咲-Saki- 201局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
前回、圧倒的な力を見せ、ついに「九蓮宝燈」を炸裂させた現インハイ王者の宮永照。
「天和」と「九蓮」。麻雀役の中でも、最も出にくいスーパーレアのトップ3が1半荘で同時に飛び出すというあまりにも常軌を逸した一戦に固唾を飲むオーディエンスたちですが、この透華の台詞は大将戦で咲さんが「四槓子」を和了し、更なるサプライズを演出してくる前フリな気もしますね。
何だかんだで、全ての役の中で一番出現確率の低い役は「天和」ではなく、「四槓子」なのですから。有為の奥山の先にいる”深山幽谷の化身”をも乗り越え、あの長野県予選決勝でさえ登場しえなかった「四槓子」を以って、咲さんが最高の花を咲かせる。
先鋒戦で絶賛激闘を演じている照たちの姿は、そんな期待を抱かせてくれるくらいに熱いものでありました。
それに、今回は「怜×竜華」成分も非常に激熱でしたからね...。
立先生の場合、「うっかり服を描くのを忘れてしまいました(事故)」なのか、はたまた「うっかり服を描くのを忘れてしまいました(てへぺろ)」なのか、判断が難しいから困る.....。
いや、全然困らないんですけど。もはや、怜と竜華の仲ですし、これくらいは日常茶飯事のコミュニケーションということですよね。単行本でどうなっているのかにも全力で期待しておくことにしましょう。
<前回の感想>
高火力勝負の先鋒戦
一人は天和
一人は九蓮宝燈
優希と照が互いに「奇跡の役満」を応酬し合う、実にファンタスティックな半荘となったインターハイ決勝先鋒戦。
しかし、トシさんの言う通り、既に「倍満(4本場で17200点)+親の跳満(18000点)」を和了っている玄ちゃんも点数だけを見るならば、実質「子の役満」を和了っているようなもの。
逆に言えば、彼女がドラを独占している卓だからこそ、優希と照はドラを必要とせずに最高の点数を叩きだせる役満という役で勝負することを選択し、その選択を見事に和了りに結びつけて見せたことで、今の点数的優位を築くことが出来た、とも言える。
ドラを全く拠り所に出来ない優希たちが、ドラを必要としない最高火力の「役満」に行き着くというのは、物語的にも納得の結論ではありますよね。
が、こうなると必然、苦しくなるのはガイトさんである。
以前の感想でも触れましたが、東場では優希、南場では照、そして半荘全体でドラを独占して放さない玄ちゃん...という三者が猛威を振るうこの卓は、あまりにも状況が過酷すぎるのです。
率直に言うなれば、八方塞がり感が凄い。実際にガイトさんだって既に3回も和了っていますからね。それなのに、ぐうの音も出ない程のダンラスまっしぐら状態なわけで。もはや、キーボードを叩きながら、軽く同情の念が湧きあがってくるレベルでさえありました。
私の能力が宮永さんに向いてたってのもあるけどー
私一人やと とめられんかったと思うわ
そう思うと、覚醒状態で勢いに乗る”怪物”にブレーキを掛けられるプレイヤーの存在は、非常にありがたく感じるものでしょう。ガイトさんが荒川さんのことを事あるごとに思い出してしまうのも納得というもの。(荒川憩大好きマンのガイトさん好きです)。
荒川さんの弁によると、彼女の力は”照に向いた能力”とのことなので、やはり「他家が和了ったあとの局で配牌がよくなる」系統の力と考えて間違いなさそうですね。
そんな彼女の能力を以ってしても、どうやら3人がかりでないと照は止められなかったようですし、昨年の個人戦決勝卓は一体どんな内容だったのか...。4位の湯佐さん(現大学1年生なので回想でもないと出番なさそう...)の存在も気になりますし、いつか描かれる日がきたら嬉しいなぁ.....。(遠い目)
受け継がれる意志
〇南3局 8本場 親:宮永照 ドラ:不明
まだまだ続く、王者・宮永照の親番。
しかし、ここで優希が動きます。まぁ彼女は元々、照の「10回目」に焦点を当てていましたからね。止められない9回目が「九蓮」だったのは流石に想定外だったでしょうけれど、これ以上の連荘は必ず阻止するんだという意志は消えていませんでした。
そして、それはガイトさんも玄ちゃんも同じです。
これ以上、宮永照に連荘をさせてはいけない。その目的は共通している。でも、一人であの怪物を止めることはできない。であれば、道は三者の共闘をおいて他にない。
無論、ガイトさんの言う通り、玄ちゃんはドラを捨てられない性質上、手の狭くなる鳴きはリスクを負う選択ではある。でも、それでも、この状況を打開するために宮永照の下家に座わった「私にやれること──」。それは、準決勝ですばら先輩が示してくれたように、1巡でも多くチャンピオンのツモ番をトバすことである!
ようやくお気づきになられたようで
すばらだじぇ!!
ついに宮永照の連荘を阻止!
すばら先輩を彷彿とさせる、優希の仕掛けに玄ちゃんの献身。そして、怜を思わせるガイトさんの差し込み。
これは、その全てが揃ったからこその結果です。実際にその身で経験をした玄ちゃんだけでなく、全員があの壮絶な準決勝先鋒戦第一試合の激闘から確かに何かを受け継いでいる。
ロン チー ポン ポン
もちろん、和了り自体はただのタンヤオのみ3400点(1000点の8本場)でしかないけれど、髪型を真似、「花田先輩のかたきは取る」と言っていた優希がこの和了りを見せたことにはきっと「点数以上の意味」が込められていますよね。
なんせ、照がこの局テンパっていた手は「大三元+(おそらく)四暗刻」だったわけですから...。
なんなんだこの怪物は....。役満2連発なんて喰らってたらたまったものじゃありませんよ!優希、超ファインプレー過ぎる。嬉しそうに「すばらです」と語るすばら先輩の姿には、感慨深いものがありました.......。
前半戦終了!ガイトさんたちの反撃はなるか...
〇南4局 親:松実玄 ドラ:
ツモ
さて、そんなこんなで、照の長い連荘が終わりを告げたわけですが、続くオーラス南4局にガイトさんがまさかの三倍満(門前清一色ツモ平和一通一盃口)を和了し、三着に滑り込むという....。
いやー、最後の最後まで本当に激動の前半戦でございましたなぁ...。
〇現在の点数状況(前半戦終了時点)
1位 白糸台 :156500点
2位 清澄高校 :119100点
3位 臨海女子 :62500点
4位 阿知賀女子 :61900点
現在の点数状況は上記の通り。
前半戦だけでも中々に点差が開いてしまいましたが、ここからガイトさん&玄ちゃんの巻き返しは成るのでしょうか。
後半戦が始まれば、またまた優希の覚醒タイムが待っているわけなので、後半戦もかなり荒れていきそうな予感ですね。照の動向も当然見逃せないですし、ここから更に盛り上がっていくことに期待していく所存!
....というところで、次号から4号連続休載につき、次回は5/17発売号で掲載予定。
第202局を読む頃には新元号になっているので、今回が「平成最後の『咲-Saki-』」ということになるわけですか。正直、約2ヶ月半もの間『咲-Saki-』が読めないのは辛いですけど、でも、元号が変わっても私は待ってる!次回も楽しみです。