『ぼくたちは勉強ができない』117話 感想、好きになれた自分と再認識した想い!緒方理珠の恋模様に注目です!

ぼく勉 問117 感想「機械仕掛けの蛍は[x]の淡雪に焦がる④」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』を読了。
本編について触れていく前に、ちょっとばかりメディアミックスのお話を。先日、文乃さんと成幸くんの「熱い一夜の物語」をメインに据えたTVアニメ第1期の最終回がオンエアされ、文乃さんスキーの僕としても今回のアニメ化で一番大盛上がりな週末を過ごしていたわけなんですが、そんな幸せな余韻に浸ったまま飛び込んできたのが「第2期放送決定」の報せでした。
まぁ、放送開始が約3か月後の2019年10月からであることを踏まえれば、1期の放送よりも前から企画自体は既に進行していた...ということになるのでしょうけれど、正直このタイミングでの続編展開は予想外(もちろん嬉しい予想外)でもあったんですよね。OVAの発売が先行して発表されていましたので、少なくともそれより先に本放送が開始されることになるとは思っていませんでしたし。

加えて、2期の放送が前提にあったならもう少しゆっくりシナリオを回しても良かったのでは...と思う面もあるんですが、1期と同じく、やや駆け足気味に色々なストーリーを見せていく方針で2期も制作が行われていくのでしょうか。
締めとして綺麗なのは「文化祭のラストまで」だと思いますので、1期で出番の少なかったあしゅみー先輩のストーリーをしっかりと固めつつ、文乃さんとのキッス(※ぬいぐるみ越しではありますが)を最高な形で描いてくれたら嬉しいなと。そんなことを期待しつつ、第2期の続報をお待ちしております。
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ぼく勉 117話:機械仕掛けの蛍は[x]の淡雪に焦がる④

さて、4週に渡って続いてきた「機械仕掛けの蛍」編もいよいよ今回でクライマックスです。
前回、「自分のことが嫌い」だと自己嫌悪に浸っていた理珠ちんに対し、突然「国語の自作テスト」を引っ提げてゲームをしようと言い出した成幸くん。
その真意に関しては、流れ的にも間違いなく文乃さんが鍵を握っているのだろうと事前に予測がついていたわけですが、案の定、このテストの中には「文乃さんが理珠ちんに対して抱いてきた想い」が込められていました。

幼い頃からずっと誰かに「夢」を否定され続けてきた古橋文乃という女の子。
親にも教師にも否定され 大切な夢さえ貫ききれず
目の前の彼女に浅ましくも嫉妬して 本当に自分が嫌になる
....と彼女自身が語っている通り、お父さんや桐須先生が言っていることが正しいのかもしれない...と自信を無くしていた一方で、それでも星に関わって生きていきたいという大切な「夢」への未練を断ち切れない自分がそこにはいて...。あまつさえ、自分が欲しくてやまない数学の才を持った目の前の少女に「嫉妬」までしてしまって....。
でも、そんな彼女を救ってくれたのもまた、自分の夢に対して揺るぎない意志を示し続けてきた理珠ちんの言葉だったわけですね。


勉強とは知りたいことを知るためにあるのでしょう?
そこにそもそも才能や人の許可が関係あるのでしょうか?
向き不向き そんな他人の物差しなどクソくらえです
他人の物差しなど関係ない。誰が何と言おうとも自分の決めた道を生きていく。それがこれまでにも作中で繰り返し描かれてきた緒方理珠という女の子の強さでした。
もちろん、他者からの干渉を意に介さない、自分の中の「正しさ」をひたすらに貫き通せるという彼女のパーソナリティは、人の気持ちを汲み取るのが苦手という"短所"の部分に繋がっていく要素としても描かれてきましたが、問62のエピソードでも示唆されていた通り、長所と短所って基本的に表裏一体なんですよね。

実際、「他人の意見」や「人の気持ち」に聡い文乃さんに理珠ちんは憧れを抱いていたわけですけれど、そんな長所を持つ故に文乃さんは周囲からの否定に自信を喪失しそうになり、結果、どんな時でも揺るがない自分を持っていた理珠ちんの姿に救われることになったわけですから。
みんながみんな「嫌な自分」を抱えていて、その分だけ「素敵な自分」「輝いている部分」を持っている。自己の理解とは、極論そこに気付けるかどうかなのかもしれません。だからこそ、緒方理珠という女の子の本質を掘り下げるには、彼女と正反対の要素を持った古橋文乃さんの視点を取り込む必要があった。今回の長編はそういう物語だったのかなと思います。
"自分"の気持ち

