ふわふわな日記

『カッコウの許嫁』第3話 感想:2人きりの同棲生活とエリカの想う届けたい人

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カッコウの許嫁』3羽目  感想

カッコウの許嫁』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

かなり遅れまくっていますが、『カッコウの許嫁』最新話の感想です。

 

エリカパパの計らいによって2週間の同居生活をスタートさせることになった凪とエリカ。のっけから「お互いに一切関与しないこと」を約束する2人ですが、そこはまぁ年頃の男女が一つ屋根の下で共に暮らしている状況なわけですからね。

 

当然、無干渉のままでいられるはずもない。そんな、純度100%のニヤニヤラブコメ劇場が描かれていた第3話。気になった点に絞って見ていきたいと思います。

 

 

 

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3羽目:お互い一切関与しないこと

 

さて。そんなわけでお話は前回の続きからです。

 

親の決めた結婚に反発の意を示す2人に提示された二週間の同居生活。抗議するだけ無駄なことは「許嫁の件」からもわかる通りで、この状況を受け入れるしかない2人が導き出したのは「お互い一切関与しないこと」という結論でした。

 

 

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お互い一切関与しないこと

 

なるほど...。

まぁ要するに「盛大なフラグ」というやつであります。こういう前振りをしておいてハプニングが起きないラブコメなんてこの世には存在しませんからね。

 

何のために同棲生活をしているのか。言うまでもなく、ラブコメイベントを発生させるためである。ゆえに、お風呂場でバッタリ鉢合わせになってしまうのも致し方ない。これが運命の強制力。ラブコメ万歳。

 

 

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ブコメ万歳

 

とはいえ、この手の王道展開はお話を盛り上げるための視覚的賑やかしであって、あくまでも本筋となるテーマは「2人がお互いについて知っていくこと」にあります。

 

凪が一生懸命に勉強を頑張る背景、エリカがSNSにこだわる理由。今週のお話は、その2つを中心軸に据えてお話が展開されていました。

 

凪にとっての勉強とは何か

 

まずは凪が勉強を頑張る理由について。

 

これに関しては、現状二つの理由が挙げられます。

 

 

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想い人に勝つこと

 

そのうちの一つ目は当然「学年1位の座を手にして想い人である瀬川ひろに告白する」こと。

 

ライバル心ゆえに芽生えた恋なのか、あるいは「勉強」以外にも彼女に惹かれるポイントがあったのか。

 

今のところはまだ不明(これまでの描写だけなら前者だと思いますが)ですが、少なくとも今の凪が勉強を頑張っている理由の一つに彼女の存在が影響していることは言うまでもありません。

 

1対多の方向に舵取りを行うのであれば、エリカと瀬川さんの直接対面もそのうち描かれるでしょうし、このあたりの詳細に関しては今後の展開に期待していきたい部分でした。

 

しかし、これはあくまでも高校生になってからのモチベーションであって、もっと根元的なきっかけが別に存在していることもまた事実なんですよね。

 

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好青年

いつか親に楽させてやりたいんだ

 

一つ目の理由が「恋愛」由来のものであったのに対し、もう一方の理由として語られていたのは「家族」に対する想い

 

その真摯な言葉にお嬢様のエリカが一瞬ドキっとさせられたのは、自分にない逞しさを持った凪に"男の子"を感じたからでしょうか。お金持ちの家で育った自分とは明確に異なる生き方がそこにあり、そんな凪のスタンスに思うところがある。

 

相互理解によって徐々に世界を広げ、互いの日常へと一歩ずつ歩み寄っていく凪とエリカの関係。

 

 

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王道ラブコメの遺伝子

 

 

まだまだ最序盤とはいえ、今後のお話に期待が高まる最高のエピソードであったなと感じました。

 

 

エリカの想う届けたい人

 

……という流れで「完璧な新婚生活」が繰り広げられていた今回のお話ですが、「物語の縦軸」に影響を及ぼしそうな要素が提示されていた点もやはり気になるところですよね。

 

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届けたい人

 

エリカがSNSにこだわる理由となったとある人物の存在。

 

「有名になればいつか届く」という台詞からしエリカ自身はその人物の所在を認識できていなさそうですが、ラブコメ的文脈に則れば「過去に凪と出会っていてお互いの名前を認識していなかった説」が可能性としては高さそうな印象があります。

 

