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『咲-Saki-』第204局「鋭敏」感想

 咲-Saki- 204局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)

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咲-Saki- 第204局「鋭敏」 感想

 

 

前回、後半戦の開幕からインハイ史上二度目の「天和」を和了り、一気にトップの座へ返り咲いて見せた優希。

 

そんな尋常ならざる奇跡に会場がどよめくなか、「天災のような強力な偶然をいつまでも気にしても仕方がない」とすぐさま気持ちを切り替えるガイトさんの姿は、やはりカッコいいの一言ですね。

 

「偶然」も「奇跡」も「不運」も世の中には溢れていて、魑魅魍魎が跋扈するインハイ決勝の舞台であればなお、どうしようもない「天災」が起こることだってある。でも、たとえ状況がどうであれ、いつだって「戦うしかない」わけだ。

 

 

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私の間合い

 

"私の間合い"で──!!

 

相手の力量と己の武器。一足一刀の「間合い」で生まれるギリギリの心理戦。

 

そんな彼女の闘牌スタイルは、既に準決勝の対局でも垣間見えてはいましたけれど、今回でやっときちんとした掘り下げがなされることになりました。

 

 

<前回の感想>

 

 

 

 

第204局「鋭敏」:辻垣内智葉の麻雀

 

 〇東1局 1本場 親:片岡優希 ドラ:三萬:麻雀王国

 

 

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追撃のダブルリーチ

 

さて、続く東1局一本場における優希の配牌は、前局より向聴数が1つ下がってのダブルリーチ。

 

そのダブルリーチを受けたガイトさんは、

 

まぁそうくるだろうな

天和と違ってダブルリーチなら

こちらに選択権がまわってくる

 

と語り、「自身の原点」と「これまでの自分」について思い返していました。

 

 

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辻垣内家

 

少し「普通ではない家柄」である辻垣内家。

 

高校生とは思えない"風格"を漂わせていたり、"お嬢"という呼称で呼ばれていたり、対局中にサラシを巻いていたり....など、彼女の異質性に関しては枚挙にいとまがありませんでしたが、今回の話を読むと、もはや「なるほどなぁ...」という感じですね。

 

小さい頃から黒服の大人たちが周りにたくさんいる...という異様な環境下に身を置いてきたことで、周囲の人たちが持っている「距離感」や「雰囲気」を察すること──攻撃に転じようとしている人を見極めること──がスキルとして染み付いてきたのだと。

 

それが、全国個人戦三位の強者・辻垣内智葉の強さの原点であり、彼女が世界レベルのチームでエースとしての役割を任されている理由なのだと。

 

メンツの悪さゆえにここまで後手後手に回ってきたガイトさんではあるけれど、相手との間合いを見極めて応戦する「対応型」タイプの打ち手なのであれば、後半戦からギアが上がっていくのは至極当然というものでしょう。

 

 

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ガイトさんのプレイング

 

二萬:麻雀王国六萬:麻雀王国七萬:麻雀王国八萬:麻雀王国三筒:麻雀王国七筒:麻雀王国八筒:麻雀王国九筒:麻雀王国一索:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国八索:麻雀王国九索:麻雀王国 ツモ七索:麻雀王国

 

そんな彼女は3巡目、この手牌から現物の四索:麻雀王国もスジの一索:麻雀王国も選ばずに、ドラそばの二萬:麻雀王国切りを選択。

 

確かに、玄ちゃんの元にドラの三萬:麻雀王国が集まる以上、二萬:麻雀王国を手の内に残しておく理由は極めて薄く、また同様の理屈で他家が二萬:麻雀王国を当たり牌にしている可能性も低い。

 

以前から、玄ちゃんの弱点として「手が読まれやすい」ことが問題視されていましたけれど、こういう形で戦況読みの一要素になってくるのはやはり面白いところですね。

 

 

 

そしてその後、三筒:麻雀王国四索:麻雀王国六筒:麻雀王国と順にツモり、

 

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役なしからタンヤオ三色への手変わり

 

 役なしの状態からタンヤオ三色への手変わりを果たしたガイトさん。

 

が、ここで三筒:麻雀王国四索:麻雀王国のシャボ待ちでリーチを掛けるのではなく、彼女はギリギリの「間合い」に至るまでもう一歩の踏み込みを見せる。

 

姫松の絶対的エース・愛宕洋榎ちゃんのような徹底した鉄壁防御スタイルとも違う、紙一重の状況下で相手の攻撃を躱していくかのようなガイトさんの麻雀スタイル。

 

 

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ガイトさんの麻雀

 

辻垣内の回避は防御という面では

そこまで強くはない 危うい面もある

徹底した防御なら姫松愛宕洋榎には遠く及ばないだろう

 

 

その打ち筋がもたらす本当の恐ろしさは、菫さんが語る通り、「防御」としての強さではなく、「攻撃」としての強さである!

 

 

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ガイトさんの逆襲

 

追っかけリーチからの一太刀が見事、トップ目の優希に一閃!

 

リーチ一発タンピン三色、12000の一本場は12300点。限界まで踏み込んで、最高打点に仕上げた形でのトップ直撃。

 

なるほど......。「間合い」を見極めたガイトさんの実力が、ダブリー優希に打ち勝つレベルなのであれば、ここから先の闘いは優希にとってかなり苦しいものになっていくのかもしれませんね.......。

 

 

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ガイトさんは両利き

 

加えて、準決勝では「左手」で漫ちゃんへ一太刀を浴びせていた彼女が、今回「右手」で優希に刀を振りかざしていた点は個人的にちょっと印象的でした。

 

以前に立先生が「ガイトさんは両利き」と仰っていましたが、相対するプレイヤーによって最適な「間合い」が異なることを考えれば、彼女が両利きであることは十分に意味のある設定なんだろうなぁ...と今更ながらに思いますね。

 

 

 

後半戦の照と玄ちゃんの動きに注目

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照と玄ちゃんはどう動くのか

 

さて、そんなこんなで、ついに本領を発揮し始めたガイトさんですが、果たして照や玄ちゃんに対しても「間合い」を見極めることは出来ているのでしょうか。

 

後半戦の席順が、起家から「優希」→「玄ちゃん」→「ガイトさん」→「照」となっていることからも、やっぱり最後は絶対王者・宮永照のラス親を乗り越えらえるのか、というところが決勝先鋒卓における最大の焦点になっていきそうなんですよね。

 

 

〇現在の点数状況(後半戦東1局1本場終了時点)

 

1位 清澄高校   :151800点 (-13300点) 

2位 白糸台  :138500点

3位 臨海女子    :59800点     (+13300点)

4位 阿知賀女子:49900点 

 

※一応作中描写準拠にしておりますが、おそらく前半戦南4局の三倍満ツモで点数計算にミスが発生しているように思います。(この表から清澄・白糸台が+2000点で阿知賀が-4000点が正しいはず。)

 

 

現時点でこそ2番手に落ち着いている照ですが、前半戦のように為すすべもなく「九蓮」(=9回目)までたどり着かれてしまったなら、当然一瞬のうちに絶望的な点差が生まれていくわけですので、後続の仲間たちのことを考えても、誰かが照を止めなければなりません。

 

玄ちゃんの「霧」、ガイトさんの「間合い」、そしてすばら先輩の意志を受け継いだ優希の「成長」。三者の共闘が王者の猛攻にブレーキを掛けられるのか。ここから更に苛烈を極めた戦いが繰り広げられていくことを期待しております。

 

次回は、7/5発売号で掲載予定。

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『咲-Saki-』/小林立ヤングガンガン」より引用しております。