五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
今週の『五等分の花嫁』を読了。
凄い....。ここに来て、超爆弾級のエピソードが投下されてしまいました。もちろん、語りたいことは山ほどありますので、それに関しては順番に後述していきたいと思いますが、正直な心境としては「ついに来てしまったんだ...」感はありますね。
『五等分の花嫁』ワールドにおいて、今なお重要な立ち位置を確立している始まりの女の子(=「写真の子」)。
彼女にとってフータローとの出会いはどういうものだったのか。そして、なぜ彼女はあの日、彼に「他じゃだめだよ」「君が必要だもん」と言ってくれたのか。
長い間、作品のシークレットゾーンにもなっていたこの部分がついに描かれていくのだろうと思うと、もうドキドキが止まらないレベルですよ。”思い出”を抱きしめて、彼・彼女たちはこれからどんな未来に向かうのか。今週はそんなことを踏まえながら、お話を振り返っていきたいと思います。
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五月の語る”もう一つの顔”(=隠し事)について
ではこうしましょう
あなたの隠し事を話してくれたら
私も”一つ”お話ししましょう
さて、今回は本題の部分から。
やっぱり、今週一番の焦点は五月の「隠し事」についてですよね。キスの一件があった第68話以降、彼女が隠し事を胸の内に抱いていた事は物語の随所で仄めかされていたわけですが、今回はその中の「一つ」が(読者に対して)明かされることになりました。
実は私は...もう一つの顔があるのです
そう、上記のセリフ通りですね。
五月の語る「もう一つの顔」。そして、五月が落とした 京都でのツーショット写真。この2点から、第42話でフータローの前に姿を現した零奈が五月だったという点についてはもう間違いはないのでしょう。
なんたって、あの写真は零奈がフータローの生徒手帳から抜き取ったものなわけですから...。絶対的に”エビデンス”が物語っている。無論、もう一枚写真があったのでは...という可能性や、誰かが落としたモノを拾ったのでは...という可能性も無きにしも非ずですが、どのみち変装セットの持ち主が五月であることの説明がつかなくなってしまいますので、「零奈=五月」という部分に関しては、現状「揺るぎない事実」と認識してしまって良いのかなと。
やっぱり言えない...
京都のことも全て...
こんなこと...なんて説明したら...
とは言え、これまでにも繰り返し書いてきた通り、「五月=写真の子」と断定してしまうには、正直、違和感があるのも事実なんですよね。
仮に、五月が過去にフータローと出会っていた女の子であるとして、なぜそれをフータローに「言えない...」のか。ここの部分を筆頭に、「五月=写真の子」に対して個人的に感じている疑問点がいくつかありますので、この機に少しだけその部分についても触れていきたいと思います。
「五月=写真の子」に関する疑問点
~「五月=写真の子」であった場合の疑問点~
①なぜ五月は自分が零奈であることを打ち明けようとしたのか?
②五月はどの時点から過去のことを覚えていたのか?
③41話における茂みの演出の意図は...?
④41話-42話で再会を果たした際、家出中だった五月がどうして変装セットを持っていたのか?
というわけで、早速ですが論点を明確にするために、五月が写真の子であった場合における疑問点を4つにまとめてみました。
まず①について。今週の五月はフータローに対して自分が零奈であることを告白しようとしていたわけですけれど、そもそもこれが不思議な話なんですよね。だって、零奈は「(零奈としては)もう君に会えない」とフータローに語り、自ら”さよなら”を告げてきた張本人なわけですから。
そんな彼女が今になって自身の正体を打ち明けようとしている。どう考えても、整合性が取れません。もちろん、あれから月日は経ち、再会したあの日と比べて、フータローに自信がついたから(自分を認められるようになったから)...と解釈することは可能ですが、裏を返せば、だからこそ今更言う必要があるようにも思えない。
とすると、このタイミングで「もう黙っていられない...」と考えた事には何かしらの理由があって然るべきでしょう。正体を隠していることに後ろめたさを感じたからなのか、もっと何か他に事情があるのか。この点は気になるところ。
また、五月が京都で「出会った子」だと仮定した場合、いつから「過去」のことを覚えていたのかという点も重要になってきそうですよね。
これまでの描写から言っても、物語の冒頭から五月が「5年前の事」を認識していたと解釈するには不可思議な点が多すぎる。仮にその全てが演技でフータローに正体を隠したいという意図があったなら、彼の過去について聞き出そうとしたり、「写真の子」をリフレインさせるような発言を繰り返したりするなんて事はまずありえないでしょうから。
御守りを5つ買って「五倍頑張ろう」とまで言っていたのに、その本人が御守りを買ったのか貰ったのかよく覚えていないという点にも疑念が残りますし、一体どういう経緯で五月は「京都のこと...」を認識するに至ったのか。2話でフータローの生徒手帳を見た時から疑問を持ち始め、41話でフータローの「勉強」する理由を知って全てが繋がったのか。ここは是非とも語られて欲しいところです。
「零奈 ≠ 写真の子」の可能性について
一方で、これらの疑問に対する一つの解として挙げられるのが、「零奈 ≠ 写真の子」説ですよね。
単純なお話、「(42話で再会した)零奈=五月」がほぼ確定的になり、さりとて「(5年前に出会った)写真の子=五月」に些かの疑問が残る現状においては、「零奈 ≠ 写真の子」説は当然一考の余地がある解釈です。要するに、五月が「写真の子」に成り代わって、「零奈」としてフータローの前に現れたということ。
なるほど。確かにこれが成立するとすれば、この件には2人以上のヒロインが関わっていることが確定するため、41話で描かれた「茂みの演出」の意図も理解できますし、自動的に②の疑問も解決され、同時にこのタイミングで五月が後ろめたさを感じている理由(=成り済ましてフータローを騙していることに対する罪悪感)の補強にもなる。
それに、第41話の感想でもこの件については触れてますが、「”偶然”会った四葉に持ってきてもらいました」という意味深なセリフとも繋がりが出てくるように感じられる点も面白いところでしょう。
あの日、二乃と諍いを起こして家出をした五月が上杉家に来るまでには「空白の一日」がありますからね。まだその部分については一切の詳細が語られていませんし、家出中で上杉家に居候していた五月が、自分の部屋にあるだろう変装セットを使って「零奈」になるためには姉妹の内の誰かの協力が必要だったはず...とも解釈ができる。そう考えれば、状況証拠としては申し分のない説のようにも思えます。
とはいえ、この説に疑問点が全くないかと言えばそうでもありません。
それが何かといえば、まさに零奈との再会とお別れを描いていた「七つのさよなら」編のエピソードとテーマが符合しない点。なにせ、あの時の四葉ちゃんは「必要としてくれる全ての期待に応えようとして、”誰にも相談できず”に自分で抱え込んで潰れかけていた子」として描かれていたわけですから。
それなのに、実際水面下では五月に協力を仰ぎ、落ち込んでいるフータローを励まそうとしていた...というのは、まぁ状況的に少し噛み合わない気もするじゃないですか。トラブルの内容が違うにしても、一花さんの「お姉ちゃんを頼ってくれないかな」のセリフが浮いてきてしまうようにも感じられる。
加えて、以前の感想でも書きましたが、誰かに協力を頼もうと考える「動機」が現状点ではやや不明瞭で、かつ協力関係にあるのに五月が独断で秘密を打ち明けようとしていた点も少し気にはなるんですよね。余程の事情でもない限り、流石に勝手に話してしまうなんてことはしないでしょうし、誰かとの協力説は今週五月が語った「誰にも明かせない...」という台詞に照らし合わせると違和感を覚えなくもありません。
もちろん、可能性としては非常にありえると思いますし、ここまで来たら実際にそういう展開であっても不思議は全くありませんけれど、現状提示されている情報のみで判断した場合、まだ確実な説である...とまでは断言し辛いところではあります。
写真の子の正体は...?ここから物語が動き出す!?