始まりを告げる第一話で「写真」が取り上げられていた点も予感めいたものを匂わせますし、自分の写真を届けたいと思っていた人がすぐそばにいたと気付く展開はやっぱり超燃えますから。

 

 

 

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自然体の写真

 

凪と一緒に撮ることで「自然な写真」が生まれ、その写真を届けたいと思っていた人物も凪だったというロマン。

 

そんな展開がもし描かれるのだとしたら、その時のエリカは果たしてどんな表情をしているのか。

 

互いの魅力を引き出し合って進んでいくカッコウたちの恋。これぞラブコメ!と全力で叫びたくなるような物語が紡がれていくことを期待しております!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『カッコウの許嫁』/古河美希/週刊少年マガジン」より引用しております。

『ぼくたちは勉強ができない』147話 感想:背中を向けて君は歩き出した...枯れた頬に伝う誰かの涙

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ぼく勉 問147 感想「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ⑥」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『ぼく勉』を読みました。

 

既にお読みになられている読者の皆様はご承知の通り、主人公・唯我成幸くんの想い人は5年も前からずっと憧れ続けてきた女の子・武元うるかです。

 

「俺にとって武元うるかとは何か(問1)」という問いに"愛おしい"という解を出していることからもそれは明らかだったわけですが、しかし、その気持ちに反して動くことができないでいるのは、うるかの夢を邪魔したくないという理由からでした。

 

 

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幸せとは何か?

 

才能と努力、色々な人達からの期待。そういうもの全てを背負い、たくさんの気持ちと向き合って一つの方向に進んだうるかの想いを推し量ればこそ、

 

何があっても俺は

あいつの夢の邪魔だけはしたくない

 

と思う。それが、武元うるかにとっての一番の幸せなの(だと自分に言い聞かせていたの)だから。前回までのお話としては、そういう文脈だったかと思います。

 

 

 

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自分の幸せを決めるのは自分

 

とはいえ、当然その流れは「本当にやりたいことが『できない』んじゃ決して幸せとは言えないもんな」という本作のテーマに矛盾する。

 

何がしたくて、何を叶えたいのか。それを決めるのはあくまでも自分自身です。「うるかの幸せ」を決めるのが他でもなくうるか自身であるように、成幸くんの幸せを決めるのも成幸くん自身でなくてはならない。

 

今週のお話で語られていたのは、そんな「幸せとは何か」についてのお話でした。

 

 

 

 

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ぼく勉 問147:「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ⑥」

 

例外こそ数あれど、学園を舞台にしたラブコメ作品でテーマとなるのは、基本的に「夢」「恋」青春二大要素です。



将来の定まっていない高校生たちの葛藤や成長を描くうえで「進路」は極めて重要な要素であり、この難題に向き合っていく過程を通して主人公とヒロインたちの出会いと交流が繰り広げられていく。

 

恋物語」の決着はそんなプロセスの総決算として描かれ、主人公がヒロインたちから何を貰ったのかヒロインたちが主人公から何を貰ったのか、その双方が見えてくるお話になる。

 

そういう"筋書き"と照らし合わせれば、『ぼく勉』はまさしく王道ラブコメの花形を歩んだ作品と言えるのかもしれない。

 

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理珠ちんの笑顔

 

「人の心に疎かった」理珠ちんが、やりたいことを我慢して動けずにいた成幸くんの背中を押す。

 

成幸くんの気持ちを"察している”からこそ「あえて告白はしない」し、精一杯の笑顔を向けながら彼を送り出す姿を描くことで緒方理珠が「機械仕掛けの親指姫」からの卒業を完全にやり遂げたという事実を僕らに提示してくれる。

 

あくまでも構造的に読めば納得ができるし、ストーリーとしては筋が通っているんじゃないかなとも思います。

 

 

心のままに」とは何か

 

とはいえ、当然のことながら人には「感情」というものがあるわけです。

 

正直なお話、終盤の『ぼく勉』ワールドには恋愛特有の幸せな息苦しさや胸がきゅんとくる感じが全くなかった。

 

定められた構造を順守することが悪いとは思わないけれど、恋物語の決着という最終局面で」登場人物たちが決められたルーティンをこなしていく姿を見せられて本心から感動できていますか?と問われれば正直中々に難しいものがあったと言わざるを得なかった。

 

 

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文乃さんは聖母

 

心のままに」動いた結果として成幸くんのことを応援する道を選んだ文乃さん。

 

