『五等分の花嫁』58話 感想、あなたを好きになってよかった...!中野一花が向き合った自分の”気持ち”!
五等分の花嫁 58話 「最後の試験が一花の場合」 感想
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『五等分の花嫁』が最高に熱い....。
以前の感想でも、一花さんが三玖の点数を超えて来たら面白いな...とは書いてきましたが、実際に描かれるとこんなにも破壊力が高いとは...。今週のお話を読み終えた後は、ついにここまで来たか...という感慨深い気持ちで頭が一杯になっていました。
僕はこういう展開がとても好きです。同じ人を好きになって...、「なんで好きになっちゃったんだろ」と悩まされて...、それゆえに自分の想いから目を逸らそうとまでしてしまって...。そんな葛藤に思い悩む少女の姿をここまで純粋に描けるのもヒロインが複数人いるラブコメ漫画の特権なんですよね。
そして、やっぱり「自分の気持ち」を誤魔化すことは出来ないのです。だって、他でもない「自分の気持ち」なんだから。誰よりも自分が一番よく知っている。一度その想いに気付いてしまったなら、もう嘘のつきようがない。「好き」の気持ちは絶対に否定出来ないんです。そこに「人間」らしさを感じるから僕はこういうお話が好きなのかもしれません。
さて、前置きが長くなりましたが、今回はそんな一花さんの物語。彼女が自分の気持ちと向き合うまでの軌跡を振り返ってまいりましょう。
<最後の試験編>
中野一花が向き合った自分の”気持ち”!
”最後の試験”編4人目として描かれた今週の一花さんのお話。
順番的には予想外だったものの、内容としてはとても王道に彼女の内面を追いながら一本のエピソードが作られていたなと思います。もはや胸キュン必至ですよ。何度「今週の一花さんが可愛すぎる...!」と叫びたくなったことか...。正直に申し上げて、今週はもうページを捲るたびにドキドキしっぱなしでした。
まず今週のお話の何が素晴らしかったかと言えば、やはり彼女がなぜフータローに惹かれてしまうのかが描かれていたことでしょうか。
これまで「なんでキミなんだろうね(33話)」「よくわかんないけど...こう見えて男らしい一面があったり(38話)」と曖昧な心の内を述べてきた一花さんが、今回のお話では「きっと...こういうトコなんだろうなぁ」と言っている。
要するに、以前三玖が明確にフータローの魅力を語ったように、一花さんもまた彼女が抱いている上杉風太郎の魅力をもうきちんと”自覚”しているんですね。そして、それが彼女が繰り返し呟いていた「なんで好きになっちゃったんだろ」という問いへの答えにもなっている...と。
じゃあ、一花さんが気付いたフータローの魅力(これは物語的に現時点で2人が築いてきた関係性とも言える)ってなんなのか。そこが今週の一つのポイントにもなっていると思うので、少し筋道を立てて掘り下げていきたいと思います。
”支える人”としての中野一花
まず大前提として、中野一花ってどういう人なのか...という所から語っていきたいのですが、結論から言うと、一花さんって基本的には「支える人」として描かれているんじゃないかなと思います。
不完全ながらも、今の5人の生活を支える屋台骨になっていることもそうですし、三玖の恋をサポートしてきたこともそう。今回、貯金もギリギリなのに、お姉さんぶって見栄を張ってしまったところもそんな彼女のパーソナリティが表現されていましたよね。
そうやって彼女はこれまでにも「長女」として姉妹たちを支えてきました。かつてフータローが「長女だけあって...冷静な目を持っている」と評していましたけど、これは裏を返せば彼女が「長女」としての役目をずっと背負ってきたことの証にもなっているんですね。
それを踏まえると、やっぱり彼女の恋物語において花火大会編はとても重要な「原点」にもなるお話なんだなぁ...というのを再認識させられる気がします。
だって、「長女」として胸を張れるようになりたいという想いを抱えながら、あの日オーディションを前に臆病になっていた一花さんの「心の支え」になったのが、他でもなくフータローだったわけですから。
そして、個人的にはこの点にこそ、彼女がフータローに惹かれた理由があると思うんですよね。つまり、「長女」として背伸びをしてしまう彼女にとって、フータローが「等身大の中野一花を見てくれたこと」に大きなポイントがあったんじゃないかなぁ...と。
