ふわふわな日記

『ぼくたちは勉強ができない』83話 感想、古橋文乃さんを突き動かした想い!”誤解”と”理解”の先にある結末は...?

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ぼく勉 問83 感想「またしても天才は[x]どもの戯言に踊る」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

今週の『ぼく勉』はセンターカラーです!

 

これまでにも1枚絵の扉絵カラーは幾度かありましたが、「うるか×あしゅみー先輩」のツーショットというのはこれまた新鮮な組み合わせな気がしますね。

 

というか、まさかこの2人が一緒に”デートスポット”に行って、相合傘までするような仲(意味深)になっていたなんて..。なんだかとても素晴らしいではありませんか....。

 

やはり季節の変わり目というものは色々と考えさせられてしまいますなぁ...。「秋」の深まりに合わせて、次第に深まりを見せていくそれぞれの関係性。これが何ともまた良い具合に物語に彩りを与えているようでもあって....。

 

今週の本編もまたそんなことを強く感じさせてくれる回だったと言えるのかもしれません。というわけで、早速今週のお話について触れて参りましょう。

 

 

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ぼく勉 83話:”誤解”のうるかと”理解”の文乃さん

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今週は文乃さん回!

 

さて、今週の『ぼく勉』は待望の文乃さん回です!先週の予告通り、うるかと成幸くんのぎこちない姿に違和感を覚えた文乃さんが起点となって今回の物語は展開されておりました。

 

まず注目すべきは、「またしても天才は[x]どもの戯言に踊る」というサブタイトルでしょうか。「またしても」とあるように、明らかに問35.の「人知れず天才は[x]どもの戯言に踊る」というサブタイを踏襲しています。これは35話と今回の内容を見比べても一目瞭然ですよね。

 

ゆえに、今回論点にしたいのは踏襲されている事実ではなく、その理由の方。要するに「なぜうるかのお話に文乃さんが絡んでくるのか」という点です。しかも、1度ならず2度までも。どう考えてもこの構図は物語的に重要な意味を担っているように思えてならないわけですよ。

 

 

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”誤解”と”理解”

 

では、ポイントは何なのか。それを考えていきたいのですが、個人的な結論を言えば、やはり文乃さんとうるかが正反対のヒロインだからなんじゃないかなと。この点は筒井先生も意識されて描かれている部分だと思うんですよね。

 

というのも、基本的にうるかの物語は”誤解”やすれ違いで構成されています。留学の件にしてもそうだし、成幸くんが「うるかには(自分の他に)好きな人がいる」と思っていることもそう。過去には成幸くんが誰かとキスをしたと聞いて「恋人がいる」とうるかが”誤解”したこともありましたよね。

 

一方、基本的に文乃さんは”理解”するヒロインとして描かれています。うるかや理珠ちんの気持ちを”理解”していることは勿論、真冬先生の家に成幸くんが行っていたことも、あしゅみー先輩が成幸くんのことを特別に感じていることも知っている。唯一”理解”できていないことは自分の奥底に眠る”気持ち”だけ。それが古橋文乃さんというヒロインの現状なわけですね。

 

 

 

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唯我成幸と2人のヒロイン

 

だからこそ、うるかと文乃さん、2人のヒロインによる恋物語は上手く歯車が噛み合ってしまうのでしょう。

 

だって、物語において”誤解”は”理解”に至るためにあるものだから。現実では誤解したら一生誤解したままなんてことはざらにありますけれど、物語には意味のないすれ違いはありません。掛け違えたボタンは必ずいつか元に戻る。物語とはそういうもの。

 

つまり、どのヒロインよりも多くの事情を”理解”してしまっているが故に、この2人の「ボタンの掛け違え」を正す役割が文乃さんには担えてしまうのです。

 

そして、それは裏を返せば、うるかと成幸くんの2人の間だけで”誤解”を正させるのではなく、意図して文乃さんを間に仲介させているということでもある。今週のお話の要点はここにありそうなので、文乃さんの心情を追いながら、少しこの点についても踏み込んでいきたいと思います。

 

 

文乃さんを突き動かした想い

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”やっぱり”が響く、成幸くんと文乃さんの想い

 

「やっぱり少し寂しい...かな」

 

まず今週の物語を語る上で外せないのが、この成幸くんのセリフでしょう。

 

「あいつに好きな奴がいるんだったら その人とうまく幸せになってほしい」と言いながら、「やっぱり寂しい...かな」とも呟く成幸くん。散々すれ違いを演じてきたうるかと成幸くんにとって、ここまでストレートに想いが通ったはきっと初めてのことですよね。

 

でも、この”誤解”の挿む余地がないセリフを聞いても、文乃さんの表情に驚きはありません。「当たり前だろ」とまで言った成幸くんの漢気には驚いていましたが、彼がうるかのことを大切に想っていることは彼女も重々承知のこと。だから、成幸くんが「やっぱり」と言ったように、文乃さんも「やっぱり」と返しているわけですね

 

 

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35話との繋がり

 

それはこの物語に連なっている35話のエピソードを経ていることも大きな要素なのだと思います。

 