覚悟していたこととは言え、全身を貫かれるような痛みがそこにある。

 

もはや、うるかに会いたくて会いたくて震えている成幸くんに告白をしたところで余計な混乱を招くだけ。成幸くんが「答え」を出した時点で、もう文乃さんに残された選択肢は姉として弟の背中を優しく押してあげることだけだった。

 

 

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辛すぎる

 

自分の気持ちを伝えることができなかったばかりか、「俺はうるかに会いたい」という魂の叫びを面と向かって突きつけられる。

 

キーボードを叩きながら軽く死にたくなってくる構図である。けれど、それが文乃さんの選択であるというのならもう受け入れて前に進んで行くしかありません。

 

自分を幸せにしてくれた人を幸せにしたい。自分の手を取り、やりたいことを応援してくれた彼だからこそ応援してあげたい。そういう気持ちもきっととても大切で尊いものだと思うから。

 

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最高のヒロイン達

 

枯れた頬に伝う涙を精一杯押し込めて。

 

一歩一歩彼女たちは前に向かって歩き出す。彼が2人を選ばなかったことを後悔するくらい最高に魅力的に。そんな恋物語の決着に涙が止まらなかった問147「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ⑥」のエピソードでありました。

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。

『ぼくたちは勉強ができない』145話&146話 感想:届かない理想に想いを馳せて....

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ぼく勉 問145&146 感想「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ④&⑤」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

遅まきながら『ぼく勉』の感想を。

 

前回感想をお休みしていた件について色々とメッセージを頂戴していて恐縮の極みではございますが、理由としては単純に書くこともないほど予想通りにお話が展開されていたことと、その内容が切ないを通り越してもはや虚しくなってくるものだったためです。

 

「史上最も予測困難と言われたヒロインレース」という謳い文句で読者の関心を煽ってきた作品(まぁこれは筒井先生が考案したものではなく編集さんの領分でしょうけれど)が、いざ恋愛パートに突入したら「恋愛軸のヒロインはうるかだけなので他ヒロインとの決着は描きません!各々が勝手に区切りをつけるので察してください!」と言わんばかりに完結を迎えようとしている。

 

正直、理解しがたいとしか言いようがありませんでした。

 

 

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すき(問117&問136より)

 


問117で理珠ちんが自覚した大好きの気持ち、問136で文乃さんが流した葛藤の涙。

 

誰がどう見たって2人とも成幸くんに"恋"をしていたわけで、それらを踏まえたうえで彼女たちをラブコメヒロインと見なすことが間違いだったと論ずるのであれば、流石に恋愛を扱う作品として不誠実過ぎると思わざるを得なかった。

 

 

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展開を決めるのは作者


もちろん『ぼく勉』は筒井先生の作品なわけですから、その結末をどうランディングさせるかは作家さん本人の自由です。

 

読者の意見を鵜呑みにする必要なんて当然ありませんし、作家さんが描きたいように描けばいい。作品に対して責任を持てるのは作り手本人のみで、読者にできることは提示されたものを咀嚼して感想を発信することだけ。

 

だからこそ、個人ブログという形でこうして感想を書き続けてきたわけでもありますが、流石にここ最近の展開は違和感ばかりが募って感想の書きようがなかった。

 

 

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理珠ちんはなぜ告白しようとしなかったのか

 


定められたシナリオを押し通すためのお話が展開されていたとまでは言いませんが、もし筋書きのないリアルの恋だったら一番最初に「告白」していそうなのは理珠ちん(気持ちを自覚して以降成幸くんに対して最も積極的な姿勢を見せていたのは彼女です)だったようにも感じますし、彼女の性格(成長も含めて)を考えても成幸くんに気持ちを伝えようとしない状況に"必然性"があるとは思い難い。

 

ゆえに、過程の末に結論を導こうとしたというより、結論ありきで登場人物たちの行動を規定している印象(あくまでも一個人の感覚であることをご理解ください)があってどこか肌に合わない内容だった。

 

最近の『ぼく勉』に関しては、正直そんな印象しかありませんでした。

 

 

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ぼく勉 問146:「泡沫の人魚姫は約束の[x]に濡つ⑤」

 

とはいえ、そんな不満ばかりをあげつらっていても生産性がないですし、うるかエンド自体に納得がいっていないわけでもありません。

 

 

 

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うるかエンド自体は感動できる

 

