対局の果てに「麻雀を通してならお姉ちゃんと話せる気がする!」という咲さんの想いがしっかり照へと届いてくれたなら、もう後は何も言うことはありません。
麻雀を打たされる少女達の物語ではなく、麻雀を打ち楽しむ少女達の物語としての『咲-Saki-』の集大成を、是非、このインターハイ決勝戦という舞台で見せて欲しいものですね。咲さんの四槓子にも期待しております!
清澄高校と後半戦の優希
さて。お次は清澄高校の控室。
部長の言う通り、半荘が終わってあの照を相手にプラス収支で帰ってくるなんて、もう十分すぎるとしか言いようがない結果でしょう。
何気に、優希は控室に戻ってくる時、いつもマイナス収支で涙目を浮かべていた子だったので、今回のこういうシーンは凄く新鮮で良かったなと。
正直に言えば、決勝戦が始まる前は、照のいる卓でプラス収支は前後半どちらだけであっても不可能だと思っていただけに、清澄ファンとしては嬉しい誤算というやつでした。決勝戦の優希は本当に見事に上級生達と張り合っていて実にすばら!でしたよね。
で、そんな優希に対し、以前から予告していた「史上最強のタコス」を振る舞って見せる京太郎。
「咲より俺の方が料理うまいだろうからな」の言葉に”ム~~~”とする咲さんがかわいい。というか、咲さんの家庭料理凄く気になるのですけど、えっ、なに、和は食べた事あるの!?
いやはや、本格的に羨ましすぎる.....。お父さんと2人暮らしだし、咲さん普通に料理上手なんだろうなぁ....。まぁ、そこらへんのお話は、新スピンオフの「マコめし」で咲さんコーナーのストーリーもガッツリ設けて頂くとして....(おい)
さしあたり本編の見所としては、優希が後半戦の東場でどれだけ暴れてくれるのか....でしょうか。
次回はまた優希の親番から対局が始まるはずですし、タコスパワーをフルチャージした優希の活躍に全力で注目をしたいところ。
.つ・ま・り!何が言いたいのかというと、
ガイトさんの”間合い”
漸く本領を発揮してくれそうなガイトさんの立ち回りにも期待したいってことですよ。
「間合いが見えてきた」とは、果たしてどんな意味を持ってくるのか。何にしても、そろそろ個人戦3位も伊達じゃない...!と思わせてくれるような強さを誇示してくれたら熱いですね。波乱の決勝先鋒卓、ここからも大いに盛り上がることを期待しております。
次回は、6/7発売号で掲載予定。今月の25日に控えている最新刊シリーズ発売ももうすぐですよ.....!