『ぼくたちは勉強ができない』124話 感想、今日の私...どうですか?緒方理珠の"覚醒"に胸が熱くなった話をしましょう!
ぼく勉 問124 感想「天才の変貌は時に[x]の進境となる」
『ぼくたちは勉強ができない』 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『ぼく勉』は理珠ちん回です。
センター試験まで残すところ16日となり、元旦明けの1月2日から予備校の自習室で勉強に勤しむ成幸くんと理珠ちん。もはや、実質「予備校デート」と言って差し支えないのでは.....という具合のラブコメシチュエーションでございましたが、今回のサブタイトルが問57のエピソードとの繋がりを感じさせられるものになっていた点もまた秀逸でしたよね。
問124:天才の変貌は時に[x]の進境となる
問57:天才の変貌は時に[x]の盲目となる
「問57」で描かれた理珠ちんのイメチェン物語が「容姿的な変貌をメインに据えたお話」になっていたのに対し、今回のお話は容姿だけに留まらない「彼女の心境の変化や成長」を色濃く反映したお話が展開されていました。
クリスマスの長編を経て「変わった」緒方理珠の物語。一体、彼女にどんな変化がもたらされたのか。そんなところを踏まえながら、早速気になった部分について簡単に振り返って参りましょう。
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ぼく勉 124話:天才の変貌は時に[x]の進境となる
というわけで、年明け一発目のお話は予告通り理珠ちんの物語です。
先週の「初詣回」の時から既に描かれていて凄く気になってはいたのですが、髪の分け目を変えてイメチェンを図っている理珠ちんがとても新鮮な感じで非常に魅力的でしたよね。
髪型が変わったからなのか、表情が豊かになったからなのか、あるいはその両方か。
流石の成幸くんも「緒方 印象変わったよな」と彼女の変化に気付き、きちんとその変化を指摘していました。夏休み明けの 問51のお話で前髪ぱっつん状態の理珠ちんの髪型(=失敗)に全く気付いていなかった「彼の鈍感さ」を考えると中々に趣深い対比が見えてくるかと思うのですが、その実、それだけ理珠ちんが大きく変わったということの証左でもあるのかもしれません。
徹底した合理主義故に他者との関わりに難を抱えていた彼女が、物腰も柔らかくよく笑顔を向けてくれるようになった。女の子らしくおしゃれをして自分の大好きな人にアピールをする。しかも「無自覚に」ではなく「自発的に」。そういった彼女の様子からもまた、問57で描かれた物語との大きな差異が見て取れるのでしょう。
加えて、そんな理珠ちんのおしゃれアイテムが「勉強」のためという合理性と紐づけて語られていた点も興味深い部分だったでしょうか。
そこに彼女らしさが表現されている....という事を示しているわけではなく、"らしさ"を逆手に取り成幸くんの興味・関心を引くアイテムとして意図的におしゃれに取り入れている。これって、成幸くんの「心理」をきちんと理解していなければできない事なんですよね。
ゆえに、かつて彼女が語っていた「もっと知りたい...人の気持ち 自分の気持ち 成幸さんの...(気持ち)」という願いは確かに叶いつつあると言えるはず。
もちろん元々の目標は「人の感情を理解できるようになってゲームに勝てるようになること」であり、その意味においてはまだ夢の途中にいる状態ではあるのかもしれないけれど、しかし彼女はもう「機械仕掛けの親指姫」と呼ばれていた頃の彼女ではないのだなと、改めてそんなことを思わせてくれる回だったように思います。
今日の私...どうですか?
さてさて。そんなこんなで「髪の分け目(12.5%)」や「香水の香り(25%)」に続いて、「マニキュア(37.5%)」や「ネックレス(50%)」にも気付くことができた成幸くんでしたが、しかし今日の理珠ちんにとってこれらの物理的変化はあくまでも小手調べに過ぎません。
今回のお話の主題となるのは、そこからの「今日の私...どうですか?」という問いかけに対する成幸くんからの答えにありました。
というのも、「今日の私...どうですか?」というこの台詞は問57で描かれたやり取りのセルフオマージュなんですよね。
イメチェンを行いすぐそばまで理珠ちんが接近して成幸くんがドキドキしているシーンまでは問57で描かれていた構図と同じ。
しかし、イメチェンした姿を自分だとすぐに気づいてもらえなかったあの時 (=問57における[x]の盲目の時) とは明確に違うことがある。自分の大好きな人が「前より女の子っぽくなった」と言ってくれたこと、「綺麗になった」と言葉にしてくれたこと。
そんな成幸くんと自分との間に生まれた「進境 (=進展・変化)」に嬉しさを感じ、この日最高の笑みを浮かべている理珠ちんの姿。女の子らしさに満ち溢れたその姿にこそ、この1年を通じて彼女が手に入れた「気持ち的な変化」が表現されていたわけです。
また一つ大好きな人の気持ちを知り、成幸くんへの想いを強めた彼女が果たしてこれからどんなラストを掴んでいくのか。今週のお話はそういう余韻に浸らせてくれる、理珠ちんエピソード史上屈指の神回だったなと思いますね。(大歓喜)
.....というわけで今回の感想をまとめると、
緒方理珠、本気です。
覚醒した理珠ちんの今後の活躍に超期待大!ってことですよ。
正直、恋愛的に言って一番「告白」から近いのは現状だとうるかなんじゃないかなと思っていた所もあったのですが、恋心を完全に自覚してアピールを開始した理珠ちんの様子を見ていると、ここからどうなっていくのかちょっとわからなくなってきました。
文乃さんだけでなく、いずれはうるかや理珠ちんも友達が抱いている「恋心」を知る時が来るのかどうか。
きっとそれ次第で展開されるストーリーも大きく異なってくるのでしょうけれど、ひとまず来週は「妹の水希ちゃん」によるSEISAIエピソードが描かれる模様なので、これを機に唯我家の過去話とか心温まる物語が描かれたらいいなぁなんて個人的には思いますね。来週も要注目です!
※本記事にて掲載されている情報物は「『ぼくたちは勉強ができない』/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております。