ぼく勉 問106 感想「その来訪は果たして[x]どもの一大事である」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』は表紙&巻頭カラーです。
素晴らしいですね。本当に素晴らしいですよ...。筒井先生の描くイラストの流麗さと言えばもう軽く国宝級の領域だと思うのですが、一体いつになったら世界遺産に登録されるんでしょうか。
文乃さんの可愛さは史実に残すべき可愛さだというのに....。「富士山」「日光」「京都」そして『ぼく勉』。10年後教科書に載っていても何ら不思議はありません。なんたって文乃さんは宇宙一可愛い女の子ですから。今回の表紙絵もまた、桜の季節と新学期に寄せた実に素敵な表紙でした。
ん~、文乃さんが美しい!
そして、花より団子....な文乃さんが最高に天使だったり、真冬先生が間違えてお酒を飲んじゃったり、理珠ちんが相変わらずうどんを食べていたり、うるかがモーション激しく英語を勉強していたり、あしゅみー先輩が特製の成幸くんオムライスを作っていたり...な巻頭カラーも最高の一言でしょう。それぞれの特徴がワンポイントな形で詰まっている、非常に見応えのある一枚絵でしたよね。
先日TVアニメの放送もついに始まりましたし、原作もアニメも全力で楽しんでいける3ヶ月にしていきたいなと。アニメ化をキッカケに原作が更に盛り上がっていくことを心からお祈り申し上げております!
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ぼく勉 106話:桐須真冬は向き合いたい
さて、今週は前回に引き続き、唯我家を訪れていた真冬先生のシーンから。
一体、どういう事態が発生したら真冬先生が唯我家のお風呂に入ることになってあまつさえ裸状態で成幸くんとバッタリ遭遇するなんてことになるのか....という状態の引きで前回は終わったわけですが、うん、ここはもう実に”真冬先生らしくて”正直読みながら安心しましたよね。
というより、むしろこうでないと真冬先生じゃないとさえ思えるくらいの状況でもありました。「KATEI SAIEN CHUU」で水撒きをしていた水希ちゃんにホースの水を掛けられる。夏場ならまだしも秋も深まってきた時期でこうまで濡れてしまえば”お風呂に入るしかない”ですから。もはや、順当も順当の展開であったと言える。
で、そんな状況になったらもうこうなるのが必然の流れですよね。
やっぱり真冬先生のこういうところが非常に絶妙な塩梅だと思うんですよ...。本当に改めての感想ではありますけど、”大人の魅力”と”ドジっ子フルパワーな姿”の二面性にグッとくるというかなんというか。お堅さを基調としたパーソナリティーなのに親しみが持てる人物像なのが本当に素敵だなって。
そういう意味でも、ここら辺のさじ加減の上手さこそが彼女が愛される理由の一つでもあると思いますし、また桐須真冬というヒロインの物語に確かな奥行きを持たせる要素にもなっているのでしょう。
”過去”にしっかりと向き合っていく、という彼女のストーリーに流れているコンセプトがより一層切なく、かつ輝いて見えるのもきっとこのため。
かつての恩師であり色々な意味で自分の人生を変えてくれた人に再び会いに来た真冬先生。彼女が自分自身でそう語っている通り、きちんとこれまでの事に自分の中で気持ちのけじめをつけることが出来たからこそ、彼女はここに来ることができたわけですよね。
合わせる顔がないと思っていた....。けれど、ここからきちんと前を向いて歩いていこう、ってそういう決心が今の彼女にはある。だから、新しいスタートを切ったこのタイミングで恩師に自分の再スタートを報告しに来た。「氷の華」編の後日談としても非常に美しい展開だなと心から思わされます。
生徒にもフィギュアにも
今の私にできる私なりのやり方で
もう一度向き合ってみよう...
そして、このセリフがまた何とも素晴らしいではないですか....。
かつて一人の教師に憧れ、また奇しくも数年後、その恩師の息子の教師となった真冬先生ですが、きちんと「今の私にできる私なりのやり方で」”生徒に向き合える先生”を目指していくと語っている点が本当に本当に魅力的だなと。
目指す道は同じでも、やり方は人それぞれ。そこには真冬先生だからこそ「できる」ことがある。そんな彼女の決意に成幸くんが鼓舞される流れも実に熱いストーリーラインでした。
ところで、今回のお話を読むと成幸くんのお母さんは真冬先生のことを知っているみたいでしたけれど、これはお葬式の時に会ったのを覚えていた...という認識で良いのでしょうか。
「真冬ちゃんがこんな立派な教師になって!」と花枝さんが語っていることから鑑みるに、最後にこの2人が会ったのは(=真冬先生が成幸くん父のお葬式に参列したのは)真冬先生が教師になる前ということになりそうなので、お葬式が成幸くんの中1の頃(=5年と半年前)にあったことを踏まえると、真冬先生の現時点の年齢は27歳より若いということになる。
加えて、そこに「氷の華」編で描かれた日野さんとのエピソード(=日野さんは既に高校を卒業済みでその後文乃さん達の初代教育係へ)を考慮に入れるなら、真冬先生の年齢はおおよそ26~28歳くらいだと推定できそうですね。
真冬先生18歳(高校3年生) | 教師を目指す |
真冬先生20歳(教育大学2年生) | 成幸くん父のお葬式に参列 |
真冬先生23歳(教師1年目) | 日野さんとの出会い |
真冬先生24歳(教師2年目) | 文乃さん&理珠ちんの初代教育係に任命 |
真冬先生26歳(教師4年目) | 現在の時間軸(=成幸くんが高校三年生の4月に文乃さんたちの教育係になる) |
一番若いパターンでこんな感じかな。まぁ、女性の年齢はトップシークレットの方が魅力的でもあるので、26歳~28歳くらいという感じでぼやかしていくのがベストだと思います!