成幸くんにとってうるかが太陽のような存在だった(この結論はむしろとても納得がいっています)というだけのことで、僕にとっての太陽が古橋文乃さんであることに変わりはありませんから。

 

3年間暗黒の月曜日を乗り越えてこられたのも文乃さんのおかげ。毎日当たり前のように呼吸ができていることも太陽である文乃さんのおかげ。

 

そういう意味においても『ぼく勉』という作品に出会えたことに対する感謝を忘れるつもりはなく、これまでのエピソードに対する敬意だけはしっかりと払っていきたいと思っています。

 

 

古橋文乃さんの恋物語

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縁日の夜(問39より)

 

"家族の欠落”という切ないピースが2人の根底にある中で、文乃さんはあの縁日の夜に大好きなお母さんを探して星空を見上げていました。

 

泣いている子供に遭遇したこともその前提の元に発生した偶然で、成幸くんも文乃さんもその子供を放っておけなかったからこそ同じ場所にたどり着いたわけです。

 

『できない奴をわかってやれる男になれ』という遺言を守ることで不在の父を心の中で生かし続けてきた成幸くんのように、文乃さんもまた母の遺志を受け継ぐことで大切な存在が消えてしまうことを避けようとしていた。

 

 

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大切な人からの言葉

 

切実な哀しみを抱えつつも2人にとってその想いは本当に大切なもので、磁石が引き合わせたかのように生まれた「特別な体験(問39)」を通して2人の持つ背景の類似性がより一層際立っていく。


進路ラブコメを成立させるための”ガワ”だったものが徐々に体温を宿していき、それが主人公の在り方と共鳴していく過程で文乃さんが成幸くんのヒロインである"必然"が物語レベルで隆起していく展開。

 

 

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重なる手(問39より)

 

僕はこういうお話の流れが本当に心の底から大好きだったし、だからこそ「文乃さんがラブコメ物語のヒロインではなかった」という不誠実な解釈だけはしたくないとも思っていますが、それでも結局文乃さんが和やかで優しい今から飛び立って己の進む道を定める瞬間が描かれずに終わりそうなこともまた事実ではあります。


自分の夢を全力で応援してくれて自分と同じものが欠けている少年に引き寄せられた必然と運命。たとえ届かないとしても、彼女の恋の行方を最後まで見届けたかった。

 

星が好きな女の子を励ます時は一緒に星を見に行くし、もっと仲良くなるために自分も星について学ぼうとする。出会いをきっかけに世界を広げていく物語だった『ぼく勉』だからこそ全員との決着を見てみたかった。

 

 

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繋がれた手と譲れない想い(問89より)

 

たとえ親友たちとぶつかることになっても、あるいは自分を傷つける結果になってしまうとしても、譲れないものに出会ってしまう残酷に立ち向かっていく彼女の生き様を見せて欲しかった。

 

きっとそんな願望が消えることは未来永劫ないけれど。

 

心から大好きになれたヒロインが青春の果てにどんな大人に成長していくのかを見守らないわけにはいかない。そんなモチベーションを持ってここから先のお話を読んでいきたいと思います。

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。

『五等分の花嫁』121話 感想:幸せな結婚式と最後の五つ子ゲーム!風太郎と五つ子たちの"愛"を見せて…!

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五等分の花嫁 第121話「五分の一の確率」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』はセンターカラーです。

 

本当に次週で終わってしまうんだなぁ...と思うともはや扉絵の時点でしんみりしてしまってヤバいですが、桜舞う「卒業」のシーンを一枚絵のみで表現してくる演出が何ともこの作品らしくてとても趣深さを感じる冒頭でもありました。

 

五人の問題児たちを無事「卒業」へと導く。第1話の出会いを踏襲する並びで五つ子たちが描かれていることも、そんな目的の元に引き合った6人の始まりを思い起こさせる意図が込められているのでしょうか。

 

「卒業」という一つの区切りと転換点を経てそれぞれが定めた道に進んで行く6人のその後。ついに描かれる「結婚式」を以ってどんなラストを飾ってくれるのか。早速、その前編となる今週のエピソードを見ていきたいと思います。

 

 

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第121話:五分の一の確率

 

さて。そんなわけで今回の舞台は「五年後」です。

 

アメリカへ旅行に行っていた一花さんが結婚式の招待状を片手に帰国し、空港まで出迎えに来ていた五月と落ち合う。

 

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一花さんと五月

 

