『ぼくたちは勉強ができない』116話 感想、自分の気持ちに向き合って!過去の思い出と友情と...!
ぼく勉 問116 感想「機械仕掛けの蛍は[x]の淡雪に焦がる③」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』はセンターカラーです。
梅雨の時期(作中はクリスマスですが...)に寄せて、紫陽花が咲く小路を傘を片手に歩く理珠ちん。最高にお可愛いですよね。人物画だけではなく背景まで精緻に描かれている点も本当に素晴らしいの一言。未だに成幸くんとツーショットで扉絵を飾ったことがあるのは文乃さんだけ...という「唯我文乃計画」への伏線記録も絶賛更新中ですし、今後のカラーイラストにも期待が高まる今日この頃であります。
また、「唯我文乃」と言えば、ついに次週のアニメであの「お祭り回」が描かれそうですね。1期のラストは文乃さんと成幸くんのお泊り回で締めてほしい...!と前前前世から祈り続けてきただけに、この名采配には感慨もひとしおというもの。
ひとまずは次回で最終回ということになってしまうわけですが、そのフィナーレとして『ぼく勉』史上屈指の神回を拝めるのですから、来週の土曜日は正座待機でアニメを見たいと思います。そして、いつか最愛の星編もアニメ化してください。お願いします偉い方!(ぺっこりん)
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さて本編。
前回、嫉妬心を抱く自分に嫌悪感を募らせ、文乃さん達から距離を置こうと考えた理珠ちん。いつもの勉強会へ顔を出さなくなって既に丸3日が経っているわけですが、当然、ただただ逃げているだけの状況ですので、何か問題が好転しているなんてこともありません。
センター試験を前に勉強に精を出さなければいけない事実は変わらないし、自身の中にある「嫌な自分」から目を背けても、その葛藤が解消されるわけじゃない。
でも、それでも成幸くん達から逃げるのは、嫌われたくないから(ここには自分を嫌いになりたくないからも含まれる)です。嫌な自分を見せて嫌われるのが怖い。だから、他者を「敬遠」しようとする。なるほど。心情的には分かりますが、構図だけを見れば中々に自己矛盾ですよね。
私はもう...嫌な自分を人に見せたくないのです!
これ以上私といたらきっと皆ばーばみたいに
私を嫌いになるに決まってます!!
だって、嫌われたくないと思うのは、相手のことが「好きだから」「大切だから」に決まっているのですから。
それなのに、自分から大切な人達との関りを断ち切って敬遠してしまうのであれば、結果的に「独り」になっているのと変わらない。
もちろん、嫌われて「独り」になることと、自分から遠ざけて「独り」になることが本人の気持ちの上では異なる......という観点で見ると、心情的に理珠ちんの行動原理は理解できるものではあるのですが、しかし、そもそも彼女は「人が人に好意を抱くこと」「誰かを特別に思うこと」が本質的にどういうものなのかをまだ完全には理解出来ていないのですよね。
その昔、自分とゲームをしてくれなくなったおばあちゃんに向けて彼女が口にした「ばーばは私がきらいになったのですか!?」という問いかけ。
それに対して「そうだよ」と答えるおばあちゃんですけれど、無論、そんなことあるわけがないでしょう。前回の感想でも触れた通り、おそらくそこにはおばあちゃんから彼女に向けられた深い深い「愛」がある。
老い先の短いばーばとではなく、大切な友達と一緒に遊べる子になって欲しい。きっと、あの台詞にはそういう願いが込めらていたことでしょうに、理珠ちんはついぞ気付かず、未だ自分はばーばに嫌われたままだとと思い込んでいるわけです。
となれば、やはり「あの時のおばあちゃん」と「現在の理珠ちん」の姿は少し対比的に描かれているようにも感じられますよね。「愛」ゆえに孫から距離を置こうとしたおばあちゃんと、嫌われない為に大切な人達から逃げようとする理珠ちん。
そんな構図を鑑みるに、やっぱりこの長編で扱われるテーマは、「人を特別に想うことの意味」と「大切な人達との向き合い方」の2本立てになっていくのかなと思います。
文乃さんが理珠ちんに伝えたいこと
また、今回の長編は理珠ちんだけではなく、文乃さんサイドから見ても非常に重要なお話になりそうですよね。
「私は文乃 ずっとあなたのようになりたかった」と直接のカミングアウトを受けた文乃さん。しかし、前週も述べたように、文乃さんにとっても理珠ちんは同じ境遇に身を置く同士であり、そんな彼女と出会えたこと・友達になれたことが、嬉しくて救いだったわけですよ。その事実は彼女が改めて、
わたしが今こうしていられるのは
りっちゃんのおかげでもあるんだから...!
......と語っている通り。
共に「できない」ことに挑戦する者同士として、決して自分は「独り」なんかではないのだと思わせてくれた存在。あの日、手を握って側にいてくれた成幸くんとも違う、自分の鏡写しでもあった存在。きっと文乃さんはそういった「気持ち」を理珠ちんに対して抱いているのでしょう。
だからこそ、文乃さんは彼女の想いを知って涙を流すわけですよね。
自分だって、緒方理珠という少女の存在に憧れ何度も救われてきたから。志望分野を変更しなさい...という度重なる指摘に自信をなくしそうな時、いつも自分の夢に対する強き意思を示してきた彼女の姿に勇気をもらってきたから。
お互いがお互いにないものを持っている正反対の2人。でも、それゆえに2人は自分たちの中にある悩み・葛藤を誰よりも理解し合うことができる。そんな状況を踏まえると、やっぱり彼女達が自分の想いを言葉にし合うイベントがいつの日か描かれて欲しいなぁ...とは思ったりで。
そして、その先駆けとなる第一歩がきっと、この「国語テスト」にある...ということなのでしょうね。
ストーリーの流れから考えて、この自作テストの準備に文乃さんが関わっていない可能性はほぼ皆無に等しいでしょうし、おそらくこのテストに書かれている問題は、彼女が自分の気持ちに向き合うために必要なものが詰まっているのでしょう。
「おばあちゃんとの思い出」や「制御できない嫉妬の気持ち」。このテストを通じてそれらの要素がどのように彼女の中で昇華されていくのか。次回の展開に期待しております!
...というわけで今週の感想をまとめると、
文乃さんが最高に可愛い
今週も文乃さんのお姿が拝見出来て最高にテンションが上がりました!ってことですよ。
しかも、夏祭り回や最愛の星編を意識しての演出なのか、文乃さんから成幸くんの手を握っているのも非常にポイントが高い。シリアスでもコメディでも文乃さんの可愛さは宇宙一ですね。
ここから心温まる大団円に向かってストーリーが展開されていくと思われる「機械仕掛けの蛍」編。理珠ちんが逃げずに自分と向き合うお話になって欲しいのはもちろんですが、全国8000万人の文乃さんスキー垂涎のエピソードになってくれたら嬉しいなと思います。来週も楽しみ!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。