咲-Saki- 211局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
前回、ツモリ四暗刻の目を瞬時に見切り、全員同時聴牌のめくり合いの中で「混老対々三暗刻」を和了りきった優希。
この和了りによって東4局2本場から続いてきた玄ちゃんの猛攻がついに打ち止めとなり、場は臨海女子のエースであるガイトさんの親番に。
たった4度の和了りで98,900点(1回あたりの平均和了打点=24,725点)もの点棒を獲得した玄ちゃんの快進撃には驚かされたものの、ここから待ち受けているガイトさん&照の親番を乗り越えることが果たして本当に可能なのか。
そんな流れを背負い、決勝先鋒戦最大の"正念場"となる南3局と南4局がついに幕を開けようとしていました。
<前回の感想>
第211局「相棒」
〇南3局 親:辻垣内智葉 ドラ:
さて。後半戦序盤に55,300点もの点棒を稼ぐも、予想の数段上をいく阿知賀と清澄の狂いっぷりに苦戦を強いられてきたここまでのガイトさん。
しかし、絶賛原点割れの4着である以上「最後の親番」を活かして何としてでも返り咲かなくてはならない。力量を正当に認めた相手とは言え、高校ラストイヤーとなるインハイの舞台で他校の1,2年生に好き勝手されて良しと出来る程、辻垣内智葉の3年間が甘かったはずなどないのだから。
全国3位という肩書きに恥じぬだけの過去がそこにはあり、当然くぐり抜けてきた数々の修羅場がある。そんなガイトさんが留学生中心のチーム編成を行う臨海女子にあえて進学を決めた理由。それは.....、
なんと 船で かよえるかららしいデス
って、なんでやねん.....!(笑)
いや、まぁ確かに個性的ですけどね。というより、むしろ個性強すぎですけどね。船通学とかマジでガイトさん半端ないな。例のあの公園から毎日船に乗って学校行ってるってことになるんだろうか...。
いきなり飛翔し始める子がいたり、船乗って通学している子がいたり。臨海女子、あまりにも自由度が高過ぎる件...。とりあえず、天然に毒を吐く明華さんが最高に可愛いかったので、中堅戦で部長と濃密に絡んでくれることを期待しております。
臨海女子の"エース" 辻垣内智葉の強さ
.....とまぁ、そんな多様性溢れる愉快な臨海女子のコント劇はさておいて、お嬢であるガイトさんが臨海女子に進学を決めることとなったのは、
臨海なら
ここなら世界の強い同世代と日々鍛錬できる
という上昇志向に満ち溢れたとてもカッコいい理由が一因となっていたようで。
なるほど......。確かに、これをメリットと感じることができるのであれば、他の高校に進学するよりも「臨海女子」を選ぶ方がずっと良いのは間違いない。
仁川(インチョン)のアジア大会で銀メダルを獲得している郝も。欧州選手権で「風神(ヴァントール)」と呼ばれる程の活躍を見せた世界ランカーの明華も。2年連続で臨海女子のレギュラーとして活躍しているアメリカ留学生のダヴァンも。世界ジュニアで名を馳せたサカルトヴェロのネリーも。
みんながみんな世界の第一線で闘っている一流の打ち手たちであり、同校のよしみでもなければ「公式戦以外」で対局できる機会を持つことなんて本来はできなかったのだから。16年もの間、激戦区の東東京で無敗を誇る常勝軍団としての臨海女子。そこでレギュラーを勝ち取り、エースとして君臨する辻垣内智葉。
その強さの裏には、3年間臨海女子という常勝校で仲間(=ライバル)たちと研鑽してきた日々がある。
絶対的な「個」の力が寄り集まり、磨き合い、最強の「チーム」が生まれていく。その在りようは、奇しくも宮永照が率いているチームの成り立ち(=部内スコアトップ5を選出するやり方を否定)とは趣が異なるものでありますが、ここにきてガイトさんの強さの一端と臨海女子への進学理由が明かされた点はとても熱かったなと、そう感じた次第でありました。
世界レベルの闘いが今ここに
〇南3局 1本場 親:辻垣内智葉 ドラ:
さて。南3局はガイトさんの単騎待ちに掴まり、優希が3900点を放銃。
南3局
カン ポン ロン
もっとも、喰いタンを匂わせる鳴きとカンで壁を作られていた状況でのロンなんて流石に見抜けないので、もはやガイトさんの「技あり和了」としか言いようがないとは思いますが....。
あえてに待ちを変え打点を落としてまで和了りにきているあたりも徹底してますね。一部の隙もない、ガイトさんの本気度が伺えます。
そして..........、
ツモ
その勢いはなおも止まらず....。続く南3局1本場で、ツモタンヤオ三暗刻4100オールを和了!
自身の親番を勝負どころと定め、鮮やかな2連続和了によりひとまず3位に浮上することとなったガイトさん。
〇現在の点数状況(後半戦南3局1本場終了時点)
1位 阿知賀女子 :121200点
2位 清澄 :101200点
3位 臨海女子 : 93700点
4位 白糸台 : 83900点
点棒も原点近くまで戻りつつあり、なおも親番続行という状況でまだまだ勝負はわからない。
しかし、ここまではあくまでもプロローグであり、本当の「正念場」はここから先にある。予想外の連続で現在最下位まで転落しているチャンピオンの親番。下家に座る最強の高校生・宮永照の本気。
そして今
私の下家にいるのは 高校生王者
去年の世界ジュニアでの── 最強の"相棒"だ
共に日の丸を背負って闘った「最強の相棒」がその力を解放しようとしている今、果たしてガイトさんは親番を守り切ることができるのか。
ここまで既に四度の役満(天和2回・九蓮1回・数え役満1回)が成立しているエース区間の激闘。ラス親のチャンピオンがどんな打ち筋を見せ、他校がどう食らいついていくのか。後半戦最大の天王山となる南4局の攻防にも期待したいところです。
次回(2019年最後の『咲-Saki-』)は12/20発売号で掲載予定。