※追記
問115のエピソードより、真冬先生が初代教育係に任命されたのが2年前(理珠ちん&文乃さんが1年生の時)であることが判明しましたので、真冬先生の年齢は26歳以上だと思われます。
幸せに成ること
そして、やはり今週一番の見所は、成幸くんが母の花枝さんに自分の「夢」を打ち明けていくまでの一連の流れでしょうか。
ヒロイン達に背中を押されてついに「大事な話があるんだ!!!」と家族に向き合っていく決心をつけた成幸くんでしたが、そこはもうシチュエーションの妙ですよね。花枝さんが豪快に成幸くんと真冬先生の関係について勘違いをしていくという...。僕はこういう展開結構好きです。
まぁ、なんと言ってもこの2人もう既に色々とパートナーらしいことはこなしていますからね。
一緒にデートもしているし、料理もしているし、子育てもしているし....。なんだ、普通にカップルじゃん!って。読者から見てもそうなりますよ。事情を何も知らなかった花枝さんが勘違いするのも無理はありません。どう見てもラブラブに見えるし、「曲げたくないんだ この気持ちだけは...」という言質 (誤解) もある。
そう、成幸くんの覚悟はとても固いのです。そんな姿を見て、普段恋愛脳まっしぐらな花枝さんが「そういうのはせめて!!せめてしっかり卒業してからに...」と困惑しているのがとても面白いじゃないですか。実際にこういった場面に遭遇すると、こんな反応になるんだなって。やっぱりこういう何気ないところにも、息子の恋愛事情をしっかりと心配しているお母さんの姿が見て取れるのでしょう。
子供が幸せじゃなきゃあね
親はどうしたって幸せにゃなれないようにできてんのよ
そして、そんな母からの真剣な言葉が実に胸に刺さりますよね....。
「お父さんが...何かの時のために残してくれたお金」。そんな大事なお金を自分のためには使えない、家族全員が幸せになるために使わなきゃ...と語る成幸くんの姿も非常に良くわかるものですが、しかし、成幸くんが幸せにならないと家族もまたやはり幸せにはなれないのです。
前回の感想でもまさに触れた部分でしたが、やはりこれこそが『ぼく勉』の、そして主人公・唯我成幸にとってのメインテーマなのでしょう。ずっと誰かのために頑張り続けてきた少年が、今度は自分の幸せを歩いていく。人を幸せにするには自分が幸せでないといけない。それが『ぼくたちは勉強ができない』という作品に込められた真っ直ぐなメッセージでした。
「幸せに成る」と書いて成幸。両親がどんな想いでこの名前を彼に付けたのか。それが痛いほどに伝わってくるシーンでしたよね。
『ぼく勉』はできない事をできるようにしていく子達の物語ですけれども、それは何もかも一人で背負い込むこととはやっぱり違うのです。人を頼ること。そして自分がきちんと幸せに成り、その感謝の気持ちを返していくこと。それを含めて「できる」なんです。そういう意味でも、今週のお話はまさに『ぼく勉』という物語の集大成とも呼べる回だったと言えるのではないでしょうか。
というわけで、今週の感想を総括すると、
恋愛方面の進路も気になります!
花嫁衣装の5人が最高に綺麗だったなってことですよ!
実にコラボ的な要素を感じさせるシーンでしたが、何をおいてもまず、全員のウエディング姿をここで披露してくれたという筒井先生のサービス精神っぷりに感謝の念を禁じ得ません。
まぁ、やっぱりこの5人の誰かが将来のお嫁さん候補ということですよね。カップルになるだけではなく、最終的に結婚までいくと....(メモメモ)。唯我文乃....。うん、やっぱり超しっくりくる...。最高に妄想が捗ります!
そんなこんなで、古橋文乃さんの幸せを願う当ブログ的にも最高に幸せな気持ちになれる回でした。
成幸くんがどのヒロインと幸せな人生を歩んでいくのか。その隣にいるのが文乃さんだったらいいな。第二回の人気投票も控えていますし、今回は「キャラクター人気投票」に加えて、「シチュエーション(どこで何する?)」の投票もあるそうですから、どんな結果になるのか楽しみですね。
成幸くんと文乃さんが”結婚式場でキスをするシーン”に清き千票を投じてもいいのだろうか...。いや、きっと本編で見れるしなぁ...(※個人の妄想です)。「①文乃さんが②ホテルで③成幸くんと2人きりになる」。これもアリか!....なんてことを考えながら、来週のお話もとても楽しみにしております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。