ぼく勉 問95 感想「そうして彼は頓悟して[x]が為に走り出す」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話(95話) 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』はセンターカラー!
ふむふむ。やはり素晴らしいものですね。何が...?と聞かれれば、無論、あしゅみー先輩のお尻がです。実に見事なアングル。アニメ化の影響もあって、心なしかカラーが増えてきている気がするのも最高と言えましょう。
61話 | 夏:5人の水着姿(人気投票発表) |
68話 | 文乃さん&成幸くん(文化祭のキス) |
76話 | アニメ化発表・表紙巻頭カラー |
83話 | 秋:うるか&あしゅみー |
88話 | 文乃さん&成幸くん(最愛の星) |
92話 | 冬:クリスマス衣装の5人 |
95話 | 冬:あしゅみー&理珠ちん |
実際に76話のアニメ化発表回の前後を振り返ってみると、どんどんカラーの間隔が短くなっているのがわかります。しかもこの内、成幸くんがカラーの扉絵(※表紙を除く)に描かれているのは、68話と88話の2回のみなわけですが、その両方ともが文乃さんとのツーショットになっているんですよね。
迸るほどの可愛さである
えぇ、もうみなさんにもお分かりいただけたことでしょう。つまり、文乃さんと成幸くんは離れることの出来ない運命の赤い糸で結ばれた関係なのです!一体、挙式はいつになるのでしょうか。あぁ、花嫁衣装の文乃さんが見られる日が楽しみだなぁ......。(※個人の妄想です。)
<関連記事>
ぼく勉 95話:唯我成幸の第一歩!駆け抜けた先にある”景色”を求めて...!
さて。今週は前回の予告にもあった通り、マラソン大会を軸にして物語が展開されておりました。
もちろん、このマラソン大会の優勝候補筆頭は、一之瀬学園が世界に誇る”体育会系少女”の武元うるか、その人です。スポーツと言えば、当然彼女のフィールド。そんなうるかをバリバリに意識しまくる成幸くんの様子が、これまたお可愛いこと...という感じの構図でしたよね。
まぁ、普通に考えれば、それなりに親しい間柄だった同学年の女の子とマウストゥマウスでキスをしてしまったのですから、意識してしまうのは当然のことでしょう。
なんせ、理珠ちんの時は「100%事故(=感情由来で起こったものではないキス)」だとわかっていた分、必要以上に尾を引くこともなかったわけですが、うるかとのキスはそうではないわけですし。むしろ、何も感じていない方が違和感があるくらい。しかも今回、そのキスが”挨拶”ではなかったと、認識するに至ってしまいましたから.......。
であれば、なんでキスをされたんだろうと考えるのが必然というもの。しかし、肝心の理由がわからない。「そいつのこと好きじゃないはずなのに」「キスをされた」。それは、一体なぜなのか。繰り返し考えても、納得のいく答えに辿り着かない。
かつて、理珠ちんに”キス”というものの神聖さについて偉そうに講釈をたれたくせに、結局”人の気持ち”がわかっていないのは自分だった。理珠ちんとの会話を通して、成幸くんはそんなことを思い知らされたのですね。
その時ご友人自身はどう思ったのでしょうか
むしろそこが肝要なのでは?
ゆえに、困り果てた成幸くんへ、理珠ちんがこのセリフを語ることになったわけです。
なぜ、キスをしようと思ったのか。もちろんそれも気になるけれど、より大切なことは「キスをされた側の気持ち」。その時、された方はどう思ったのか。それをこそ考えるべきなんじゃないか。そう問いかける理珠ちん。この考えを、他でもない彼女が言えることに、物語的な意味がありますよね。
だって、29話の頃の彼女は、キスの「合理的的意義」について考えているような娘だったんですから。
そんな彼女が、「理由」だとか「意味」だとかはまず一旦抜きにして、キスをした時の「気持ち」はどうだったのかを考えるべきだと語っている。もちろん、まだまだわからないことはたくさんあるけれど、この答えを出せたこともまた、彼女が確かに成長している証なのでしょう。
そう思うと、やっぱり時の流れを強く意識させられますし、色々と感慨深い気持ちにさせられる回だったようにも思います.....。
”憧れ”と”恋”!この空はどこまでも続いている!
一方、理珠ちんの言葉を受けた成幸くんは、自身の気持ちにきちんと向き合っていました。
①ショックで(⇒うるかの留学の件が)
②面映ゆくて...(⇒置いてかれている自分の情けなさが)
③でもやっぱり嬉しかった(⇒うるかが夢を追いかける姿が)
これがキスをされた時の飾らない気持ち。ここに偽りや誤解、深読みの余地はありません。他でもなく、彼自身の胸に問いかけて出てきた感情なのですから、「キスという行為そのもの」についてどうこうという部分を抜きにしても.、あのキスの一件を通して、この3つの感情が同時に芽生えたという事実は恐らく間違いのないものでしょう。
じゃあ、なぜ①~③の感情が芽生えたのか。
それはきっと、成幸くんがずっとうるかに”憧れ”ていたからなんだと思います。正確に言えば、うるかだけでなく、文乃さんや理珠ちんに対してもそう。以前から語られてきた通り、成幸くんの目には、”やりたいこと”に向かって毎日一歩ずつ前に進んでいく彼女たちの姿がとても眩しく映っていたんですよね。
なのに、自分はそこには行けない。義務や責任に縛られて身動きを取ることが”できない”。彼女たちはあんなにも一生懸命に自分の”夢”と向き合っているのに...。だから、いつも一緒にいたようで、どこか「距離」を感じてしまっていた。
特に、三者面談が描かれた”最愛の星”編や、うるかの海外留学の一件を知ることになったエピソードは、高校三年生である自分たちが人生の岐路とも言える重要な局面にいることを、またそれゆえに自分だけが彼女たちに置いていかれるんじゃないか...ということを、彼に痛感させるには十分すぎるイベントであったことでしょう。
しかし、それはやっぱり当たり前のことなんですよね。
立ち止まっていては、いつまでも前になんて進めない。マラソン大会はそれを象徴するメタファー。
無論、時には悩んで立ち止まってしまうことだってある。でも、それでも走り出さなきゃ。走り出せば、何かが変わる。動き出せば、何もないと思っていた自分も「みんな」のように”何者か”になれるかもしれない。
ゆえに、成幸くんは走り出したのですね。自分の気持ちが指し示した道(=進路)を。その時の彼を見つめる理珠ちんの表情が、まさに”輝いているモノ”を見るような目であったこともやはり印象的。
周回遅れだって、意味がなくたって構わない。遠くにいる自分が、本当に彼女達のように、”何者か”になれるのかどうか。ましてや、うるかのような”特別な何か”になれるのかどうか。そんな確証はどこにもありません。
でも、分からないからこそ見に行くのです。未来が見えたら、自由に動くことなんてできない。見えないからこそ、他でもない、”自分の目”で確かめに行く。
そんな彼の目の前に広がってきたのは、どこまでも無限に続いている青空でした。
それは、自分の気持ちに従って、やりたいことをやり切ろうとしている人にしか、仰向けになって倒れ込むくらい一生懸命その道を走り抜こうと思った人にしか、決して見ることのできなかった景色。
言い換えるなら、93話で真冬先生が語った「無限の未来」そのもの。未来の可能性は、この空のようにどこまでも広がっているんですよね。その事実に、彼はようやく気付くことができたのでしょう。
この一連の流れが本当に素晴らしかったなと。僕はこういう、”夢”に向かって生きる人の姿を見るのが好きなんですよ。だって、”憧れ”を原動力にして、自分もああいう風になりたいと思う青葉な心模様なんて、10代の青春を描くうえでの王道じゃないですか....。
そして、走り切った後、成幸くんの隣にいるのが文乃さんだったというのもまた何とも味わい深い締めでしたね。
しかも、今回文乃さんは普通に「右手」を成幸くんへ差し伸べているので、左利きである彼女が、花火のジンクスで右手を差し伸べていても全く不思議はなくなりましたし。
まぁ、うるかへの想いに「特別さ」があることは物語の随所で窺い知れるところではありますが、一方でその「特別さ」が、現時点で”憧れ”と呼べる類のものであったことが、今週のお話で示唆されていたようにも思えます。
もちろん、「並び立ちたい」というセリフがうるかにのみ発せられたものなら、”憧れ”が”対等”に変わっていくというラインを引くのが綺麗なようにも思えますけれど、マラソン大会の余韻として、うるかは先を行き、文乃さんが隣にいるという構図を残しているのも面白いなぁと思ったり。
真冬先生のセリフが「成幸君」になっている点(単行本で修正されるのでしょうか...)も含めて、今後の展開に期待したいですね。
というわけで、今週の感想を総括すると...、
古橋文乃さんの幸せを願っています!
今週も文乃さんは宇宙一可愛かったなってことですよ!
次週もまた文乃さんが御登場なされるみたいなので、俄然目が離せないというものですな。来週も楽しみです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。