導入部の何気ないやり取りでありながら、五月が車を運転していたり敬語を使わずに話していたりする状況が自然な形で描かれている点がとても印象的に思えました。

 

一足先に「女優」として活動していた一花さんだけでなく、「教師になること」を目指していた五月も自分の夢を叶えて前に進んでいる。たとえ活躍の場が違っても、前に進み続ける限り五人の心はいつも同じ場所にあるんです。

 

かつて零奈さんが語っていた「大切なのはどこにいるかではなく五人でいること」という言葉の意味するところ(=心のつながり)もまた、こういった部分に根付いているのかもしれません。

 

 

そんな一花さんと五月が向かう先で待ち受けていたのは、若くしてカフェの共同経営者となっていた二乃と三玖の2人。

 

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二乃と三玖

 

なるほど...。

現実的なお話、「自身のお店を出す」というのは想像以上に大変なことです。資金面を考えても調理学校を卒業してすぐにというのは中々にチャレンジングな試みで、ある程度のキャリアを積んでからの方が一般的。

 

ただ、そのあたりのミスマッチを解消する布石として上杉母の夢が提示され、十数年前に夢半ばで終わってしまった彼女の想いを引き継ぐ形で空き店舗を借り受けたという展開であれば凄く納得がいきますよね。

 

上杉家がどうしてあれほど「貧しい家庭」だったのかという疑問に対するアンサーだけでなく、二乃と三玖が自分のお店を出すことができている背景にも関与している風太郎のお母さん。

 

不慮の事故で亡くなってしまった悲しみこそあれど、彼女の想いと挑戦は決して無駄ではなかった。ずっと空き店舗として空白になっていた場所が想いを同じくする者達の手でもう一度息を吹きかえしていくこと。

 

 

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私たちだけの力で

 

最近は常連さんも増えてきたんだ

こんな設備の整った場所を貸してくれたお父さんのためにも…

もう少しだけ私たちの力だけでやってみたい

 

そういう全ての前提に感謝と覚悟を持ち「私たちの力だけでやってみたい」と意気込むところに彼女たちの本気が伺えて凄く良かったなと。

 

風太郎との交流を通じて向き合うに至った夢が奇しくも上杉母の夢とも共鳴していて、彼女たちがこの物語のヒロインであった必然を改めて実感したお話でもありました。

 

 

 

 

2人の父のように

 

そんなヒロインたちの現況が描かれていた一方、場面はついに結婚式当日における風太郎の視点へと切り替わっていくことに。

 

突如現れたマルオパパとの対面に畏まりつつも、四葉は心から喜んでいるかい?」と問われて力強く言葉を返す風太郎の姿に、きっと一人の男としてマルオも思うところがあったのでしょうね。

 

 

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新郎とお義父さん

 

最愛の人が遺した忘れ形見でありずっとその成長を見守ってきた娘がついに結婚の日を迎え、新郎と共にこれから新しい生活をスタートさせていく。

 

それは、未来への希望と喜びに満ちた出来事でありながら、親にとっては「喜び」と「寂しさ」が入り混じる"子育て卒業式"でもあるのかもしれません。

 

零奈さんの代わりに自分がこの娘たちを育てる。そんな決意の日を思い出しながらこの会場を訪れ、新郎である風太郎に娘が「心から幸せになれているか」を問う。

 

血のつながりを越えた深き"愛"がそこにあって、マルオなりのやり方で2人の幸せな門出に向き合おうとしている姿が何とも感動的に映る一幕でした。

 

 

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風太郎とマルオ

 

『一人の女性を一生かけて愛する』。

 

尊敬する『二人の父』たちがその人生を賭してそうあり続けてきたように。そんな上杉風太郎の想いを聞いた時のマルオの心情はきっと、自分の娘を花嫁として送り出す父の立場になって初めてわかることなのだと思います。

 

様々な感情に区切りをつけ「祝い事の場でしか飲まない」と語っていたお酒を口にする中野マルオの胸中。

 

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二人の父親

 

最愛の人に先立たれてしまった二人の父たちの姿を描くことで『結婚』というイベントの持つ特別さにより深みが増していたのかなと。

 

そんなことを思う、第121話のエピソードでありました。

 

 

 

五つ子ゲームファイナル

 

...という流れでマルオパパとのやり取りもきちんと描かれていた今回のお話ですが、姉妹たちが誰一人式に参加していなかったことには流石の風太郎も疑問を抱いており、最後の最後でその理由が明かされることになりました。

