ふわふわな日記

『五等分の花嫁』106話 感想:中野三玖が信じたものと"キス"の意味について!

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五等分の花嫁 106話「最後の祭りが三玖の場合②」 感想

五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『五等分の花嫁』を読了。

 

前回に引き続き今回も三玖視点のお話です。学園祭初日にたこ焼き屋で火事騒ぎが起こり、男女間の仲直りを実現し損なってしまった三玖。翌日(=2日目)も学園祭に参加出来ていることから体調自体に問題はなさそうですが、

 

フータローどこにいるの...?

フータローに会いたい...

 

という彼女のモノローグからは、隠しきれぬ「不安」が垣間見えていました。

 

そんな中、同時並行的に「竹林さん」襲来事件が発生することになり...というのが今回のお話の導入なわけですが、ポイントは三玖がどのようにしてこれらの試練を乗り越えるに至ったのかという点にありますので、今回は「心情面」に注目してお話を見ていければと思います。

 

 

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第106話:最後の祭りが三玖の場合②

 

さて。そんなわけで今週もまた三玖回です。

 

「クラスメイト達の和解」問題に悩む彼女へ追い討ちをかけるかのように飛び込んできた、風太郎が「知らない女子」と2人きりで学園祭を回っているというショッキングな光景。動揺を隠せず悶々とする三玖さんでございますが、

 

 

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信じたい

 

上杉さん昨日言ってたじゃん

私たち五人をす す...好きだって

上杉さんを信じよう

 

という四葉ちゃんからのフォロー(実際には四葉ちゃんも少なからず動揺していたのでしょうけれどそのあたりのお話は四葉ちゃん回で詳しく描かれるのでしょうか)を受け、かつて風太郎に言われた言葉を彼女は今一度思い返していました。

 

「自分が好きになったものを信じろよ」

 

それはまだ出会ったばかり(第3話)の頃、風太郎が直接語ってくれた好きなものに対する向き合い方。風太郎からすれば家庭教師として信用してもらうための言葉でもありましたが、一方の三玖にとってそれは自らの「指針」となりうる程に響く言葉だったのかもしれません。

 

 

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三玖が好きになったもの

 

だからこそ彼女は、フータローのことを「信じたい」と思う。

 

だって、たとえ「どんなことがあっても」フータローを好きな気持ちが変わることなんて絶対にないのだから。フータローを想い、フータローの言葉を信じて前に進んできたこれまでの日々。「料理の道に進みたい」という夢(=新しく「好きになったもの」)を見つけることも出来て、そこには三玖なりに頑張ってきた自負もある。ゆえにこの道に間違いはない。最近は少しずつそう思えるようになってきた。

 

...はず、だったのに。

 

そうして自分が信じてきた道を突き進んできたことで、自分がクラスを分断させるキッカケを作ってしまったことが今はもうもどかしくてやるせなくて....。そんな自分の「不甲斐なさ」が壁となり、今一度三玖の心に"迷い"が生まれていったわけですね。

 

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信じる事の難しさ

 

好きな人を信じる

そんな簡単なこともできないの...?

 

という自問自答がまさにその表れで。

 

「信じたい」気持ちと「不安」な気持ちの間で揺れ動く三玖の姿には、未だ拭いきれぬ自己否定感が垣間見えていたように思いました。

 

 

三玖が信じたモノ

 

しかし、そんな悩める三玖の心を引き上げる出来事として二乃の物語がタイムリーに絡み合ってくるあたりがまた素晴らしかったですよね。

 

彼女の努力の結晶でもある「パンケーキの味」を父・マルオに認めてもらえたこと。お母さんの味にそっくりだとその努力を褒めてくれたこと。それは、三玖が成長を果たし不可能を可能にしてみせたこと(=苦手だった料理を克服してみせたこと)をこれ以上なく鮮明に証明してくれるものでもあったのですから。

 

 

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私を信じて

 

だからこそ今の三玖なら「自分自身」を信じられる。

 

自分の意思をきちんと伝え「私が説得するから」と語る三玖の姿。その凛々しさ溢れる振るまいには、彼女の胸の中で確かに「自信」(文字通り「自分を信じると書いて自信」ですね)が花開いたことを雄弁に物語っていました。

 

そしてそれゆえに、今までよりもずっと「相手(=風太郎)」のことを強く信じる事が彼女にはできるのかもしれません。

 

「相手を信じること」「相手に期待すること」は似ているようで違うもの。相手が自分の期待(=それは"望み"であったり"想い"だったりする)に応えてくれるかどうかは相手次第であり、相手を信じられるかどうかはあくまでも「自分自身」の気持ちが主体となる。

 

