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『ぼくたちは勉強ができない』140話 感想:たどり着いた今と振り返る青春!そして[x]の時が訪れる……!

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ぼく勉 問140 感想「そして[x]の時」

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

物語の始まりを思い起こさせる描写が散見されていた今回の『ぼく勉』。

 

「好き」という感情を噛み締めている理珠ちん、去年の反省を踏まえ視野の広さを獲得した先輩、そして最たるものが苦手を乗り越え怯えることなく笑顔を浮かべていた文乃さんの姿でした。

 

この一年を通じて彼と彼女らが受け止めてきたもの。それは何も「勉強」だけに限った話ではありません。学力を向上させるという目的が命題としてそこに掲げられていながらも、実際に『ぼく勉』という作品が真に紡いでいたものは、成幸くんをも含めた全員が「自分の抱えていた問題」と向き合っていく姿にあったのですから。

 

 

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彼女たちの成長

 

文乃さんがたった一人の父と和解を果たした「最愛の星」編に始まり、真冬先生が過去を乗り越えた「黄昏に氷の華は」編も、先輩が自分の未来を描いた「砂上の妖精」編も、そして理珠ちんが自分の感情と向き合った「機械仕掛の蛍」編も。全部そう。

 

家族、後悔、将来、嫉妬。それぞれが苦手な世界とのディスコミュニケーションを乗り越え、今この時を迎えている。

 

そんな背景を以て、「夢」のスタートラインであり一つのゴール地点でもある「最後の試験」がどう描かれていたのか。今後の展望も踏まえながら簡単に振り返っていきたいと思います。

 

 

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ぼく勉 140話:そして[x]の時

 

さて。ここまで本作を読まれてきた方は既にご承知のとおり、『ぼく勉』の肝となる物語は常に"夢"と"恋"の両側面から描かれてきました。

 

高3スタートというラブコメの王道にそぐわない設定(――"進路"という独自性の出やすいテーマ――)を通してヒロインたちの個性を表現し、努力次第で何者にもなりうる可能性があると提示する。恋愛一色にキャラと世界を塗り切らず、曖昧で不安定な未来に立ち向かう高校生たちの姿を描写する。

 

それが『ぼく勉』という作品が目指してきたコンセプト (改めて書き起こすと非常にジャンプらしさがありますね) でもあったかと思いますが、そんな青春群像物語が「一冊のノート」を起点にして描かれていた…というのは何とも情緒に溢れた巧い演出でしたよね。

 

 

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物語はここから始まった(問1より)

 

「できない」子たちに成幸くんが寄り添っていくところから幕を開けた本作のシナリオ。

 

思えば、このやり取りもまた「成幸くんが彼女たちにノートを送る」シーンからストーリーが始まっていきました。

 

彼女たちの想いに絆された教育係の成幸くんとその彼の熱意に惹かれ次第に「心」を溶かされていったヒロインたち。そんな楽しくてかけがえのない毎日を運んでくれた象徴としての"ノート"の存在が今、この瞬間面接に挑むうるかの脳裏をよぎります。

 

 

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ノートに込められた想い

 

決して教科書には載っていない自分たちが紡いできた思い出の日々。

 

悩んだ末に己の海を進むと決めたことも、みんながそれぞれの道に立ち向かって全力で泣いたり笑ったりを繰り返してきたことも。今はもう苦悩も涙も引っ括めてその全てがとてもいとおしく思える。

 

たとえその選択が大切な人たちと離れ離れになるものであろうとも。成幸くんの一番になるという原点が変わることはなく、己の才とやりたいことを見据え背筋を伸ばして一つの決断を下したうるか。

 

そんな彼女の口から語られる、

 

 

 

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青春

 

皆がそれぞれの夢に立ち向かって

泣いたり笑ったり一生懸命で

そんな大好きな人達とのあっという間の日々

それがあたしの過ごしてきた「青春」です

 

の言葉にはいかほどの「熱」が込められていたのか。

 

走り抜けてきたみんなとの「青春」がこれから先の未来に進んでいくための勇気へと変わり、いつまでも自分の胸の中に残り続ける。目指す道がそれぞれでも「独り」きりではないと思えるのは、みんなと培ってきた時間が前に進むための力になってくれると確信しているから。

 

そんな「物語の集大成」を感じさせてくれる展開が新たなスタートを切ろうとしているまさにこのタイミングで描かれたこと。もはや、万感の想いと形容せずにはいられない問140「そして[x]の時」のエピソードでありました。

 

 

 

いよいよ「恋」の物語へ

 

...という流れで想い想いの「試験」に一区切りがついた今週のお話。

 

 

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試験終了

 

流石にこの雰囲気で受験失敗もないかと思うので、ここからは本格的に「恋愛」方面のお話に舵取りがなされていくのでしょうね。

 

「勉強(=夢)」があるから「今はそれが負担になる(=恋愛)」という立てつけの元に踊り続けてきた恋愛劇。そこから進展が描かれるのなら、テーマ的にはやはり「うるか」のお話がメインになっていくのでしょうか。

 

 

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受験が終わったら...

 

受験が終わった今、もう言い訳も免罪符も通用しない。

 

積み上げてきた時間、関係性、想い。これだけのアドバンテージがありながら踏み込めなかった「うるか」の勇気が今一度問われていく文脈(彼女だけ長編がきちんと描かれ切っていないのも気になります)の中で、理珠ちんと文乃さんがどう「恋」の物語に関わってくるのか。

 

ブコメ構造を守るストッパーはもはや崩壊し、殻を破った者が清々しいエンディングにたどり着いていくのだろうと思われる今後の『ぼく勉』ラブコメワールド。みんなが笑顔になれる「本物」の青春を掴みにいくために、「嘘」も「遠慮」も「後悔」もないありったけの青春を見せてほしい。

 

 

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みんなが笑顔になれる結末を目指して

 

そして、願わくば「恋」の星座が文乃さんの未来を照らしてくれることを祈りながらここからの物語を追いかけていきたいなと。

 

遥か彼方にあって輝き、想いを反射して照らす光。かつて自分の手を握り明るい未来を指差し星を教えてくれたお母さんのように。その手を取り夢を応援すると言ってくれた成幸くんへの想いを彼女がきちんと言葉にできた時、僕はきっと『ぼく勉』を読んで良かったと心から思えるはずだから。

 

『眠り姫』が長い眠りから目覚めたことにどうか『意味』があらんことを。来週のお話も楽しみにしております。

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。