ぼく勉 問108 感想「砂上の妖精は[x]に明日を描く②」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』を読了。
ここ最近、僕内部であしゅみー先輩株が驚異のストップ高を見せているのですが、正直今週のお話も最高にグッときてしまいました。普段「背伸び」をしている子が不意に流す涙って、やっぱりズルいですよね....。破壊力が異次元過ぎてこっちまで泣けてくる。なんて可愛らしいんだろう…と何度も何度ものたうち回ったものです。
加えて、成幸くんが超絶イケメンムーブを炸裂させていた点も非常に素晴らしいなと感じたポイントの一つでした。
雨の中、落ち込んでいる女の子に手を差し伸べ「ずっと一人で泣いてるみたいだったから」と頭をなでる。「背伸び」をして強くあろうとしている先輩に「等身大」でいいんですよ、と語り掛けるかのように。こういう風に「優しさ」を以って人に寄り添えるところが唯我成幸という男の子の何よりの魅力ですよね。
そして、そんな優しい「後輩」に全身を委ねて泣きじゃくるあしゅみー先輩の姿が、もうたまらなく可愛すぎるわけですよ.......。
繰り返し「こうはいのくせに....」と言葉にしているのがあまりにも反則的というかなんというか。このセリフに「先輩」と「後輩」である2人の関係性の魅力がぎゅっと詰まっているように感じるのです。
頼もしき「後輩」の存在に、「砂上の妖精」は果たしてどんな想いを抱くのか。今週はそんなことを妄想しながらお話を振り返って参りましょう。
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ぼく勉 108話:砂上の妖精は[x]に明日を描く②
さて、今週のお話は前回の続きから。
あしゅみー先輩の”原点”であり、今なお医者を目指す理由にもなっている「小美浪診療所」。その思い出の場所を彼女の父・宗次郎は閉じようと考えていました。
その理由は「近くに大きな総合病院が出来たこと」。要するに、老体で体力のない自分よりも、充実した最新設備を有し若くて体力のある医師も揃っている大きな病院の方が「患者の為」になるという想いが宗二郎の中にはずっとあったわけですね。
実際に、診療所に訪れる患者はどんどん減っていて、自分自身に経営のセンスがないことも身に沁みて痛感している。ゆえに、最後まで「患者の為の医者」であるために診療所を閉じるのだと。なるほど、確かにこれを言われてしまうと、娘としては辛いものがありますよね........。
なにせ、宗二郎が娘に対して「うちのことは考えなくていい」と言い続けてきたのも、この診療所に「明日」がないと判断してのことだったんでしょうから。
患者にとって「よりよい医者」とはなんなのか。その本質をどこまでも貫こうとする父・宗二郎と、子供の頃から診療所への想いを原動力にしてきた娘の物語。このお話のゴール地点は一体どこにあるのでしょうか。
母・かすみさんの存在
また、そんな視点でお話を読んでいくと、やはり、母・かすみさんの職業も物語のキーポイントになっているように感じます。
「いくつかの病院でボランティア執刀医」をやっている。そう、つまるところ彼女もまた、医者として”どこで”患者さんと向き合うのか、というところに自身の『信念』を限定していないのですよね。
「患者さんの為の医者でありたい」。きっと彼女にとってもその想いこそが原点なのです。だからこの夫婦は、離れていてもずっとラブラブカップルでいられる。お互いの「夢」「やりたいこと」を2人はきちんと分かり合っているからです。そう思うと、やっぱりかすみさんが登場したことは「ラブコメ」として非常に意義深いものがありますよね。
しかし、あしゅみー先輩の抱えている場所への想いが強いのも事実でしょう。
なんたって、彼女の夢の始まりはあくまでも「小美浪診療所で医者になること」だったわけですから。簡単に切り離せるくらいなら原点になどなっていません。思い出の場所がなくなってしまうのが「寂しい」。それが等身大の彼女から発せられた偽りのない言葉でした。
だからこそ、この物語を通して、あしゅみー先輩がどういうゴールを見つけるのか、どんな明日を描いていくのかは非常に気になります。思い出を胸に「未来への一歩」を踏み出すのか、あるいはまた違うゴールが待っているのか。あしゅみー先輩が出す答えに注目をしたいところ。
....というわけで、今週の感想を総括すると、
お医者さんごっこに期待!
成幸くんの発案する「お医者さんごっこ」が最高に楽しみだってことですよ!
まぁ、物語的にはきっとあしゅみー先輩の中にある「医者」としての本質を引き出すために彼は動いているのでしょうね。
診療所がなくなってしまう事を理由に医者を目指すのを諦めるのか。メイドとして多くのお客さんに寄り添ってきたように彼女にももう「患者のための医者」というあり方が確かに根付いてるはずではないか。それが今回の長編の鍵なのかなと。
真冬先生と同じなら次の3話目で解説編の可能性もありますし、恋愛方面の認識に変化が起こるかも見所ですね。来週も楽しみです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。