ふわふわな日記

『咲-Saki-』第209局「来由」感想

 咲-Saki- 209局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)

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咲-Saki- 第209局「来由」 感想

 

 

今回の『咲-Saki-』はセンターカラーです。

 

扉絵は高遠原中学時代の和とマホ。第191局のカラー扉が中二の夏を描いたものだったのに対し、今回の回想パートでは優希と和が高校に進学する直前の「中三の冬」の場面が描かれていました。

 

全中王者の和が強豪校からのスカウトを蹴って清澄に進学を決めた理由は、親友である優希と同じ高校に通うため。父からは東京の進学校へ進むことを強く提案されてもいたけれど、それでも『友達』と共に歩んでいく道を選択した和の想いは、きっと優希にも伝わっていたのでしょうね。

 

 

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和が清澄に進学した理由

 

だからこそ、和の可能性が自分の選択によって左右されてしまう事をしのびなく思う。

 

そんな優希が、

 

でも...

清澄高校で全国優勝すればしのびなくない

 

と結論づけ、かつて宣言したその言葉を胸に、今一度この決勝の舞台で強者たちに挑んでいく姿勢を取り戻してみせたこと。

 

そして「夢 持とうぜ......!!」という彼女の気持ちが、「全国優勝の夢くらい見させてよ」と語った部長の想いとも通じるものであったこと。

 

そこに「清澄」という高校で優勝を果たすことの意味が込められているようにも感じられて........。

 

 

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片岡優希のRE;スタート

 

県予選決勝の時のように椅子を大回転させ、原点を思い出した優希。

 

彼女がここからどのように南場の攻防を闘い抜き、仲間たちへとバトンを繋いでいくのか。勝負は怒涛の勢いでトップへと駆け上がった玄ちゃんの親番からスタートであります。

 

 

<前回の感想>

 

 

 

第209局「来由」

南2局 1本場   親:松実玄 ドラ:三索:麻雀王国

 

玄ちゃんの三連続和了で迎えた、続く南2局1本場。

 

一萬:麻雀王国二萬:麻雀王国六萬:麻雀王国三筒:麻雀王国四筒:麻雀王国六筒:麻雀王国七筒:麻雀王国八筒:麻雀王国三索:麻雀王国三索:麻雀王国三索:麻雀王国四索:麻雀王国六索:麻雀王国 ツモ六萬:麻雀王国ドラ三索:麻雀王国

 

この手牌から六萬:麻雀王国が重なり、4巡目にしてタンヤオドラ3」の一向聴へと手を進めた親の玄ちゃんでしたが、

 

 

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この卓異常過ぎるぅぅぅ!

 

ほかの3人が要警戒なのに

私の手が遅い.........

 

どうやら4巡目のタンヤオ一向聴でも手が遅いとの認識らしく、オリるかどうかの検討を迫られることに。

 

ふむ。もうこの卓におけるスピード感の異常さにはだいぶ慣れてきたつもりでしたけれど、いやはや、4巡目の一向聴で出遅れちゃうってのがもうね、最高にロックですよね。

 

警戒してもしたりない。首位を奪取することに成功したとは言っても、この卓に座っているのは「あの宮永照と辻垣内智葉」、そして今まさに気持ちを切り替えて攻め込んでくる片岡優希なのですから.......。

 

ギリギリのめくり合い

 

しかしそれでもなお、悩んだ末に玄ちゃんが出した結論は「勝負!!」、その一手でありました。

 

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ここは勝負

 

 「お姉ちゃん… みんな… 2巡だけ勝負させて!!」

 

ドラではない三筒:麻雀王国六萬:麻雀王国をツモってくることに成功し、残る玄ちゃんの有効牌は五索:麻雀王国五筒:麻雀王国(+両面の二筒:麻雀王国)のみ。

 

だからこそ「2巡」......、後「2巡」あれば、必ずそのドラを両方ともツモって見せる。そんな自信と覚悟を持ち、要警戒態勢の暴風地域へ飛び込んでいく玄ちゃんの勇姿は立派と評して相違なかろうというものでした。