 

手配ミスとしか思えない数用意されていた「ウェディングドレス」と「結婚指輪の交換」が式の最中に行われなかった理由。

 

第32話の感想で僕自身も取り上げていましたし、既に多くの人が予想していたことだろうとも思いますが、それらの謎に納得のいく解釈をつけるならやっぱり答えはもう一つしかありません。

 

 

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最後の五つ子ゲーム

 

「姉妹たちによる最後の五つ子ゲーム」を行い、風太郎の"愛"を確かめる。

 

それに、ただ単に「花嫁」を当てるだけならここまで大掛かりな状況を作る意味もないでしょうから、おそらくは一人一人に向き合う形で風太郎がそれぞれのヒロインたちに対して「想い(=4つの親愛と1つの恋愛)」を伝えていくことになるのでしょうね。

 

絶対に間違えることの出来ないこの流れで風太郎が一体どんな風に彼女たちへの"愛"を示してくれるのか。

 

 

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愛があれば見分けられる

 

一応僕個人の予想を書いておくと、

 

「五月・二乃・四葉ちゃん・三玖・一花さん」の並びが一番しっくりくるのかなと。

 

①両手を前に組む姿勢に礼儀正しい五月の特徴を感じる(左から一番目)

②手をグーに握っているところが勝気な二乃を思わせる(左から二番目)

③確証は正直ないですがやはり花嫁は真ん中かな...というメタ読み(左から三番目)

④右手で左腕をおさえる仕草は以前に三玖がしていた(左から四番目)

⑤上記の①~④に当てはまらないのは一花さん(左から五番目)

 

まぁ理由としては概ね上記の通りなのですが、正直あまり自信はありません。

 

第35話の探偵回で風太郎が言葉にしていた並びが今度は正解だった...というユニークな伏線回収のパターンもあると思いますし、オーソドックスに「一花さんから順番に並んでいた」という可能性も全くのゼロとは言い切れないと思います。

 

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以前のエピソードを踏襲するなら...(第35話より)

 

いずれにせよ、外見(≠仕草や癖)の様子だけで見分けることが物語のテーマになるとは考えにくいので、風太郎自身はまた違った形でこの問いに向き合っていくのかなと。

 

薬指担当である四葉ちゃんの手に「指輪」をはめる展開も必ず来るでしょうし、次回はいよいよフィナーレということで色々と楽しみですね。

 

 

....というわけで今回の感想を一言でまとめると、

 

 

 

最高の最終回に期待!

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風太郎呼びの四葉ちゃん

 

風太郎」呼びの四葉ちゃんが尊すぎて流石にヤバい!ってことですよ。

 

直接的なイチャイチャこそ作中ではあまり描かれていないものの、ちゃっかり同棲生活が始まってますし、そりゃ姉妹たちもニヤニヤするってものです。

 

夫婦なんだから当たり前と言えば当たり前なんですが、四葉ちゃんと風太郎の2人に関してはそんな「当たり前さえも最高に感じられてしまう」から凄いですね。

 

最終回は大増30ページの表紙&巻頭カラーとのことですが、ここまできたら奇抜な演出も予想外の展開も正直必要ないと思います。特別なことをせずとも、全てが特別な思い出になる。そんなグランドフィナーレに期待しつつ、来週の水曜日を楽しみにしております!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

『カッコウの許嫁』第2話 感想:天野エリカが触れた血縁と家族の関係について!

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カッコウの許嫁』2羽目  感想

カッコウの許嫁』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

先週から連載がスタートした吉河美希先生の最新作「カッコウの許嫁」。

 

今週のお話はズバリ「家族」についてでした。取り違えの発覚から物語が始まっている以上必ず描かれる内容だとは思っていましたが、コメディとシリアスの調和を上手い具合に調節して作劇されていたあたりが流石ベテラン作家さんだなぁ…という印象でしたね。

 

お互いの「家庭」に触れ、少しずつお互いのことを知っていく。「家族とは何か?」という答えのない命題が根底にある中で、凪とエリカが2つの「家族」とどう向き合いどう成長していくのか。

 

そんなところがとても気になる人生交錯ラブコメの第2話、今後の展望を交えつつ早速感想を書いていきたいと思います。

 

 

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2羽目:結婚ならしないわよ!