だからこそ、今回のこの2人のやり取りがとても輝いて見えるのかもしれません。
見栄を張ってしまう自分を「ドジだな」ってぶっきらぼうな言い方で心配してくれる。「あ 腫れてる」なんて言わなくてもさりげなく気付いてくれる。それが彼女を「腫れ物」のように神聖視している(見上げている)モブ男子たちとの違い。彼女がフータローへの想いを止められなくなってしまう理由。
もちろん、ここまで語ってきたことは完全に僕の印象ではありますが...、でも偶然か否か、一花さんの恋心が大きく動いた瞬間って、基本的にフータローに「支えられている」構図になっているんですよね。これが非常に気になるところではあるわけで...。
しかも、今週の「ドジだな」というセリフが、28話で一花さんの恋心が目覚めたシーンを踏襲した形になっていたのも凄くグッとくる演出だなぁ...と。
長女として、ずっと「支える」立場にいた彼女だからこそ、最高に光るシーンになっている。今回はそんなことを考えさせられる回でもあったのかもしれません。
一花さんが乗り越えた「長女」としての想い
しかし、一花さんにもついに「長女」という壁を乗り越えなければいけない時がやってきました。三玖の「覚悟」を聞いた時の一花さんの表情がもう彼女の気持ちを雄弁に物語っていますよね。
フータローへの想いを原動力にして、三玖はどんどん変わっていきます。自分の気持ちにどこまでも正直に。そして、自分の気持ちにブレーキをかけてきた一花さんとはまるで正反対に....。
そんな三玖の本気の姿を見て、おそらく初めて一花さんは(無意識的にでも)「負けたくない」と思ったのではないでしょうか。
ずっと「長女」として妹たちを支えてきた彼女が、「長女」という壁を取り払い、きっと初めて同じ土俵に立って、三玖に、そして「自分の気持ち」に向き合っている。フータロー君に対する想いは決して三玖にだって負けてない。三玖が想いを原動力にしているなら自分だってそう。この試験は彼女にとってそれを証明する戦いです。
その背景を踏まえると、三玖が一花さんへ語ったセリフが、フータローの「生徒」を卒業できたら...という文言だったのはやはり凄く秀逸だったなと思わされるじゃないですか...。
かつて「あなたの生徒でよかった」と笑顔で語ったヒロインである一花さんに対して、「生徒」からの卒業という意志を(図らずとも)表明した三玖。これまでの関係性から一歩を進めるという意味で、一花さんへ宣戦布告をする表現を選ぶなら間違いなくこれ以上のものはないと断言できますよね。
それゆえに、一花さんの気持ちが揺らめいた。後悔はしたくない。自分だって、もう「生徒」という関係性以上にフータロー君のことが好き。だから今ならきっと、こう強く想える。「あなたを好きになってよかった...!」と。
だからこそ、一花さんの本心が三玖の覚悟を超えてくる展開が最高に熱いのです!一花さんの不敵な表情を見た瞬間、新しい扉が開かれてしまいそうなレベルにゾクゾクさせられたのは決して僕だけではないはず...。
本当にここからどうなってしまうのでしょうか...。ひとまずは三玖の告白イベントがなくなったので、恋愛方面においては一花さんのセリフ通り「もう...少しだけ...」今の関係性が続くのかもしれませんが、次に大トリで控えているのが二乃だからなぁ...。何か、大波乱がある気がしてなりません!
まぁさすがにここまで来ると、今回の試験はみんな無事に突破するとは思いますし、ほぼ間違いなく「悶絶レベルの恋愛ストーリー」が描かれることにはなるのでしょうけれど、果たして次の二乃回でどんな締め方をしてくれるのか。非常に気になるところですね。
というわけで、今週の感想をまとめると...、
今週の一花さんが可愛すぎる問題!
今週の一花さんが最高に可愛かったなってことですよ!
驚いたり、困ったり、不敵な笑顔が見られたり...。コロコロ表情が変わる一花さんが見られて今週もとても大満足でありました....。
ようやく自分の気持ちに向き合えた一花さんの物語。「長女」でも、「生徒」でもなく、「女の子(異性)」としての輝きを放つ、今後の中野一花の”恋路”がとても楽しみになる回でした。当ブログは一花さんの恋を全力で応援しております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。