そんなわけで、個人的には逆に謎が深まってしまったようにも思える回だったんですが、それでもやっぱり「写真の子=四葉ちゃん」という印象は未だに強いんですよね。
上記のシーンも、見方によっては五月のセリフを意図的に遮っているようにも見えますし。協力説には「心情面」を考慮に入れてやや懐疑的な所見も書きましたけれど、「零奈 ≠ 写真の子」説についてはまだ何とも言えないのが現状かなぁ...と。
それこそ、「写真の子=四葉ちゃん」でありながら、他の姉妹たちが過去にフータローと出会っている可能性も(一花さんの反応含め)それなりにありえますので、現時点ではまだどんな可能性も100%にはなりえない。ストレートに「写真の子=五月」という線もありえないとまでは言えないですし、五月が何らかの経緯で「過去」について知り、独断で零奈を騙った可能性だって0%とは言えないはず。
三玖と四葉が...応援...
まあ、今回描かれたお話の要点を整理すると、「零奈=五月」は状況からも極めて可能性が高く、そんな五月が姉妹達の恋愛事情を把握した...というところは間違いないでしょう。
三玖がフータローに好意を寄せている事を知っている五月からすればどう考えてもこれは不自然な状況ですし、四葉ちゃんが「応援」側に回っていることにも何か思うところがあるような”含み”を匂わせているので、五月を起点にして、ここから一気にストーリーが動いていくような気はしますよね。
それに、中野父が「君にしかできないらしい」とフータローの事を評価していた点も、そこはかとなく「ゴール地点」を意識させられてしまう描写でしたし...。
フータローがこれまでに証明してきたもの。それは、「結果」と「覚悟」の2つです。結果主義者だった中野父のフィールドと、フータローが姉妹達に対して示した「覚悟」。片方だけでなく、その両方で「自分にしかできないこと」をフータローが証明したからこそ、中野父も「家庭教師としての彼」を認めることができたのでしょう。
そういった点を踏まえても、今後はそれぞれが”自立”を果たし、自分たちの”夢”に向かっていく...という方向に物語の舵が取られていくのは納得です。
フータロー自身、自分が何者になりたいのか、将来どんな事がしたいのか、まだ見つけることが出来ていないでしょうから、「過去」の思い出(=修学旅行編のテーマ)にきっちり決着をつけ、自分の歩みたい「未来」へと力強く羽ばたいていって欲しいですね。
そして、彼の”夢”に影響を与え、”彼”の隣を歩いていく女の子が誰になるのかも楽しみにしつつ、強い気持ちでこれからのお話を読んでいきたいなと。今週は改めてそんなことを感じさせてくれる回でした。
....というわけで、今週の感想を総括すると、
思い出の地”京都”で何が起こる...!?
ついに解禁される「修学旅行編」に超期待ってことですよ!
まさか、五月が零奈なんじゃないか...と読者に思わせてから描かれることになるとは思いませんでしたが、四葉ちゃんの存在を強調するブランコの導入も意味深でしたし、五月が落とした写真を見て不敵に微笑む一花さんの動向も気になる(=林間学校で金髪姿のフータローを見ているとはいえ、この写真だけで色々「過去」について感付いていそうなのも含みがある)ので、これから始まっていくであろう長編も、きっと穏やかにはいかないのでしょう。
当然、三玖のパン(そういえば33話でもパンが描かれてましたね)がクリティカルを起こす可能性もあれば、一花さんが写真の子に扮してフータローとの距離を縮めようとする可能性もある。
ストーリー的には四葉ちゃんと五月が中核を担うことになる気はしますけれど、二乃の決着をつける宣言も含めて「恋愛軸」にどんな進展が生まれるのかにも注目したいですね。果たして五月の隠し事は「一つ」だけなのか...。来週も楽しみです!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。