だからこそ、「相手を信じる」ことは「自分の選んだ答えを信じる」ことと同じことです。自分を信じる強さがあって、初めて相手を信じられる。相手を信じられる「自信」が持てるから、自分の気持ちをきちんと伝えられる。

 

 

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三玖からのキス

 

そんな三玖の「ありったけの気持ち」が込められたキスの破壊力があまりにも凄すぎて...。

 

自身の可能性を諦め嘆くばかりだった一年前の自分へさよならを告げるかのように、

 

 

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もう迷わない

 

もう迷わない 

 

と宣言して見せた三玖の成長がとても眩しく感じられる、本当に最高の三玖回でした。今後の三玖の活躍を心より応援しております。

 

 

 

『五等分の花嫁』におけるキスの意味

 

さて。かくして一花さんから三玖まで「2週×3人」に渡って個別のエピソードが描かれてきたわけですが、改めて3人のお話を振り返ってみると、3人ともにちょっとした「共通項」が見受けられるかと思います。

 

 

 

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一花さんの答え(第102話より)

 

「素直な気持ちを大切に...なんて

 そうだよね フータロー君が誰を選ぼうと関係ない」

 

 

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二乃の答え(第104話より)

 

「この先私たち姉妹の関係がどのように変わったとしても

 私の気持ちは変わらない」

 

 

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三玖の答え(第106話より)

 

「たとえどんな越えられない壁が現れても

 自分を信じる限りどこまでも進んでいける」

 

 一花さんも二乃も三玖も、最終的に「自分の気持ち」と向き合い「自分自身」を信じることで一つのゴールに辿り着いていました。そして、そのゴールには「キス」という行為が付随してもいる。

 

無論、風太郎の立場からすれば「まさか複数人とキスをすることになるなんて...」的状況ではあるかと思いますが、それでも彼女たちの「真剣な気持ち(=覚悟)」を今一度再提示するという意味において、作品的にもキス以上の描写はやはりなかったのかもしれませんね。

 

この先何があろうとも、たとえどんなことが起ころうとも、この気持ちだけは絶対に変わらない。そんな強い覚悟を示すバロメーターとして「キス」という行為がそこにある。今回の「最後の祭り」編はそういう文脈の元に成り立っているお話だと思いますので、その「真剣な気持ち」を受け止め、今度は風太郎自身がそれに見合うだけの真剣な「答え」を返していくことになるのかなと。

 

 

願望も込みでそんな展開が待ち受けていることを期待しております。

 

 

四葉ちゃんと五月について

 

というわけで長々と書いてきた今週の感想ですが、最後に残る2人のエピソードについて個人的な所見を書いて締めたいと思います。

 

四葉ちゃんと五月の個別回で現状気になっている点は大きく分けて以下の2つ。

 

①:「倒れた妹」はどちらなのか

②:四葉ちゃんと五月は風太郎へ「キス」をするのか

 

まぁ①に関しては正直「五分五分」といったところでしょうか。順当に学級長のお仕事(+お手伝い)で大忙しの四葉ちゃんが倒れたと考えることもできれば、夜遅くまで勉強に明け暮れていた五月が寝不足で倒れた可能性もありえる。

 

 

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夜遅くまで勉強をしていた五月(第105話より)

 

ただ、今回の「最後の祭り」編はこれまでのエピソード──公園のベンチ(一花さん)、バイクの2人乗り(二乃)、屋上+抱き付き(三玖)などがまさにそうですね──になぞらえてお話が構成されていると思われますので、その観点で考えれば五月の可能性はそれなりにありうるのかもしれませんね。

 

第33話~第34話のお見舞い回で五月が風太郎に「勉強する理由」を問い質していた状況の対比として、今度は風太郎が五月に対して「勉強への想い」を問うような場面が描かれても不思議はなさそうですし。

 

 

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四葉ちゃんと五月

 

また、四葉ちゃんと五月は風太郎へ「キス」をするのか」問題についてですが、まぁここまで来ると「全員キス」もありえそうな気はしてきますよね。

 

少なくとも四葉ちゃんに関しては、姉3人達にも決して負けないくらいに強い「動機(=真剣な気持ち)」を胸の内に隠しているわけですから。後はその気持ちに真っ直ぐ向き合えるのかどうか、そして、彼女自身のやりたいことを見つけていけるのかどうか、そこにメスが入ってくるのかなと。

 

とはいえ、上記の内容に合わせて「写真の子」要素を絡めるとすると流石に個別回2話で描くには尺的に難しかろうとは思いますので、四葉ちゃんのお話はどう転ぶか読めないというのが正直な印象ではありますが。

 

 

そんなこんなで四葉ちゃんと五月の2人にとっても「覚悟」を示すような学園祭となるのか。来週以降のお話を楽しみに待ちたいと思います。

 

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。

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