『五等分の花嫁』97話 感想、目に見えない"愛"と初めての挑戦!中野二乃が触れた父の想い!
五等分の花嫁 最新話 感想 ネタバレ注意
祝・連載2周年!
今週の『五等分の花嫁』は巻頭カラーです。扉絵を飾っているのは「夏だ!水着だ!世界一可愛い五つ子だァァアアア!!!」仕様の5人。まさか、第92話のプール回で着ていた水着をフルカラーの見開きで拝める日が来ようとは....。とても素晴らしい計らいに全力で感謝を申し上げたい気持ちでした。
昨年の連載1周年の時期を思い返すと、作中最長のシリーズ「七つのさよなら」編が大詰めを迎えていた頃で、センターカラーの扉絵と共にちょうどTVアニメ1期の制作が発表されたタイミングでもあったんですよね。本当に懐かしい....。
今やアニメ2期の制作決定や『五等分の花嫁展』の開催まで実現させてしまいましたし、今後どのような形で『五等分の花嫁』が更なる飛躍を遂げていくのか、いちファンとして心より楽しみにしております。
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第97話:変わり始める日常
さて本編。
学園祭に向けて色々と不穏な雰囲気が漂っていた前回のお話でしたが、案の定、開幕からトラブルが勃発。屋台のメニューを何にすべきなのか、「パンケーキ派」の女子と「たこ焼き派」の男子とで内部分裂が起こり、発案者である二乃と三玖がその争いの渦中に巻き込まれていました。
なるほど。まぁこの言い争い自体は本来、二乃の言う通り「二つともやればいい」で結論が付くお話ではあるのですよね。仮にそれが現実的に難しくとも、じゃんけんなりでどちらの案を採用するか決めれば公平に済ませることは容易にできるわけですから、そこまで感情的になって揉めるような案件でもない。
二乃を睨んでいた女生徒だって、何がなんでも「パンケーキ」をやらなきゃ気が済まない...という感情を抱いていたとは思えません。
女子なのに男子組の中にいるのはおかしい
媚を売って男子の誰かを狙っているに違いない
もしその相手が祐輔だったら...二乃ちゃんが相手なんて...私に勝ち目ないよ...
だからこそ、そこにはやはり感情的になって反発をする理由が他にあったわけですね。
正直、「二乃ちゃんが相手なんて...私に勝ち目ないよ...」というこの主張自体は、模擬店の出し物の話からは論点がズレている気もしますし、むしろそこを気にするなら「たこ焼き」派に属する男子の祐輔くん(つまりはあの武田くんですよね?)に賛同的な立場を示しておいた方が合理的なのでは...と僕なんかは思ってしまったりもするのですが、そこらへんの事情は複雑な乙女心というやつでしょうか。
まぁ、当の武田くんは「パンケーキ派」でも「たこ焼き派」でも「二乃派」でもなく、断然「上杉風太郎派」なので、この女子に勝ち目がないのはある意味において真実ではあるわけですが....(遠い目)。
ともあれ、風太郎としては二乃に向けられている「事実無根の勘違い」をきちんと正しておきたかったのでしょう。
ゆえに「二乃は俺をすっ...好きだからな」「だから仲良くしてやってくれ」と言ってまで事態を収束させようとした。その説得の仕方はあまりにも"不器用"で、そりゃもう一同を唖然とさせてしまうくらいの大事故発言ではありましたが、同時に二乃からしてみれば本当に嬉しいことでもあったわけです。
フー君が自分の為に問題の解決にあたってくれている。
無論、学級長としての役割や責任感も関係はしているのでしょうけれど、主体となっている動機は「二乃にも学園祭を目一杯楽しんでほしい」と考える風太郎の想いなんですよね。
確かに「陰でコソコソ」動くことは二乃のポリシーに反するのかもしれない。実際に自分の気持ちをオープンにして行動ができる二乃の在り方は理想です。でも、陰から見守るしかない何らかの理由や想いを抱えている人だっている。
そんな台詞をずっと陰から風太郎のことを見つめてきた四葉ちゃんが語っていた点がまた非常に趣深く感じられる部分でした。
その笑顔の裏にはどれだけの「想い」が詰まっているのか。今後の物語の中で本格的にクローズアップされる日が楽しみですね。
目に見えない"愛"に気付くとき
また、そんな流れを受けて、今週もう一つ重要なキーワードとして用いられていたのが「パンケーキ」です。
作中で繰り返し「ふわっふわ」とか言われると個人的にちょっとふわふわしてきてしまうのですが、二乃にとってはとても大切な「亡き零奈さん」との思い出の品であり、同時に「初めて挑戦した料理」でもありました。
その昔、母が作ってくれたパンケーキの味が恋しくて、父・マルオへ「パンケーキのお店に連れて行ってほしい」と懇願をした二乃。
しかし、マルオは頑なにその申し出を断ります。なぜか。それはきっと、「お母さんとの思い出の味」を大切にして欲しかったからですよね。
一朝一夕では作れないお母さんのパンケーキ。その味はたとえどれだけ裕福になろうともお金で買えるものではありません。だからこそマルオは、二乃をパンケーキのお店に連れていく事を拒んだ。お母さんの味を忘れず大切にしていた二乃には、自分でその思い出の味を再現できるようになって欲しかったから。マルオの想いとしてはそういうものだったのではないでしょうか。
そんな風に考えてみると、二乃が「自分のお店」を持ちたいという夢を見つけていった事とマルオの不器用な優しい行動には、物語的な繋がりを見出すことが出来るのかもしれません。
あの日、お父さんが調理道具を用意してくれたからこそ、料理に興味を持った自分がいる。お母さんが作ってくれた思い出の味とお父さんの"不器用"な優しさ。そんな2人の存在が二乃にとっての「夢の原点」になっていたんですね。
私たちが ここまで成長できたのは お父さんのおかげ
私もそう思えるようになってきました
そして、お父さんという存在にずっと「戸惑い」や「蟠り」を抱いていた五月が、父の不器用な在り方を認識し「感謝」の気持ちを顕わにしていたシーンも非常に意義深いものを感じました。
子供の頃からずっと気付くことのできなかった父からの"愛"を、いざ大人にならんとする彼女達が実感していく。贈られた招待状を見て、マルオは娘たちの感謝の想いに気付くのか。是非とも注目していきたい部分であります。
中野五月の悩みと成長
一方、五月の「D判定」問題に関しては、未だ風太郎との情報共有に至れておらず...な状況が継続。
五月と風太郎のすれ違いが後々どのような展開を生み出していくのかは気になるところですが、今回の五月の様子を見ると、正直そこまでシリアスな印象は受けませんでした。受験生なら誰だって等し並に悩みを抱えているものですし、思っていたよりは状況を客観視出来ているようにも見えたので、まぁ現状では何とも言い難いところです。
とはいえ、二乃が「B」判定で五月が「D」判定ということは、五月はそれなりにレベルの高い志望校を目指しているような雰囲気はありますよね。
結果的に風太郎と同じ志望校を目指していた...なんて状況であれば王道感溢れるドリーム展開ですが、果たしてどうなのか...。
もちろん普通に考えれば全国トップクラスの秀才と同じ大学を志望する学力を身に付けるなんて不可能だろうとは思いますけれど、風太郎の志望校が明かされていない以上は、まだあり得ないとも言い切れないんじゃないかなと。とりあえずは、「有名な講師の方による特別教室」とやらに期待ですね。
....というわけで、今回の感想をまとめると、
三玖とフータローのデートに注目!
三玖と風太郎のデートに要注目ってことですよ!
「フータローに用がある」と言っていた三玖ですが、一体どこに行く約束を漕ぎつけたのか。お盆明けのマガジンを楽しみにしております!
※本記事にて掲載されている情報物は「『五等分の花嫁』/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。