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『ぼくたちは勉強ができない』100話 感想、桐須真冬が歩んだ道!ついに”氷の女王”の過去が明らかに!?

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ぼく勉 問100 感想「黄昏に氷の華は[x]と舞う①

ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意

 

今週の『ぼく勉』を読了。

 

ついに、できないヒロインたちが織り成す物語も100話目に突入しました。先日、単行本の第10巻が発売された際には、夢の2桁目が刊行されたことを筒井先生も大変喜ばれておりましたけれど、連載話数的には今回でめでたく3桁の大台突破です。

 

これまでの歩みを振り返ると、感慨深さもひとしおというものですよね...。

 

 

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真冬先生の長編

 

そんな記念すべき第100回目のお話だからこそでしょうか。満を持して、「真冬先生の長編エピソード」が放たれることになるという...。

 

もはやタイミングも含めて、筒井先生の本気を感じるレベルですよ。長らく、謎のままにされてきた真冬先生の過去。物語の初期段階の頃から、個人的に文乃さんの家族問題と同じくらい楽しみにしていたお話なので、いよいよこの部分に踏み込んでいくことになるのかも...と思うと、正直胸の高鳴りがヤバいですね。

 

これまでに歩んできた道とこれから歩んでいく道。「過去」と「現在」が交錯するとき、桐須真冬は一体何を思うのか。そして、この物語の果てに彼女は一体何を掴むのか。今回はそういった点を意識しながら、お話を振り返って参りましょう。

 

 

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ぼく勉 100話:黄昏に氷の華は[x]と舞う

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真冬先生回!

 

今週から始まった真冬先生の「過去」にまつわるエピソード

 

大まかな導入について触れるなら、「教育番組の取材」を受けたことでフィギュアスケート選手として活躍していた彼女の「過去」が明るみに出てしまうことになり、有名人としてファンに追いかけられていた真冬先生を成幸くんが助けてそのままデートをするという展開になっていたわけですけれども、まず興味深いのが”サブタイトル”ですよね。

 

 

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過去と現在の桐須真冬

 

黄昏に氷の華は[x]と舞う

 

前任者という決まり表現もなく、文乃さんの長編と同様に短くて意味深なサブタイトル。ここで気になるワードは、やはり「黄昏」「氷の華」の2つでしょうか。

 

まぁ、「氷の華」に関しては疑う余地もないくらい明白に真冬先生のことを指しているワードであろうとは思いますが、フィギュアスケート選手(=氷の華)」という意味と「笑顔を生徒に見せない完全無欠の美人教師(=氷の女王)」という意味の両方に掛かっていると読み取れるのは凄く面白い構造なのではないかと。

 

なんせ、それはそのまま”過去”と”現在”の比喩でもありますから。周囲との関りを犠牲にして、孤高のフィギュア選手としてたくさんの賞を勝ち取ってきた過去の桐須真冬と、才能の味方として生徒に一目を置かれている現在の桐須真冬。

 

そのどちらの彼女も「氷の華」と表現して差し支えないでしょう。そういう意味でも、この物語の文脈において、「氷」という言葉の持つ意味は、閉ざされてきた彼女の「笑顔」と対を成しているようにも思えますよね。

 

 

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桐須真冬のこれまでとこれから

 

友人とゲームセンターへ行ったり ボウリングをしたり

ショッピングやデートを楽しむなんて

私にはずっと無縁のものだったから

 

じゃあ、「これまで」がそうならば、「これから」はどうなのか。

 

人生は「選択」の連続です。そこに例外はありません。時は巻き戻らないし、何かを選ぶということは、同時に何かを選ばないということでもある。

 

限られた時間の中で数多ある選択の全てを選ぶことは、やっぱり「現実」に即しているとは言い難いのです。僕ら人間が「選んだ道」と「選ばなかった道」を比較して、時に「後悔」という感情を抱いたりするのもここが出発点になっている。

 

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真冬先生の後悔

あれだけ...あれだけ努力して積み上げてきたものじゃない

一時の感情で捨ててしまって本当にいいの?

捨ててしまえば二度と戻ってはこないのよ

 

そして、学生時代の全て(=選択)をフィギュアスケートに捧げてきた桐須真冬というヒロインもまた、そんな「現実」と「後悔」に直面してきた人でした。

 

ゆえに、成幸くんが「教育大学」を目指すことに諸手を挙げて賛同することができない。「一時の感情」で、これまでに積み上げてきたもの(=VIP推薦の資格)を手放すことを良しとは思えないから。真冬先生が成幸くんへ向けて語った上記のセリフは、きっと「過去」の自分自身への問いかけでもあるのでしょう。

 

あれだけ努力して積み上げてきたフィギュアスケートという道を「一時の感情」で捨ててしまって本当にいいのか。捨ててしまえば二度と戻ってはこないのよ。

 

これらの言葉からも、彼女の中で未だ「過去」の選択による後悔が拭えていないことが伺えますよね。「選択」の重みを誰よりも知っている彼女の言葉だからこそ、このセリフにある種の説得力を感じる人も多かったのではないでしょうか。

 

 

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その選択の果てには...?