 

 

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要警戒態勢

 

玄ちゃんの読み通り、早々に聴牌を作っていたこの2人。

 

照もガイトさんも、玄ちゃんの親を切るために点数度外視の最速勝負を仕掛けてきている状況が伺えます。

 

特にガイトさんは、2巡目の段階で混一色を見切って二萬:麻雀王国を打ち、三萬:麻雀王国六萬:麻雀王国待ちの両面に受けて待ち構えてまでいたわけですからね。

 

玄ちゃんが彼女らを警戒していたように、彼女たちもまた玄ちゃんの連荘を最警戒している。実績に関係なく、お互いがお互いの力量を認め合い最高の駆け引きを演じている。

 

 

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優希もここで一向聴

 

四索:麻雀王国六索:麻雀王国七索:麻雀王国八索:麻雀王国九索:麻雀王国二筒:麻雀王国三筒:麻雀王国六筒:麻雀王国六筒:麻雀王国二萬:麻雀王国四萬:麻雀王国八萬:麻雀王国九萬:麻雀王国 ツモ三萬:麻雀王国

 

そんな三者のハイレベルな攻防の中で、ようやく一向聴まで漕ぎ着ける事ができた優希。

 

一般的には十分早いものの、やはり南場では

 

おそらくほかの3人より出遅れてる...

 

という自身の感覚通り、他の3人に比べるとやはり一歩か二歩出遅れている印象は否めない。

 

加えて、普通なら八萬:麻雀王国九萬:麻雀王国の辺張を払いたいこの場面で打九索:麻雀王国を選択させられているのも肝心の五索赤:麻雀王国が玄ちゃんの元に引き寄せられてしまうため。

 

三索:麻雀王国がドラである以上「234」の三色手も目無しであり、元より高打点も期待できない。

 

 

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4人のめくりあい

 

ゆえにこの4者のめくり合いは、照とガイトさんが先行して玄ちゃんと優希が追いかけるという構図になってはいても、最初から玄ちゃんに優先権があったことは間違いない。

 

打点的な意味でも。当たり牌を引ける純粋な期待値としても。なぜなら、全てのドラはドラゴンロードたる松実玄へと収束していく運命にあるのだから!

 

 

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めくりあいを制したのは玄ちゃん

 

強い。玄ちゃんが圧倒的に強い......。

 

4人同時聴牌のめくり合いを制し、タンヤオツモドラ3赤2で6000は6100オール!!をツモ和了る。

 

「2回!ドラを引く!」という2巡前のモノローグそのままに、五筒赤:麻雀王国五索赤:麻雀王国の2牌を連続で引き入れてくる玄ちゃんのヤバさが光りますね....。

 

まさかここでもう一度玄ちゃんが他校を突き放す大きな一撃を和了りきってしまうとは正直思ってもいませんでしたし....。

 

優希たちの反撃はなるのか

 

さて。この和了りによって点数状況は以下の通りとなりました。

 

 

〇現在の点数状況(後半戦南2局1本番終了時点)

1位 阿知賀女子  :131500点

2位 清澄        : 96600点

3位 白糸台       : 91200点

4位 臨海女子      : 80700点

 

一時はダンラスまで落ち込んでいた阿知賀女子が、気付けば2着と3万5000点もの点差を付けての圧倒的1人浮き状態に!

 

まだまだ止まらない玄ちゃんの猛攻を止めるチャンスが他校に訪れるのか。

 

 

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片岡優希の闘い

 

そして、気持ちを切り替えた優希が南場の闘いでミラクルを起こせるのか。

 

あの石戸霞が「優希の身に起こった変化」について何かを感じ取っている描写があったことからして、「気合い」以上の何かが優希の身に降りかかったのではないかと読み取る事もできますが、果たして...。

 

それぞれがそれぞれの想いを背負って挑む決勝戦。ツモに宿る意志を楽しみにしつつ、ここからのお話に期待したいところですね。次回は11月15日発売号で掲載予定。

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『咲-Saki-』/小林立ヤングガンガン」より引用しております。

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