 

さて。お話は前回の続きからです。

 

お互いが取り違え子同士だったという事実を知り、親から「許嫁」の関係を言い渡されたエリカと凪。

 

相手のことを好意的に見てはいるものの、親の都合で「結婚相手」を決められるという一方的な展開に青春ド真ん中の高校生が納得できるはずもなく、既に心に決めた人(=片想い)が他にいる凪としては当然この許嫁関係にはお断りを入れるしかない。

 

 

 

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だが断る

誠心誠意お断りしよう

俺には他に心に決めた女がいると!!

 

ふむふむ……。

とはいえ、エリカが「海野家に来てみたい」と言っていたことを知って変なテンションになったりする一面もあり、この点が等身大の男子高校生らしくて面白いですよね。

 

美少女を前にしても特に動じない主人公がメインストリームとなりつつある昨今のラブコメ界において、年相応に勘違いしたり意識してしまったりする凪の様子はもはや新鮮そのものです。

 

「許嫁なんて俺は認めないぞ...!!」などとカッコ良く凄んではいても、いざエリカ側から「結婚ならしないわよ?」と言われれば自身の勘違いを恥じて狼狽えまくってしまう有り様。

 

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勘違い

 

無論、「結婚相手は自分で決めたい」というエリカの台詞が後々の展開で生きてくるだろうことは言うまでもないわけですが、ひとまず現時点だと2人の関係は「友達以上恋人未満」という感じで落ち着きそうでしょうか。

 

「運命の人を決めるのは"俺"俺以外か!?」と銘打たれている作品なだけに、外的要因での結びつきに依らない、純粋な気持ちのやり取りが描かれていくことを期待したいところです。

 

 

家族の輪

 

一方、凪目当てでないならエリカはなぜ海野家に来たの…?という部分が議題となるわけですが、それは当然「凪の両親」と会うためでした。

 

取り違えがなければ自分が「海野家」の子供になるはずだったことも、その事実が今となってはもう過ぎた話で、16年間「天野家の娘」として育ってきた事実に変わりがないことも。きっと全部ちゃんとわかってる。

 

でも、それでもやっぱり、自分を産んでくれたお父さん・お母さんと話をしてみたかった。自分の両親となるはずだった人たちがどんな人たちなのかを知りたかった。

 

そんな切実な願いの元で海野家を訪れる決心をつけたはずで、それは自分自身が一番良く理解していることだった……はず……なのに………。

 

 

 

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エリカの葛藤

 

どうして。どうして自分はあと一歩の勇気を振り絞ることが出来ないんだろう。

 

せっかく実の娘のようにあたたかく迎え入れてくれたのに、嫌がられることが怖くて何もできなかった不甲斐ない自分への悔し涙がエリカの頬を伝っていく。

 

そんな彼女に「気を遣わなくていいんだ」「わざわざ仲良くしたいなんて言う必要はないんだ」と声をかける凪がやっぱり素敵ですね。

 

子供と親が仲良く卓を囲む光景はとても当たり前のことだから畏まる必要なんてなくて。「一緒に帰ろう」という表現をしていることも、エリカにとってここがもう一つの帰る場所だと告げているかのようでもある。

 

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ありのままに

 

凪の後押しを受け「海野家の一員」として笑顔で食卓につくエリカの姿。

 

「家族」をテーマにする作品らしい展開で、凄く心温まるエピソードでした。直接対面こそ実現しなかったものの、実の姉であるエリカの存在を気にする妹ちゃんの様子も最高にポイント高めだったなと思います!

 

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妹の幸も最高に可愛かった!

 

※当ブログは、今後の「エリカ×幸」の絡みにも期待しております。

 

 

 

ハプニングだらけの同居生活に期待!

 

 ……という流れで良い感じに場を温めてからのこの展開。

 

 

 

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まさかの同居生活開幕!

 

なるほど……。

第1話の感想で「学校の異なる2人がどういう形で交流の場を持つのかが気になる」と書いていたんですが、流石に2人きりの同居生活がいきなり始まっていくとは予想もしてませんでしたよ!

 

いやー、本当に良い感じでアクセルぶっこんできますね。お金持ちの発想に乾杯したい。お試しでとりあえず2週間限定とはいえ、もはやラブがコメる展開になること請け合いですから。

 

貧乏生活を送ってきた凪とセレブお嬢様として育ったエリカの同棲生活。身悶え必至な次週以降の展開を楽しみにしております!

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『カッコウの許嫁』/古河美希/週刊少年マガジン」より引用しております。

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