でも、成幸くんの言う通り、その道が間違っているかどうか(=間違っていたかどうか)なんて、終わってみるまでは誰にもわからないことなんですよ。

 

誰にだって「未来」がどうなるかなんてわかりません。だからこそ、僕たちは今という時間の中で「選択」を繰り返し続けていくんですね。一歩ずつ自分の望む「未来」に近付くために。きっと、それこそが前向きに(=未来に向かって)生きていくことなんだと信じて。

 

そう思うと、「どうせなら自分の気持ちに素直に生きてみようと思った」という成幸くんのセリフはやはりとても胸に刺さります。「選択」の重みを前に、身動きが取れなくなっていた少し前の成幸くんはもういないんだなって。まだ「家族」との問題はあるのだろうけれど、でも確かに彼は「前」を向いて走り出したんだなって。

 

今回の真冬先生エピソードは、成幸くんが「教師」という道を自分の意志で選んだ今だからこそ、描くことの出来るお話でもあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

桐須真冬は「過去」を乗り越えられるのか

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運命的な繋がり

 

また、真冬先生が「教師の道」を志した理由に成幸くんのお父さんが関係していそうであると発覚したシーンも、個人的にとても印象的でした。97話の感想でもなんとなくそうなんじゃないかとは述べていたのですが、まさか現実のものになるなんて...。あまりにも運命的と言わざるを得ません。

 

過去、奇しくも同じ人に影響を受けることになった2人が数年(成幸くんのお父さんは彼の中学の入学式数日前に亡くなっているので真冬先生が唯我父に出会ったのは5年半以上前であることは確定)の時を経て、「教師と生徒」という関係を結んだこと。そして、そんな彼と彼女が平行線の教育論を掲げる間柄になったこと。

 

もうね、これだけ見ても赤い糸の繋がりが見えてくるというものですよ。

そもそも、相反する2つの価値観を持った者同士が、お互いの姿から何かを学んでいく...というのは創作論の根本から言っても王道中の王道で、真冬先生のポジションは主人公・唯我成幸くんにとって、物語的に「唯一無二」性が非常に強かったというのに...。ここにきて運命的なフラグまで立とうなんて、ひたすらに感嘆させられるばかりでした。

 

 

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過去と現在が交錯する

 

とはいえ、まぁ、やっぱり今回の長編は、恋愛的進展以上に真冬先生が「これからの道」を選ぶことに焦点があるのだとは思います。

 

突如、美春さんからもたらされたフィギュアスケート選手復活の道。アイスショーへの参加を承諾して、フィギュアの道に戻るのか。はたまた、それでも教師を続ける道を選ぶのか。

 

今の彼女にはどちらの「選択」だって出来ます。ずっと、もう取り戻すことは出来ないと思っていたフィギュアの道は「過去」ではなくなりました。今この時点における桐須真冬の未来には確かに2つの道が用意されている。

 

 

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真冬先生の選択

 

わからないの唯我君

私は...どうしたらいいの...?

 

もちろん、現段階において彼女がどちらを選ぶのかはわかりません。成幸くん&成幸くん父の言う通り、楽しいかどうかも選択が間違いかどうかもやってみないとわからないですから。サブタイ通り、彼女がもう一度氷の舞台で舞うことになる可能性も大いにあるでしょう。

 

でも、ここで気になるのは、「黄昏」というキーワードですよね。「黄昏」とは日の沈む夕暮れ時のこと。つまり、一番明るい時期から見て、ピークを過ぎていることのメタファーです。かつて真冬先生が自ら、自分のことをそう評していたように。

 

そこを踏まえると、このアイスショーは真冬先生にとって、「これまでずっと抱いてきた後悔(=フィギュアスケート選手としての道)」に自分の中で一つの決着をつけるステージになるような気も個人的にはしています。

 

 「過去の後悔」を乗り越えることで「氷が解ける」=「笑顔の華が咲く」。「一時の感情」で選んだと評し、道を誤った末に行きついた先(=「無為」)とも語っていた教師という道だけれど、でもあの頃の「選択」が無為なんかではなかったと今は思えるから....。今回の長編はそういうお話になっていくのかなと。

 

 ....というわけで、今週の感想を総括すると、

 

ついに始まった真冬先生の長編に期待!

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桐須家の物語に期待

 

ついに始まった真冬先生の過去編に期待!ってことですよ。

 

今週の美春さんとのやり取りを見ても、真冬先生と両親は対立をしているわけではなさそうな感じですね。どちらかと言えば、真冬先生が両親に対して、フィギュアの道から外れたことを申し訳なく思っているような印象でした。

 

そういう意味でも、真冬先生がきちんと両親に最後のステージを見せて、これからは「教師として頑張っていく」という姿を見せてほしいなぁ...と。

 

動画を繰り返し見ているくらいだから、確実に娘のことを溺愛し、心配もしているのでしょうし。

 

 

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真冬先生と成幸くんの今後に期待!

 

加えて、この長編を通して、真冬先生にとって成幸くんがどういう存在になっていくのかという点にも期待してます!

 

真冬先生が成幸くんの姿に成幸くん父を重ねたりしていますし、何らかのきっかけ(唯我家にある遺影を見つけるとか)で親子だと気づいたりするのでしょうか。

 

まぁ、気付かなくとも、同じ教育者の「道」を2人は歩むことになると思うので、成幸くんがこの長編にどんな関わり方をしていくのかは気になるところ。文乃さんの時のような気持ちの前進は起こるのか。来週以降も楽しみです!

 


 ※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志週刊少年ジャンプ」より引用しております。