また、これまで文乃さんが抱えてきた想いを知って、「ずっと...同じだったのですね お互いがお互いに...嬉しいです」と語る理珠ちんがこれまた素晴らしかったですよね。
「憧れ」だけではなく「嫉妬」を抱いていたのも同じ。「嫌な部分」を持っているのは自分だけじゃなかったのです。それに気付けたことで、理珠ちんは文乃さんを今まで以上に近い存在だと思うことも出来た。これが自己嫌悪を取り払うためのファーストステップにもなっている。
でも、あと一歩を踏み出す「勇気」が持てません。自分の嫌な部分をさらけ出して、大切な人達に嫌われるのが怖い。嫉妬してしまう自分を見せてしまうことで、大好きな成幸くんに嫌われるのが怖い。ずっと一人だった彼女ですから、こう考えてしまうのは無理もありませんね。だからこそ、成幸くんが彼女との距離を詰めるために歩み寄るシーンが凄くカッコよく思えるのです。

あぁ、やっぱり成幸くんがモテるのは絶対にこういうところだと思うのですよ...。
ただ単に「嫌わないぞ」と諭すだけでなく、「俺も一緒に向き合うよ」と寄り添う。もちろん、彼にとってそれは教育係としての立場から来る発言でもあるけれど、「お前が何かを間違えてると感じた時は ちゃんとお前に伝えるよ」という言葉には確かに"愛"が感じられるのですよね。
「嫌な部分(と自分が感じている事)」をただ受容するわけでもなく、一緒になって解決に導いていこうと提案が出来るのは相手のことを大切に想っているから。単純に「嫌わないぞ」って言われるよりも、理珠ちんにとって100倍心強くて頼りになる言葉だったと思うのです。きっとこういう点にも「人の気持ちに寄り添える先生」という成幸くんの夢が表現されているのでしょう。

好きになれました
いいえたぶん... 大好きです
そんな成幸くんの言葉を受け、「大好きです」と自らの気持ちを再定義する理珠ちん。
自分のことを「好きになれました」という「好き」と、成幸くんのことを「大好きです」という「好き」がダブルミーニングになっている点もストーリー的に非常に巧い締め方だったなと思いました。
孫の成長とばーばの想い

さて、そんなこんなで「恋愛」的にも最高に綺麗な着地をみせてくれた「機械仕掛けの蛍」編でしたが、おばあちゃんとのエピソードとしても極めて素敵なお話になっていましたよね。
おばあちゃんが手作りで毎年クリスマスに作ってくれていたボードゲームの数々(=宝物)。それらを使ってみんなで遊びながら成幸くんがふと語った、
作った人はもしかすると
緒方にずっと大人数で遊んでほしかったのかもな
という言葉に理珠ちんは過去のお祖母ちゃんとのやり取りを思い返していました。

同年代の友達と遊ぶでもなく、「ばーばがいればそれでいいのです!」と語っていたかつての理珠ちん。
やはりおばあちゃんが彼女を突き離したのも「友達を作って欲しかったから」だったんですね。この点は以前から予想もしていましたが、実際に描かれるともう涙なしには見られないってものです。
先の長くない自分がいなくなったら、大切な孫はどうなるだろうか。ちゃんと仲の良い友達を作って遊べる子に育ってくれるだろうか。そんな「愛」ゆえの気持ちから「嘘」をついて孫に「嫌い」と言うしかなかったお祖母ちゃんの心情を思うと中々にクルものがありました.........。

でも、結果的にお祖母ちゃんが願っていた通り、今の理珠ちんはもう独りぼっちではありません。「気持ち」を伝え合えた友達がいて、一緒に遊べる仲間もいる。
もちろん、時間はたくさん掛かってしまったかもしれないけれど、文乃さんや成幸くんたちとの出逢いを通じて、理珠ちんは確かに一歩一歩成長しているのですよね....。お祖母ちゃんの「嘘」(=愛/気持ち)に気付けたことが何よりもその事実を雄弁に物語っているのだと思いますし、「ありがとう」「もう大丈夫」と言わんばかりの2人のやり取りはもう感無量でした。本当に痺れる最高の長編だったなと思います。

祖母の想いを知り、自分の想いをきちんと自覚した理珠ちん。
ここから彼女がどのような恋愛を経験していくのか、非常に楽しみですね。
.....というわけで、今週の感想をまとめると、
最高の長編でした

今週の理珠ちんが最高に可愛かったなってことですよ!
「勉強とは知りたいことを知るためにあるのでしょう? そこにそもそも才能や人の許可が関係あるのでしょうか?」という台詞も、『ぼく勉』のテーマを貫く極めて重要な考え方でカッコよかったですし、ストーリー的にも恋愛要素的にも素晴らしい長編だったというのが率直な感想です。
これで残すところ長編はうるかのエピソードのみ...ということになるのでしょうけれど、果たしてどんなお話になるのでしょうか。やっぱり、留学関係かな。恋愛方面で非常に大きな動きがありそうな気もしますし、今後の展開に注目ですね。アニメ2期にも期待しております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。