文乃さんはうるかが成幸くんのことをどれだけ想っているかを知っているし、うるかとギクシャクしてしまった成幸くんが困っていたことも知っている。その事実だけでも、お互いがお互いの事を大切に想っていることが容易に想像できてしまうというもの。

 

本当に切ないですよね...。「友達」としてはむしろ喜ばしいことなのに、それでも文乃さんの中に眠る気持ちを考えると、冷静な感想が書けなくなるレベルに切なくなってきてしまう。本当に筒井先生は罪な展開を描いてきたなぁ...と思わずにはいられません。

 

 

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乙女なうるか

 

だって、こんなにも一途に恋心を示してくるうるかの姿を見たら誰だって「応援」したくなっちゃうじゃないですか。

 

ずっと、ずーっと成幸くんのことが好きで、彼のことを考えると空回りしちゃって、果ては心の重荷になりたくないから(もちろんここにはうるかの勇気のなさも含まれるけれど...)と距離まで置いちゃって。

 

それだけの想いがあるのに、不器用にも2人の関係は縮まらないのですから、第三者からすれば、そりゃ歯がゆくもなりますよね。

 

無論、成幸くんが抱えている想いが「恋愛」なのか、「親愛」なのかは現時点ではわからないけれど、でも確実に言えることは2人がすれ違っている現状は間違いであるということ。そして、間違いは正されなければいけないということ。

 

 

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”誤解”を正す文乃さん

 

ゆえに、文乃さんは走り出します。間違っているものをただ「見守る」だけではいられないから。これこそが文乃さんを突き動かした想いであり、きっと”理解”という正しき”解”を持った彼女にしかできない役割でもあるのでしょう。

 

とはいえ、今週のお話を踏まえると、やはり文乃さんの「気持ち」が今後どう展開されていくのかが非常に楽しみになる回でもあったということは叫んでおきたいわけで...。

 

当然、今回のお話をサブタイ的に表現するなら、うるかと成幸くんの間にある”誤解”を解くために踊る文乃さんが描かれたことにはなるのですけど、その一方で、文乃さんの内に眠る「恋心」を刺激する回になっていたとも言えるんだろうなぁ...と。

 

 

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52話との対比(左:52話/右:83話)

 

その証拠に、今週の舞台背景は52話(文乃さん回)との対比を感じさせるものになっているんですよね。

 

しかも73話で文乃さんが嫉妬心を見せたのもこのファミレスが舞台。文乃さんの感情に大きな揺らぎがある時はいつだってこのファミレスが登場しているんです。さすがにこれが全て偶然ということもないのでしょう。

 

だからこそ、今後文乃さんが自分の気持ちを”理解”した時、その気持ちに正々堂々向き合うために今回のやり取りがあったと言える日が来るのかもしれません。「見守る」だけではいられないという表現も、視点を変えれば、将来的に文乃さんが自ら動き出すという所に掛かっているとも取れるわけですからね!

 

 

というわけで、今週の感想をまとめると...、

 

 

『ぼく勉』ラブコメワールドにおける文乃さんの立ち位置

 

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文乃さんの立ち位置

 

やっぱり、『ぼく勉』ラブコメワールドにおいて古橋文乃さんというヒロインが担っている役割には「特別」以上のものを感じてしまうなってことですよ!

 

73話の感想や今週の感想でも触れましたけど、主人公・唯我成幸にまつわるヒロインたちとの関係性を一番”理解”しているのは文乃さんですし、それでいて自身の気持ちを”理解”するのは、おそらく一番最後になるというのがもうね...。そんなの、最も葛藤に向き合わなけばいけない辛い役回りじゃありませんか....。

 

 

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文乃さんの葛藤

 

だからこそ、僕は文乃さんには報われて欲しくてたまりません。

 

文乃さんの物語は複雑で長い恋愛旅路になりそうですが、でも僕は最後には声を大にしてこう言いたいのです。君が悩んだ時間も、回り道をした時間も、何一つ無駄じゃなかったよ...と。

 

もちろん「青春」という言葉が表現している通り、『ぼく勉』もまた、始まりと終わりにして、出会いと別れの季節でもある「”春”」を目指す物語になるのだとは思います。

 

エピローグ的にその後が描かれることはあっても、ゴール地点はやはり新たな”春”で、この物語は1年間という短い期間で一旦の幕を閉じることになる。それ以上は受験ラブコメではなくなってしまいますからね。

 

でも、じゃあ『ぼく勉』という物語をこの1年間のお話だけとして捉えることが出来るかと言われれば、まぁそれもどだい無理な話でしょう。

 

それぞれに「過去」があるように、(たとえ作中で描かれなくとも)彼・彼女たちにはこれから歩んでいく「未来」がある。物語が終わっても、新しい季節をこの先何度でも”2人で”重ねていくことになるのです。

 

だから、文乃さんスキーとして、成幸くんの隣に立ち、手を取り合っていくヒロインが文乃さんだったら良いな...と言わずにはいられない。今週はそんなことを強く再認識させてくれた回でした。今週の文乃さんもとても可愛かったです!(結論)

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。

 

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