咲-Saki- 208局(以下、咲-Saki-本編最新話感想のため未読の方はネタバレ注意)
前回、数え役満に続く三倍満和了でダンラスからの急浮上に成功した、阿知賀のドラゴンロードこと松実玄ちゃん。
一方、点数こそ未だトップを維持しているものの、開幕の「天和」以降全く和了れぬまま他校の猛追を許す形となってしまった優希は、残る南場の戦いに対して強い焦りを抱いていました。
臨海のメガネが私より速く高い手の3連撃
そこから宮永照の連続和了
さらにドラ女が完全に化けてきた
上述の台詞通り、3人の強さに圧倒され手も足も出なかった後半戦の優希。
決勝戦に合わせて最速の状態に仕上げてきたというのに。自身のテリトリーである東場でさえも対抗出来なかった彼女らを相手に取り、ここから先の南場をトップで走り抜けることが果たして本当に可能なのか。
そんな片岡優希の持つ素の雀力、その真価が問われる状況から始まった今回のお話。早速見ていきましょう。
<前回の感想>
第208局「臨戦」
〇南2局 親:松実玄 ドラ:
続く南2局。大物手の連続和了で勢いに乗り、なおも「臨戦」体勢を崩さない親の玄ちゃん。
ドラ
配牌ドラ3のこの状態から、、、、の順にツモっていき、
ツモドラ3赤4の親倍・8000オールを和了!
待ちの平和を捨て、役無しの中膨れ単騎でツモ和了る。別室で観戦していた豊音たちが総ツッコミをしている通り、中々にめちゃくちゃな打ち方ですよね。
ドラのをツモってきた5巡目、
①ツモ切りであれば平和付き待ちの両面
②を切れば三色目の残る待ちの両面
③を切ればの三面待ち
この3つの選択肢が他にあった中で選んだ「打による単騎待ち」。
最後のを引ける確信がなければ、まずもってありえない打ち方だったと思います。後ろに控える「みんなのために」少しでもたくさんの点棒を稼ぎたい。2回戦と準決勝で自分の失点を取り返してくれたみんなに恩返しがしたい。
そんな玄ちゃんの強い想いに牌が応えてくれたということになるのでしょうか。ついに阿知賀女子の松実玄、この決勝先鋒戦がスタートして初めてトップへ浮上することになりました!
圧巻に次ぐ圧巻の大逆転劇。
『咲-Saki-』シリーズの伝統として一度絶望的な大差を付けられた高校が1位へと返り咲く展開はまま描かれてきたことですが、最強の高校生・宮永照を含むこのメンバーを相手に成し遂げて見せたことの意味は非常に大きい気がしますね。
阿知賀編で描かれた準決勝においてはほぼほぼ付け入る隙もなく、オーラスに一矢を報いるのがやっとな状況だったわけですし。3連続和了で未だ親番続行の玄ちゃんがこのままトップで宥姉にバトンをつなげることになるのか。
〇現在の点数状況(後半戦南2局終了時点)
1位 阿知賀女子 :113200点
2位 清澄 :102700点
3位 白糸台 : 97300点
4位 臨海女子 : 86800点
この点数状況でガイトさんと照の親番を残しつつ、場は「南2局1本場」へ突入であります。
世界を知る照とガイトさんの強さ
一方、怒涛のドラ爆三連撃によってついにトップを明け渡してしまった現在2着の優希ですが、
ダメだ...
手がつけられないじぇ...
バケモノどもめ...
と意外にも戦意喪失気味な状態に。
まぁ、ここら辺の差はやはり経験によるところも大きいですよね。
瞬間的な爆発力であれば優希の力はこの卓でも随一のものだろうけれど、「対応力・適応力・総合力」という意味でみると照やガイトさんたちには遠く及ばない。
なぜか。その根底にある理由はおそらく絶対的にくぐり抜けてきた修羅場(=苦境)の数が違うからであります。
長野県予選決勝で池田が言っていたように
「心が折れて弱気になったらくる牌まで弱くなる気がする」
「もし神がいるのなら前に向かう者を好きでいてくれるはず!」
という考え方こそが『咲-Saki-』世界を貫く絶対のジャスティスなわけですから。神(=立先生)が定めたその卓上のルールは、これまでにも幾度となく描かれてきた通りでした。
であればこそ、世界を知り数多の強敵と闘ってきた照やガイトさんが強いのはもはや必然というもの。どんな時でも置かれた状況を冷静に見定め、活路を見出すための最善の一手を模索する。
そんな2人の姿に「強さ」の一端を見出した優希は果たして、この困難を打破することができるのか。
県予選決勝の時のように椅子を回転させて気合を注入した優希の奮闘に期待したいところですね。次号は休載で、次回は11月1日発売号で掲載予定。ラストに親番を控えている照の"本気"にも注目しております!