ぼく勉 問112 感想「熱に憂う外套は時に善意の[x]に抗う」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』はうるか回です。
前回の真冬先生回を読んだ時も感じましたが、やっぱり先週と今週のお話は、放送中のTVアニメを意識して作られたエピソードみたいですね。先週はアニメ(7話)と原作(111話)のどちらとも真冬先生の自宅に関するお話でしたし、今週もアニメ(8話)と原作(112話)の両方でうるかがラーメンを食べるお話が描かれていたわけですから、流石に全くの偶然ということもないでしょう。
個人的に、アニメの最終話に関しては「文乃さんと成幸くんが”夢”について語り合う夏祭りの夜」を持ってきて欲しいなぁ(※あくまでも個人の見解です)なんて淡い期待を抱き続けているのですけど、果たしてアニメのラストはどういう風に〆てくれるのでしょうか。
気が付けばもう半分以上放送が終わってしまっていて非常に寂しい今日この頃ではありますが、最後の最後まで楽しみ尽くしたいですね。第14巻のアニメBD同梱版も秒速で予約をしてきましたので、発売日を心待ちにしております!
<関連記事>
ぼく勉 112話:熱に憂う外套は時に善意の[x]に抗う
さて本編。
今週は、辛いラーメンを食べ、全身から流れてくる汗を気にしてテンパるうるかちゃんのお話でした。興味深いポイントとしてはやはり、問26のラーメン回(=アニメ8話)とのリンクが感じられる構成になっていた点でしょうか。
問26のお話では、ラーメンを食べて汗をかくうるかに成幸くんがなまめかしさを感じてドキドキさせられていたのに対し、今回のお話では「好きな人に汗くさいと思われたくない」とうるかの方が焦りを覚えているというあべこべな構図。
無論、これが筒井先生による”作為”なのか、あるいはラブコメストーリーのお約束による副作用なのかはわかりませんが、しかし、問105でうるかの励ましに成幸くんがドキドキさせられた際にもうるかが恋愛ではなく進路のことを考えていたので、この2人のこういう「あと一歩な感じを抱かせるもどかしさ」は、物語としてそれなりに印象的なシチュエーションではあるのでしょう。
だからこそなのか何なのか、「乙女の誇り」を守ろうとするうるかちゃんと「女の子の体感温度」について盛大に誤認をかます成幸くんのすれ違い勝負が無事に開幕と相成ったわけですね。
止まらぬ汗を悟らせないようコートを着込んでどんどん墓穴を掘っていくうるかちゃんの姿からはもう本当に何をやっているんだ....感(※絶賛してます)しか湧かないのですが、一方の成幸くんの勘違いも全く引けを取っていませんでした。
「寒さを吹き飛ばすハチミツ湯」を飲ませたり、「ストーブとやかん」を持ち出して部屋を暖めたり、うるかに「湯たんぽ付き毛布」を掛けてあげたり.....。
105話でうるかが成幸くんを励ますために色々な試みを施していたように、成幸くんもまたうるかのことを心配して行動を起こす。何だかんだ言っても、この2人を見て「お似合い」だなと感じる理由はこういう所にあったりするのかもしれません。
そして、この行き違いの終着点が「脱いでくれ」「布団に行こう」になるあたりがもう最高に成幸くんらしくてロックじゃないですか。
自宅で同級生の女の子を相手に親切心100%でこんな爆弾発言を言ってのけられる高校生は、ラブコメ界広しと言えど、流石に成幸くんくらいのものですよ。
最近の成幸くんは紛らわしい発言に磨きがかかりまくっているので、そろそろ誰かに言質を取られちゃうんじゃないかと心配になります。水希ちゃんがいたらほんと大惨事でしたね。アハハハ.....。
.........................。
.........................................。
.......................................................。
うるかの勇気とクリスマス!
そんなこんなで、今週はドタバタすれ違い成分多めのコメディ展開が繰り広げられていましたが、ストーリー的に見ると、うるかの「勇気」が少し良い方向に育った回でもあったように思います。
中学の頃から好きで好きで大好きだったのに、”今の関係”を壊したくなくて、ずっと動くことが出来ずにいたうるか。しかし、それでも否応なく、時間だけが過ぎていってしまう事実を彼女は知りました。
ゆえに彼女は迷うことを辞め、あの日彼に宣言したわけですよね。
今は水泳を頑張るから、自分の姿をずっと見ていて欲しいのだと。「成幸の一番になりたい」。たとえどれだけ時が経とうとも、どれだけ大切な目標が出来ても、その原点は変わらない。だから、自分の頑張る姿でもっともっと成幸くんのことを勇気づけられるように頑張りたい。
客観的に見ればもう「告白」としか思えないそんな気持ちをうるかは成幸くんにぶつける段階まではきているわけです。
何があったって
俺がお前を嫌うわけないだろ
でも、そんな彼女が「好き」の一言を今すぐに伝えられるだけの勇気が持てないでいるのは、「成幸に嫌われるのが怖い...」という感情がまだ彼女の中に残っているからなのかなとも思います。
もちろん、成幸くんには受験があって、自分も海外に留学をする。今はお互いにとって”そういう時期”なわけですから、「告白」をするのは今じゃない...と考えるのは自然な発想ではあるでしょう。
ただ、自分以外に成幸くんに好意を寄せている子がいることを知ったとしたら、多少事情は変わってくるんじゃないでしょうか。それでも、彼女は「好き」の気持ちを言葉にしないまま留学先に飛ぶのか、あるいは留学前に一波乱があるのか。
正直、ここら辺の展開が全く読めないのでワクワクしているのですが、
もう物語も既に12月で、うるかの「留学筆記試験」が2月であることも明かされたわけですからね.....。
12月と言えば、ラブコメにおける究極のイベント「クリスマス」も控えているわけですし。大事な受験期とはいえ、一年に一度の聖なる日を盛大に無視することはないと思いますので、クリスマスあたりに大きい展開が待ち構えていたりするのかもしれません。
まぁ、うるかと理珠ちんの長編がここに絡んでくる可能性も無きにしも非ずかとは思いますが、僕的にはもう一度文乃さんの長編があって欲しいとさえ思えっているくらいですから、どんな展開もバッチオーケーの構えではいますね。
いよいよ12月。聖なる日に成幸くんとの関係性を変えるヒロインは現れるのか。ここからの展開に全力で注目したいところです。
.....というわけで、今週の感想をまとめると、
次週は文乃さん回!
次週の文乃さん回が楽しみ過ぎて、早く来週になって欲しい!ってことですよ。
朝の占いで一番になった文乃さんに幸運が訪れる...といった趣旨の内容みたいですが、要するに、最高に可愛い文乃さんが拝めるということですよね。
もはや、文乃さん回が読めるだけで我々文乃さんスキーからすれば至上の喜びなんですけれど、一体筒井先生はどれだけハッピーな展開を見せてくださるのでしょうか。来週の『ぼく勉』に期待しております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。